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2022年5月、宅建業法改正により不動産賃貸取引の完全電子化が解禁され、1年が経ちました。イタンジでは、不動産関連の電子契約に特化したシステム「電子契約くん」を提供しています。この1年で電子化に対してどういった環境の変化があったのか、「電子契約くん」を通して目指す先はどいったものなのでしょうか。
立ち上げメンバーでありプロダクトマーケティングマネージャー(以下PMM)*の黄と、カスタマーサクセス(以下「CS」)を担う丸山にインタビューを行いました。
*マーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど、プロダクトにかかわる幅広い分野に責任を持ち取りまとめを行っている。
ー電子契約が解禁された当時は、どういった雰囲気だったのでしょうか?
黄:電子契約解禁の直前と直後は慌ただしかった記憶があります。宅建業法が改正されることは1年ほど前から決まっていたので、その頃から法改正後のサービス展開に向けて準備を進めていました。施行される3週間ほど前には、書面を電子化するためのマニュアルが国土交通省より発表されました。
そこからはマニュアルに合わせて準備を行い、5月18日の施行と同時に、無事マニュアルに沿った仕様にアップデートしサービス提供を実現することができました。法令遵守条文等を読み込み、要件定義、仕様設計、実装をタイトなスケジュールで実施したところは大変でしたが、大きな達成感を感じました!
関連プレスリリース:https://www.itandi.co.jp/news_posts/891
改正法の施行後は、どうやって拡販していくのか、どうやって導入をしアクティブ化させていくのか、という視点に変わりました。セールスやCSの体制構築にも奮闘し、知識のインプットや顧客体験向上の土台作りをしていきました。
さまざまなことを考慮をしてプロダクトを作っていたものの、実際に利用いただくと、想定外のトラブルが発生することもありました。不動産管理会社様(以下「管理会社」)、不動産仲介会社様(以下「仲介会社」)、入居者様と、ステークホルダーが多いからこそ、多方面からのフィードバックがありました。お客様からのフィードバックをもとに一つひとつ課題を解決していくことで徐々に軌道に乗せることができました。
ー電子契約が解禁されて1年経ち、変化はありましたか?
黄:電子契約が解禁された当初、「電子契約ってそもそも何?」「安全なの?」と、未知のものに対し懸念を抱く管理会社様が多かったです。この1年を通して電子契約は急速に市場に受け入れられ、「電子契約くん」の契約社数も約500社に到達しました。
最初は電子契約を許容してもらうことが課題でしたが、現在はシステム導入後に価値を感じてもらうことへと、目標が変化していっています。電子契約システムを信頼してもらうために電子契約の情報を提供するところから、導入企業様の業務状況を把握したり、運用フローを構築したりして進めていきました。フェーズや導入企業様によって向き合うべき課題が変化していったのはすごく面白かったですね。
丸山:CSの部署全体としては、業務を通じて知見が溜まり、よりよい打ち手を考えられるようになってきたと思います。最初は事例が少なく暗中模索をしていましたが、組織にナレッジが蓄積し、メンバー同士での事例共有や、意見交換が頻繁に行われるようになりました。企業様ごとの活用方法や、運用事例などを理解することで、それぞれのお客様の運用に合った適切なご提案が可能になるため、チーム内での情報交換は大切にし、毎週事例共有会を行っています。
ー「電子契約くん」を実際に運用する上で、どういったことがポイントになるのでしょうか。
丸山:導入企業様によって、契約書の作り方や仲介会社様へ依頼する作業の範囲が異なるなど運用方法が無数に存在する為、まずはお客様の業務プロセスを深く理解するように心掛けています。不動産の賃貸借契約はステークホルダーも多く複雑です。そのため、ひとつのマニュアルで簡単に運用できるものではなく、各会社に合った「電子契約くん」の活用方法を提案する必要があります。
また、サービス導入後もその導入効果を最大化できるようなサポートも行っています。ロールプレイの実施や社内ルールの策定など、企業様の内部に深く入り込み、様々な視点からご提案をさせていただいております。電子契約に関する深い知見を持ったCSが側にいるというのは、導入企業様にとってもメリットだと思いますし、このCSの存在がITANDIの大きな強みだと考えています。
黄:導入企業様から「業務が効率化された」「リモートワークの導入が実現された」「コスト削減になった」など、ポジティブな声をいただけるとすごく嬉しいです!自分が関わったプロダクトが世の中を少しでもよくしていて、社会への価値を増していく幸福感と面白さを強く感じています。
ー「電子契約くん」の今後のビジョンを教えてください。
黄:今後はPMMを丸山くんに任せることになります。実際に導入企業様からの意見を聞いてきた丸山くんであれば、現場の業務への解像度も高いですし、何より「事業変革したい」という前のめりな姿勢を見て、任せられると思いました。
現在、「電子契約くん」は不動産業界だけに限ると市場のトップランナーにいるものの、まだまだ紙での契約が圧倒的に多いです。「電子契約くん」を利用した全ての方が、一つの電子契約に与える感動や体験をより高めてもらい、電子契約を当たり前のものにしてもらいたいです。できることはまだまだたくさん残っているので、「電子契約くん」はそこを変革してくれると確信しています。
丸山:私は、「電子契約くん」を賃貸借契約のインフラにしたいと思っています。入社してまだ1年ですが、この1年「PMMをやりたい」とずっと意思表示をしていました。想像以上に早くにチャンスをいただきプレッシャーもありますが、事業を大きくしていくフェーズを経験できるのは、本当に貴重なことだと思いますし、同時に各所からの期待も感じています。「電子契約くん」を通して、企業様が抱える課題を解決に導き、目指している理想像の実現に貢献していきたいです。その先で「賃貸借契約は当然電子契約だ」という世界を実現し、電子契約くんが不動産業界のインフラとして確立させることがPMMとしての目標です。