2020年から流行り出した『地球グミ』を皮切りに、Z世代を中心に現在様々なグミが流行しています。『水グミ』や『ロープグミ』などを用いた動画を、TikTokを中心としたSNSでよく見かけるようになりました。また、グミの市場規模はコロナ前の2017年にはガムの3分の2程度でしたが、その差は年々狭まっていき、一昨年逆転。去年はグミがおよそ200億円以上を上回ったとのことです。最近ではハンバーガー・目玉焼き・哺乳瓶の形をしたグミも話題に上がっています。そんな様々なグミを用いた”グミニケーション”が若者に人気な理由を紹介します。
■ASMR動画(視覚や聴覚に刺激を与えて脳に心地よく感じさせる動画)をきっかけに流行り始めた
ASMR動画には、雨音・焚き火の音・咀嚼音・タイピング音などがあり、特に咀嚼音のASMR動画は日本でも有名です。YouTubeやTikTokにおいて気軽に見ることができ、原宿系クリエイターであるしなこさんは琥珀糖やからふるなぐみなどを食べる動画を投稿しています。その中で、地球グミを食べる動画は特に人気で、2月10日時点で1388万再生を超えています。
地球グミは今でも様々な会社が製造・販売していますが、元々はドイツの「メダラー社」が製造している商品で、正式名称は「トローリ プラネットグミ」です。韓国のYouTuberが紹介したことにより、世界的に広まりました。
地球グミは従来のグミとは違い、パッケージを歯で噛んで開けるのが定番の開け方です。とてもインパクトが強く、見ていて真似したくなります。また、見た目も名前通り地球そっくりの見た目で青く、食べると舌も青くなり、味も予想がつかないため欲しくなってしまいます。
LOFTやコンビニで扱ってはいますが、いつも売れきれていてとてもレアなところがさらに気になってしまうポイントなのではないでしょうか。
地球グミは独特の食感で、グミの中でもふわふわ・もちもちした食感になります。また、アレンジも多様で、しなこさんは地球グミを串に刺したり、砕いた飴をかけたりしています。パープルあさみさんは、パチパチキャンディーを地球グミと一緒に食べることで、食べた時にまた違った食感が楽しめるアレンジを紹介しています。パチパチキャンディーほどのパチパチ感がいらない人は、サイダーに一日地球グミを漬け込むことで表面にサイダーが染み込み、シュワシュワとした食感が楽しめます。他には、地球グミをレンジで温めて溶かしたものをヨーグルトと混ぜて冷やすことで、ヨーグルトムースに大変身!地球グミが甘すぎると感じる方にぴったりの食べ方です。
これらをTikTokやYoutube、SNSでインフルエンサーが発信することで、見た人は真似をしたくなるのでしょう。
■なぜ地球グミが流行ったのか
日本がコロナ禍に入った頃、YouTubeやTikTokを視聴する人・時間が増えたことにより。韓国のASMRを見る人が増えました。それに合わせて韓国グルメも流行り、「愛の不時着」「梨泰院クラス」などの韓国ドラマもトレンドとなって第4次韓流ブームが来たと言えます。
これまで、2003~2004年の第1次韓流ブームでは、「冬のソナタ」が日本で放映され、主演のヨン様が当時の中高年の女性の間で人気となり、また、韓国の大手事務所からBoA・東方神起がデビューしました。
2010~2012年の第2次韓流ブームでは、KARA・少女時代・BIGBANGが日本の音楽番組・紅白歌合戦に出場しました。チャン・グンソク主演の「美男ですね」が日本で放映され、日本リメイク版も放映されました。
2016~2017年の第3次韓流ブームでは、BTS・TWICEの日本デビュー。今活躍中のSEVENTEEN・BKACKPINK・NCTもこの頃デビューし、日本で多くのファンが増えました。また、オルチャンメイクの流行、チーズハットグ・チーズダッカルビなどの韓国グルメも流行し、日本のコリアンタウンとして有名な新大久保もこの頃から盛り上がりを見せ始めました。背景として、この頃日本ではInstagramが普及し、その影響でインパクトのある韓国料理や、韓国メイクが流行りました。
2020~2022年の第4次韓流ブームでは、コロナ禍でNetflixが普及し「トッケビ」「愛の不時着」「イカゲーム」などの韓国ドラマ・韓国映画の流行で多くの人が韓国文化に触れるようになりました。また、aespa・LE SSERAFIM・IVE・New Jeansなどの女性アイドルがデビューし大衆の人気を獲得しています。
このように日本では4度の韓流ブームが起こりました。
また、現在日本では韓国の人気商品ばかりを扱う韓国コンビニ=韓ビニが流行っており、地球グミを含む多種多様なグミも韓ビニでは扱っています。
■インフルエンサーがグミを発信!
2022年5月にUHA味覚等が発売した”水グミ”をご存知でしょうか?このCMにYoutuberのコムドットが起用されたことが話題となり、水グミが流行った理由の一つとも言われています。また、先ほども紹介したしなこさん、MIYU ASMRさんはモッパンと言われる咀嚼音のASMRをメインに投稿していて、流行利を先取りしてグミのASMR動画を投稿しています。
また、大賀咲希さん、景井ひなさんなどのTikTokerたちも流行りにのり、地球グミを食べる動画を投稿していました。
あいうえお🌈🍇💖日本グミ協会会長さんは今話題のグミの紹介を、りち🍭🌙さんは今の若い女の子たちが好きそうな可愛いお菓子を投稿しています。
こういったインフルエンサーがTikTokやYouTubeに動画を投稿することで、彼らを指示しているZ世代たちの間で流行り、今のグミブームに繋がっていると考えられます。
■グミ×コミュニケーション
地球グミをきっかけに日本でもグミムーブが到来しました。グミとグミで繋がる”グミニケーション”という言葉も流行っています。また、日本グミ協会という全国のグミ好きが集まっている協会も存在しており、公式HPから誰でも会員しょを発行することができ、今では発行された会員証が2万3000人を超えており、グミ好きが集まって開催するグミパーティーなどを開催しています。
また、日本グミ協会とグミを取り扱う国内関連企業のGUMMITが9月3日をグミの日と制定し、この日はグミをプレゼントするキャンペーンが行われたり、グミニケーション祭りという祭りが開催されています。
そこでグミニケーションという言葉について若い世代に聞いてみたところ、あまりこの言葉は普及していないようでしたが、実際、昔からグミなどおのお菓子はコミュニケーションのきっかけになっていることがわかりました。例えば、『お菓子いる?』から始まる友達との会話や、『このお菓子おいしかったよ!』と自分の好きなお菓子を勧めたり、また、自分がいつも選ばないようなお菓子を勧められて新しい発見があったりなどお菓子を食べることでコミュニケーションが広がります。
こういった事象が、今は流行しているグミが主体になってきているのではないでしょうか。
■まとめ
日本では1980年代頃よりグミが普及し始め、今では想像もつかないような多種多様なグミが誕生し、若い子の間で流行しています。そんなグミが、コミュニケーションの人乙として使われていて「これ美味しい!」「こんなグミがあるよ!」「こんな食べ方があるよ!」など、グミの良さをTikTokやYouTubeなどのSNS上で発信する人たちによって、グミの楽しみ方や種類を共有しています。そこからバイラルしてそのクリエイターを支持しているファンたちがグミで繋がり、さらにグミからグミへと、グミから始まるコミュニティが今、日本ではたくさん生まれています。次はどういった食べ物を介して、新たなファンコミュニティが生まれるかを注目していきたいと思います。
LCでは、このようなファンコミュニティをクリエイターと共に盛り上げたり、加速させる事業を行っています!興味のある方はぜひ一緒に仕事をしませんか?