ある夜、鈴江 仁さんのもとにじゃがさんから一本の電話が入りました。前触れもない、じゃがさんからの着信。少し焦った声で告げられたのは、ある大型プロジェクトの責任者を務めてほしい、という話でした。
鈴江さんの返事は「分かりました、やります。」それだけでした。規模も体制も、ほとんど何も聞かないまま。
そして今、鈴江さんはmake standards史上でも過去最大規模となる、約100名が稼働するプロジェクトのマネージャーを担っています。なぜ彼は即答できたのか。会社はなぜ、その規模のマネジメントを経験したことがない人物にそれを託したのか。前編では、鈴江さんのキャリアとmake standardsとの出会いを伺いました。
※make standardsの代表の佐藤は、メンバーからも社外の方からも、親しみを込めて「じゃがさん」と呼ばれています。そのため、本記事でも「じゃがさん」と書かせていただいています。
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約100名の「現場の責任者」という仕事
広報:本日はよろしくお願いいたします。まずは、いま担っている役割を教えていただけますか。
鈴江:よろしくお願いします。現在はプロジェクトマネージャーというポジションです。いわゆる現場の責任者ですね。、プロジェクト全体の進捗・業績管理や、メンバーが成果を出すためのサポート。あとは現場のクライアントさんとのコミュニケーション、すり合わせも発生します。
広報:現在、何名くらいのメンバーが稼働されているんですか。
鈴江:現在97名ですね。おそらく、make standardsの中では過去も含めて最大規模なんじゃないかなと思います。
広報:プロジェクトとしては、ディレクターと鈴江さんで役割を分けて担当されているんですね。
鈴江:ディレクターはクライアントの経営陣との商談を含めたすり合わせを担っていて、私は現場のプロジェクトマネジメントを担当しています。
「もっとちゃんとした大手で働きたい」20代前半の方向転換
広報:ここまでの経歴を伺えますか。
鈴江:新卒で入社したのが2015年の7月で、ベンチャー系の広告代理店でした。ベンチャーは新卒でもバリバリ仕事を任せてもらえて、結果を残せばどんどん登用される、というイメージが当時すごく強かったんです。それで入社を決めたんですけど、思ったよりもトップダウンだったり、労働環境もあまりに厳しかったりして。もっとちゃんとした大手で働きたいな、と。
広報:それで転職されたと。
鈴江:はい、転職して2016年の7月から2022年まで、リクルートで働いていました。ホットペッパービューティーの営業をずっとやっていましたね。契約社員として入社して、そこから社員登用を受けて、6年半ほど在籍していました。
広報:じゃがさんとは在籍期間が被っていないのでしょうか。
鈴江:そうなんですよ。実はじゃがさんとリクルート時代に直接の接点があったわけではなくて。
2022年にリクルートを卒業して、個人事業主として独立しました。当時お付き合いのあったクライアントさんのコンサル的な仕事と、あとはホットペッパービューティーの営業をやっていたのもあって、自分でまつげパーマのお店を開業して、そのオーナーをやっていました。
「よくこんな奴に仕事を探してきたな」make standardsとの出会い
広報:make standardsにジョインされたのは、2023年の7月ですね。きっかけはどのようなものだったのでしょうか。
鈴江:きっかけは唐突なLINEの連絡でした。
まつげパーマのお店は自分が施術するわけではないオーナー職なので、現場での仕事がほとんどないんです。コンサルティングの仕事も、正直、週10〜20時間あるかどうかくらいのものだったので、完全に自分の手が余っている状況で「自分でもう少し何かやろうかな」と思っていたタイミングでした。
そのタイミングで、リクルート時代に最後にお世話になっていた方から、「じゃがさんという人が今、一緒に仕事できる人を探しているんだけど、ちょっと会ってみないですか」とLINEが入ったんです。
自分としては「週4とか週3の稼働になっちゃうかもしれないんですけど、それでもいいんですか」とお伝えしました。そうしたら「その辺はじゃがさんがよしなにやってくれると思うよ」ということで。元リクルートの方だという話もあり、じゃあ会ってみようか、と。
広報:実際にジョインする決め手になったのは何だったんですか。
鈴江:もうひとえに、自分の稼働条件に合わせて、じゃがさんが丁寧に仕事を準備してくださったところです。
正直、私はかなり高めの要求をしていたと思うんですよ。報酬がどうこうではなくて、当時は週4稼働で、しかも今後さらに週3に減らすかもしれない、という条件。お店ももっと大きくしていくかもしれないし、他にやりたい仕事が出てくるかもしれないので、稼働を減らす可能性がありますと。その上で、当時は基本リモートでお願いします、と。
広報:たしかに、なかなかの条件ですね。
鈴江:今思うと、じゃがさんはよくこんな奴に仕事を探してきたなって思います。
でも、ちゃんとクライアントさんと交渉してくださって、無事、私が提示した条件でいいですよという話になったんです。ここまでやってくださる方はなかなかいないなと思って、まずは一度make standardsで稼働してみようと決めました。
「これなら前向きに売れる」最初の案件の30ヶ月
広報:最初に入られたのは、どんな案件だったんですか。
鈴江:業務の自動化を支援するIT・SaaS企業で、フィールドセールスとしてお仕事をさせていただきました。商談がすべてオンラインだったのでリモートができましたし、私もリクルートで6年半ずっと営業をし続けてきたので、フィールドセールスなら活躍できるんじゃないかな、と。結構ハマっていましたね。
あとは、担当しているサービスが「これはすごく面白そうだし、役に立つサービスだな」と思えたんです。人の手でやっていた業務が自動化されていくというのが、私にはすごく魅力的に思えました。これだったら、自分はすごく前向きにお客さんに売れるなと。サービスの魅力プラス、自分の経歴とも合っていて、やれそうだなというところでしたね。
広報:実際、成果としてはどうだったんでしょう。
鈴江:2年半稼働したんですけど、担当していた中小規模のクライアント向けのフィールドセールス部隊の中では、おそらくずっとトップレベルだったと思います。求められている数値は30ヶ月間ずっと返し続けていましたし、他のメンバーの方々の生産性向上のために、私の商談動画が入社研修に使われていたり、スクリプトの部分で関わらせていただいたりもしました。
最後、プロジェクト異動が決まる直前には、その会社さんの中小企業向けフィールドセールスで、創業されてから初めての月間売上記録を出させていただいたということもありました。
「来月から、お願いしたいんだけどいい?」
広報:そして冒頭の、夜の電話につながるわけですね。
鈴江:これはじゃがさんとの笑い話でもあるんですけど、2026年1月からの新しいプロジェクトに移ることが決まったのが、2025年11月の月末だったんですよ。年末の繁忙期もあって、年明けから新プロジェクトでバタバタしました。
本当に、夜中に子どもを寝かしつけている時に、いきなりじゃがさんから電話がかかってきて。びっくりするじゃないですか、普通に。で、電話に出たら、ちょっと焦り声のじゃがさんから「鈴江、来月からあのプロジェクトをお願いしたいんだけどいい?」と。それだけで、「分かりました、やります」って。
広報:即答だったんですか。
鈴江:即答でしたね。いま振り返ると、よくよく考えたら分からないですよね、それだけの規模の話なので。一応、確認はあったんです。リモートじゃなくなって基本的に週5の出社になるし、しかも現場までも距離がある。それを踏まえても大丈夫か、と。
広報:その時点で、100名規模になるとは。
鈴江:全く思っていなかったです。ただ「そのプロジェクトのマネージャーを任せたい」というところだけでしたね。
私が入った時点では、まだ本当に少人数のチームでした。それが数ヶ月で一気に増えていって、今の規模になっている。最初のミーティングでディレクターとじゃがさんと今後のプロジェクトビジョンを話した時に、「こんなに大きくなっていく予定のマネージャーを任されたんだ」って、そこで初めて実感した感じでしたね。

「できるかどうか」ではなく「兆しがあるかどうか」
広報:改めて、make standardsはどんな仕事の任せ方をする会社だと思いますか。
鈴江:「今、その人ができるかどうか」よりも、「今後どうなりそうか」を見ている会社だと思います。マネージャーにしてもディレクターにしてもリーダーといった役割についても、今までその経験がなかったとしても、成長する兆しがある、見込みがあるというところに対して、どんどん機会を託していく会社だなと。
私自身がまさにそうでした。マネージャーになりますよと言われた時点で、じゃがさんの中では「これは数十人から百人規模になるプロジェクトだ」という見立てが立っていたはずなんです。でも私は、その規模のプロジェクトマネジメントを経験したこともなければ、当時それができたかというと、正直、全然できなかったと思うんですよ。
もしかしたらじゃがさんの中で、「こいつは頑張って成長していけば、今後その規模を任せられるようになるんじゃないか」と期待をしていただいて、任せていただいたのかなと。その「期待」とか「兆し」に対して機会を託せるというのが、make standardsのすごいところだなと思っています。
そして鈴江さんは、その期待と現実のあいだで、これまでのやり方がまったく通用しなくなる壁にぶつかります。「30人を超えた途端に、回らなくなり出した」。
後編では、その「30人の壁」から、一人で返す成果とチームで出す成果の違い、そしてマネージャー以上のレイヤーでmake standardsに関わるおもしろさまで、さらに深く伺います。
鈴江 仁
◆プロフィール
1993年生まれ。同志社大学理工学部機能分子・生命科学科を卒業。2016年に株式会社リクルートライフスタイルに入社。美容業界向け販促メディアHOT PEPPER Beuatyのリテール営業、大手法人営業を担当。2022年10月に独立し、翌年7月から株式会社make standardsに参画。Saas企業でのフィールドセールスとして活動し、2026年1月から大手買取企業のPrjマネージャー就任。