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“事業創造イネーブラー” Embedded Fintech事業部が生み出す新しい価値

末澤 慶海
執行役員
Embedded Fintech事業部長
2017年よりインフキュリオンに参画し、2019年6月に執行役員就任。CEO室担当役員としてコーポレートコミュニケーション・HRBP部門のマネジメント、子会社の株式会社インフキュリオンデジタルの立ち上げなどを担当後、2023年4月より現職。

2023年4月に組織の名称をアップデートし、改めて走り出したEmbedded Fintech事業部。事業部長の末澤さんに、同事業部が社会に対して果たす役割や未来にどんな可能性が広がっているのかお聞きしました。

これから社会や産業を大きく変える領域に改めてチャレンジしたかった

―インフキュリオンに参画する前のご経験について教えてください。

前職では広告・マーケティング業界に携わっており、博報堂グループのデジタルエージェンシーで経営戦略や新規事業を担当していました。Fintech業界からは遠い世界にいたのですが、2017年11月にインフキュリオンに参画しました。

―どういった経緯からインフキュリオンに参画することにしたのでしょうか?

一番の理由は、私たちの生活を根本から変えるような変化が起きている場所に身を置いて、改めてゼロから新しいビジネスをつくりたいと考えたからです。

私が社会人になった2000年の頃、インターネットの国内利用率はまだ20-30%程度でした。その後急速に普及して、今ではインターネットのない世界は想像できません。広告業界に身を置く中で、インターネットの登場によってメディアやコンテンツ、人と人とのコミュニケーションのあり方、さらには社会そのものが大きく変化したと実感しました。ダイナミックな時代の変化において最前線でキャリアを積めたことは大きな財産でした。

インターネットが「情報」を起点に社会を変えたように、Fintechは「お金」から社会を大きく変えると感じました。私がインフキュリオンに参画した2017年当時、国内のキャッシュレス比率はまだ20%程度でした。その翌年に経済産業省がキャッシュレスビジョンを発表し、将来的に世界最高水準のキャッシュレス比率である80%を目指すと宣言しています。これから社会や産業を大きく変えていく領域で改めてチャレンジしたいと考え、インフキュリオンへの参画を決めました。

―2017年の参画以降、インフキュリオン内での役割はどのように変化されているのでしょうか?

入社後、現在のEmbedded Fintech事業部の前身組織である子会社インフキュリオンデジタルの立ち上げを担当しました。ゼロからの事業立ち上げで、私は組織づくりを中心に行っていました。おかげさまで立ち上げ当初から多くの案件があり、対応するための体制づくりに必死でした(笑)。同時にインフキュリオン本体のCEO室担当役員として、会社のブランディングに関わる業務のマネジメントも行っていました。Embedded Fintech事業が拡大してインフキュリオンの主力事業として成長し、メンバーも100名近くなってきたので、2022年1月からEmbedded Fintech事業の担当役員として専念することになりました。

“事業創造イネーブラー”であることが我々のアイデンティティであり、存在意義

―管掌されているEmbedded Fintech事業部について教えて下さい。

いま、Embedded Finance(組込型金融)というキーワードが世界的に注目を集めています。2020年に、世界を代表するベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツが「Every Company Will Be a Fintech Company(すべての企業はFintech企業になる)」と題したプレゼンを行ったことが話題となりました。

Embedded Fintech事業部の使命は、まさに「すべての企業をFintech企業にする」ことです。私たちは、小売業やサービス業などさまざまな企業が自社サービスに金融機能を組み込んで、ユーザーに新しい価値を提供するためのお手伝いをしています。具体的には、スマホ決済プラットフォーム「Wallet Station(ウォレットステーション)」などのサービスを提供しています。

私たちが行っていることは、単なるSaaSシステムの開発、導入ではありません。最近では、自分達のことを“事業創造イネーブラー”と表現しています。新規事業やサービスの立ち上げにおいて「これまでできなかったことをできるようにする」存在です。

たとえば現在、多くの小売企業は、スマホアプリを通して店舗情報やクーポンなどを積極的に配信しています。ただ「決済」だけは他社のコード決済だったり、クレジットカードだったりとUXが分断されています。なぜなら、決済処理や残高の管理など「お金」を扱うシステムは、自社で構築・運用するのはとてもハードルが高く、サービスに組み込むのが困難だからです。

Fintechを自社サービスに組み込むためには、システム、ライセンス、法令対応、運用体制の構築など、さまざまな面で課題が発生します。私たちの支援は、システム提供だけでなく、顧客が決済機能を活用して新たな事業・サービスを立ち上げて軌道に乗せるまでに発生するあらゆる課題に及びます。

顧客支援を通してこれまで世の中になかったサービスを生み出し、新しいユーザー体験や価値を提供できるようにする。「できなかったことをできるようにする」とはそういう意味です。これこそがイネーブラーとしての私たちの存在意義であり、社会に果たす使命です。

― “事業創造イネーブラー” は事業部が担う役割の大きさが伝わる良い表現ですね。顧客との取り組みは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

Wallet Stationは金融機関と小売などの事業会社双方にサービスを提供しています。事業会社の最近の事例では、ドラッグストア業界2位であるツルハグループ様のスマホ決済サービス「HAPPAY(ハッペイ)」 に採用いただいています。支払いからポイント、クーポン獲得を一つのアプリで完結することができるようになります。

また、コカ・コーラ様が提供する累計4,200万ダウンロードのスマホアプリ「Coke ON」で利用できる電子マネーサービス「Coke ON Wallet」は、Wallet Stationを基盤としています。

金融機関様との取り組みでは、たとえば最近発表した北國銀行様との地域金融デジタル基盤構築プロジェクトがあります。

北國銀行は邦銀で初めて勘定系システムをクラウド移行するなど、先進的なデジタル戦略に取り組んでいる地銀なのですが、現在、次世代型のデジタルプラットフォームを共同開発しています。これは小売やサービス業の事業者が、APIベースで自社サービスに決済や融資などの金融機能を組み込めるプラットフォームを作る取り組みです。地銀によるBaaS(Banking as a Service)提供モデルとして、地域特性に合わせた多地域展開も目指しています。

Fintechは変化が加速していくこれからのフェーズが面白い

―Fintech領域の可能性をこれからインフキュリオンが広げていく、といった感じですね。

そうですね。私たちは、キャッシュレスやFintechという言葉が国内に普及する前から業界に先駆けて事業を行ってきました。

イネーブラーとして、Wallet StationやXard(エクサード)など独自性を持つプロダクトを提供し、顧客の事業を成功に導く包括的な支援を行ってきた実績があります。その意味では、とくに決済領域においては、どこよりも豊富な知見と経験を持っていると思います。このアドバンテージを活かした新しい挑戦を今後も継続していきたいと考えています。

―お話を聞くだけでもワクワクしますね。事業部の体制や現在募集している職種についても教えて下さい。

2023年8月現在、Embedded Fintech事業部には現在100名ほどのメンバーが在籍しています。エンジニアが7割で、BizDev(営業)が2割、その他の業務メンバーが1割程度です。幅広い職種を募集しているので、詳しくはこちらをご覧いただければと思います。

―Embedded Fintech事業部にいらっしゃる方にはどんな方が多いのでしょうか?

本当に多彩なメンバーが揃っています。私のように金融とまったく関係ない業界から参画したメンバーもたくさんいます。

エンジニアの候補者の方とお話ししていてよく言われるのは、「ミッションクリティカルで難易度の高いシステムを自社サービスとして開発し、より良いものにしていきたい」ということです。可用性やセキュリティ、処理性能がシビアに要求されるシステムのDevOpsを通して、エンジニアとして高度なスキルと経験を身につけたいと考えている人が多いと思います。

サービスも組織もまだまだ発展途上であり、当然のことながら発展の過程で日々さまざまな課題や困難に直面します。そのような課題を自分ごととして捉えて、それをチームで乗り越えることで、より良いサービスと組織を作る。そのプロセスを通じて自らの成長に繋げる、そんなモチベーションを持って仕事に取り組んでいる人が多いですね。

―高い壁が逆にやりがいに感じる人達なんですね。最後に、求職者の方にメッセージをお願いします。

まずは長文をここまで読んでくださってありがとうございます(笑)。多様な人材が集まるほど組織は強くなるので、業界経験問わずさまざまな人にお会いしたいと思っています。

私たちは2023年4月にコーポレートビジョンを刷新しました。「あしたの世界に、いくつもの自由を。」と表現しています。お金というのはビジネスや経済の根幹です。そこを起点に自由な発想、アイデアでイノベーションを起こし、社会をより良くしたいという想いを込めています。このようなビジョンに共感いただける方と、ぜひ一緒に働きたいです。

冒頭にお話しした自分のキャリアと重ね合わせると、インターネットの普及率が70%を超えたあたりから、SNSなどさまざまな新しいサービスやビジネスが登場してとてもワクワクしながら働いていました。キャッシュレスも普及してからが本当に面白くなるんだと思っています。Fintechによって社会変革は確実に加速します。大きなうねりの中心で、新しい時代をつくる仕事を一緒に楽しみましょう。

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