ファイナルファンタジーシリーズやドラゴンクエストシリーズなど、名だたるゲーム作品を生み出しているスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)。ゲーム業界のリーディングカンパニーであることはもちろん、ゲームだけでなく、プラスチックモデル、フィギュア、ぬいぐるみからハイエンドの商品まで、幅広いグッズ展開も行っています。
今回は、グローバルIP&マーチャンダイジングセンター 企画・プロデュースディビジョンでグッズ・音楽商品の企画プロデュースを担当する樋口雅大と大角佳叶にインタビューを実施。前職との違い、仕事のやりがい、そして求める人物像について話を聞きました。
異業界からの転職。スクエニを選んだ理由とは?
──お二人の経歴と入社のきっかけを教えてください。
樋口: 私は新卒で音声合成の会社に2年ほど勤めた後、レコード会社に転職して5年ほど音楽商品の制作進行を担当していました。2022年にスクエニに転職して、今年で5年目になります。
大角: 私は玩具の企画・設計・試作を専門に行う会社で3年ほど働いていました。玩具メーカーやゲームメーカーからの依頼をもとに、3D設計から出力、動作確認や彩色まで一貫して担当していて、キャラクター玩具やギミックのある玩具など、幅広い商品の開発に携わっていました。
──樋口さんは音楽業界からの転職ということですが、なぜスクエニを選んだのでしょうか?
樋口: 実は、転職の際はスクエニしか受けていないんです。元々ゲームが好きで、前職で忙しい中でもすき間時間を見つけてはプレイしていました。特にRPGが好きで、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーは子どもの頃からずっとプレイしていて。 ある時、たまたまスクエニの採用ページを見て、「好きなIPに関われる仕事ができるかもしれない」と思って応募しました。当初はマーケティング職の募集に対しての応募でしたが、面接の中で音楽商品の制作進行の話をもらって。前職での経験も活かせるし、何より自分が好きなIPを使った商材を企画して作れるというところに魅力を感じましたね。
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──大角さんはいかがですか?スクエニを選んだ理由を教えてください。
大角: 複数の企業を受けた中で、最終的にスクエニを選びました。前職では、テーマに沿って試作品を作る仕事が中心で、限られた条件の中でどう形にするかを考える日々でした。そこで培った“ものづくりの土台”は、今の仕事にも大きく生きています。当時はやりがいもありましたが、次第に「もっと企画の初期段階から関わって、自分のアイデアを形にしたい」という気持ちが強くなっていって。
スクエニを選んだ理由は大きく3つあります。一つ目は自社IPを持っていること。1から企画を考えられそうだなと思いました。二つ目はグローバル展開しているゲーム会社であること。幅が広そうだな、何でもできそうだなと。そして三つ目は、ライト層からヘビーユーザーまで、幅広い層をカバーしているタイトルを持っていることです。
他の会社でグッズや玩具を企画する場合、大人向けもしくは子ども向けに特化していることが多いのですが、スクエニはいろんな層の顧客を獲得しているので、商品開発の可能性も広いだろうなと思いました。
──大角さんも、もとからゲームが好きだったのですか?
大角: 実は、子どもの頃はあまりゲームに触れる機会がなかったんです。上に兄弟がいたので、自分専用のゲーム機は持っていなくて、おさがりのソフトで遊ぶくらいでした。でも、入社してから改めてゲームをプレイしてみたら、すごく面白くて。特にRPGは、物語の深さやキャラクターの成長に心を動かされて、「なんで今まで知らなかったんだろう」って思いました。入社後にシリーズを順番にプレイして、気づけばすっかり夢中に。大人になってから出会ったからこそ、物語の奥深さやメッセージにより心を打たれるのかもしれません。
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企画から量産まで。一貫して携われる商品開発
──具体的な業務内容について教えてください。
大角: スクエニの商品開発では、企画から量産まで幅広く関わることができます。たとえば、どんな商品を作るか、どんなコンセプトで展開するかをチームで話し合いながら決めていきます。デザインのアイデア出しから生産方法の検討まで、ものづくりのさまざまな工程に携われるのがこの仕事の面白さです。もちろん、すべてを一人で抱えるわけではなく、チームで相談しながら進めていくので、これまでの経験が特定領域に偏っていても、安心して取り組める環境だと思います。
──前職との大きな違いはどこにありますか?
大角:一番は「関われる範囲」ですね。前職では、顧客であるメーカーの要望に応じて試作品を作ることが中心で、限られた条件の中でどう実現するかを考えていました。スクエニでは、自分たちで「こうしたらもっと面白くなるんじゃないか」といったアイデアを出し、実現するところまで関われます。それがこの仕事の魅力だと思っています。 設計やギミックも自分たちで考えられるし、現場と企画の両方を行き来できる。この機動力が、スクエニでものづくりに向き合う面白さだと思います。
扱う商品の幅もとても広く、ゲームセンター向けのプライズ商品(ゲームの景品)から、数十万円の高価格帯の商品までさまざま。赤ちゃん向けの商品 もあれば、大人のコレクター向けのフィギュアもあります。同じIPでも、ターゲットによってアプローチがまったく異なるので、そこがまた面白いですね。
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──樋口さんの業務内容についても教えてください。
樋口:入社当初は音楽商品の制作進行がメインでした。ファイナルファンタジー関連のタイトルを担当することが多くて。特に、ファイナルファンタジーXIV(FF14)のオフィシャルバンドである「THE PRIMALS」のライブのBlu-rayやアルバム、あとはFF14のオリジナル・サウンドトラックを作っていました。
そこから2025年に部署の統合があって、音楽チームとグッズチームが一緒になったんです。それでライブグッズの企画・制作も担当するようになりました。今はTHE PRIMALSのライブ全体に関わっていて、セットリストや演出の打ち合わせ段階から参加させてもらっています。
──前職のレコード会社での仕事とはどう違いますか?
樋口:前職では、どちらかというとディレクターという立場で、音楽商品をゼロから企画して、音楽的なところも自分でジャッジすることが多く、パッケージデザインはデザイナーさんに提案してもらって、それを組み立てていく感じでした。
スクエニでは、アレンジ商品を除いて、音楽商品の核となる要素である楽曲はゲームにも実装されるためにすでに整っています。そのため私の役割は、音楽そのものをゼロから立ち上げるというより、音楽商品制作においての進行管理やパッケージのビジュアル制作に重点が置かれています。デザイナーとともに手を動かしながら、ゲームチームへ提案していく、というスタイルが中心です。
前職ではどちらかというと監修する側だったので、色合い一つとっても「調整ってこんなに大変だったんだ」って実感しました(笑)。
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──音楽とグッズ、両方に関われるようになったことで、仕事の幅も広がったんですね。
樋口:そうですね。例えば、武道館でライブをやる時に、最初の仕込みの段階からメンバーと一緒に「どういうセットリストにしようか」「こういう演出を入れたらいいんじゃないか」という話し合いに参加できます。そこで決まったライブの映像商品も出すし、ライブグッズも企画する。一つの出来事のすべてに関われるというのは、すごくやりがいがありますね。
前職だと、レコード会社として複数の音楽事務所さんと取引していて、決定権は相手側にあることが多かったんです。でもスクエニは自社でIPも音楽事務所機能 も持っているので、自由度が高い。目の届く範囲が広くて、自分が推し進められる部分が多いですね。
──部署が統合されたことで、仕事のやり方も変わりましたか?
樋口:大きく変わりましたね。以前は音楽チームとグッズチームが別の部署だったので、例えばコンサートがあります、という時に、グッズチームに「こういうグッズを作りたいんですけど」と持ち込む形でした。でも今は同じ部署なので、立ち上げの段階から「じゃあこういうグッズを作ったらいいですよね」と一緒に話せるようになりました。
音楽チームはどちらかというと会話が多い文化で、グッズチームは黙々と集中して作業する文化があったんですけど、統合されて両方のいいところが融合した感じがあります。今はチーム全体としてコミュニケーションを取りながら、でも集中すべき時は集中するという、バランスの取れた環境になっていると思います。
ものづくりの現場から。印象深いプロジェクト
──これまでで特に印象に残っているプロジェクトを教えてください。
大角:印象に残っているのはコロナ禍に取り組んだグッズの企画です。当時は海外生産が難しかったこともあり、国内生産に挑戦しました。日本での生産だからこそできる繊細な加工や組み立ての楽しさを生かした商品にしたんです。複数集めることで世界観が広がるような仕掛けを加えたり、組み合わせて遊べるギミックを盛り込んだり 、細部までこだわって形にしていきました。
──なるほど。遊びの要素や細部へのこだわりが詰まった企画だったんですね。
大角: そうですね。関連商品も同時に企画して、売り場で一緒に展開できるようにしたり、環境に配慮した仕様にするなど。限られた条件の中でも、できることはたくさんあるんだと実感できたプロジェクトでした。
──他にも印象深いプロジェクトはありますか?
大角:複数のキャラクターや背景の要素を組み合わせた立体の商品を制作したことがありました。世界観をどう立体で表現するかがポイントで、社内のメンバーだけでなく、メーカーや工場の方々ともアイデアを出し合いながら、チーム一丸となって進めていきました。
製造は海外の工場だったのですが、試作の段階から密にコミュニケーションを取りながら進めることで、こちらの意図や細かな表現までしっかりと反映してもらうことができました。彩色の工程でも、「もう少し明るくしたい」「この色合いをもう少し調整したい」といったやりとりを重ねていく中で、前職で培った彩色の知識がとても役立っています。現地のスタッフさんとも一緒にものづくりを進めていく中で、完成に向けた一体感も生まれたと思います。自分の経験を活かせる場面が多いのも、この仕事の魅力のひとつです。
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──樋口さんは、印象に残っているプロジェクトはありますか?
樋口:2025年の武道館のライブですね。武道館だし、FF14でローポリゴンと話題になった「ぶどう」をモチーフにした缶を出しましょうかって。
語呂合わせのぶどうの缶だけだと売れるかどうか不安だったので、Tシャツの入れ物ですよという形にして。でも、缶自体もちゃんと作り込んでいて、裏面には成分表示を模したデザインで、バンドメンバーの名前と、プロフィールを入れて。QRコードから公式ページに飛べるようにもしました。
──遊び心がありますね。こういう企画って、どうやって通すんですか?
樋口:全体の予算の中で、「ここだけ試してみたい」という枠を調整するんです。例えば、「500個売れれば採算が取れる」みたいな最低限のリスクヘッジはしたうえで他のグッズできちんと売上を取ることができていれば、こういう試みも許されるんですよ。
そのバランスが面白いですね。ライブ全体の仕込みから、セットリストとか演出の話にも参加させてもらって、そこで決まったものの映像商品も出して、グッズも作って。一つのライブという出来事の全部に関われるんです。
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「もっとこうすれば」が実現できる環境
──改めて、この仕事のやりがいはどこにあると感じていますか?
大角: 単にアイデアを出すだけでなく、それをどう仕様に落とし込んで量産するか。その全プロセスに深く関わり、完成まで責任を持てること。現場と企画の両方を理解しているからこそ柔軟に動けますし、最後までやり遂げた時の達成感は、今の環境ならではの魅力ですね。
樋口: 未経験の業務に挑戦できているのが、大きなやりがいですね。音楽制作の延長として、ビジュアル面やグッズにも携われるようになって。デザインの細かいところまで詰めたり。そういう経験ができるのは貴重だと思います。
──ゲームチームとの関係はどうですか?
樋口:意見交換がしやすく、すごく良い関係です。グッズとか音楽に関しては、こちらが精通しているので、ゲームチームから「どう思う?」と意見を求められることも多いです。
大角:アドバイスもすごく参考になることばかりで、毎回学びが多いです。立場に関係なくフラットに意見を交わせる環境があるのは、本当にありがたいですね。
──どんな人と一緒に働きたいかも聞かせてください。
大角:ものづくりが好きな人と一緒に働けたらうれしいです。企画を考えるところから始まって、形にして、量産して、お客さまの手に届くところまで全部に関われるので、そのプロセスを楽しめる人にはぴったりだと思います。
イベントやPOPUPなどで、実際にお客さまに商品をお渡しする機会もあるのですが、「すごくかわいくて買いました!」「プレゼントに選びました」といった声をいただけることもあって。そういうときに、作ったものが誰かの楽しみやうれしい気持ちにつながっているんだなと感じられて、すごくうれしくなります。
なので、ものづくりを通して誰かをちょっとでも笑顔にしたいとか、記憶に残るような体験を届けたいと思える人と、一緒にお仕事ができたらうれしいです。
──樋口さんはいかがですか?
樋口: ゲームやIPが好きな人ですね。ファイナルファンタジーやドラゴンクエストに限らず、ゲームのIPが好きなら、活躍の場はたくさんあります。好きなIPを伝えておけば、タイミングが合えば担当する機会も回ってきますし。
それから、アイデアや好奇心がある人。「こういうのやれたらいいのに」という想いを、実現できる環境があります。音楽のアレンジも、オーケストラ、ボカロ、チルとか、本当に多様なことができます。自由度を求める人にも向いていると思います。自社でIPを持っているライセンサー(版権元)としての強みがあるので、他社のように決定権が取引先にあるっていう状態じゃないんですよ。自分たちで、「こうしたい」というのを推し進められる。
それと、IPをどう広めるか、どういうものを作ればお客さんが手に取ってくれるか、そういうのを考えるのが好きな人。ビジネスとクリエイティブ、両方のバランスを取りながら進めていくのが面白いと思える人に来てほしいですね。
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──最後に、応募を検討している人へメッセージをお願いします。
大角: ものづくりに関わってきた経験があれば、きっと生かせる場面があると思います。私自身も、以前は試作の一部だけを担当していましたが、今では企画から量産まで一貫して関わっています。最初は不安もありましたが、周りの皆に支えてもらいながら、少しずつできることを増やしてきました。
好きなIPに関われる喜び、ものづくりの楽しさ、そして誰かの暮らしの中に自分の作ったものが届くうれしさ――その全部を感じられる仕事だと思います。ぜひ一緒に、面白いグッズを作りましょう!
樋口: ゲーム開発だけが、スクエニの仕事ではありません。音楽、グッズ、さまざまな形で、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストに関われる仕事があります。
「こういうのがやれたら面白いのに」というアイデアを持っている人、それを実現したいと思っている人、ぜひ応募してください。コンテンツの創造サイクルの中で、一緒に働きましょう。お待ちしています!
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