「イキイキと働く医療従事者を一人でも増やし、医療に貢献する」というミッションを掲げ、医療の「人と組織」のコンサルティングを行うエムスリーキャリア。
当社の事業成長において、マーケティングは最も重要な役割の一つです。
企業によりマーケティング担当の役割はさまざま。
入社3年目を迎え、PdM(プロダクトマネージャー)として活躍するFさんに仕事内容やそのやりがいなど、たくさんの質問に答えてもらいました。
【Profile】
神戸大学卒業。新卒で予約受付システムを提供する企業に入社し、マーケティング企画を担当。
2021年6月にエムスリーキャリアに中途入社。
現在は、PdM(プロダクトマネージャー)として医師アルバイト(非常勤やスポットで働く医師)の集客を担うチームに配属され、アプリやサイト集客を担当している。
目次
成長できる環境へ。自分の選択次第で限りない成長を
大事なのは施策じゃない。アウトカムにこだわるマーケティングとは?
プロダクトによる医療への貢献とは?
ユーザーにとって価値があるもの。そこを突き詰めたい。
成長できる環境へ。自分の選択次第で限りない成長を
―中途でエムスリーキャリアに。転職したきっかけは?
社会人4年目を迎えるにあたり、今後のキャリアを考えたときに、新卒で入社した会社にいたままでは自分の思い描く成長の実現が難しいのでは、と感じたからです。
前職では、ネット予約の受付システムを提供する企業で、マーケティング企画部に所属していました。
販促キャンペーンの企画やメルマガ配信等のプロモーション、サイト改善などを行い、サイト利用者を増やすことがミッションでした。
一方で、短期的に効果が出やすいキャンペーン施策に重きが置かれていたため、サイトのユーザビリティ改善という視点での顧客体験の向上には思うように取り組めないことに悩んでいました。
そこで、顧客の本質的な価値を考えてサービス提供ができる企業や環境で、プロダクト(サービス)自体の魅力や価値を追求したいと思い、転職を決意しました。
また、新型コロナの流行という予測困難な事態があっても、事業として今後成長するもの・なくならないもの、かつ社会貢献も高いものに絞り、転職活動を始めました。
―多くの選択肢がある中でエムスリーキャリアに入社した決め手は?
エムスリーキャリアを選んだのは、業界No.1であること、そこが第一です。
しっかりと実績を残し、高成長を続けている環境だからこそ、学ぶことが多いと感じました。
マーケティング施策において、親会社であるエムスリーの医療従事者向け会員サイト「m3.com」を利用します。
「m3.com」は日本の医師の9割以上・薬剤師の7割以上が会員となっている「日本最大級の医療従事者専用サイト」であり、そのビッグデータを活用して、他社にはできない質の高い価値提供ができるんです。
データを基に意思決定する文化で、「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」を重視するため、偶然の成長ではなく根拠を伴った着実な成長が実現できると感じました。
それだけでなく、サイトやアプリのPdMとして早期に責任・裁量ある役割を担え、私が望む成長が実現できるのではないか、と期待が高まり、その時点で選考が進んでいた企業は辞退し、エムスリーキャリアへの入社を決意しました。
大事なのは施策じゃない。アウトカムにこだわるマーケティングとは?
―現在の仕事内容は?
医師アルバイト領域(※1)のマーケティング機能をチームとして担っています。
その中の集客を担うチームに配属され、エムスリーキャリアが運営する求人サイトやアプリからの医師の集客数をKPIとして追っています。
※1:定期や単発アルバイトを希望する医師および医師採用を行っている医療機関の支援を行う領域
ただし、エムスリーキャリアのマーケティング部では、医師を集客して終わりではなく、その後の採用決定のために必要な取り組みも行っています。
医師・医療機関が求める採用マッチングが成功し、実際に勤務できてこそ医師と医療機関双方にサービスとしての価値が提供できたことになるからです。
採用が決定するまでのプロセスで必要なことはすべてマーケティング部の業務範囲なので、医師と医療機関のマッチングをスムーズに進めるための施策にも日々取り組んでいます。
―エムスリーキャリアでのマーケティング業務。前職との違いは?
「課題の深掘り」が最も重要であり、そこを突き詰める点が大きく違います。
「顧客にとって何が課題で、課題が起きている要因が何かを探求し、仮説を立案する」など企画時点でロジックが一貫していることを重視しているのも特徴だと感じています。
前職と比較すると、今の方が本質的な課題解決につながる企画を自分で考え、推進できている実感があります。
施策の実行ではなく、顧客への価値提供(アウトカム)にコミットすること、事業側のメンバーやミッションの実現に貢献できること、にこだわっています。
―求められるレベルが高いと感じたのですが、実際いかがですか?
確かに高いですが、だからこそ成長できている実感がありますよ。
事業にとっての重要課題は常に同じとは限らないので、柔軟さとスピード感をもって日々取り組んでいます。マーケティング部だけで解決できるものばかりではないので、事業メンバーや開発メンバーとの協力が必要不可欠です。
それが実現できているのもマーケティング部と他事業部が一丸となり各々の専門性を活かして事業課題に取り組める環境があるからです。
施策を実行する際、エンジニアや事業側のメンバーにアイデアを持っていくと、それぞれの視点でのアドバイスや知見をくれるなど、非常に協力的な体制が整っています。
そこは本当に素敵で良い環境だと感じていますよ。
―具体的な仕事の進め方を教えてください。
現在は主に、医師の転職支援を行う医師専用の求人サイト・アプリ(m3.com CAREER)に掲載されている求人への応募数、メルマガきっかけのアルバイト希望の医師数を増やすための施策における企画・実行を行っています。
1施策単位でいえば、①課題設定、②仮説立案、③施策内容の決定、④実行・進捗管理、⑤実施後の効果検証、という順序で取り組んでいます。
サイト・アプリにせよ、メルマガにせよ、実際には複数の施策案を並行して進めることになりますが、基本的には「ROI(投資対利益)」が高いものから優先的に対応しています。
M3グループではROIを重視する文化があり、日々の業務の中で「その課題を解消することの効果(利益)は大きいか」「コストを減らせるアイデアはないか」の両方を意識するようになりました。
―そのほか施策の実施に関して特徴的なものはありますか?
ファクトを基に仮説を立て、意思決定を行うことを重視しています。
そのファクトを集めるために、医師の9割以上・薬剤師の7割以上が登録している「m3.com」の会員に向けてアンケートを送ったり、時にはインタビューを行ったりしています。
インタビューでは、複数名の医師に対し、サイトやアプリの使い勝手をヒアリングしています。
このように「m3.com」の会員に向けてアンケートやインタビューの依頼ができるため、多くの医師へのアプローチができ、かつ容易にメッセージの配信が可能なため、スムーズに協力を得ることができます。
このアンケートやインタビューから定性的な課題を解決することに繋がっており、そこがユーザー体験の改善にもなるため強みだと感じています。
やはりプロダクト開発においては実際に使っているユーザーの生の声を聞けることは非常に勉強になります。
最近の例でいえば、働き方改革に向けた自院内での取り組み状況についてアンケートを行ったり、求人サイトやアプリの使い勝手についてインタビューを行ったりしています。実際にこれらの調査によって得られた知見から新たな施策が生まれています。
いち早く顧客のニーズを捉えることが重要なので、ユーザー調査を計画してからすぐに実行に移せることも大変ありがたいです。
プロダクトによる医療への貢献とは?
―入社後に成長を実感したエピソードはありますか?
m3.com CAREER サイトのリニューアルプロジェクトに携わったときですかね。
このサイトリニューアルは、2年近くかけて進めていた大規模なプロジェクトで、私は効果検証を担当することになりました。
新サイトのリリース時はまだ入社3か月目だったので、このような重要な役割を担えたことに驚きました。
具体的には、新旧のサイトで比較すべき指標を設定し、定量データの集計・分析を行いました。
その結果、新サイトでは求人の閲覧数は増えたものの最終的な応募数は減少していることが判明し、さらなる改善を行うこととなりました。
課題の深掘りのためにサイト利用者へのインタビューも行い、10件ほどの仮説についてプロジェクトメンバーと議論を重ねながら、改善施策の検討を進めました。
最終的には求人応募数を297%に伸ばすことができ、大きな手ごたえを感じました。
このサイトリニューアルプロジェクトを通して、PDCAのプロセスについて学ぶことが多かったです。定量・定性調査の手法といったテクニカルなスキルも伸ばすことができ、今の業務に活かせています。
―エムスリーキャリアのマーケティング。仕事のやりがいや魅力は?
扱えるデータ量が大きいことは、当社ならではの強みであり、マーケティングのスキルも上げることができると感じます。
また、医師に対するインタビューを通して、医療従事者の方とリアルにコミュニケーションが取れることも魅力です。
自分がやっていることがどう役に立っているのか、はふだんの業務ではなかなか実感が得られません。
インタビューで医師の考え方や高尚な倫理観を持って医療に携わられている、その方々の生活や人生に貢献できているという実感を得られたことは大きかったです。
一番のやりがいは、多くの方が使うサービスなので、自分が実現したことでより多くの影響を与えることができる点でしょうか。
それがプラスの結果になれば、必然と売上にもつながっていきますし、ミッションの実現にも貢献することが可能です。
全ての人が平等にかつ安心して医療を受けることができることは当たり前なようで難しい状況です。
そして「医療」は医師の過重労働など改善すべき課題が多くあります。
仕事を通じて、何かしらの良い影響を与えられる場所にいると日々感じています。
一つの施策が大きな影響を与えるからこそ、慎重な判断が求められます。それだけ大きな影響を創出できることに、責任とやりがいを感じます。
売上だけではなく、多くの医療従事者の方がイキイキと働ける手助けになっていること、そこが原動力でもあります。
ユーザーにとって価値があるもの。そこを突き詰めたい。
―今後の課題や目標はありますか?
2024年4月に施行される「医師の働き方改革」によって、医師の時間外労働時間が制限され、働き方が大きく変わるといわれています。目前に迫っているこの改革の影響を受け、常勤医が従来通りに働くことができなくなり、医師のアルバイト需要が増えることが予想されます。
このように、医療業界の未来を予測し、先回りして改善に取り組むことが求められています。
今までは取り組んでいなかった分野に対しても価値提供が必要だと思っているので、新たな価値を生み出すという視点は常に持ち続けたいです。
当社のミッションである「イキイキと働く医療従事者を一人でも増やし、医療に貢献する」の実現のため、常勤やアルバイトなど既存サービスの枠組みに囚われず、医師一人ひとりの理想の働き方を叶えるお手伝いをしたいと考えています。
―今後どんな人と働きたいですか?
課題の根本的な解決=ユーザーにとって価値があるものをちゃんと届けること、その点を重視できる人は、当社に合っていると思います。
また、変化し続ける状況に応じて優先すべきことが変わってくるので、臨機応変に対応できる人も同様です。
組織としては、自分から学び続けられる人を求めています。自分で積極的に行動を起こせる人にとってはとても良い環境だと思いますよ。
上司やメンバーという視点では、非常に優秀な人が多く知見も豊富なので、自然と成長できる環境でもあります。
事業や組織においても「誠実さ」を大切にしている環境で、成長し続けたいという向上心の高い方と一緒に働けることを楽しみにしています。