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【外食産業 激動の12年を振り返る】グルメ媒体乱立期からコロナ禍における大打撃とその余波

外食ビジネス向け業務支援サービスを展開する、株式会社イデア・レコード 代表の柏田康雄です。当社は、外食産業の課題を一気通貫型で解決する、業務支援SaaS「GATE」シリーズを開発・提供しています。

この12年間、外食産業は激動の時代だったように思います。スマートフォンが普及し、お客様が求める具体的なニーズに対応した飲食店に出会えるようになりました。また、Web予約も当たり前の時代となり、より気軽に外食を楽しめるようになっています。2020年以降は、「コロナ禍」による衝撃も経験しました。

イデア・レコードでは、その時々に応じた外食産業の課題解決に取り組んできました。創業からこの4月で丸12年を迎えるにあたり、その歴史を僕なりに紐解いていきたいと思います。

今回は、外食産業の激動の12年を振り返ってみます。あくまで一考察ですので、その点をご理解のうえ、お読みいただければ幸いです。

目次

・【2012-2018年頃】グルメ媒体乱立期

・【2018-2020年】オウンドメディア乱立期

・【2020-2023年】コロナ禍による大打撃

・Withコロナとこれから

・一気通貫型業務支援SaaS「GATE」シリーズを通じ、全体最適を目指す

【2012-2018年頃】グルメ媒体乱立期

まず、2012年以降の「グルメ媒体乱立期」から振り返ります。

さかのぼれば1996年に「ぐるなび」さんが創業して以降、グルメ情報サイトにお店を掲載すれば、効率よく予約が獲得できる、WEB集客できるという時代がやってきました。当初は「ぐるなび」「ホットペッパー」が代表的でしたが、徐々にグルメレビューサイト「食べログ」が登場するなど、グルメ媒体は非常に勢いがありました。それに伴い、お客様のお店の選び方も多様化しました。それまで見つけられなかったような飲食店の情報に辿り着けるようになったのです。外食企業と接点ある大手企業も外食予約メディアを次々と立ち上げ、お店を選び軸として「目的・利用用途」にあったメディアであるか、またその「ユーザー評価」や「クチコミ」を調べるという行為が当たり前となりました。

飲食店側からすれば、お店の情報が多くの人の目に触れることにより、接点の無かったお客様に来店いただけることは大きなメリットとなりました。その一方で、「やらなければならないこと」も増えてきました。

例えば、料理の内容や金額が変わった場合、掲載しているすべての媒体で情報を更新する必要があります。ただ、IT活用に苦手意識を持つ方も少なくありませんでした。また、これ以外にも飲食業はとにかくやるべきことが多く、本来のコア業務である調理や接客などが疎かになってしまう店舗も増えてきました。

もう一つの課題として、「広告・販促費」の負担増が挙げられます。グルメ媒体への掲載店舗数が増えると、その中で上位表示されるために高額なプランを購入する必要が出てきました。また、媒体の種類も増え続けているため、複数に出稿するための掲載料も必要です。さらに、媒体から予約したお客様の数に対して、例えば1名200円など手数料を徴収する「送客手数料」という仕組みも始まり、多くの飲食店が頭を悩ませました。


【2018-2020年】オウンドメディア乱立期

「広告・販促費」の高騰に伴い、各飲食店は自らメディアを持ち、そこで予約を受け付ける方が効率的と考えました。そこで、オウンドメディアの立ち上げが加速します。同時に、世間ではあらゆることをGoogle検索で解決することが一般化。それにより、Googleに掲載されているクチコミや情報を参考にするお客様も増えてきました。各飲食店は広告費を抑えるため、基本的に掲載料のかからない「Google Maps」なども活用し始めます

ただ、飲食店を経営しながら、自社メディアなどを運用をするのは人的・時間的コストがかさみ、困難を極めました。そんな飲食店をサポートしようと、多くの「外食支援プレイヤー」が誕生。具体的に言えば、各種グルメ媒体と予約台帳を連携させたサービスや、クチコミ管理ツールなど、さまざまなサービスが開発・提供されるようになりました。

【2020-2023年】コロナ禍による大打撃

2020年2月以降、新型コロナウイルスの蔓延により、外食産業は大きな打撃を受けます。まず、緊急事態宣言の発出により、営業時間の短縮や休業を余儀なくされました。また、外出自粛要請や三密回避のトレンドのなか、店内飲食は軒並み減少し、デリバリーやテイクアウトの利用が増加しました。それまで店内飲食のみだった店舗も、その多くで新たな業態を模索するケースが見られました。

さらに、コロナ禍では飲食産業でも「DX化」の必要性に迫られました。例えば、感染症対策として「非接触」が求められ、モバイルオーダーなど決済やオーダーの際にお客様とスタッフの接点を減らす対策が必須となりました。また、UberEatsなどのフードデリバリーが一気に普及したことや人手不足などにより、さまざまなツールの導入も急がれました。

外食産業は「DX化を進めなければ、生き残れない」という状況まで追い込まれていた、と言っても過言ではありません。最終的には、それまで取ってきた方法を変え、新しい取り組みに着手できた店舗が生き残ったという、まさに「二極化」の様相を呈したと言えるでしょう。


Withコロナとこれから

2023年5月に新型コロナウイルスが「5類」となり、再び国内の外食マーケットが息を吹き返し、またインバウンド波が戻ってきました。飲食店にとっても、インバウンド集客は根強い売上の柱。特に、団体客が入ることで経営は安定します。今後もインバウンド向けの集客は必要不可欠でしょう。

コロナ禍が明け、人々のライフスタイルは多様化しました。飲食に関することで言えば、お店で食べるだけでなく「デリバリー」「テイクアウト」が当たり前の選択肢となりました。それによって飲食店にどんな影響があったかと言えば、一番は「競合店が増えた」ことだと考えています。それまでは飲食店同士の戦いだったものが、元々テイクアウト、デリバリーなどのビジネスを展開していた業態とも競合するようになったのです。ライバルが増え、飲食業界の競争は激化していると言えます。

また「人手不足」にも拍車がかかっています。そもそも日本は働き手が不足していますが、コロナ禍で多くの飲食店が休業や廃業に追い込まれたことにより、若者を中心に飲食業界を避ける動きが出てきました。さらにフルリモートで働けるような職種も増えているなか、あえて「接客業」を選ぶ人が減っているという現実もあります。

一気通貫型業務支援SaaS「GATE」シリーズを通じ、全体最適を目指す

さて、これまでの12年間を振り返ってきましたが、僕たちがやるべきことは、これからも変わらないと考えています。コロナ禍でライフスタイルは大きく変わりましたが、それまでもさまざまな要因で世の中は変化してきました。僕たちのサービスも、それに伴ってどんどん進化しています

先ほどもお話したように、外食産業が「人手不足」にあえぐ状況はしばらく続くでしょう。僕たちは、そこを支えたいと考えています。注力しているのは、お店や企業ごとの「文化」を守りながら各種ツールを浸透させること。そのために現場を知り、それに合わせた柔軟なカスタマイズを実現します。

また、今後はより「コンサルティング的」な要素が必要になると考えています。というのも、例えば飲食店の「利益が出ない」という課題があったとしても、その要因は「集客」なのか「人件費」なのかは分かりません。それなら、何が課題でどう解決していくべきなのかを、共に紐解いていく作業が必要になると思っています。今後目指しているのは、既存のツールだけを用いた「部分最適」ではなく、コンサルティングを併用した「全体最適」です。


最後に

僕の実家は、九州で飲食店を経営していました。そして、先ほどお話したような飲食産業を襲うさまざまな波を、間近で見てきました。だからこそ、飲食店のオーナーさんたちが、長くお店を続けられるような仕組みを開発し、それを使って経営をサポートしたい、と強く思い創業しました。

当社が掲げているビジョンは「外食企業の成長ドライバーに」です。当社の提供する一気通貫型SaaS「GATE」やコンサルティングサービスを活用して業務負担軽減に繋げ、飲食店オーナーの本来あるべき姿を追求してほしい。そう考えています。



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