制作をスムーズに進め、表現力を高める。映像ディレクターがコンテ制作で心がけていること
こんにちは、ディレクター / デザイナーの森重です。映像のディレクション及び制作、映像・ウェブに関わるデザインの仕事をしています。
さて、突然ですが、映像の絵コンテには”企画コンテ”と”演出コンテ”の2種類存在していることはご存じですか?
恥ずかしながら、僕が映像をかじり始めた学生のころはコンテに種類があるなんて全く知りませんでした。そもそもコンテすら描かず、いきなりカメラを持ち出し、PremiereやAfterEffectsを立ち上げて闇雲に手を動かして制作していました。たまに人と一緒に映像を作る時だけは、仕方なく「こんな感じでしょ」と見よう見まねの紙芝居的なコンテを描いていたのです。
その後、知識として企画コンテと演出コンテの存在を学びましたが、本質的な違いを実感できたのはここ数年のこと。同時に、”演出コンテ”とはアウトプットのレベルや自分のパフォーマンス、成長にすら影響を及ぼすとても重要な存在なのだと痛感しました。
演出コンテとは何か。本記事では、僕なりの見解をまとめてみようと思います。
“企画コンテ”と”演出コンテ”、そもそもどういうもの?
まずは2つのコンテを実際に見比べてみましょう。仮にビールの商品プロモーションムービーを制作すると仮定して、次のような2つのコンテを描いてみました。
企画コンテと演出コンテを並べて見るだけでもいくらか違いに気づけるかもしれません。さて、これから2つのコンテについて具体的に説明していきます。
企画コンテとは、映像を作る前にクライアントに対して映像の概要を説明するためのコンテです。「これからこういう映像を作りますよ」という説明であり、「こういう映像のアイデアはどうですか?」と提案するための材料となるものです。
映像の企画意図を伝えることが目的なので、カット数は必要最低限で構成され、カットの繋ぎは見る側の想像力に委ねられています。僕が学生の頃に抱いていたコンテ像はまさにこんなイメージでした。
対して演出コンテは、さらに細部まで映像の構成を記述したコンテになります。 各カットで何が起きて、カットの間はどう繋がるのか、どんなカメラワークで撮影するのかなど、具体的な映像の様子が頭に浮かぶような資料です。映像がどんなものになるのかを、1から10までこと細かに伝える設計図のようなものというイメージが近いと思います。
さて、これだけ見ると演出コンテのほうが情報量が多いため、これさえあれば企画コンテなんて必要ないように思えるかもしれません。しかし、企画コンテと演出コンテには明確に異なる役割が存在します。それには映像がつくられるまでの時系列が関係しています‥
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