オフィス増床プロジェクト|きのもと商会|note
きのもと商会のオフィス増床プロジェクトを継続的にレポートします。 オフィス空間デザインの仕事が気になる方、オフィス移転・増床などの担当者さんにおすすめです。
https://note.com/kinomoto_firm/m/m4f047731ed56
きのもと商会は、メンバー20人ちょっとの小さな会社ながら、徒歩10分圏内のところに2つのオフィスを構えています。
なぜこの規模で複数拠点体制をとっているのか? 実際にどんな運用をしているのか? その背景やリアルを、大学生インターンの目線からレポートしてもらいました。
こんにちは。大学生インターンのあいみです。
現在、きのもと商会のメンバーは20人ちょっと。そして、中央区日本橋馬喰町と千代田区岩本町、歩いて10分ほどの距離に2つのオフィスを構えています。
2019年9月にできた一つ目のオフィスである馬喰町オフィスは通称「ゼロイチ」、2024年10月に新たに完成した岩本町オフィスは通称「ゼロニ」と呼ばれています。
最近入ったばかりのメンバーの中には、「どっちがゼロイチで、どっちがゼロニだっけ?」と混乱してしまう人も……(笑)
多くの企業が、メンバーの増加に応じてより広いオフィスへ移転するなか、きのもと商会はあえて「拠点を増やす」という道を選びました。
2拠点目の岩本町オフィスができるまで、物件探しから完成までの様子を継続的にレポートはしていましたが、なぜその選択をしたのか? それぞれのオフィスにはどんな違いや役割があるのか? そういった意図にはあまり触れてきませんでした。
この記事では、2拠点体制の背景と実際の使われ方に迫っていきます!
きのもと商会では、以前から増床を考えているクライアントに対して、移転のほかに分室として別の物件に拠点を増やすことも1つの解決策として勧めていました。 広いオフィスはそもそも物件数が限られていて、希望に合う物件を見つけるのは簡単ではないからです。
とはいえ、分室に対しては「メンバー同士の顔が見えづらくなり統制が取りにくく、一体感やグルーヴ感が失われるのでは?」という心配の声が多くあるのも事実です。
物理的な距離は心理的な距離にも影響すると考えられるのが一般的ですよね。
しかし村山さんはわたしにこう問いかけました。
「先生による統制された学校のクラスルームには一体感を感じられますか?」
全員が同じ空間にいて、互いに互いを監視できる状態が一体感を生むわけではない。むしろ大切なのは、メンバーそれぞれが自分らしく仕事ができていること。2拠点体制は、そうした考え方の延長上にあります。
メンバー全員がひとつの場所に集まるよりも、その時々の気分や働き方に合った空間を選んで働くいている。そういった自由な状態のなかでこそ、本当の一体感が生まれるのではないかと考えています。
そこで、きのもと商会では自ら実際に分室を持ち、運用してみることで、その価値を体感しながら検証してみる。そんな実験的な姿勢で、あえて「分ける」ことに挑戦しています。
代表の村山さんが考えるきのもと商会の方針のひとつに、「働くメンバーひとりひとりが、主役でいられること」というものがあるそうです。
自社オフィスの設計・デザインを手がけているのは村山さん自身ですが、それをどう使うかは各々が主役であるメンバー自身に委ねたいんだそうです。
なので今回は、オフィスの使われ方について、村山さんの意見ではなくメンバーの皆さんの感想をまとめてみました。
それでは、それぞれのオフィスのリアルな使用感を写真と共に見ていきましょう〜!
「静かなので少し緊張感があって、それがちょうどいい刺激になります」 ―プロパティック事業部 桑原さん
「モニターを使って背を向けて作業する人も多いので、話しかけるハードルはちょっと高いかも……」 ―プランニング事業部 掛水さん
「集中作業をするときや参考資料を広げたいときには馬喰町オフィスが合っています」 ― プロジェクト支援事業部 富永さん
プランニング事業部が使用する床材や壁紙のサンプルや、作業用モニターが揃った馬喰町オフィスは、プランニング事業部メンバーをはじめ、多くのメンバーに個人作業の拠点として選ばれています。
静かで少し緊張した空気が漂うため自然と作業に没頭できる一方、その空気感と座席配置の影響で「話しかけにくい」といった声もありました。
「ラウンドテーブルで、みんなで仕事してるときが好きです」 ―プランニング事業部 加藤さん
「オフィスで飲み会やイベントを開催できるようになったのは大きな変化です」 ―コーポレート 瀬戸さん
「背中越しの声掛けではなく、顔が見える状態で会話が始まります」 ―デジタル・ディレクション事業部 石倉さん
岩本町オフィスは、明るく開放的な雰囲気が特徴です。インタビューからは、来客対応、社内の打ち合わせ、ちょっとした相談や雑談、イベント事まで、主にコミュニケーションの場として機能していることが分かりました。
今回メンバーにお話を伺った中で、2拠点間を行き来することを前向きにとらえる声も多く聞かれました。
「やることに合わせて働く場所を移動することで気分転換になってます」 ープランニング事業部 小林さん
空間の選択肢が増えたことで自由度が高まった一方、やはりコミュニケーションや連携に工夫が必要になったというのがメンバー間での共通の認識です。
「姿が見えない分、Slackやカレンダーのチェック、自分からコミュニケーションをとっていくことの重要性は増したと感じます」 ープランニング事業部 飯田さん
「働き方の自由さは広がりましたが、会わない人が増えたのは少し寂しくもあります」 ーデジタル・ディレクション事業部 中谷さん
実際の使われ方を振り返ると、「集中したいときは馬喰町」「コミュニケーションを取りたいときは岩本町」といった空間の使い分けが、自然とメンバーの中に根付いてきていることがわかりました。
一方で、拠点が分かれたことによって「相手の姿が見えづらくなった」「会わない人が増えた」といった課題も明らかになりました。そのためSlackやカレンダーでの情報共有がこれまで以上に求められるようになっています。
こうした気づきから、きのもと商会ではマネジメントの在り方のアップデートを始めています。各事業部のマネージャー同士が定期的に集まってマネジメントを学び合う機会をつくるなど、空間の変化にあわせて組織づくりも進化しつつあります。
▲ マネージャー座談会の様子
今回の2拠点体制は、単なるスペース拡張ではなく、「実験」としての意味合いも持って始まりました。
実験開始から7ヶ月、まだまだ観測途中です。でも、その観測を通じで見えてきたのは「拠点を分ける」という選択肢の可能性と、その先に必要となる仕組みや工夫が、少しずつ形になってきている手応えでした。
実は、とあることがきっかけで3つめのオフィスづくりプロジェクトが発足しそう……!
複数拠点体制の実験はまだまだ途中。そして3拠点目をどうつくるのか。そこにどんな意味を込めるのか。
これからも、その過程を引き続きレポートしていきます。