【vol.3】「個人の生き方と会社が100%イコールなんです」 “理念経営”を掲げるLife style innovation創業までのストーリ
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「はたらくをたのしむ。そのために変革を。」
2018年4月の設立当初から掲げるLife style innovationの経営理念です。代表の石川知佳自身の「在りたい姿」を言語化しています。
そして、この経営理念を基軸とし、その実現を目指した“理念経営(ビジョナリー経営)”の会社であることこそが、Life style innovation最大の特徴でもあります。
しかし今でこそ、徹底した理念経営を行う石川ですが、かつては理念経営とは対照的に、利益を第一に追求する“利益経営”の会社で働いていたことも。そんな石川の考え方が変化するきっかけや、理念経営の会社であるLife style innovationを創業するまでに至ったストーリーを紐解いていきます。
石川 知佳 プロフィール
株式会社Life style innovation 代表取締役。飲食店での店長や、JCBグループや広告代理店での営業を経験後、株式会社レントラックス(東証グロース上場)の現会長から誘いを受け、グループ会社(株式会社Anything)の代表取締役に就任。その後、上場を経験。退任後は、宮崎市と商工会議所が主催するMIYAZAKI STARTUP HUBの誘致を受け、宮崎を視察。想像以上の住みやすさに惹かれて移住を決断。移住後、株式会社Life style innovationを創業し、今に至る。[プロフィール1]
■徐々に会社の在り方に違和感が。徹底した“理念経営”を志すきっかけはある人との出会い
Life style innovation創業までに5社を経験している石川。その3社目に当たる広告代理店は、まさに典型的な利益経営の会社でした。「利益を追求している人間=正義」という考え方の元、給料はインセンティブ制度で、どれだけチームマネジメントやメンバーへのサポートを行っても評価には一切反映されない。個人プレイヤーの集合体のような会社だったといいます。
入社の動機が「とにかく稼ぎたい」という思いだったこともあり、その社風を受け入れメキメキと業績を伸ばしていった石川でしたが、次第に会社の在り方に違和感を感じるように。
「離職率の高さや、経営層と現場とのギャップなどから『会社は本当に利益追求に専念するだけで良いのか』『メンバー育成や人間関係も大切ではないのか』と思うようになったんです。ただ当時はお金を稼ぐ必要があったためその感覚に蓋をして、『仕事は稼ぐための手段』と完全に割り切っていました。会社の理念や価値観にも一切興味はなかったです」
そんな時に出会ったのが、後に石川が入社する株式会社レントラックスと、その創業者である金子英司さん。その後の人生や考え方を大きく変えるきっかけとなります。
「金子さんと出会い、初めて理念経営とそれを体現している会社(レントラックス)を知りました。今まで抱いていた会社の在り方に対してのモヤモヤが解消されたような、求めていた会社像をやっと見つけたような、これまでの価値観を崩されたような衝撃を受けました」
レントラックスの判断基準は、「理念や指針基づいているか」。メンバーもその考えや金子さんの思いを大切にしていました。さらに石川が常々考えていた、「利益を上げるなら人を育成し、人間関係を作る必要がある」という理想的な会社の在り方をそのまま体現していたといいます。そうして金子さんの考えに感銘を受けた石川はレントラックスグループに入社し、その子会社「Anything」の代表に就任します。
■「理想の会社」を退職し、幼い頃からの夢を実現
しかし入社から5年が経過した冬、「理想の会社」とまで思っていたレントラックスグループの退職を決意します。
親会社で働くのか、転職するのか、はたまた自分で起業するのか。さまざまな選択肢が頭をよぎる中、「今後の仕事の向き合い方や、自分が本当にしたいことを考える期間になりました。その際に気付いたのは、『利益と成長を追い求め続ける企業に身を置くことは、自分にとって幸せな人生ではない』ということでした。
そこで中学生の頃から抱いていた「いつか経営者になりたい」という夢を叶えるべく、独立を決定。自分が理想とする会社は本当に世の中のためになるのか、共感をしてくれる人たちはいるのか、理想だけではなく、継続的に収益を出していけるのか。実際に経営することで、自分の考えが間違っていないことを証明したいという思いもありました。
(そんな独立心の強い子供だったという石川の幼少期のお話は、また別の機会に)
■「満員電車で出勤し続ける人生は嫌だ」、この思いが宮崎移住のきっかけに
退職を伝えた後、約1ヶ月間の有給休暇を取得した石川。休暇期間中は仕事のことを忘れ、趣味のロードバイクに乗ったり、飲みに行ったりと、心身ともにリフレッシュする期間になりました。そんな日々の中、毎日欠かさず行っていたのが自己対話でした。この時期の出来事や考えが、宮崎での創業や理念のベースになっています。
「25歳の頃から生き方や価値観、人生についての考えを一冊の手帳に書き留めていて。その中にある言葉や考えを、時間をかけてゆっくりと見つめ直して文字に起こす作業を行いました。
最初に見つめ直したのがこれまで続けてきた、“満員電車に揺られて通勤し続ける人生”でした。家が都心から少し離れた場所にあったため、長年毎日片道1時間程度かけて通勤していたんです。でも、今後もそんな人生を続けるのは無理だなと思って。加えて寒い地域も苦手。『温かい地域に移住する方が自分の人生が豊かになるのでは?』と考えていたタイミングで、知人から宮崎への遊びの誘いを受けました」
「東京から離れて少しの間ゆっくり過ごそう」と、軽い気持ちで宮崎に訪問した石川。しかし初訪問の際に、「宮崎でこそ自分の理想とする人生が送れる」と思ったといいます。
「ネット環境があればどこでもできる仕事なので、宮崎でも何の問題もない。さらに満員電車での通勤から解放されて、その分趣味を楽しむ時間もある。『こういう温かい土地で、したいことだけをし続ける人生こそ、自分が求めていたことなのではないか』と強く思ったんです」
そうして宮崎訪問からわずか3ヶ月後の2018年4月、千葉から宮崎にIターン移住しLife style innovationを創業。社名には、住む場所・仕事・給与・時間の使い方など、人生を左右するものやコトのやり方を変える事で、人生や生活に小さな革新を起こしたいという意味を込めています。
「これまでの人生や考えを踏まえ『自分がどうありたいのか』という考えを形にし、熟考に熟考を重ね、個人の生き方と100%イコールなのがLife style innovation。理念や経営指針、行動指針も、自分の理想とする姿を言語化しています。この価値に共感してくれる人が仲間になってくれたら嬉しいと思います」
株式会社Life style innovationでは、「はたらくをたのしむ。そのために変革を。」の理念の基、一緒に働く仲間を募集しています。