みなさん、こんにちは。
リンテクト・ジャパン採用担当です。
私たちは、企画から開発、そして流通までのすべてを⼀貫して手がけるD2Cのベンチャーメーカーです。その持ち前の技術力を武器に、2020年4月、コロナ禍で深刻なマスク不足が続くなか、BtoB向けマスクブランド 「cepico(セピコ)」 の生産を開始しました。
医療・教育機関や官公庁を中心に支持をいただき、2021年11月の販売終了までに延べ5,000社を超える企業・団体に導入され、累計出荷枚数はわずか半年で2,000万枚超。社会の混乱期に“ものづくり企業の意地”をかけた挑戦は、大きな反響を呼びました。
ここでは、当時の挑戦を振り返りながら、リンテクトのモノづくりの矜持についてお伝えします。
▼プレスリリース
https://prtimes.jp/story/detail/b6PY7MUO4Nx
▼商品ページ
https://item.rakuten.co.jp/otonakukan/c/0000000401/?l-id=shoptop_widget_in_shop_keywords
目次
1.混乱のコロナ禍で挑んだ“無謀” な一歩
2.壁だらけの道のり、それでも諦めなかった理由
3.「本当にいいマスク」って何?テクノロジーをフル活用して高品質を実現
4.“自信のマスク”が完成、寄付活動にも貢献
5.ベンチャーならではの“発想”を強みに
6.次の「喜びの循環」を生み出すために
1.混乱のコロナ禍で挑んだ“無謀” な一歩
2020年――日本でもマスクが“日用品”から“貴重品”に変わったあの混乱期。
そんな中、リンテクトは衛生用品の経験もノウハウもなかったにもかかわらず、BtoB向けマスクブランド Cepico を立ち上げ、高品質かつ低価格なマスクを社会に届けるという道を選びました。
── そもそも、なぜマスクづくりに挑戦しようと思ったのですか?
代表:
知人から「マスクが必要なのに、どうしてもマスクが手に入らなくて困っている。なんとかならないか?」という声をたくさん受けました。自社の生産力を信頼してくれての頼みは非常に嬉しかったですが、マスクの開発を決めるには迷いもありました。周囲の経営者の仲間達からは「一過性のものだし利益に対してもリスクが高すぎる」と引き止められる声ばかりで、当時は同業者もマスク生産に対しては躊躇していました。ですが、だからこそ困り事を解決する起業家精神で自分がやらないといけないという使命感に突き動かされました。こういう時はある程度の無知やバカでないと飛び込めないでしょう、という若手起業家のノリでチャレンジすることを決めました。(笑)
── そんな背景があったんですね。でも、さすがにこれまで生産経験のない衛生用品をコロナ禍で実現することは大きなハードルがあったかと思いますが、それについてはどう考えていましたか。
代表:
弊社は中国支社があり、現地での高品質なマスクを生産する環境を整える自信がありました。マスクを生産することを当時のメンバーに伝えたときは、驚きの声や不安が大きかったと思います。それでもマスク不足で困っている医療現場や介護施設などの現場の人たちの声が耳に入ってくると、メンバーも顔色が変わりマスク生産を実現するために必死で工場探しを始めました。
2.壁だらけの道のり、それでも諦めなかった理由
マスク不足の危機的な状況は日に日に深刻さを増し、粗悪なマスクを超高値で販売する転売ヤーが大きな社会問題となりました。品質に問題のある製品が見つかった一部の企業は、回収作業に追われる事態となりました。
──生産時を振り返り、特に大変だった部分やこだわったポイントを教えてください。
代表:
うちは品質と価格のどちらにも妥協しないモノづくりがモットーなので、マスクの生産においてもそこの両立は譲れませんでした。低価格で大量のマスクを生産することができたとしても、不良品を出してしまっては元も子もありません。そこで、日本の企業でも前例のなかったマスクの全量検品の実施に踏み切りました。中国政府公認の医療用マスク工場と業務提携し、 さらに日本の厳しい第三者検品を通過したものをメーカー直販の低価格で販売することにしたんです。
──実際に生産を請け負う中国サイドではどのような葛藤や苦悩がありましたか?
パン(中国支社/生産管理):
代表から連絡を受けて、不織布を扱っている工場に連絡を急いで取ったのですが、サンプル品を確認するも納得のいくものが見つからず対応もあまり良いものではありませんでした。中国は国土も広いので工場同士の距離が非常に遠く、信頼できる工場を見つけるまで500km以上の道のりを5時間車で運転することも幾度とありました。
──衛生用品という信頼に大きく関わる商品だからこそ、取引工場の対応にも妥協しなかったんですね。
パン:
そうですね。衛生用品という性質上、特に環境整備に関しては想像以上に大変でした。中国ではコロナ禍をきっかけに多くのマスク工場が新たに建設されたのですが、無菌状態を確実に保つことは簡単ではありません。実は、自社工場を高額な値段で買収しようとする不穏な動きもあり、毎日その恐怖と戦っていましたね。それをなんとかして食い止めようと、工場の監督として生産現場に連日立ち会いました。
3.「本当にいいマスク」って何?テクノロジーをフル活用して高品質を実現
─当時は粗悪品が市場に出回る中、どんな技術を採用して商品化に至ったのですか?
パン:
一般的に、ろ過できる粒子が小さく、ろ過率が高いほど性能が良いマスクと考えられます。しかし、性能の良さと価格は必ずしも比例するわけではありません。マスクの価格は、産地やブランドなどの影響を受けやすく、流通コストなども上乗せされた金額になるため、機能性が低く高額な粗悪品が流通するケースもありましたよね。「本当にいいマスク」を実現するため、たとえコストをかけてでも高品質な商品生産にこだわりました。
安定的な生産のためには、不織布本体と耳紐ゴムを効率的に接着させる機械の入手も必須でした。複数の工場を渡り歩き、接着剤を使わずに超音波の振動だけで圧着する全自動の機械を4台導入しました。一度に耳紐4箇所を接着させることに成功し、圧着の際に耳紐のゴムが溶けて切れやすい課題も解消しました。また、市場では平たい形状の耳紐が主流ですが、長時間の着用でも耳が痛くなりにくい伸縮性の高い丸いゴム形状を採用することで着け心地の良さも追求しました。
3つのこだわりポイント
- メルトブロー不織布を採用し、極細繊維による隙間の少ない構造
- 3層フィルター設計でBFE/PFE99%カットを実現
- 丸型伸縮耳紐で長時間着用しても耳が痛くなりにくい仕様
代表:
当時は利益を度外視してもいいと思っていました。それでも品質は絶対に妥協しないというのが、ものづくり企業の意地です。
4.“自信のマスク”が完成、寄付活動にも貢献
国を超えた試行錯誤の末、ようやく完成した高性能かつ低価格のCepicoマスク。5,000社以上・2,000万枚以上の発注が寄せられ、初回の入庫在庫はわずか4日間で完売しました。
─寄付活動を通じた「Cepicoプロジェクト」について教えてください。
代表:
マスクの収益の一部から、医療/介護/福祉業界の方々にマスクを寄付するプロジェクトにも取り組みました。品薄かつ高価なマスクの調達が厳しい事業者様に、高機能な製品を無料で届けることはまさに会社の理念である「新たな価値を創造し、人類と社会に貢献する」を体現する活動だと思ったからです。販売から1年後の2021年にはマスクの収益の一部から、世界の貧困地域の子どもたち3,600人分へのワクチン寄付を実現させることに成功しました。
5.ベンチャーならではの“発想”を強みに
初回生産から2年後、2022年に、サイズ展開とゴミの少ないエコなパッケージにリニューアルされました。学校や保育園などの登校が再開し、マスクの着用を推奨される中、小さいサイズのマスクが大量に販売されていない現状に気づき、子供用のSSサイズや中高生から成人女性用のSサイズを新たに生産開始したのです。
─リニューアルで意識したポイントについて教えてください!
髙橋(商品企画):
利便性をもっと高めたいと思い、定番の紙箱ではなく、透明フィルムで包装されたオリジナルのソフトパックに改良しました。私たちの製品をご愛用いただいている企業様や団体様の使用シーンを考えると、介護現場や水回りでも置きやすいことが重要です。加えて、紙箱よりも価格を抑えられる点も大きな魅力だと思います。収納スペースが省け、ゴミも減らせるという特徴は、物価高の今だからこそさらに価値を持ち、シェア拡大にもつながっています。
このソフトパックはコンパクトで軽く、持ち運びやすいのも特徴です。企業側から見ると、輸送コストを抑えられるという利点があります。さらに、ティッシュペーパーのように片手で1枚ずつ取り出せる仕様は、ありそうでなかった新しい発想です。こうした工夫によって、日常のストレスを少しでも減らしたいと思いました。
─今までのマスクにはないかわいいデザインですよね!
髙橋(商品企画):
デザインでの付加価値というのはまさにリンテクトが大切にしている精神です。毎日使うものだからこそ、手に取るたびに前向きな気持ちになってほしい。そのために温かみのあるパステルカラーにこだわりました。私たちはアパレルグッズ開発の経験を持っているからこそ、このデザインが実現できたと思っています。『日本をもっとおしゃれに』という当社のコンセプトを、画一化されたデザインの多かったマスクの世界で体現できたことは、とても嬉しかったです!
6.次の「喜びの循環」を生み出すために
私たちリンテクト・ジャパンは、ものづくり企業としての誇りを胸に、これからも挑戦を続けます!Cepicoの開発は、単なる製品づくりではなく、安心と信頼、そして社会貢献へとつながる挑戦でした。マスク一枚に込めた想いが、企業や人々の安心に変わり、寄付活動という形で社会にも還元できたことは、私たちにとって何よりの誇りです。これからも『つくる力』で社会に応え、安心と未来をつなげていきます。
私たちの価値観や考えに共感してくださった方はぜひ、下の「話を聞きに行きたい」ボタンから、エントリーお待ちしています!