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社会の淵にあるアイディアが、僕と世の中をひっくり返す。一冊の本から始まった、偶然を紡ぐ2年間のインターン。

こんにちは!キッチハイクインターンの中村孔大です。

キッチハイクと出会ってから、2年が経ちます。一度はインターンを卒業して、海外へ飛び出した時期もありました。それでも帰ってきたのは、このチームでまだまだ学びたいと思ったから。

振り返ると、必死で追いかけて、悩んで苦しんで、ひたすら楽しかった。キッチハイクに出会えて本当によかった。ぼんやりとしていたあの時の選択が、はっきりと意味を持って、たしかに繋がった。

そして、この春キッチハイクを卒業します。大学へ戻ることを決めました。

僕にとって、一生を左右する、それほど大きな出来事でした。2年間にわたるインターンを経て、いま思うこと。卒業するに際し、チームへの感謝も込めて、文章を綴りました。

きっかけは、大学2年の春休み

福岡から上京してからは、想像以上に刺激的な毎日でした。サークル、飲み会、麻雀、カラオケ、ヒッチハイク、旅。思いつく限りは、本気で遊びました。順調に月日は流れ、大学1年間を遊ぶためだけにしっかり費やし、やっと我にかえります。「あれ、何してるんだっけ。」と。

その頃からか、中学からの幼馴染と一緒に「二子玉会」をスタートしました。(と言っても、二子玉に住んでいたわけではありません。) それは、春休みの1ヶ月間を丸々本屋通いに費やすという、なんとなくはじめた暇つぶし。よかった本は立ち読みシェアをしました。

一杯100円のコーヒーで一日中滞在できるし、何より将来につながることがしたかった。お金のない僕たちには、ぴったりな遊びでした。朝から晩まで、巷で話題のビジネス書を読み漁り、思ったよりもずっと楽しかったです。ただ、この先の未来が全くイメージできないことへ不安もありました。

そんな日々が続くなか、思わぬ収穫がありました。通いすぎて、本屋の棚を完璧に把握しつつあったある日、見たことない本を発見しました。よく分かりませんでしたが、ビビッと電流が流れる、初めての感覚を味わいました。これが、「キッチハイク! 突撃! 世界の晩ごはん」でした。

思わず調べてみると、んん、すごく面白そう。「450日かけて世界一周、見知らぬお宅のキッチンをヒッチハイクした男がつづる食卓探訪交友録!」って.......なんだそれ! しかも著者は、キッチハイクというスタートアップの共同代表で、なんとインターンを募集中。興奮しすぎて、本を片手に持ったままWantedlyで調べまくりました。そして、どう考えてもこれは運命だ!と、一寸の疑う余地もなく「興味ありボタン」を思いきり押しました。これが僕の人生を変える大きな一歩となるとは、その時は予想だにしていませんでした。

キッチハイク生活、はじまりの日

どうみても、怪しい路地の一角。窓からヤシの木が飛び出しているビルの真向かいの4Fに、キッチハイクオフィスはありました。部屋には、そこら中グリーンが覆い茂っていて、いい匂いがするなあと思ったら、キッチンではごはんを作っているし。なんだこの会社は!と。

「やあ、共同代表の雅也です。よろしくね!」

僕の大師匠、山本との初対面です。ヒゲが似合うなあ、というのが第一印象。突然のフレンドリーすぎる挨拶に面食らいながらも、キッチハイクに出会ってからここまで来た経緯を一生懸命話したら、山本はヒクヒク笑ってました。「本が好きなら...」と、教えてくれた「自分の中に毒を持て(岡本太郎)」は、今でも僕の大切な一冊。そして、転がり込むようにして僕のキッチハイク生活が始まりました。

知らない世界を開けちゃった。はじめて出会う「働く」

知らない世界を開けちゃった感が半端なくて、楽しくて、夢中で取り組みました。大学とキッチハイクの二刀流。片道2時間もなんのその、めまぐるしい毎日でしたが一度も苦に思ったことはありませんでした。

出会った頃のキッチハイクは、15人にも満たない小さなチーム。ちょうど1期目のインターン三人娘が卒業をした頃で、僕は2期目のインターン生でした。てっきりもっと多くの人が関わっていると思ったので、びっくりです。こんなに小さなチームでも世の中へ大きなインパクトを与えれられることに、めちゃめちゃ興奮していたのを覚えています。

なんといっても、チームの姿がサービスそのものを体現している、そのかっこよさたるや。ああ、こんな大人になりたいな。と、初めて出会う大人たちの姿や触れる思考に、まさに心が踊っていました。

(*毎日のまかないは、みんなで作ってみんなで食べます。この日はカレーライスでした。)

一緒にごはんを食べて、楽しいしおいしい。それが家族や友達、または知らない人でも面白い。今では当たり前の感覚になりつつありますが、当時の僕にとって、「知らない人と一緒に食卓を囲むこと」はとても新鮮でした。山本がよく言う「今の狂気が未来の正気」とは、まさにこのことだなあと感じていました。

キッチハイクがある世界は、確実に日常を豊かにしてくれる。

そして、食を通じた人との出会いに、自分自身の大きな変化を感じました。偶然の出来事は、自分じゃ想像もつかない発見をもたらしてくれる。予定調和な人生より、予期せぬ偶然を楽しめる人生の方が案外面白いのかも!と思うようになったのは、間違いなくキッチハイクのお陰です。

思い切って、決めた。「キッチハイクを卒業したい」

いつだって、新しい出会いにわくわくしたい。もっと広い世界を見てみたい。キッチハイクでの生活には全く不満はありませんでしたが、次なる新しい環境へ飛び込んでみたいという気持ちもありました。

その気持ちは次第に大きくなり、ついに共同代表の山本へ直接相談してみることに。

「いま自分の興味が向く方へ、素直に進んだ方がいい。その選択が何であれ、俺は応援するよ!キッチハイクは家族だと思って、また戻って来たくなったら帰っておいで。」

今思うこと、考えていること。将来どんなことがやりたいのか。親身に話を聞いてくれて、最後は心から応援してくれました。この一言が後押しとなって、4月を迎えるタイミングで卒業を決めます。インターンを始めてから、10ヶ月が経ったときでした。

キッチハイクを飛び出して、いざワールドツアー!

キッチハイクを卒業し、3年次の休学を決めます。そして、世界を放浪しました。フィリピンを皮切りに、シンガポール、ドイツ、デンマーク、スペイン、フランス、イタリア、ポーランド。一番の思い出は、ベルリンの学生に誘われてお邪魔したOpen Air(太陽の下で開かれるクラブイベント)です。

「グラスだけ、持ってきてね!ド派手でクールだったら、Free Beerをあげるよ。」

示された場所は、森の中。恐る恐る行ってみると、手作りのDJブースを設置して、イカした音楽をがっつり垂れ流してました。思いっきり外だし、なんてハイレベルな遊び方。気がつけば、身体は興奮して踊ってました。Free Beerを勝ち取った人だって、ビックなツノをくり抜いたオブジェの持ち主。自分じゃこんな発想は絶対に生まれないし、ざっと周りを見渡したとき、誰一人として混じりあっていないのに空間全体がものすごいパワーを発揮している不思議さがありました。本当に良いものは理屈なしに惹かれます。そして、ベルリンで出会った「バラバラな調和」の面白さは、理想のチーム像を考えるときの種となりました。

(2018年の夏は、ベルリンで1ヶ月間過ごしました。人生初のバカンス!なんちゃって。)

卒業してからやっと気づいた、キッチハイクのすごさ

バックパックを担いで意気揚々と帰国。と思いきや、いきなり壁にぶつかりました。東京に家がない。(地元に戻らずに東京で戦っていくことを決め、頑なに帰りませんでした) 大学も休学中。働く場所も見つからず、財布の中はすっからりんだったので、友人宅や漫画喫茶を転々とするというなんとも怠惰な生活を送ってました。

みんなには「ホームレスやってる!」と笑って話してましたが、帰る場所のない生活はなかなかしんどかったです。何より、これだ!というものに、自分の居場所を見つけられないことが辛かった。明日の生活資金を稼ぐため、大将1人でやっている居酒屋に飛び込みで働かせてもらったりもしました。そんな時に、ふとキッチハイクのことが頭をよぎったんです。

飛び出したからこそ分かった、キッチハイクチームのこと。誰も歩んだことがない道を突っ走りながらも、人の“日常”に寄り添うプロダクトを生み出しているところ。小さなチームが社会へ大きなインパクトを与えているところ。独立しているようで、うまく社会と繋がっている。見せかけインディー。そのチグハグさに、僕はとても惹かれていた、ということ。

世界を回ってみたからこそ、自分の足もとに落ちていた大切なことにやっと気がついたんです。また、ここで働きたい。日常的な「いい偶然」に出会えることが、豊かさの総和を上げてくれる。食を通じた人との出会いには、そんな発見がごろごろ落ちていました。なんと言っても、自分たちが描く未来を先取りして日々実践しているチーム、それがキッチハイクでした。やっぱり、ここしかない。と、2度目のラブコールを送りました。

「キッチハイクでもう一度働かせてください。」

山本はまるで分かっていたかのように「おかえり!」と快く迎え入れてくれました。そして、期限が迫っていた休学をもう半年延長し、再びキッチハイクで働くことを決めました。

2度目の正直、興味のあることは全部やる

「PRボーイ」(キッチハイクでは、歴代インターンが引き継ぎます) として会社の広報ブログを担当したり、公式企画の『ちょい飲みスタンド』や『みんなでお店』の運営など、幅広く業務を経験させていただきました。

入ると決めた時、メンターの大野(インタビュー記事は、こちらをどうぞ!)と一緒に、今後の方針を決めました。「どんなスキルを伸ばしたい?」「何に興味がある?」じっくり話を聞いてくれた上で、インターンひとり一人の適性を見極め、仕事を任せてくれる文化があります。

嬉しかったのは、『ちょい飲みスタンド』でのこと。ふと思いついたアイディア、「これは!」と思ったので、課題点を洗い出し、共同代表の山本や企画リーダーに直談判しました。すると「いいね、それやってみようか!」と後を押していただき、次の日には施策として正式に進めることが決まりました。

よかったら、即実行。失敗しても、次に生かす。インターンも社員も、垣根がありません。常に向き合う現場(Pop-Up)があり、ユーザーの反応がみえるのも、キッチハイクならではのやりがいです。最初からバシッと決まることはむしろ少なく、世に出していく過程で、良いアイディアに研ぎ澄まされていく感覚がありました。

キッチハイクのValue(行動指針)のひとつに、「常識の比較より、逆説のアイディア」という言葉があります。今あるもので、どれだけ革新的なアイディアを生み出せるか。アイディアの種は、案外足元に落ちているもの。もはやキッチハイクの主要なサービスラインである『みんなの食卓』や『みんなでお店』も、日々の何気ない会話や出来事から生まれました。メンバーの一員として、次々と新しいサービスが誕生する現場に関われたことは、とても貴重な経験でした。

(*半年間お世話になったキッチハイク寮のみんな、お世話になりました!)

キッチハイクで教わった、ほんとうに大事なこと

「こんな世界になったらいいと思う!」という共同代表2人のおせっかいから始まったキッチハイク。
そこに共感し集まったメンバーそれぞれの想いを重ね合わせた先に、今のチームの姿があります。

そんなチームのメンバーから、仕事を進めるために必要な知識や技術を教えてもらいましたが、それ以上に人生において大切なことを沢山教えてもらいました。

種やアイデアは、日々の生活から滲み出てくるものです。そして、とても個人的な体験や思想、狂気から混沌として生まれてくるものです。だからスタートアップのプロダクトは、創業者メンバーの人生そのもの、人生を具現化させたそのもの、写し鏡なんだと思います

社会の淵にあるアイディアが、世の中を一気にひっくり返す。明日が今日じゃなくなる。小さなチームが個性を尊重しながらグルーヴし、その時代に合ったやり方で仕組みをアップデートしていく。この瞬間に、僕はとても惹かれます。キッチハイクがなければ、知らない人と食を囲むなんて、ありえなかった。個が十分に発揮されることで、小さなチームでも“アンビシャスさを持って戦う”ことができることを知りました。

そして、代表2人を筆頭に常になんでも面白がるメンバーの姿勢から、“世界を良くする方法は、楽しくて愉快な方がいい”ということを教えてもらいました。日々のまかないや、日常の会話の数々、仕事中に至るまで。自分たちが本気で良いと思ったものを社会に実装しているので、みんなが「自分らしく」過ごせる環境作りも徹底しています。

そうやって、大人になっても自分に正直で「これだ!」と思う道をひたすら追い続けているメンバーの姿は、本当にかっこよかった。回り道でも、無駄に見えても、後から必ず意味を持って繋がっていく。そんな、“偶然を紡いでいく人生の楽しさ”を目の前で見せてもらいました。

キッチハイクを卒業して、また1人で歩いていくことに不安が全く無いかと言われたら、嘘になります。先のことなんて全くわからないし、キッチハイクに出会う前の僕が今の姿を知ったら、びっくりするでしょう。ただ、一度勇気を出して飛び出した先の世界の楽しさを、僕はみんなに教えてもらいました。いま興味のあることへ、全力で突き進んでいく。それでいいんだと思います。ここまで育ててくれたメンバーのみんなには、本当に感謝しかありません。

いつだって、良いもの出会った時に感動できる心と、思い切って飛び込んでいける勇気だけは忘れず。そうやって、これからも進んでいきます。キッチハイクに出会った時のように。

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