【社長コラム】「働く上で、英語力は必要ですか?」に答える回
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当社の採用に関心をもっていただきありがとうございます。
エンジニアなど高度外国人材に関わる人材紹介事業をやっていて、採用面接をしているとよく聞かれる質問があります。
「働く上で、英語力は必要ですか?」
今日はこの質問について答えていきたいと思います。
この質問の背景は、その人自身「英語があまり(ほとんど)話せない」ことに不安を抱えているからだと思います。そしてこの質問が面接でよくでてくることからも高度外国人材に関わる事業においては「英語は必ず話せないといけない」という思い込みによって、当社の求人に応募すること自体を躊躇っている方も相当数いるであろうことが想像できます。
ただ「日本において英語がビジネスレベルに話せる人はそもそもどの程度いるのか?」という疑問があると思う。相当限られてそうな印象だけど、私も同じ疑問があったので少し検索してみた。
ちょうど当社が共同事業をおこなっているレアジョブグループのプロゴス社が、英語スピーキングテスト「PROGOS®」日本人受験者34万人のデータから、日本人の英語スピーキングレベルに関するおもしろいデータをだしていた。
参考:42万人(*1)の受験データから日本人の英語スピーキング力の実態が判明
前提として、英語スピーキングテスト「PROGOS®」は国際的な言語力指標である「CEFR(セファール)」に準拠している。レアジョブ社が公開している以下の図を参考にしてほしいが、私を含めて多くの人がイメージする、英語で高度人材のキャリアアドバイザーとして働く人の英語レベルイメージは恐らくB2.1(LEVEL8)以上だと思う。
引用:https://www.rarejob.com/experiences/level/
ではそもそも英語スピーキングテストを受けるような、世の中全体でいうとグローバル志向が非常に強そうな人のうち、B2(LEVEL8)以上の人はどの程度いるんだろう。
結論は以下。
・最多レベルは初級段階の「A2 High」
・ビジネスで何らかの英語を使ううえで最低限必要とされるレベルは「B1」だが、「B1ならびにそれ以上」のスピーキングレベルを持つ日本人受験者は「49.1%」であった
・グローバルビジネスで通用する英語レベルは「B2」以上だが、「B2以上」のスピーキングレベルを持つ日本人受験者は約「6%」に留まる
B2以上は、たった6%しかいないらしい…
引用:https://www.progos.co.jp/column/survey202306
他にも以下の記事があったが、諸外国の中でもいかに日本人の英語力が低いかはわかります。
国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(本部・スイス)がこのほど発表した2022年調査によると、英語を母語としない112カ国・地域のうち、日本人の英語力は前年の78位からさらに順位を落とし、80位となった。これは5段階中4番目となる「低い能力レベル」(61~87位)に分類される。
参考:日本人の英語力、非英語圏で80位に後退:スイスの教育機関調査
何が言いたいかというと、英語は当然話せたほうがいいに決まっている。(日本語も中国語もスペイン語などもしかり)
ただ知名度もブランド力も何もない日本のベンチャーという名の中小企業が、ビジネスレベルの英語を必須要件にした上で優秀かつ成果を残せる日本人を採用することは相当難易度が高いと思っています。
アメリカやイギリスで働くならビジネスレベルの英語が必須だし、日本においても将来的に英語能力はもっと求められると思うが、今日現在日本での高度外国人材の採用現場においては、社内コミュニケーション以上の日本語レベルを求める企業がほとんどで、当社スタッフにおいても英語の前にビジネスコミュニケーションを日本語できちんと行えることの方が遥かに重要です。
もちろん、英語が話せれば英語を重視した企業からの依頼や候補者対応もできるので、それに越したことはありません。ただ当社には英語が全く話せないが、高い成果を上げているメンバーも多数在籍しているし、採用要件として英語は優遇条件ではあるが必須条件ではないです。また英語だけできても成果を出せる理由にはならないため、当社の採用基準には当てはまりません。
結論、「英語ができるorできない」よりも、「何が強みで、何をもたらせるのか?」の方が気になります。
もちろん英語がネイティブで日本語もうまい外国籍スタッフだったり、複数言語使いこなすかつ優秀なスタッフも多数在籍しているので、繰り返しになりますが言語は話せるこしたことはないです。
当社ではあなたが持つ適性や能力を評価して、活躍できる環境を提供したいと考えています。 語学力向上の為に社内の任意メンバーで言語交換をしていたりもします。
あなたの強みを是非聞かせてください。
いつまでたっても英語がほぼできない私より、あなたへ