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【CEOインタビュー】「意味わかんない謎の集団」が目指すホテルのその先とは?


今年創業4年目を迎えた「Linnas Designグループ」

CEOのアキさんに、これまでの歩みと、これからどのような展望を持っているのか、そして、どんな人と一緒にこれからのリンナスを作っていきたいかについてざっくばらんにお話を聞くことができました!
それでは本編へ。


Profile:【CEO】Aki Matsushita

1990年東京生まれ埼玉育ち。学生時代にエストニアに留学した経験や世界を旅した経験からホテル運営・不動産開発に興味を持つ。中央大学法学部を卒業後、総合不動産サービス会社JLLの日本支社に新卒入社し、オフィス物件の不動産運用業務に従事。その後ホテルベンチャーに1号社員として入社し、複数ホテルの立ち上げ、ホテル・飲食店の運営統括、マーケティング、採用など幅広い業務を経験する。

2020年11月に独立し、株式会社Linnas Designを創業。2021年4月に宿泊施設「LINNAS Kanazawa」(金沢)、2023年11月にコワーキング・ギャラリー・カフェが併設する文化複合施設「S-TOKYO」(東京・日本橋)、2024年2月に金沢で2店舗となるホテル「INOVAkanazawa」、3月にはカフェ「Perticacoffee」(東京・日本橋)を開業した。その間、デザインクリエイティブ会社「MiKsinc.」、ホテルレストランのプロデュース会社「iSU」の関連会社2社を設立。


この3年間は、傍から見たら「めちゃめちゃ意味わかんない謎の集団」(笑)


ーー「LINNAS Kanazawa」をオープンして3年間。これまでを振り返って、リンナスデザイングループとして順調に歩んできたと思われますか?

引きで見たら順調。よりで見たらめっちゃ寄り道してます。 ホテル経営をしてるのに、YouTubeをやってみたり、クリエイティブの会社をいきなり始めたりとか、傍から見たら「めちゃめちゃ意味わかんない謎の集団」です(笑) 他の経営者からも「それで収益でるの?」「ホテルに集中した方がいいよ」と言われたこともあります。 でも、10年、20年って単位で逆算したときに、僕の中ではちゃんと筋の通ったやり方です。誰が見ても目的とアクションに対するリターンが分かる状況だと、他の人も真似できるので、そうなると資本の差でしかなくなってしまい、大手の会社さんには勝てない。だから、僕たちは周りから見たらよく分かんないようなことを、アメーバ的に組み込む状態をいかに作れるかということをやっていて、もちろん今も続けています。

ーー昨年東京日本橋にオープンした「S-TOKYO」は、コワーキングスペースなどの文化複合施設ということですが、2店舗目ですでにホテルという形態ではないのはなぜですか?

もともと建物のサイズ的にホテル機能は持てなかったんですけど、金沢で宿泊業をしている中で得られたホスピタリティ的な価値を、宿泊業以外に応用できたら際立つんじゃないかと思いました。そこで、「ホスピタリティ✖コワーキングスペース」というアイデアは意外と他にないことに気づきました。

ーー「ホスピタリティ✖コワーキングスペース」面白いですね。その中で、ホスピタリティ的な面はどのように活かされているのですか?

一般的なコワーキングスペースは、働く環境を提供したり異業種同士のつながりを作ったりすることにフォーカスしていると思うのですが、僕たちは「どうしたら来てくれた人が心地よく過ごせて何度も通いたくなるか」ということにフォーカスしています。

例えば、毎週水曜日の17時~18時は「フリービール」といって、その時間ユーザーは無料でビールが飲めます。そうすると、みんなパソコンを閉じて休憩がてら雑談したり、他にも「フィーカタイム」というコーヒーとお菓子だけ用意して、屋上の人工芝に座って会話したり、ゆるく交流する場を提供しています。

自由参加のイベントですが、自然と他のユーザーとコミュニケーションをとれる場になっています。 「なんか居心地良いし、ポジティブな気持ちで仕事に取り組めるから」という理由で通ってくれる方が増えてきて、じわじわと広がっています。



「リンナスがある街は面白い」というビジョンを「チームリンナス」で実現していく

ーーホテル、コワーキングスペース、カフェ…と事業が広がるリンナスデザイングループとしての今後のビジョンを教えてください。

僕たちの目指す場所は創業当時から変わらず「リンナスがある街は面白い」と感じてもらうことです。今後もその街の成長と自分たちのブランドの成長が、紐づくような展開をしていきたいなと思っています。 平たく言うと、リンナスがあることでその街の魅力が増していく状態。経済的な成長ではなくて、その街の魅力を作るとか伝える役割だと思っています。

例えば、金沢にある「LINNAS Kanazawa」では、朝、ゲストと一緒にジョギングしながらゴミ拾いをするイベント「プロギング」を行っているのですが、日中は観光客でごった返す東茶屋街に早朝行くと、誰もいないんですよ。それって新しい街の魅力をゲストに伝えることができているし、そこで地元のおじちゃんと会話したりもできる。さらにゲストが飲食店に行ったときに、リンナスに泊まっていると言うと、「あのゴミ拾いしてくれてる子たちね」とお店の方に良くしてもらえたケースが1つ、2つではなくてたくさん発生しています。お店側もリンナスをきっかけに会話が広がることで、観光地としても魅力が増していく。そういった状態が、僕たちの目指すべき場所だと思っています。

そして具体的には、国内にもう1カ所拠点をつくる計画を進めています。


ーーあたらしい街で新たな「リンナス」を作る計画が進んでいるとのことですが、どの街にするかは決まっていますか?

まさに今、いろんな地域に行ったり、人に会ったりして、自分たちとフィット感がある場所を探しています。僕自身、去年1年間のうち3分の1は金沢にいませんでした(笑) ありがたいことに、全国各地でクリエイティブ会社「MiKsinc.」繋がりでデザインやコンサル的なお仕事をさせてもらったり、リンナスとしてもホテルのお手伝いをさせてもらっているので、地元のホテルに泊まって長期滞在しながら、ローカルの人たちと出会って、情報を得ています。

僕が思うローカルの魅力は、その場所にしかないオリジナルの魅力があること、しかし、その魅力が過小評価されている状態にすごく可能性を感じます。良いものがあるのに地元の人も、外の人もまだ気づいていない、そのギャップが魅力。ギャップに弱いです(笑)街探しは、わくわくさせる原石を見つける宝探しをしている感覚です(笑)

ーー原石の宝探し中なのですね(笑)もし見つかったら、どのようなプロジェクトを始める予定ですか?

街の中に文化複合施設を作りたいと考えています。 「LINNAS Kanazawa」で行っていることを反映しながら、クリエイティブの会社「MiKsinc.」と、レストランをプロデュースする会社「iSU」を集結した「チームリンナス」で進めたいと思っています。さらに、ホテル事業だけでなく、コワーキングやカフェの運営もしているので、そこで得たノウハウも活かして、それらを全て注ぎ込んだ1つの拠点にする計画です。

単純に「LINNAS Kanazawa」の北欧的な雰囲気をそのまま別の場所に持ち込むのではなく、その地域に合ったものを作ろうと考えています。でも、僕らなりの目線でその地域らしさを解釈し、再定義して、提案するというアプローチ方法は変わらない。そこにリンナスらしさがあると思っています。例えば、金沢であれば、北欧と北陸の似ている部分があることに、それぞれの地域にいる人は気づかないけど、両方知っている人から見るとどこか似てる部分があるんです。それを言語化することで意識し始めることってあると思うんですよね。だから「LINNASkanazawa」では「北欧、ヒュッゲ」というテーマをコンセプトにしています。場所が変わればアプローチは同じでも、アウトプットされるコンセプトは変わってくると思います。

ーーその地域らしいコンセプトの文化複合施設をチームリンナスで作っていく。楽しみです!!その先の未来まで考えていることはありますか?

はい。まずは国内で3拠点目を作る。そして、長期的には、それを海外にも広げていきたいと考えています。第1章が国内で、第2章は海外です。

国内の3拠点目を作るときにリンナスとしてのアプローチ方法を確立して、それを基に海外にも拠点を増やしていきたいと思っています。日本のホスピタリティ業界は「おもてなしの国」と言われているのに、グローバルチェーンでトップにいるホテルの中に日本のホテルは1つもないんですよ。やっぱり言語的なバリアがあることが大きいからだと思います。僕は大手のチェーンホテルのようなスタイルではないけど、ピンポイントでも、「この日本のホテルブランドって面白いよね」と言ってもらえるホテルを作りたい

世界の中で「日本のおもてなし」の存在感を高めたい。今は世界にないから評価すらされてない状態ですが、日本で育ったからこその感覚があるし、それって日本を離れれば離れるほど価値になると思うので、海外で勝負したい気持ちはずっとあります。



事業の原点は「違和感」
居場所がないと感じる人たちが心地よく過ごせる場所に

ーーアキさんが事業に込めた根本的な思いや背景にあるエピソードを教えてください。

僕自身、幼少期の頃から、学校のクラスの中でみんながこれかっこいいよねとか、これダサいよねみたいな空気感とか、なんか気持ち悪いなって違和感を持って育ちました。良しとされてるものが本当に良しと思えない、世の中に染まれないみたいな違和感。この場所にいるからそうなんだ、もっと外へ、もっと違う世界を見たいと思って、独学で英語を勉強して、世界中旅して60カ国くらい廻ったりしたんですけど、結局居心地の良いコミュニティってどこかにあるものではなくて、自分で作った方が早いなと思ったんです。だから僕がしっくりくる、居心地の良いコミュニティを事業として作りたいと思いました。

ーーそんな想いが原点にあったとは驚きました。これからもそのコミュニティを増やしたいと?

いや、だんだん「僕が」という主語はなくなってきました。僕は人に恵まれたので、居心地良い状態で過ごせたのですが、中には恵まれない人もいっぱいいて、しっくりくるコミュニティを探し続けてる人もいるだろうし、そういう居場所がないと感じる人たちの拠り所みたいな場所が作れたら良いなと思っています。そういう人ってその中だけにとどまっていない人たちなんですよ。

リンナスに世界中から来られるノマドの人の価値観も似てると思います。ノマド同士で集まったとき「私変人だから(笑)」って話によくなるんですけど、やっぱりそういう働き方って地元では「変人」「普通じゃない」と言われがちな少数派なんです。地元では居場所を見つけられない人たちが世界中を旅しながら生きているので、ここが日本での止まり木のような居心地よく過ごせる場所になって欲しいです。

同じ価値観を持った仲間に出会うきっかけでもあるし、その価値観を共有できるからこそ提供できるものがあると思うので、宿泊施設を運営することは僕にとって天職だと感じています。

ノマド...時間と場所にとらわれずに働く人やその働き方


自走力と俯瞰力のある人、好奇心の範囲が広い人と一緒に仕事できたら楽しいです!

ーー最後にこれからリンナスデザイングループを作っていく上で、一緒に働きたいと思う人はどんな人か教えてください。

1つ目は、自分の頭で考えながら行動できる「自走力」のある人です。行動の結果が成功でも失敗でも構いません。ただ、一度失敗したら、それを必ず改善して、良い方向に自分で修正していける力が必要です。世の中、「普通こうじゃないですか」と言って思考停止してしまう人はたくさんいると思うのですが、それだとリンナスで働くのは難しいと思います。1つ1つ、なぜこれはこうなのかなって考えて、自らアクションを起こせることが重要です。

2つ目に、自分のことを客観的に見ることができる「俯瞰力」のある人です。自分の行動がチームやお客様にとってどういう意味があるのか、いろんな目線、視点から考えられる力が必要です。目の前にいるお客様に接客しながらも、思考はメタ的に俯瞰している状態を求めています。

最後に、好奇心の範囲が広い人です。やはり接客業なので、人に興味を持つことがホスピタリティに繋がります。ゲストがパスポートを出してくれて、知らない国だったら「どこの国ですか?」と聞いて会話が広がりますが、何も関心がなければ情報すら入ってこないですよね。関心の度合いでコミュニケーションは作られると思うので、世の中とか世界もそうだし、色々なことに対してのアンテナが高い人がいいなと思います。

ホスピタリティ業としてのスキルや経験以上に、こうした力のある人と一緒に働いていて心地良い、楽しいと感じるので、ぜひジョインしてくれると嬉しいです!!!


ーー貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!



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