きのもと商会で「事業部制」を導入して半年。
前回の第1回マネージャー座談会では組織やチームづくりというよりもリード獲得の悩みが主なテーマとなりました。
そしてこのたび第2回マネージャー座談会を開催。実は座談会の開催からは時間が経ってしまっているのですが……。雑談のようにも見える会話の裏側には、チームを成果へと導く手法が詰まっています。
事業部発足から半年を経たリアルな声をお届けします!
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右から
不動産仲介事業部 マネージャー 代理:村山 太一
プロジェクト支援事業部 マネージャー:富永 恵菜
プロパティテック事業部 マネージャー:桑原 健介
プランニング事業部 マネージャー:小林 弦太
デジタル・ディレクション事業部 マネージャー:石倉 まさたか
現状と課題
富永:
みんな1on1ってやってる? プロジェクト支援事業部(以下PS)は現状、普段から密にコミュニケーションが取れているからこそ、普段の仕事の話とは別の視点で会話をする時間があったほうがいいとは思っているんだよね。
でも、新しい学びが日常的に降ってくる中でさらに新しいことをやったら溢れちゃうんじゃないかと思って。それが最近の悩みです。
小林:
プランニング事業部(以下PL)では定期的な1on1を取り入れています。入社して1ヶ月経ってないメンバーともやりましたよ。
石倉:
デジタル・ディレクション事業部(以下DD)は、一通りやってみたものの、長めのアイスブレイクに留まりがちです。
ただ、今月を乗り越えてちょっとチーム感が出てきたかな。今月は予算も大幅達成で手応えを感じています。
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桑原:
プロパティテック事業部(以下PT)はずっと田中さんと二人三脚でやってきていたので1on1は特にやっていませんでした。
最近田中さんが産休に入り本田さんが入社したので、本田さんと2人のチームになり、1on1についても特に変わらずですね。ここ最近、他事業部との連携が増えたのは変化かなと思います。
村山:
不動産仲介事業部(以下RE)も僕とメンバーがひとりなので常に1on1みたいな状態なんですが、ちょっと仕事に前向きになったかなと思ってます。ただ、営業としての決めきる力にまだまだ伸び代がありますね。
みんなだんだんとチームで仕事をした経験がたまって共通言語ができてきたかな。変化を実感するフェーズに入ってきた感じがするね。
前回のタイミングではリードばっかり気にしてたけど、メンバーのマネジメント的な部分はどうですか?
石倉:
前回、僕が一番リードを気にしていたと思うんですけど、DDの一番の悩みはリードの先の、「受けた仕事を最大化できるチームづくり」になりました。
小林:
PLも悩みとしては結構近いと思います。案件が増えたときに最大限に利益を生み出せる仕事の仕方についてフォーカスしています。最近はコンペが増えていて、みんなめちゃくちゃ働いているし疲れているし。でもコンペって選ばれないと、全てじゃないけど「体感として無駄な疲れ」になってしまう。自分的にもそうしたくないし、メンバーのためにもそうさせたくないです。
受注できたとしても受注までで疲れ切って最大限の対応ができないとなると次に繋がらないし……。
そのためのチームとしての土台づくりとリード維持の両立で、かなりタフな時期なんじゃないかと思っています。
富永:
一番忙しいときに次の仕事を取りに行かないと、落ち着いた頃には仕事がなくなってしまう。でも、忙しい時ほど新しいリードを取りに行く余裕はないんだよね。
せっかく事業部が複数あるんだから、互いに連携して負荷を分散できるといいよね。
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何をどう決めれば仕事が進むのか
村山:
じゃあ、前回よりはリードが取れるようになってきた感覚はあるけど、狙っている規模感とか、受注につなげるための具体的な施策だったりがまだ課題って感じかな。
小林:
そうですね。その鍵になるのはやっぱり初回の打ち合わせだと思っています。どれだけクライアントの不安要素を減らせるか。そこができるようになれば結果も変わってくると思います。
村山:
そうだね。初訪を単なる要件を引き出すヒアリングにするのではなく、「条件を詰める」。これは毎回の打ち合わせでも同じ。
要件を持ち帰ってから考え始めるのは、もし外したときのダメージが大きいです。なので、その場で次の打ち合わせで出すものをしっかり明確にして、合意を作ってから帰る。ディレクションの仕事もきっと同じだよね。
石倉:
そうですね。ヒアリングから帰ってきて何を提案すればいいのか、なんてことを考えている時間は本当に無駄ですよね。「ヒアリング」っていう言葉もあんまり良くないですよね。受け身を誘発するようで。
村山:
確かに、言葉が悪いっていうのはあるかもね。ヒアリングじゃなくてもっとプロジェクトを一緒にやっていこう、っていう意識が生まれる言葉がいいな。
桑原くんのところは本田さんとも長くやってきてるけど、そのあたりで悩むことってある?
桑原:
今はそこまで悩むことはないですね。何をどう決めれば仕事が進むか、みんな心得てる感じがあるので助かってます。ただ、メンバーが増えてきたらきっと悩みも増えるんだろうなと思います。メンバーが多いPLは大変そうですよね。
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小林:
自分はとにかく持ち帰りたくない派で。時間がないから持ち帰って考えるのはまず無理だし、腰も重くなっちゃう。 だから打ち合わせは、お互いの認識が合っているかの確認の場になるようにリードしています。
「こういう動きが必要だ」って明確に気づいたタイミングがあって、そこでアジェンダとかロードマップとかコストシートの本当の意味が分かりました。
アジェンダを単なる「資料の目次」にしてしまってはプロジェクトは進みません。これがないとヤバい、っていう実体験をもってようやく理解できました。それまでは「アジェンダ」って聞くだけでと難しそうな感じがして、正直すごく嫌な気持ちになっていたんですけど(笑)
メンバー全員がこのあたりに気づいて、うまくできるようになると、チームはかなり強くなると思います。
石倉:
問題は、それをどうやってみんなが気づいていくかですね。積み重ねの中で自然と理解することもあれば、時には痛い目を見ないとわからないことも……。意図的に小さく痛い経験を設計するとかも手ですかね。
桑原:
他事業部の話を聞いてて、変数が多くて育成、成長にかかるコストが大きそうだなと思います。僕らは性質も要望も近い、関係値ができあがっているクライアントが多いので、新人育成のコストは少し低いかもしれません。
ただ、商材が増えたり他事業部との連携を意識した動きが増えて、でリードの質は少し変わったかも。それでも変数は少ないので半年ぐらいで独り立ちさせられますね。
自分が打ち合わせ中に意識していることとしては、変な遠慮をしない、かな。クライアントのために、を考えているうちに変な遠慮がなくなっていきました。
小林:
あやふやな情報だけ持ち帰ってきて次の打ち合わせで大外ししたらクライアントの時間を奪うことにもなりますもんね。クライアントのことを思って最短で前進するためには変な遠慮はないほうがいい。
あとは「作業」から「仕事」への認識の移行が課題かな。今は伝わらないとしても言い続けて、種まきも絶やすことなく、ドキドキしながら打ち合わせに同行する日々です(笑)
富永:
メンバーに「今は伝わらないだろう」と思いつつ言う時ってどういう風に伝えてる?
小林:
言い方は変えないですよ。どういう風に伝えても、多分言葉や理屈としては理解できるんだと思うんですけど、腑に落ちるっていうところまではいかないと思うので。
生成AIの位置付け、最近の取り組み
村山:
またマネジメントから離れて仕事論に近くなってしまったね。
どうせなら今っぽい話もしたいんだけど……、生成AIってどう思ってる? 僕は答えは出してくれないけどアドバイスはしてくれる、くらいで捉えています。
富永:
私は新しい技術とかガジェットとかが好きだし、AIを楽しみたいと思って使ってみてるんだけど、多分答えを求めちゃってるんだよね、全然うまく使えない。
DDは勝手に相性が良さそうに思っているけど、どうなんでしょう?
石倉:
叩きをつくるのには重宝する場面はあります。僕も答えは期待していないけど、一般的にはこういう風にするみたいですよ、みたいなことをさらっと出してくれるのは助かります。
桑原:
提案系の叩きに使うことはありますね。壁打ちと整形、バリエーション出しくらいかな。
小林:
自分自身はそんなに使ってないんですけど、使いこなしているメンバーがいて、それはすごく助かっています。自分に確認する必要があること、ないことを判断して、AIに聞いても解決することはAIに聞いてくれるので。そこの判断がしっかりできて、情報のリテラシーもあるなら有用だと思います。
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村山:
あと、そういえば本の読み合わせをしてるけどあれってどう?
僕はそれぞれの受け取り方の差に気づいて、その認識をそろえていくっていうのができていていいと思ってるんだけど、メンバーを増やすとかする?
週に1回くらいのペースで、マネジメントについての本の読み合わせ会を開いています。
石倉:
毎回、マネージャーとしての課題をありありと突きつけられています(笑) 一人で読むと気づけない視点や独りよがりな解釈がなくなるのはいいと思いました。
富永:
同じ本に対してみんなで感想や意見を出して比べると、受け取りのズレが発見と衝撃が共有言語をつくっていってる感じがしますね。メンバーを増やしてやってみるのもいいかもしれないね。
小林:
PLはメンバーを広げていってみるのもいいなと思っています!
村山:
よさそうだね、じゃあ一旦は続けていきましょう。
さて、今回はここで一区切りにしたいと思います。今回も気づけば話題は仕事論に寄っていきましたね(笑) マネージャー座談会は第3回・第4回と継続していく予定です。1年続けてみて振り返ってみるのも面白そうだね。
それではまた、第3回でお会いしましょう!