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創業12年目になったrootの現在地 - 事業と組織の成長を共に実現し、デザイン浸透を目指すために -

こんにちは。root CEOの西村です。
2024年rootは創業して12年目に突入しました。
先日デザイナー新年会が開催され今年の漢字を発表しました。
今年のrootは「実」、多くの出会いをより実らせ、成果・実績を出していく1年にしたいと考えています。
今日は、自分たちが取り組むDesign Doing for Moreとは何なのかを、昨年の活動も踏まえ現在地をアップデートしていきたいと思います。

目次

  1. 僕たちは何を変えたいのか?
  2. 自分たちがそれを支援する意義
  3. この難題にどんなアプローチを取ってきたか
  4. 若いフェーズの組織にアクセスしてアプローチを取ること
  5. もう1つの重要な要素
  6. これまでの取り組みから見えている可能性
  7. ここから実現したい未来
  8. 最後に
  9. rootでは共にVision実現できる仲間を探しています!

僕たちは何を変えたいのか?

rootが支援するクライアントは、主にスタートアップや大手企業の新規事業を中心とした若い段階にある成長ポテンシャルのある組織を対象としています。
これまで様々なクライアントに携わってきた中で感じた1つの疑問。サービスを立ち上げたい、アプリをリニューアルしたい、どれも支援すれば形にすることはできます。ただ、そのサービスを持続的に発展させていくには、それを作り続ける体制や仕組みがないことには発展がさせられない、クライアント組織にその持続性があるのかを見た時、その環境にない組織の多さにギャップを感じたのです。

そこでrootの支援方針は、あえてクライアントのインハウス化を支える立場を取ると決めて行っています。一見それは自分達の仕事を減らす活動をしているように見えますが、そうではなく事業会社それぞれの中でUXや顧客を中心としたものづくりをする素地を作り広げていくことが、デジタルデザインの業界そのものの発展やデザイナーがはたらく環境をより充実したものへ発展させられると考えているからです。
だからこそ本気で事業を成長させたい、顧客やUXを中心としたものづくりをしたいと思っている熱のある担当者がいるクライアントに伴走したいと考えています。そうでなければ、僕らがいくら頑張って支援をしても、クライアント内部の環境を変化させることはできないからです。

自分たちがそれを支援する意義

この事業構想を話すと、一言目に言われるのが、「大変そうですね」という言葉です。特にデザイナーの方からはそう言われることが多いのです。
みんなその活動の営みがどれほど苦労することか一度は経験をしているからだと思います。そのくらい組織の中でデザインを扱うことがが難しく、理解を得られていないという事実でもあります。だからこそこの問題は個々デザイナーの力によって変えていくのではなく、デザイン会社という立場だからこそ、多くの事業や組織でそれを変えていく役目を果たせると考えています。

この5年ほど、事業会社内でインハウス化が進みデザイナーがはたらく環境もかなり変化してきたと実感しています。1社の中で環境が整っていくことはとても嬉しいことなのですが、全体を見た時、この営みは一部の事業環境の中でしか起こっていないことがわかります。
はたらく側のデザイナーも当然環境の整っている組織ではたらきたいと思います。 ただ、それだけだとこの営みが組織を超えて広がっていかない、だからこそ循環する仕組みが必要だと捉えています。その視点で捉えた時、デザイン会社はデザインをドメインとする立場だからこそ、この課題に向き合うことができるポジションであり、この問題を解決していくことが自分たちの事業の成長と相関するビジネスであることに可能性を感じています。

この難題にどんなアプローチを取ってきたか

この組織の中でデザインを扱う難しさに対して、rootがこれまでどんなアプローチを通して可能性を見出しているかを触れて行こうと思います。

若いフェーズの組織にアクセスしてアプローチを取ること

rootが支援に入る会社は企業規模の大小問わず、小さなチームから支援に入ることに着目をしています。これはデザイナーと協働することに慣れていない組織で成功体験を作るための鉄則とも言えます。はじめから全く異なるやり方で大きな変化を起こそうとすると人は変化を嫌います。まずは、組織内で顧客やUXを扱うことを理解している人やそれを推進したいという方と一緒に小規模なチームを作り取り組みをスタートさせていきます。 そのチームの中でデザイナーと協働し小さな成果を上げる成功体験を作っていくことがはじまりです。

スタートアップの場合であれば、組織規模が小さいのでそのまま全社への取り組みとして事業のスケールと連動させながらデザイン支援の輪を広げていきます。実際取り組んでいるケースでは、PMF前の段階に入りながらグロースフェーズに備えた体制構築や人数の拡張に耐えられるプロセスづくりなどしています。
逆にすでに事業基盤があり組織のサイズが大きな会社の中でデザイン推進を行う場合は、スタートアップで行っている環境と近い構造を1つのプロダクト開発ラインやチームから入り、同様に成功体験を作っていくことからはじめていきます。
大きな組織の場合は、これまでのやり方が必ず存在するので、変化をさせることが必要だと実感している人にチームに入ってもらう必要があります。情緒的ではありますが、推進の熱を広げられるかはとても重要になのです。
そんな具合で小さくはじめその営みを広げていくというのがrootのアプローチです。 これだけ聞くとホントにやれるの?と感じますが、もう1つ重要な要素があります。

もう1つの重要な要素

それは事業の成長スピードです。 rootが支援を行うクライアントは基本的にデジタル領域にフォーカスをしています。 それはなぜかというと、事業の成長スピードが早いからです。 スタートアップであれ、新規事業であれ顧客のニーズをしっかりと捉え事業を構築できれば数年で2倍、3倍とスケールしていくことが前提になっていきます。そういったスケールする事業には必ずそれと連動した組織の拡大が起こります。 僕たちはこの事業の成長のベクトルと連動する組織の拡大に対して、デザイン活動の素地を形成し、それを広げていく取り組みを行うことにインパクトがあると考えているのです。

先日開催されたデザすぷ vol.4 新年会でもrootの取り組みをご紹介しています。

これまでの取り組みから見えている可能性

小さくはじめ、輪を広げる活動には再現性がある。これまで様々な企業を支援してきた中で、この活動には再現性があることが明らかになってきています。実際に支援してきた事例の中では、デザイナーが不在だった組織がデザイン組織を持ち全社施策として各事業と接続しながら組織内でデザイン推進をする活動へ発展させられる実績もあります。今後よりこの取り組みを拡大していくことで、より大きな組織規模のクライアントの支援や、経営や戦略といった組織の中枢にある機能に対して、デザインを接続し成果が生み出せる営みを行える機会を増やしていきたいと考えています。

そしてもう1つrootならではの価値があるものが、事業の変遷を攻略したナレッジを保持できることにあります。
僕たちの支援モデルは持続性によって成り立っています。通常だと期間や成果物で定められた関わり方をするのが外部支援の一般的な商流ですが、持続性があることによって事業の節目で起こり得る変化、事業課題がどんなものかを捉えることができます。つまり事業の成長のベクトルに対して、何が起こるか一定予測可能性を持つことができるようになるということです。
実際の支援実績の中でも、BtoB SaaSであれば次のフェーズでこういった組織拡大が起こる、その際によく起こるイシューは◯◯になるから、先手を打って投資判断を行っておこう。という具合に先手を打ちながら拡大のボトルネックを潰すことができます。

プロダクトの成長に合わせたデザイン環境整備。Bizibl立ち上げにおける、デザインプログラムマネージャーの動き方|Cocoda
rootでプロダクト開発を支援している「Bizibl (ビジブル)」のプロジェクトの中で、デザインプログラムマネージャーとして、プロダクトデザイナーが十全に能力を発揮できるようにするための、デザイン環境の整備を行いました。
https://cocoda.design/ryoheikishi/p/p516815e60073

このナレッジを組織の中に蓄積していくことで、事業の成長段階に応じて必要なデザインを扱うことができるようになります。通常なら1人のインハウスデザイナーが経験のない中、試行錯誤しながら突破して築き上げていく領域を、rootは組織としてノウハウを活かしながら遂行できることで、経験がなくても突破できる環境を作り上げています。
そしてこの事業フェーズに応じた支援の拡張は、プロダクトデザインにとどまらないデザイン支援の幅を広げることができ、クライアントの成長と連動しながらroot内ではたらくデザイナーのキャリアパスの広さと深さの両方を獲得できると考えています。

ここから実現したい未来

これまでの取り組みから構想に対して再現可能なものが何かは一定見え始めているのが現状です。ただ、この取り組みを広げていくには、現状のrootの組織規模はまだまだ小さく何を優先していくかにフォーカスする必要があります。

今年特に着目しているのは、新規で立ち上がっていくスタートアップの支えになることを考えています。これまで僕自身が経験してきた0⇒1 の不確実性を考慮したデザイン、そこからグロースへと遷移する過程を、より再現性を持ち精度をあげながら支援できる体制を強化し、rootが支援に入る入り口で、支援力を強化していきたいと考えています。
そして、そこから拡大していく組織へのデザイン定着を確実なものへ変えていきたいと考えています。

また、その営みと連動する取り組みとして、段階的に組織形成の規模に応じたナレッジを蓄積し守備範囲を広げた支援を行っていくためナレッジマネジメントの運用体制の強化を測っていきたいと考えています。rootの組織において、このナレッジ体系に応じた組織体制の構築が必要となると考えており、下記は特に注力して整備していきます。

  • 組織フェーズに応じたナレッジセグメントの分岐とナレッジ運用体制の構築
  • root内での組織マネジメント体制の整備と推進
  • デザイナー個々の能力水準を高めrootにしかできない提供価値をより高めていく
  • 支援モデルの拡張として次のビジネスモデルの検証

最後に

長々と書いてしまいましたが、この壮大な構想を、着実に土台を形成しながら広げ続けています。
今のrootのフェーズは、組織の立ち上がりの初期段階。スタートアップでいえばPMF通過前後といった段階にあります。ここからの拡大にはより事業の成長や組織の成長を第一線で実践してきた経験者と、共にそのノウハウを1社への導入とするのではなく、掛け算で複数の事業や組織へ広げられる仕組みとして広げていきたいと考えています。

これから先も様々な難題と向き合っていくことになると思いますが、事業と組織の成長を共に実現するパートナーとしてこの未来を一緒に作っていく仲間を探しています! 僕1人の力で動かせるものには限界がある。そう実感した日からrootのこのVision実現の航海は始まっています。
多くの事業と組織の成長を手掛けながら、デザインそのものの価値を問うことができる事業であるのがroot。この事業ドメインならではの面白さを味わってもらえたら嬉しいです。

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