塾講師って飽きないの?
私が塾講師の仕事をしていると言うと、このようなことを必ず聞かれます。
確かにはたから見ると、毎回多角形の公式を教えたり、何時代の何文化を説明したりと同じことの繰り返しのように感じるかと思われます。
ただ、実際は全く違います。
同じ算数を教えていても、図形はすんなりと理解する一方で、つるかめ算になると手が止まってしまう子がいます。そして、その逆も然りです。
送り手が一を伝えても、受け手によって捉え方が異なります。むしろ小学生だからこそ、思いがけない反応を示すことがあります。算数の答えは一つでも、授業の答えは一つではないのです。
自分だけの仕事に繋げる
皆さんは格闘ゲーマーの梅原大吾さんをご存知でしょうか。
ある格闘ゲームの大会にて、大逆転劇を披露して話題になり、今でも第一線でご活躍されていいる方です。
私はこの類のゲームであまり遊んだことがないのですが、彼の仕事観には共感する点が多くあります。
彼曰く成長するためには、「常に課題を見つけ出し、自分自身にやる気を出させることが大事」と語っています。
これは、私の仕事にも当てはまります。
毎回同じことを教えると思ってしまえば、それは単調な繰り返しとなります。一方で、この子の課題はどこにあるのか、また何がモチベーションになるのかと試行錯誤してみることでオリジナルの授業を生み出せると考えております。
小学生は思っている以上に人を見ている
成長するためとは謳いましたが、変にプレッシャーに追われる必要はありません。本当に小さなことからコツコツ始めていけばいいのです。
幸い、生徒である小学生はどんな些細なことにも気づきます。
いつもより指導スピードが速くなったこと、時計が24時間表記になったこと、他の社員には気づいてもらえない髪型の変化など(笑)。
彼らは見ていないようで、しっかり見ています。だからこそ、私のちょっとした変化や試行錯誤にも気づいてくれます。そして、それが良い授業を生み出そうというモチベーションになります。
たとえ歳が離れていても、あるいはどんなに小さな変化だったとしても、気づいてくれる存在がいるということはとても心強いです。仕事は他者がいて初めて成り立つのだなぁと気付かされる毎日です。
明日はどんな変わった球を投げようか、彼はどんな球を投げ返してくれるのか。そんな期待と想像を膨らませながら、今日も教室のドアを開けようと思います。