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【代表インタビュー】医療から環境問題まで。「未来の社会」を支える会社を目指して

医療機器メーカー事業・医療機器ディーラー事業・ナノテク事業を3本の柱として、科学文化の発展を追求する株式会社常光

1947年の創業以来、時代の移り変わりを見極めながら、医療の領域で活動し続けてきました。「今後は医療の分野以外でも社会貢献をしていきたい」と話すのは代表の服部直彦です。

今回は、服部に事業の歴史や面白さ、常光が実現したい未来について聞きました。

▼代表略歴
代表取締役社長 服部 直彦
大学にて獣医学を学んだ後、医学部に転科。ウイルス学を専攻する。アメリカへの留学を経て、塩野義製薬株式会社の研究職として約10年間勤め上げた。
その後、実父が創業した株式会社常光に入社。2018年に4代目代表取締役社長へ就任する。

※本記事に記載の所属・内容については公開時点のものです。

世の中に役立つ仕事がしたい。創業者の思いと良縁に支えられた事業成長

――本日はよろしくお願いします。創業から75年を迎えましたが、改めて創業の経緯を教えてください。

当社の創業者である服部敬七郎は、第二次世界大戦後のいわゆる傷痍軍人で、一時は生死の境を彷徨う怪我を負いました。治療や戦後の生活を経て「世の中に役立つ仕事がしたい」という思いが芽生えたと聞いています。

そこで、もともと医療関係備品の販売業をしていた実兄に加え、実弟を交えた3名で医療機器販売業を東京に立ち上げました。しかし、都内で事業を大きくすることは難しく、北海道へ拠点を移すことになります。この移転の決断が良い流れを生み出し、札幌を皮切りに帯広、旭川、釧路、函館と全道に支店や営業所を拡大するほど事業は大きくなりました。

――北海道の拠点は創業当初の段階から力を入れていた拠点だったんですね。北海道で事業が急成長した背景はどのようなものだったのでしょうか?

他にも医療資材を扱うディーラーは北海道内にありましたが、その多くは札幌にしか拠点がなかった時代です。各地に営業所を配置することで、より顧客と緊密な関係を構築していく常光の営業スタイルがご好評いただけたのだと思います。

何よりも良いご縁に恵まれ続けてきたことが一番です。良い人との出会いがあったからこそ75年もの間、事業を続けてこられたと考えています。

時代と共に進化してきた『常光』を支える3つの事業

――常光には「次を見据えて新しい事業を立案していく」という姿勢がありますよね。現在の事業について教えてください。

現在は3つの事業を大きな柱としています。そのうち、創業当初から手がけ、現在も全社売上の80%以上を誇るのが医療機器ディーラー事業です。

創業当初より富士フイルムメディカル株式会社と提携し、同社のX線フィルムの販売で安定的な収益を挙げてきました。2000年代に入り、X線装置がフィルムレスになってからはデジタル対応も推進。これまで培ってきたノウハウや放射線科との絆を活かした放射線関連機器の納入がもっとも得意です。

また、画像診断系分野を中心に、医用内視鏡分野、手術分野、一般医療材料、動物医療分野にも領域を広げてきました。医療機器の修理・保守などのアフターサービスもご好評いただいており、北海道の地域医療を支える一翼を担っていると自負しています。

――ディーラー事業が波に乗る中で着手したのが、医療機器メーカー事業ですよね?

北海道でディーラー事業を成功させた当社は「この収益を元手に本州にメーカーとして進出しよう」と決断しました。しかし、本州に進出するにも武器がないことにはうまくいきません。そんな時、創業者と親交のあった大学の先生から今後需要が高まる医療機器についてアドバイスをいただいたのです。

そうして生まれたのが1964年に当社が独自開発した、日本初の血液検査用『セルロースアセテート膜電気泳動装置』です。開発以降は同製品を主力として普及活動に努め、今日では国内唯一のメーカーとなっています。製品販売に加え、製品の利用に必要となる消耗品を販売する戦略で大きな収益を上げてきました。

さらに1973年から血液や尿、透析液等の電解質分析装置の投入を開始し1997年にEXシリーズとして発展させ、メーカー事業のもう一つの柱として育てています。国内外からディーラーが集まる医療機器展示会に出展し、アルジェリア等へ輸出。「性能の良い日本製品」と各国のディーラーからご好評いただいています。

その他、病理・細胞診検査装置や感染対策製品等、時代のニーズに合わせた製品を生み出している事業です。

――2007年からはナノテク事業にも注力しています。これまでの事業とは少し領域が異なりますね。

そうですね。ナノ微粒化機器である超高圧ホモジナイザーのメーカーとのM&Aにより、ナノテク技術を導入し事業化を進めました。この『ナノ微粒化機器(超高圧ホモジナイザー)』は、特許取得の独自設計により、同じ硬度の材料同士を超高速で正面衝突させることで微粒化します。当初は恥ずかしながら、ものを細かくする装置という認識しかありませんでした。

しかし、この技術の難しさは細かくすることではなく、細かくしたものが再凝集しないように処理することにあります。M&A後、本製品が他製品よりも再凝集率が低いとわかってきました。

ナノテク事業で期待されているのが、EV車に用いられるEV電池の製造です。今後は海外への販売にも力を入れていきます。現在は全社売上の数パーセントに止まっているナノテク事業ですが、鋼鉄の1/5の軽さで5倍の強度を持つ「セルロースナノファイバー」という植物由来の新素材も生み出すなど将来性のある事業です。

自前主義からの脱却。医療以外でも社会に貢献するSDGsの取り組み

――ここからは未来の常光についてもお聞きしたいです。今後の取り組みを教えてください。

現代社会において、自社内で開発から製造・販売まで完結する「自前主義」には、限界がきていると言われています。そこで重要視されているのが、企業が自社のビジネスに外部のアイディアや技術を活用したり、利用していないアイディアを他社に活用させたりする「オープンイノベーション」です。

当社では、オープンイノベーションに向けた活動をする部署を立ち上げ、現在は責任者が精力的に動いてくれています。今後は外部の力も借りながら社会貢献に努めていきたいですね。

――常光はSDGsにも注力していく方針ですが、前提として社会貢献やオープンイノベーションというキーワードがあるのでしょうか?

そうですね。やはりSDGsは「解決を目指すべき大きな目標」が、具体的に示されています。

例えば、地球温暖化などの環境問題やジェンダー平等の実現、セキュリティ強化などですね。私たちがこれまで取り組んできた医療分野からは少し外れますが、企業としては医療分野以外の社会貢献も注力すべき取り組みだと思っています。

SDGsの取り組みは、パートナーを組んで大きな課題に挑戦するのが一番の正攻法です。その上でもオープンイノベーションというキーワードは大切だと考えています。

とはいえ、当社もジェンダー平等やセキュリティ面に関しては課題が残っている状況です。いくら壮大な目標を掲げていても足元の土台がなくては何もできません。

まずは、自社の体制を整えながら大きな問題に力を注げる環境作りを進めていきます。

“運の良さ”が大きな魅力。共に100年企業を目指してくれる仲間を募集

――社長が伝えたい「常光の魅力」をぜひ教えてください。

一言で言うと「運が良い会社」ですね(笑)。何を言うんだと思われるかもしれませんが、当社は然るべきタイミングで良い社員を迎え入れたり、助けてくださる方が現れたり、何か見えない力で良い方向に導かれてきたという自覚があります。

さまざまなご縁に救われて、25年後には100年企業の仲間入りです。100年事業を続けていくことは、なかなかできることではありません。社員や取引先をはじめとする「人」の力が結集し、次の幸運につながっていくと感じています。

常光には、その幸運を引き寄せる自律自走型の社員ばかりです。今後も「運の良い会社」として、100年企業になれると自信を持っています。

――最後に、採用メッセージをお願いします!

せっかくご入社いただいた方には、自分の持っている力を100パーセント発揮していただきたいと思っています。

そのための協力は会社として惜しみません。どうすれば、社員のパフォーマンスが発揮され、安心して働いてもらえるのか。私はもちろん、人事も試行錯誤してくれています。2020年には人事制度を刷新し、自ら行動できる人が成長し続けられるような評価軸を取り入れました。

働きやすさに関しては、福利厚生の充実にも力を注いでいますが、今後はより実績を上げた社員の報酬を上げていく取り組みを進めなければいけないと考えています。

課題が全くない会社ではありませんが、社会貢献性があり、自身の成長も感じられる会社だと自負しています。そんな当社で創業100年を共に目指してくださる方とぜひ一緒に働きたいですね。

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