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「縁の下の力持ち」のプロが人の命や心を救う

「私は医療資格を持っていませんが、医療団体で貢献できることはありますか?」

私が現在勤めている「(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート」は、簡単に言えば「医療団体」です。

初めてお会いした方に医療団体で勤めていることを言うと、5割くらいの方は「お医者さんですか?」と質問を投げかけてくれます。

その都度私は違う旨をお伝えし、自身がどのような役割なのかを伝えています。

採用活動をしていると、よく同じ質問をされることがあります。

「私は医療資格を持っていませんが、団体内で貢献できることはありますか?」

もちろん気になるところですよね。

実際には、その質問をしている相手(つまり私)も医療資格を持っていないのだから、何かしら貢献できる術はあるということは明白です。

でも、医療という専門色の強い業界であるが故に、自身がどのような分野で活躍できるのかイメージが付かないことは当然だと思います。

だから、そのようなご質問を頂くことは当然だと思いますし、その度に必ず「あります!」と自信を持ってお答えしています。

何でもできる、を極める人へ。

私はNPOからNPOへ転職をしています。

つまり、ジャパンハートの前も別のNPO団体で勤めていて、その時にも海外で勤務をしていました。

ジャパンハートに入って最初の職場はカンボジアでしたが、医療という分野を除けば、ほぼほぼ馴染みのある働き方でした。

ただ、その「医療という分野を除けば」という部分が圧倒的に違っていたことに、入職して早々気づかされたのです。

私には医療資格がないので、 直接命を救うことはできません。

ある日、仲良くしていた小児がんの子どもが亡くなりました。

普段は温厚なドクターが血相を変えて走ってきて、看護師たちはせわしなく動き、自分の役割を全うしていました。

その中で私は、ただただ圧倒されて立っているだけでした。
自分よりも長い時間、患者さんと寄り添ってきた医療者達が泣いていないのに泣く訳にはいかない。
その想いで涙を堪えることが、唯一自分にできることでした。

NPOの海外事務所から、別のNPOの海外事務所へと移った私には、これといった「武器」がありませんでした。

あくまでも個人的な見解ではありますが、NPOの海外駐在スタッフは、人も少なく、イレギュラー対応も多いという環境下で、とにかくいろいろなことを求められる傾向にあると思っています。
実際に私も、人の採用や労務管理、広報業務に会計、事業運営などを前職で行っていました。

「いろいろやってすごいね!」と言っていただくことはありましたが、「強みは何か」と問われた時に、答えられるものがなかったことも事実です。

そんな迷いがさらに強まったのが、ジャパンハートに入ってから経験した、先程書いた出来事です。

医療者という、専門性の強い職種の方々に出会い、その仕事を目の当たりにし、自分は本当に何もできないんだなと。

卑屈になるとか、そういったネガティブな意味ではなく、事実として突き付けられた気分でした。

よく考えてみると、いろいろなことができると言ったって、何も極めたわけではありません。
人事労務にはその道のプロが、会計や広報にも、その分野を専門にしている方々います。
そう考えると、広く浅く携わっているだけの自分の武器は何なのかと悩んでいました。

そんな時に、ジャパンハートのファウンダーである吉岡が何かの機会でこのようなことを言ったのです。

「君たち(医療職ではないスタッフ)は、縁の下の力持ちのプロとしてやってほしい」

その言葉がすっと入ってきました。

何か1つを極めることはもちろん素晴らしいことですし、NPOに置いてもそういった人材は貴重です。

ただ同時に、「いろいろなことができる人」を極めれば、それでも役に立てるのだと、そう考えることができました。

自分の武器はない気がしていたけれど、ならば逆に、何でも屋を極めてやればいい。

今の私には管理本部長という役割がついていますが、その時に抱いた、「できることは全部やる」という気持ちは今でも忘れていません。

なぜなら、そのすべてが、最前線にいる人のサポートになり、現地の誰かの命や心を救うことになるからです。

患者さんの緊急事態を前にして、私には何もできませんでした。
しかしあの時立ち尽くしてしまった自分は、同時に医療者たちが現場でどのように動き、どれだけ必死であるかを感じていました。 

そのように必死で動く人達を支えることで、現場で最大限のパフォーマンスを発揮してもらえたら。
そのおかげで患者さんの命や心が救われたら。
それはもう、自身が患者さんの救いになれたことと同義だと思いますし、ジャパンハートにはそのような考え方が確かに存在しています。

いろんな人がいるからこそ、強い組織となることができる。

ジャパンハートは、団体ができて20年が経った今でも前に進み続けています。

現地に持つ病院で変わらず治療を続けるだけでも、恐らく多くの方々から称賛していただけると思います。

でもそれだけではまだまだ救えない命や心がある。

だから、2025年度にはもう1つカンボジアに病院を建てますし、そこをいずれアジアの小児医療拠点にしようと取り組んでいます。

このように大きなプロジェクトを実施する団体です。

組織基盤がしっかりとしていなければ、簡単に崩れてしまいます。


広報のプロでもいい。経理のプロでもいい。経営のプロでもいい。何でも屋のプロでもいい。


縁の下の力持ちのプロとして働いてくださる方がもっと増えることで、基盤がより盤石なものとなり、この組織はもっと強くなります。


「医療資格を持っていませんが、団体内で貢献できることはありますか?」

資格がなくてもできることはあります。

いや、もしかするとそれも間違っていて、「医療資格を持っていないあなただからこそできることがある」と言った方が正しいかもしれません。

あなたがこれまでに培ってきたスキルが、現場の医療者の支えになります。

そしてその支えが巡り巡って、患者さんや困っている方々の救いになります。


メスを握る人とパソコンをタイプする人。


そのどちらもいないと、「ジャパンハートの医療」は成り立ちません。


縁の下の力持ちのプロとして輝いてみたい方。

ぜひ一度説明会に参加してみてください。

ここに書いた文章の何倍も暑苦しいメッセージを、私から届けたいと思います!


ジャパンハート 管理本部長 / HRセクションリーダー 杉山

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