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元経営企画がスタートアップでコーポレートの立ち上げをしてみた話

Photo by ia19200102


株式会社ログラスに一人目コーポレートとして入社し、現在コーポレート・HR・PRを担当している滝田です。ログラスは経営管理クラウド「Loglass」を提供しているSaaS企業です。2022年2月に入社してから組織づくりに奔走する日々、気づけば1年が経過することに震えています。1年間を振り返りつつ、もっと上手くやれたなと思うポイントを書き留めたいと思います。

先にこの記事で言いたいことを書いておくと、

・事業理解や社内の関係性構築に時間をきちんと割くべきであった
・自分でなんとかできると思っている領域であっても後回しにしない方が良かった
です。

下記の方々に読んでいただき、もし興味を持っていただけたらご連絡いただけると幸いです。情報交換させていただき勉強させて欲しいです!

・現在コーポレートの立ち上げをされている方
・スタートアップへの転職を検討されているコーポレート職の方

僕自身の簡単な自己紹介
オフショア開発会社で営業・ブリッジSEとしてキャリアをスタートし、その後HR Techのメガベンチャーでオウンドメディア立ち上げやSalesforceエンジニアをしました。直近では経営管理チームで、予算策定やIPOでの審査対応(主に利益計画周り)を担当した後にログラスへ入社しています。

目次

  1. 1年間取り組んできたことの振り返り
    1. 〜入社後1ヶ月(社員数20名)
    2. 入社後2〜3ヶ月(社員数20〜30名)
    3. 入社後4〜6ヶ月(社員数30〜40名)
    4. 入社後6ヶ月〜(社員数50名〜)
  2. もっと上手くやれたと思っていること
    1. 事業の理解にもっと時間を使うべきだった
    2. 経理をもっと早く採用すべきであった
    3. 取締役ともっと話す機会を作るべきだった
  3. これからやらねばならぬこと
    1. より機動的な会社運営の仕組みを作る
    2. 将来を見据えて組織を作る
    3. 事業に寄与する攻めのコーポレートを作る
    4. 適切に牽制関係も作る
  4. 最後に

1年間取り組んできたことの振り返り

1.〜入社後1ヶ月(社員数20名)

僕は一人目コーポレートとして入社したので、まずは自分が何をする人間なのかを社内に認知してもらう必要があると考え、2つのアプローチを試みました。
1つ目は、既存のオペレーションを只管巻き取ることです。これまでは法務・経理・労務の領域は代表が、コーポレートITの領域はエンジニアが担当していたので、まずは業務を自分に移管していきました。「それ僕がやります」と言い続けていると、「これもお願いできる?」という依頼が増えていきますので、既存業務の全体像を把握するのに大変役立ちました。
2つ目は、ロードマップを作成し社内へ展開することです。

入社直後に作成したロードマップの一部(※実際には各テーマの優先度や内容が変わりました)

自分自身の専門は業績管理(管理会計)なので、他領域について明るいわけではないですが、前職でIPO準備に関わった際の記憶を頼りにまずはやるべきことを書き出してみました。また、各領域に明るい諸先輩方や知人にヒアリングもさせていただきました。本ロードマップをもとにどのポジションを採用していくかの計画を立てて採用活動をスタートしました。

2.入社後2〜3ヶ月(社員数20〜30名)

ログラスは2022年4月にシリーズAで17億円の資金調達を行ったのですが、このタイミングでシリーズAのクローズ対応をし、資本政策と経理についてキャッチアップする機会が得られました。同時に翌期(当社決算月は4月です)に向けて報酬制度の見直し(Field Sales用のOTE制度の導入)を進めることで、数値周りは理解が進みラッキーでした。経理・人事(労務・人事企画領域)・コーポレートITを採用すべくスカウトと面談に注力した時期でもありました。

ログラスのOTE(インセンティブ)制度は愛に溢れている|松倉 和也
みなさんこんにちは。 ログラスでセールスをやっている松倉です。 今年の3月に板橋シティマラソンでマラソンデビューの予定です。目下最後の追い込みの真っ最中です。週末午前中に多摩川の河川敷を走っていますので見つけたら声をかけてください。 さて、今回はログラスのOTE制度についてのお話です。 ...
https://note.com/matz0401/n/nde5ef89dfa69



3.入社後4〜6ヶ月(社員数30〜40名)

この時期から人事制度(評価・等級・報酬制度)のアップデート、規程類の整備、安全衛生対応が動き始めました。同時に、採用チーム、PRチーム、コーポレートチームを統合し一気通貫で社内外のステークホルダーへ価値提供できる体制に変えていきました。

※例:採用チームと労務チームを統合する際に作った社内説明資料の一部

4.入社後6ヶ月〜(社員数50名〜)

このくらいの時期から社員数も増えてきており、組織の階層化も始まったため、社内の執行スピードを担保する目的で職務権限と稟議プロセスを整備しました。少し早いかな?とも考えていたのですが、職務権限があることで社内の意思決定フローと説明責任が明確化され、事業スピードを上げることに繋がると判断し導入しました。結果的に現時点(2023年1月時点)では上手くワークしていると捉えています。また、2021年から採用を推進してくださっているリクルーターに加え、コーポレートIT、経理にも素晴らしい仲間が加わってくださり、一定のチームになってきたので、この頃からマネージャー業務にシフトしていきました。直近では全社的にマネージャーが増えてきたこともあり、経営会議等会議体の運営と、そこで出てきたイシューの捌きも担当することとなりました。

もっと上手くやれたと思っていること

数えきれないくらいあるのですが、その中でも特に反省しているポイントをあげます。
やってきたことにある通り、事業と深く関わる前にコーポレート中心に仕事をしてしまったことと、自分が得意だと思っている経営企画(FP&A)に近い領域を後回しにしてしまった点です。

1.事業の理解にもっと時間を使うべきだった

入社後すぐにコーポレート業務に専念することになりましたが、振り返ると入社後は諸々社内を広く見られる貴重な時間だったと思います。この時間をもっと大切に使い、事業の解像度を上げるべきだったと考えています。当時もお客様との打ち合わせに同席させてもらったり、プロダクトロードマップの議論に入れてもらったりはしていたのですが、オブザーバーの域を出られなかったと反省しています。今この瞬間では組織も拡大しており、コーポレートチームも一定いる中で事業に深く入っていく難易度は(工数とガバナンス的に)難しくなっています。初期にじっくり事業に触れるべきでした。

2.経理をもっと早く採用すべきであった

経理の重要性は十二分に理解していたつもりだったので、採用に注力していたのですが、足元経理の方々は本当に希少になっており、採用にかなり時間がかかりました。また、経理領域については比較的経営企画と近しい領域だと考えてもいますので、無意識に後回しにしてしまった面もあります。経理専任に入社いただくまで、顧問税理士の先生には本当にお世話になりましたので、この場でお礼申し上げます。(現在進行系でお世話になっていますが)

3.取締役ともっと話す機会を作るべきだった

経営陣からは「コーポレートは任せました」と言われていたので、かなり自由にやらせてもらっていましたが(今も自由にやらせてもらっています)、コーポレート業務は全社へ影響するテーマも多いので、もっと取締役に対話する時間を貰うべきでした。これは完全に自分の悪い癖ですが、他人の時間を使うことを極端に嫌うので、忖度して物事を進めがちでした。最初はお互い背中を預け合いながらいい感じに進めていくという感覚を持っていたのですが、少しづつ考え方の違いが出てきて、若干ちぐはぐになっていた時期もあると思います。入社後4ヶ月目くらいに代表から週次1on1をセットいただけたことで会話の機会が生まれ、考え方をすり合わせる時間が取れていますが、最初からやっておくべきでした。

これからやらねばならぬこと

1.より機動的な会社運営の仕組みを作る

昨今、SaaSスタートアップを取り巻く環境は厳しくなってきていると捉えています。その中で自分たちが生き残り続け、お客様をはじめステークホルダーの皆様へより大きな価値を届けるために、より早く適切な投資判断をしなければなりません。経営管理クラウドを提供している自社だからこそ、ベストプラクティスとなるような仕組みを作っていかねばと襟を正しています。足元では部署の概念が出始めているので、部署別予算管理を始めたりしています。

2.将来を見据えて組織を作る

将来、100名、200名組織となっていくことを見据えて、どういった業務分掌で組織を作るのか、どういった人材要件としていくのか、内部登用と外部採用のバランスをどうするか・・・といったテーマに挑む時期を迎えています。(もしかしたら遅いのかもしれませんが)先を見据えて人事制度をアップデートしつつ、採用基準やプロセスも常にアップデートし続けるという非常に面白い日々です。

3.事業に寄与する攻めのコーポレートを作る

ご多分に漏れずログラスでもコーポレートを攻めるチームにしたいと思っています。事業に貢献するために、大胆に投資を促し、必要なリソース(ヒト・モノ・カネ)を自ら調達(ヒトに対して調達という言葉は相応しくないですが)できる体制を作らねばなりません。おそらくコーポレート職の方々が共通して考え抜くテーマだと思いますが、自分もこのテーマを探求していきます。

4.適切に牽制関係も作る

3を意識しつつも、組織が大きくなってくると一定のルールを敷いた上で運営しないと調整コストが大きくなります。昨年はある意味よしなにやっていた部分も多分にあったのですが、「よしなにやる」「阿吽の呼吸」が通じなくなってきているので、適切にルール設計し、そしてそのルールを守ってもらう動きが必要になってきます。どの強度でルールを設計・運用するのかは答えが見えていないですが、模索していきます。

最後に

本記事は「自身の棚卸しに書いた内容が、もしも参考になる方がいらっしゃれば」という思いで発信しているものです。「参考になったよ」という方、同じような仕事をしている方、コーポレートのアドバイスをいただける方がもしもいらっしゃれば是非ご連絡をください。
そして現在ログラスが募集している求人を載せておきますので、もしも興味ある方いらっしゃればこちらもよろしくお願いします。

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