異色すぎるキャリアの先に見えた、本物の使命感。
慶應義塾大学を卒業後、プロダンサーへ。某有名テーマパークの舞台にも立ちパフォーマーとしてのキャリアを築いた。
その後、怪我を機に相席屋の運営会社、塾講師、飲食店——異色すぎるキャリアを歩んだ末に、建築ベンチャーのCOOに辿り着いた男がいる。
株式会社LS、経営管理部長の五十嵐金聖。
「攻めのバックオフィス」を体現するこの男が、LSを選んだ理由と、この仕事に懸ける思いを語った。
目次
慶應卒のプロダンサーという、キャリアの出発点
──まず、五十嵐さんのキャリアを教えてください。
かなり異色なキャリアだと自分でも思います。慶應義塾大学を卒業して、そのままプロダンサーになりました。在学中からダンスに没頭していて、卒業後は某有名テーマパークの専属ダンサーとして舞台に立っていました。
──慶應を出てダンサーになる選択は、周囲に驚かれませんでしたか?
驚かれましたね。でも、自分の中では迷いがなかった。チームで何かを作り上げる感覚が、ダンスにはあった。その感覚を諦めたくなかったんです。
ただ、腰を大きく故障してしまい。手術して完治まで二、三年かかると言われた時点で、諦めました。次の道を探さないといけなかった。
──ダンスを辞めてから、どう動いたのですか?
相席屋を運営する会社に拾ってもらいました。コロナ期も重なって環境が変わり、その後は塾講師に転身しました。もともと「人が成長できる環境を作ること」が好きだったので、教育の世界に入ることにしました。
ただ、塾講師は意外と孤独なんですよ。自分だけを磨いて生徒と向き合う仕事で、やりがいはある。でも、チームで何かを作り上げる感覚がない。ダンスと飲食で味わったあの感覚が、また味わいたくなってしまって。それで飲食の世界に戻ることにしました。
──飲食に戻りながら、並行して業務委託も始めたんですね。
そうです。飲食をやりながら、仕組み化やシステム開発が得意だったので、業務委託で何社かのお手伝いをするようになりました。その中の一人が、本間でした。
「この人と一緒なら、その世界が見える」
──本間代表との出会いを教えてください。
知人が経営している美容サロンに、本間が六年間通っていたんです。仕事の話もよくしていたみたいで、「仕組み化や財務体制の見える化ができなくて困っている」という相談がありました。
たまたま知人が、私が別の会社向けに作ったシステムを本間に見せてくれて、「一度話を聞きたい」と連絡が来た。恵比寿のカフェで会ったのが最初です。
──初対面の印象はどうでしたか?
正直に言うと、最初に感じたのは「こんなに利他的な人を見たことがない」ということでした。
多くの経営者は、どこかに「俺が幸せになれる」というにおいがにじみ出ているじゃないですか。それが健全だと思うし、悪いことでもない。でも本間にはそれが全くなかった。職人さんが誇りを持てる業界にしたい、建築業界を明るくしたい、スポットライトを浴びれていない人たちに光を当てたい——話の全部が、誰かのためだった。
──その言葉が、LSに加わる決め手になったのですか?
それだけじゃなくて、その思いをちゃんと実現するための「ロジック」も持っていたんです。夢を語るだけじゃなくて、そのために何をするかが言語化されていた。筋道が見えた上で、「絶対この人と一緒だったらその景色が見える」と思わせてもらった。
それが決め手でしたね。
「ディフェンスが強いから、オフェンスは走れる」
──現在はどんな仕事を担当していますか?
経理・財務・労務・総務から、AIを使ったシステム開発・業務の仕組み化まで、バックオフィス全般を見ています。経営管理部長という立場です。
──「バックオフィス」というと縁の下の力持ちのイメージがありますが、五十嵐さんの仕事はそれとは違うと聞きました。
よくサッカーに例えて話すんですけど、営業・設計・施工管理は事業経営の中でオフェンスだと考えます。オフェンスが輝けるのは、背中を安心して任せられるディフェンスがいてこそだと思っています。
ただ、ディフェンスが守るだけではダメなんです。キャッシュフローが回らなければ会社は倒産する。内装業界って引き渡しから入金まで二ヶ月かかることも多いので、どんなに売上があっても倒産するケースが実際にある。そこを盤石にすることが、オフェンスが全力で走るための土台になる。
だから私のバックオフィスは「守る」だけじゃない。仕組みを作って、数字を可視化して、みんなの頑張りを最大限の結果に変えていく。「攻めのバックオフィス」というのが、私の仕事だと思っています。
──具体的な成果で印象に残っているものはありますか?
案件管理シートを作った時のことが一番印象に残っています。
以前は三件か四件の案件しか一人のスタッフが正確に管理できず、ほかの案件を忘れてトラブルが起きていた状態でした。仕組みを整えて七十件以上の案件を同時管理できるようになったところ、ある社員が「粗利率が十一パーセントから三十三パーセントに上がった」と言ってくれたんです。
それが一番嬉しかったですね。私が仕組みを作っただけで、成果を出すポテンシャルはもともとみんなが持っていた。必要なピースがはまっただけで、これほど数字が変わるということを目の当たりにした瞬間でした。
ゼロから作るから、面白い
──LSに入って大変だったことはありますか?
大変だったことは……正直、ないんですよね。
──それは本当に?
本当に(笑)。何もなかったことがむしろすごいなと思っているくらいで。何もない状態からどうしたら最大の結果になるかを自分で考えていい、こんなに楽しいことはないじゃないですか。
多くの会社にはもう決まった形があって、少しおかしいと思っても変えられない。でもLSはゼロベース。解像度が低かったものがどんどん高まっていく感覚が、毎日あります。不透明だったものが見えていく瞬間が、たまらなく好きなんです。
──代表の本間さんとはどんなやりとりをしながら仕事をしていますか?
制度や仕組みを作る時に、「いい制度だけどLSのフェーズに合っていない」と言われることが何度かありました。最初はそれが悔しかった。でも今はその視点が一番大事だと思っています。
制度さえあればOKではなくて、LSの理念や今のフェーズとちゃんとリンクしているかどうか。それを本間と話しながら確認する作業が、組織作りの核心だと思うようになりました。
──本間代表はどんな経営者だと思いますか?
聖人君主ですよ、本当に(笑)。こんな人見たことない。
人を見捨てない。誰かの痛みに対して本気で悲しめる人。ルフィみたいな人だなとも思っています。できないことを自分でできるようにするんじゃなくて、できる人をリスペクトして任せられる。その器の広さが、LSの文化を作っているんだと思います。
仕組みが、業界を変えるきっかけになる
──これからLSで実現したいことを教えてください。
まず、管理部門に「それぞれのスペシャリスト」が揃っている状態を作りたい。経理のプロ、採用のプロ、広報のプロ——それぞれが強みを持ち寄って、相乗効果でLSの経営基盤を強くしていきたい。
それができたら、次は建築業界全体に広げていきたいんです。LSで作った仕組みを、お金の管理で苦しんでいる建築会社に導入していく。仕組みがあれば、お金の不安に使っていたエネルギーをもっとお客様のために使える。それがLSと出会うきっかけになって、一緒に業界を変えていけたら最高だなと思っています。
──最後に、LSに来てほしい人へのメッセージをお願いします。
人生を本気で楽しめる人、成長をワクワクできる人と働きたいですね。
スキルや学歴よりも、パッションを大切にしたい。「夢は努力次第で掴み取れる、でもやり方がわからない」という人がいたら、それでいいんです。むしろそういう人こそ、LSで一緒に走ってほしい。
私自身、慶應を出てダンサーになって、飲食をやって、気づいたらCOOになっていた。人生、どこでどう繋がるかわからない。だから、今の自分のキャリアに正解を求めなくていい。
ただ、本気でいてほしい。それだけです。