前回のインタビュー記事をきっかけに応募してくださる人もちらほらいるのですが、当時とは会社の状況も小林さんの役割も大きく変わっています。
そこで今回、改めてプランニング事業部マネージャーの小林さんにインタビューしました。
【メンバーインタビュー】未経験から空間デザイナーに。全てはチャレンジを継続するため | メンバーインタビュー
一度は断ったマネージャー職。それでも、向き合い続けた2年間
—前回のインタビューのときから、事業部が立ち上がったりマネージャーに就いたり、色々と状況が変わっていますね
マネージャーになってからの2年弱は、さまざまなことに「向き合った」期間でした。苦戦することも多かったです。
正直、もともとマネージャーにはそんなになりたかったわけではなく……。過去にも打診されたことがあったのですが、そのときは断っています。
今でこそ「プランニング事業部」と言っていますが、以前のきのもと商会は、オフィス空間デザインが会社の事業そのものでした。
その後、だんだんと事業が増え、2024年10月に事業部制が始まり、それまで会社全体で取り組んでいた仕事が「プランニング事業」という一つの事業になりました。
ついに事業部を担う人が必要になり、そこで自分がプランニング事業部のマネージャーに就くことになったという流れです。
プレイヤーだった頃とは仕事のあり方は大きく変わりましたね。
事業部として数字の目標を立て、その結果に責任を持つ。一方で、自分がプロジェクトオーナーになることは基本的にはなくなりました。
そうなると、当たり前のことだけど、自分自身の仕事ではないところ、自分という範囲を超えたところで結果を出さなければなりません。
プレイヤーであれば、自分が仕事をすればそれが直接結果に繋がりますが、マネージャーはメンバーの仕事を通して結果を出していく必要があります。そこに難しさを感じる日々です。
メンバーの退職も経験し、育成や定着の難しさも感じました。
辞めるにはそれぞれに理由があります。キャリアアップのようなポジティブな理由の場合もありますが、そうではない場合も。後から振り返ると予兆に思い当たるんですけどね。大抵その瞬間には気づけず、いつも突然の出来事のように感じます。
専門職ならではの厳しさもありますし、人との相性もあるので、本人にとってここに居続けることが幸せとも限りません。実際、他事業部に移籍してから、プランニングにいた頃とは比べ物にならないくらい輝いている人もいるので、「適性ってあるんだな〜」とも思います。
それでも、メンバーが抜けるのはやっぱりさみしいし、大変でもあるし、「マネジメントに原因があったのではないか」と思い悩みもしますね。
「好き」、「やりたい」が自分を追い込みすぎた。事業部移籍でひらけた居場所【メンバーインタビュー】 | メンバーインタビュー
あと、思っていたより難しいのが「伝える」ことです。
ただ言葉にすれば伝わるわけではありません。相手にその話を受け取る準備があるか、理解するために必要な経験をしているかも重要です。発言者が誰であるかによっても受け取られ方は変わってしまいますし。
なので、本当に「伝える」ためには普段の関わりの中での下地づくりが必要だなって。そしてその間にも、まだ伝わらないかもしれなくても言い続ける。
その下地をつくっているつもりの段階でメンバーが離れていってしまうこともあります。そういうときは、もう「あああ〜〜〜〜〜〜」でしかないですね……。
今は、メンバーの変化や違和感を早めに捉えることと、それに気づいたとき、きちんと向き合えるだけの余白を自分に残しておくことを意識しています。
一人ひとりの経験を次の成長へ。ナレッジとエモーションが循環するチームづくり
—普段、あまりしんどさを見せない小林さんの苦労が垣間見えるお話ですね……。そんな中でも、マネージャーをやっていて、喜びやうれしさを感じるのはどんなときですか?
やっぱり、自分は内装の仕事が好きです。
そんな自分が好きな業界のなかで、自分のもとで働いてくれているメンバーがそれぞれなりの仕事の楽しさを見つけていく、その瞬間を見られたときはうれしいです。マネージャーとしてというか、先輩としてという感覚かもですが。
それから、ヒリヒリするプロジェクトの正念場をやっとの思いで乗り越えたメンバーが、その経験の中で得た気づきや学びを自分で勝ち取った知識として、自分の言葉で後輩に伝えている姿を見たときも。そういう姿を見ると、「ちゃんと本人の中に残ったんだな〜。成長ってこういうことだよな」とうれしくなりますね。
日々の仕事の中には、マテリアルや家具を選ぶ楽しさ、デザインを考える楽しさ、コミュニケーションがうまくいったときのうれしさを感じる瞬間があります。そういった小さな喜びももちろん大切です。
でも、それだけではなくて、難易度の高いことに挑戦し、大きな山場を乗り越えたあとにしか見えない景色にこそ、この仕事のやりがいがあると思っています。
「いいものができた」と思える大きな手応えや、後から振り返ったときにそのプロジェクトで自分がどれだけ成長したかを実感する喜びも、ぜひ味わってほしいですね。
プランニング事業部での仕事の醍醐味は、過去にオグとの対談でも話しています。
裁量が道を拓き、素直さが導いた、急成長の1年半。プランニング事業部対談Vol.1 | 株式会社木下商会
—今のプランニング事業部はどんな感じですか? また、これから目指すチーム像についても教えてください
今いるメンバーについては、継続してきた人たちが、しっかりと結果を出せる土台ができてきたと思います。事業部内だけでなく、他事業部との横の繋がりも増えてきて、わりと良い感じです。
ただ、それぞれがまだ「点」として生まれている状態です。これからはその点同士を繋げていくこと。簡単に言うと、より「チームらしいチーム」になっていくことが重要なテーマですね。
25新卒の2人は、入社から1年半が経とうとしていますが、現時点でかなりいい成長を見せてくれています!
これからは、自分たちの経験を、自分たちの言葉で次の人へ渡せるようになってくれると、新卒採用と育成のサイクルが生まれていくと思います。
新卒入社のメンバーがそういうスタンスで働いていれば、中途入社のメンバーにとっても刺激になるはずですし。
中堅メンバーには、仕事のなかで心が動いた瞬間を大切にしてほしいです。
空間が完成して、クライアントに引き渡す瞬間の緊張。実際にその場所が使われ、うまく機能しているのを見た時の高揚感。
ナレッジだけではなく、それらのエモーションも含めてメンバー同士でシェアしていけるといいなと思っています。
そして、そんなふうに互いに刺激を与え合うためには、ベースとして、相手へのリスペクトが必要です。年次や経験に関係なく、誰かの成果を見て、「自分もこんなことやってみたい」と思うとか、誰かが得た経験を受け取って次の挑戦をするとか……。
互いにリスペクトし合い、刺激を与え合い、ナレッジだけではなく、エモーションまで循環しているチームが理想です。
一方で、外から見たときに、「きのもと商会のプランニング事業部って、こういうテイストの内装をつくるところだよね」と、固定された型で見られるチームは望ましくないと思っていて。
プロジェクトごとにクライアントも目的も異なります。その空間が生む効果や体験こそ重視するべきです。
だからこそ、その空間に必要なものを考え続け、つくり続けるチームでありたいです。
そうしたアウトプットを生み出すためにも、チームの内部の尊敬と刺激は保ち続けたいですね。
—理想のチームを考えるなかで、自分自身のマネジメントについて見えてきたことはありますか?
「自分一人の力だけじゃうまくいかない」ということですかね。
最近、大学時代のスノボサークルのことを思い出したんです。
当時、サークル長をやっていたとき、運営がすごくうまくいっていたんですよね。改めてうまくいっていた理由を考えてみたら、自分だけが舵を取っていたわけではなくて、自然な役割分担があったことに思い当たりました。
自分は、サークルのスピリット的な部分をつくったり、大枠の企画やアイデアを考えたりするのが得意でした。例えば、「学祭でこんなことやろう」とか、「旅行でこんなことしたい」とか。大きな方向性を考える役割です。
一方で、メンバーへの個別連絡や旅行会社とのやりとりなど、人を巻き込みながら、実際に物事を前に進めていく役割を担ってくれている人がいました。
サークル長である自分とメンバーとの間をその人が繋いでくれていたんです。2人で動いていたときの推進力を思い返すと、自分にとってはあれがベストだったなって。
自分が得意なのは大きな方向性を考えることと、実際にものをつくることなんだと改めて思います。そして自分とメンバーの間をつなぎ、ともに推進していく役割は自分一人では十分に担えていなかったなと。
もちろん、自分自身が精進しなければならない部分もあります。でも、足りていない部分をチームのなかで補って機能させるというのもチームづくりのひとつなのかもしれません。
誰か一人がすべてを担うのではなく、それぞれの得意なことが役割として生きる。そういう状態をつくることができれば、チームの動き方は大きく変わると思います。
いつまでも「チャレンジ」を中心に。一人では見られない景色もチームなら
—この2年半、会社自体も大きく変化しましたね。
そうですね。
自分は創業期に近い時期から在籍しています。当時は事業部も役職もなくて、今よりずっとフラットでした。今もかなりフラットだとは思いますが……。
メンバーも増え、今や35人。わかりやすく言うと、「会社らしくなってきたな〜」と思います。
以前は社内で起きているほとんどのことに関わっていましたし、村山さん(代表)と話していないこともほとんどありませんでした。
今は、会社全体のことはコーポレートが、自分は事業部のことを中心に考えているので、社内に自分の知らない話もたくさんあります。正直少しさみしさもあります。けど、組織が成長していくってそういうことか〜〜〜と。
以前と全く同じやり方では進められないこともあります。ただ、きのもと商会の会社のつくり方は、効率化や管理コストの削減、リスク回避だけを目的としているわけではありません。メンバーが裁量を持ち、プロジェクトを前に進め、パフォーマンスを発揮するためにある。
一度ほかの会社を経験したことで改めて違いを感じましたし、きのもとに戻ってくることを決めた大きな理由の一つでもあります。
会社が大きくなれば管理的な側面が強くなっていくこともあると思います。それでも、チャレンジできる余白は会社としてもチームとしても保っていきたいですね。
プランニング事業部は、クライアントの想いを実際の空間として形にしています。売上という面でも、大きなインパクトを生み出せる可能性がある。
実際に「現実を動かしていく」ことが、自分たちの役割だと思っています。
—小林さんにとって、マネージャーの経験はどのような機会になっていますか?
自分自身について言えば、この2年間は、自分とも、メンバーとも、チームとも、それらを取り巻く環境とも、向き合い続けた時間でした。
正直、マネジメントが向いてるとは今も思っていません。
でも、向き合い続けたからこそ、自分一人の領域では成し得ないことも、チームであれば生み出せるというおもしろさが見えてきました。
人を巻き込みながら何かをつくったり、より大きな物事を前に進めていく。そのためにマネジメントは必要な経験だと思っています!
いいマネージャーになることよりも、いいチームをつくること。
そのために必要なことを考え続けながら、理想のチームを目指していきたいです。