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経理畑出身の私が「結婚相談所」を立ち上げ、わずか2年で成婚率55%を生み出せた理由。

今回ご紹介するのは、IBJ日本結婚相談所連盟に加盟する結婚相談所および婚活パーティーを運営する『ベルブライド』の吉澤正弥さん。JASDAQに上場するベルパークグループとして、成婚率54.9%(2018年実績)を誇る高い実績と信頼できるサービスを提供しています。インタビューでは、38歳でベルパークの経営企画責任者と結婚相談所の代表を務める吉澤さんの『成婚』にかける熱い想いがうかがえました。



Profile

株式会社ベルブライド 代表取締役社長 吉澤 正弥さん

奈良県出身。予てから起業したいという想いがあり、学生時代はダブルスクールで公認会計士の専門学校へ通う。その後、株式会社ベルパークへ入社し、財務経理部でキャリアを積み29歳で部長に昇進、その後ジョブローテーションで営業の管理・総務人事部責任者とマルチなキャリアを経て、経営企画責任者へ。2016年に結婚相談所事業を行う株式会社ベルブライドを設立し、代表取締役社長に就任。自身も婚活カウンセラーとして、日々成婚を生み出している。



Interviewer: 石坂 茂 ― 株式会社IBJ 代表取締役社長

2000年。日本初となる婚活サイトをスタートさせ、2006年株式会社IBJを設立。結婚相談所1,898社が加盟する日本結婚相談所連盟を運営し、業界のリーディングカンパニーとして全国の相談所に独自の成婚メソッドを波及させる。



Interview

― 結婚相談所がキャリアチェンジの候補に

石坂:

本日はありがとうございます。日本結婚相談所連盟が1,800社を越えたということで、加盟相談所について毎月取り上げていこうと思い、今回吉澤社長にお声がけさせていただきました。開業の経緯やこれまでのご苦労・成功体験など、吉澤社長のお人柄が表れるトークができればと思っています。


吉澤:

ありがとうございます。第一回目とお聞きして、とても光栄です。どうぞよろしくお願いします。


石坂:

よろしくお願いいたします。吉澤社長が開業されてから2年が経ちますね。もともと結婚相談所ビジネスを始めようと思われたきっかけとして、社内的にはどのようなことがあったのでしょうか。


吉澤:

親会社であるベルパークで経営企画部の責任者をやらせていただいているのですが、グループとして、中期の目標の一つである「事業ポートフォリオの拡大に挑戦する」を実践するため、色々なビジネスを探していたところだったんです。約1,900人が働くベルパークグループですが、平均年齢は30歳前後と若く、結婚相談所ビジネスであれば、若いキャリアショップのスタッフが年齢を重ねてからも出来る仕事なのではないかと考えました。

石坂:

キャリアチェンジの候補の一つとして、結婚相談所ビジネスであればやっていけそうだと考えたわけですね。一般的にキャリアショップにお勤めの場合、どのようなキャリアステップを築かれることが多いのでしょうか。


吉澤:

キャリアショップで働くキャリアステップは様々で、店長やマネージャー、課長といったマネジメント側へのキャリアを歩む人もいれば、トレーナーとして部下の育成に注力する人、店舗経験を生かして、本社側で施策を考えたりや監査を行う部署へ移動する人等いろいろな方がいますね。

ただ一つ言えることは、キャリアショップの仕事は、新しい商品が頻繁に発売されたり料金プランが頻繁に変更されるなど覚えることが多い仕事です。平均年齢が30歳前後ということもあり、50歳、60歳になったときのキャリアショップで働くイメージが描きづらかったりもしますので、そういった将来の働き方について悩み、中には転職してしまう人もいるんです。


石坂:

キャリアショップのセールスはものすごく複雑ですよね。キャリアチェンジを希望して転職するのであれば、社内で別の機会を提供しようという意図があったわけですね。

吉澤:

ええ。我々のグループミッションに「素敵な未来を」という想いがあるのですが、まさに結婚相談所事業はお客様に素敵な未来を提供できる仕事であり、みんなが興味を持ったり楽しめる“夢”のある事業だと思いました。かと言って事業として成り立たないといけないので、ある程度当社の持つノウハウから実現できて、さらに利益が出る事業でなくてはいけない。結婚相談所事業は在庫を抱えずに“人“で勝負できるので、リスクも少ないということで事業をスタートさせることになりました。そこから具体的にどのようにして始めるかとなったとき、IBJさんの”成婚”に注力する姿勢を見て、もしビジネスを始めるのであればIBJさんと一緒にやっていきたい、という想いで加盟させていただいたという経緯ですね。


石坂:

一般的には、キャリアショップ事業から結婚相談所事業はすぐには浮かばないかと思うのですが、御社のこれまでの基盤やノウハウで実際に活かされたものはありますか?


吉澤:

おっしゃる通りこれまでとは全く異なる分野になるので、人材育成は今でも大きな課題です。ただ幸いなことにキャリアショップ事業を運営する中で、接客力向上のためのロールプレイングを頻繁に行う文化が根付いており、全国のソフトバンクショップのクルーで競う接客グランプリで1位になったりと、接客に関しては得意というか自信はありました。

石坂:

もともと人材育成のノウハウやメソッドがあったわけですね。それを活かすことで早期立ち上げが出来たのかもしれないですね。


吉澤:

当社の社員は“失敗してもいいから前に進んでいこう”という企業文化があるので、お客様と共に育てられながらも成長させていただいていると思います。


― 初めて入会されたお客様が『成婚第一号』に

石坂:

事業をスタートする前、結婚相談所事業に対する期待やイメージがあったかと思いますが、スタート後の期待値に対するギャップや難しさなどはありましたか?


吉澤:

ある程度予想していた通りでした。結婚相談所の仲人は、お客様の人生に関わる仕事なので浅はかな知識だと対応できない。ライフプラン全般のアドバイスも出来るようにするための教育が一番大変でしたね...。


石坂:

教育も、マニュアルだけではなくて経験からくるものもありますからね。成婚は目の前のお客様だけではなく、お相手の気持ちもあるので難しいんですよね。


吉澤:

そうですね。お客様にどのような人をご希望ですかと聞くと「フィーリングで合う人」「誰でもいいんです」「普通の人」という方ほど逆にこだわりが強かったり・・・(笑)


石坂:

その通りです(笑)我々は意思決定をするための支援をしていますが、皆さん自分を守る手段として判断の先送りをしてしまうことが多い。会員様の行動や気持ちを慮り、どのように意思決定を支援していくのかということがカウンセラーに問われますね。

石坂:

開業される相談所が一番最初に苦労される”集客”について、御社の場合はいかがでしたか。IBJとしても出来る限りのサポートやノウハウ支援をしていますが、やはりそれでも各相談所にストーリーがあると思います。御社の場合はどんな苦労があり、どのようなトライアルをされてきたんですか。


吉澤:

集客に関することは全てやりました。最初は渋谷のマークシティに出店したので、その下でチラシ配りをしたり。他にも、毎日更新しているブログ、広告、法人取引関係の繋がりなど。とりあえず試してみないと何が正しいのかも分からないので、最初は何でも試してみるという気持ちで一通りやりましたね。


石坂:

法人取引チャネルは親会社が上場会社ならではの強みでもありますね。丸2年運営されていますが、最初に成婚が出たときのことは覚えていらっしゃいますか?


吉澤:

それははっきり覚えています。ベルブライドに一番最初に入会されたお客様に、“あなたが初めての会員様なんですよ”と正直にお伝えしたところ、“じゃあ私が成婚第一号になります”と言っていただけて。


石坂:

最初に入会されたお客様が一番最初に成婚されたんですか?それは素晴らしい成果ですね。


吉澤:

そうなんです。その時初めて”ここに入ってよかった”と言ってもらうことが出来て。その言葉を聞くと”もっと頑張って多くの成婚者を出したい”という気持ちになりますよね。さらに成婚者の方からお子さんができたというご報告を受けたりするとさらに嬉しくなっちゃいますね!そういった意味でこの事業は非常にやりがいのある仕事だと思います。


石坂:

スタッフの皆さんも一丸となってやりがいを持ちながら働かれているわけですね。責任感のあるお仕事をされていてプライベートではお子様もいて、かなりお忙しいかと思いますが、余暇はどのように過ごされているのですか。


吉澤:

マラソンが好きなので走ることが多いです。フルマラソンにも挑戦しています。ベストは2時間49分台(笑)土日は仕事前に30kmずつ走ることも。マラソンは自分との闘いなので、言い訳できないのがいいですね。マラソンに比べると仕事の方が楽に感じられるので、ビジネスマンとしてのバランスが取れているのもあるかもしれないです。ちなみに今年の4月から下の娘が小6になりますが、もう友達と遊ぶ方が楽しいみたいで徐々に一緒に遊んでくれなくなってきて寂しいですね…。


― 3年以内に年間100名の『成婚』を生み出す

石坂:

お話しを聞く限り、御社は非常に順調に感じます。吉澤社長が感じていらっしゃる現状の目標や、中長期的なイメージはありますか?


吉澤:

3年以内に今の3倍となる、年間100名の成婚者を生み出したいですね。その為には、入会者数を増やす必要がありますし、成婚率も現状の55%を維持向上していかないといけない。このビジネスがもっと当たり前になれば成婚者も増えるはずなので。

石坂:

実はそうなりつつあると思っていて。若年層を中心に、ここ4~5年の間でSNSのようなライトなネットサービスを気軽を使うようになり、さらに、結婚式で出会いがIBJ加盟店という人も増えている。当たり前のように、合理的で良い仕組みなのだと徐々に浸透していくのではないのかなと思います。だから我々は”成婚数を増やす”という王道を踏み外してはいけない。


吉澤:

そうですね。ベルブライドは”お客様に寄り添う”ことを一番大切に考えていて、サポートスタイルは全てお客様の生活スタイルやご希望に合わせます。入会時のアンケートで、メールだけがいい・電話だけがいい・面談がいいと選んでいただいたり、褒めて伸ばしてほしい・しっかり怒ってもらいたい等のご希望をお聞きして、その人に合ったサポートをしています。料金システムも分かりやすく2本のみ。2週間に1回はカウンセラーからお客様に何かしらのアクションすると決めています。


石坂:

料金がリーズナブルにも関わらず、きめ細やかなサービスですね。そういった仕組みや方針を吉澤社長が立て、スタッフに浸透させて運営されてこられたんですね。

吉澤:

実は私だけではなく他の社員の意見もあります。親会社もそうですが、社長でも上司でも何でも遠慮なく言っても良いという企業風土があるので、方針ややり方はその都度変えて試しています。例えば、広告費を抑えていかにお客様へ還元するか。今後はフィーリング重視の婚活パーティーもお客様の希望に合わせてご提供するなど、いろいろトライしていく方針です。あとは、一般の方は結婚相談所ごとに成婚定義の違いがあることをよく知らない人がまだまだ多いので、結婚相談所をお選びいただく前に各社の違いを普及したいですね。


石坂:

結婚相談所がいったいどういったサービスを行っているのかもあまり知られていないと思っていて。婚活サービスやアプリでも結婚相談所の類だと思う人もいるので、そこは啓発というか広報活動を業界全体で行い理解していってもらわないといけないですね。結婚相談所の本質として一番大切なのは本当にシンプルで、成婚者数を限界まで拡大することにチャレンジしていくことです。多店舗出店方式だと、どうしてもサービスレベルや社員のモチベーションは落ちやすい。モチベーションを高めて、今いる会員様に注いでいくことが成婚率を上げるための必要十分条件だと思っています。


今日はベルブライドの吉澤社長にお話しを伺いましたが、吉澤社長のように成婚数を3年で100名出すというような意欲的な加盟店が増えていくことで、日本の成婚組数3%をIBJグループで生み出すことが出来ると思っています。吉澤社長、本日はありがとうございました。


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