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老舗ホテルを経て、L&Gで始まった第2のホテル人生は、ホスピタリティだけじゃないホテリエ像を目指す新たな旅路

L&Gには、多様なバックグラウンドを持つ若い人材が集まっている。

華やかさと和やかさを兼ね備え、メンバーにもお客様にも愛されるHOTEL SHE, KYOTOスタッフ、山野莉央さん。彼女の前職は、誰もが名前を聞いたことがある世界的ホテルチェーン「ホテルニューオータニ(東京)」である。「前職の仕事も仲間もお客様も好きだった」という彼女が、規模やカラーとしては全く違うL&Gへの転職を決意した、その思いを聞いた。

プロフィール

山野莉央:1993年生まれ。東京出身。新卒でホテルニューオータニ東京に就職し、ホテリエとしての様々な経験を積む。その後、2020年10月L&Gに入社。HOTEL SHE, KYOTOスタッフとして働きながら、イベントの企画・運営や、新しくオープンするホテルの準備チームなど、多方面で力を発揮している。


お客様からいただいた「あなたに会いたいからこのホテルにくる」という言葉

ーー大学時代は、どのようなことに取り組んでいましたか。

大学4年間、ミュージカルに打ち込んでいました。役者だけでなく、小道具・大道具などの裏方や、舞台監督の補佐もしていました。今では、同期の半分は劇団四季や東宝などでプロとして頑張っていて、Twitterで公演の告示が流れてきたりすると、知り合いが出演していないかとつい探してしまいます。活躍している仲間が多くて嬉しいですね。他には、子供たちのキャンプの運営スタッフをしていました。多い時で600、700人が全国から集まって来て、3泊4日くらい一緒に過ごすんです。最初初対面の子供たちが、帰る頃にはみんな泣いて別れを惜しんでいる様子を見ると、毎回こちらまで泣きそうになっていました。私は、そこでのプログラムのプロデュースをしており、自分の考えた企画を楽しんでくれている子供たちを見ると、すごく嬉しかったです。企画を実現まで持っていく大変さ、そして、それ以上に達成感があることをここで知り、その経験が今にまで繋がっています


ーー前職について教えてください。

新卒でホテルニューオータニ東京に就職し、4年半ほど働きました。客室約1500室に、サロン、美容院、病院、ブティック、ジムやプールもなども併設された、まるで1つの町のような、大規模なホテルです。ニューオータニでは、色々な業務を経験しました。まず客室のセッティングやインスペクションから始まり、例えば「ペットボトル1本を忘れ物とするかゴミにするか」といった、本当に細かいところまで教わりました。その後、フロントのチェックイン・チェックアウトなどを経て、最後には、スーパーラグジュアリーの「エグゼクティブハウス 禅」に配属されました。そこでは、常に「お客様が何を求めておられるのか」を最優先に考えることに尽力しながら、フロント、コンシェルジュ、ベル、オペレーターなどあらゆる業務に携わることができ、すごく鍛えられたように思います。


ーー「エグゼクティブハウス 禅」で、心に残っていることはありますか。

コロナが始まってすぐの頃、福島県から、若いカップルと彼女さんのお母様の3名様がいらっしゃいました。もともと「美術館に行きたい」とおっしゃっていたのですが、緊急事態宣言の話が出始め、行かれる予定の美術館も休業してしまったんです。私は、なんとかしたいと思って、小さいところでもいいから開いている美術館がないかと片っ端から電話をかけて探し、2つだけ見つかって。そして、その近辺で楽しめるスポットやお店なども色々と調べてまとめたものを、お客様にお渡ししました。大変喜んでくださり、お母様に「これからは、”あなたに会いたいから”ここに来るわ」と言ってくださったんです。そんな言葉をいただいたのは初めてで、すごく心に残っています。その後、実際に会いに来てくださったんです。残念なことに、その時には私はもう転職していたのですが、今でもお手紙のやり取りをしていて、「もう1人の娘みたいだわ」と言ってくださるほど、良くしていただいています。このような素敵な出会いや結びつきを持てることは、ホテリエの醍醐味ですね


ーー素敵なお話、ありがとうございます。転職を考え始めたのはなぜですか。

一言で言うと、「もっと面白い事をしたくなったから」です。ニューオータニでの仕事も仲間もお客様も好きだったのですが、私には少し堅苦しく感じてしまうところもあって。大きい組織というのはそういうものなので、これは私の個人的な気持ちでしかないのですが、大学時代に取り組んでいたような「自分が企画したものを形にする」ということを、ホテリエとしてもできるのではないだろうかと思うようになりました。L&Gのことは、ミュージカル繋がりから「泊まれる演劇」で知っており、「ここなら大好きなホテルと演劇の両方に関われるのではないか」と考えたんです。また、『世界を3ミリ面白く』という価値観にも強く惹かれました。私は子供の頃から、「これってどうしてこうなの?」と聞いた時に、「昔からこうなんだよ」「こういうものなんだよ」と答えられるのがすごく嫌なタイプで(笑)。社会にずっとある物事の上に当たり前のように胡坐をかくのでなく、みんなでもっと面白い世の中にしていくんだ!という考え方に共感しました


「自分のやりたかった仕事はこういうことだ」と実感する毎日

ーーL&Gに入社してからは、どのようなことに取り組んできましたか。

HOTEL SHE, KYOTOで、日々のオペレーションをしつつ、コラボレーション企画にも取り組ませてもらっています。最近では、「SHE IS SUMMER」を卒業して現在シンガーソングライターをされているMICOさんとのコラボレーション企画を担当。MICOさんがお客様と一緒に「SHE IS SUMMER」での5年間を振り返るという設定で、MICOさんが選んだブランケットやクッションなどを置いたりと、MICOさんのお部屋を想定したコンセプトルームを作っています。どうすればお客様が喜んでくださるか、MICOさんと直接お話ししながら企画を考えていくのがすごく面白いです。「自分のやりたかった仕事ってこういうことだな」と実感しています。また、前職や大学時代の経験を生かして、メンバーへのホスピタリティ講座や、「泊まれる演劇」では役者さんのサポートや細々とした裏方の仕事をさせていただいています。実は、前回作で、声だけ出演させてもらいました(笑)。


ーーL&Gならではだと思うところや、この会社で働く楽しさはなんですか。

考案から実現までがすごく早い上、実現まで持っていく力がある人が多いことです。例えば、この前HOTEL SHE, KYOTOで行なった「アイスクリームパラダイス」という企画。スタッフの1人が突然提案してくれたのですが、その2日後にはもうリリースしたんです。結果的に、お客様にも好評で、しっかり売り上げもあげることができ、私たちも楽しく取り組めた、すごく良い企画になりました。このように、「やりたい」と思ったことを気軽に言える環境があり、みんながそれに乗ってきてくれて、実現させる機会が得られるのは、L&Gならではであり楽しさでもあると思っています。前職だったら「でもコストがね…」「それ通すのは難しいよ」と言われるのが普通でした。それは組織体制や考え方の違いによるもので仕方のないことだと納得はしつつ、L&Gのように「それいいじゃん!」って気軽に返してくれる人たちと一緒に働けることが、私にとっては嬉しいです。あと、小さなことでもみんな全力で楽しんだり打ち込んだりする風土があるのも、この会社らしくて好きですね。例えば、不定期開催の「ベットメイク選手権」。前職では、ベッドメイクを息切れるくらい急いでしたことがなかったので、私はまだ5分の壁を突破できずとっても悔しいです(笑)。次こそ優勝目指して頑張ります!


ーー今後、やっていきたいこと教えてください。

直近では、今関わっている金沢の新しいホテルを無事走り出させたいですね。価格帯が上がるという点でも、私がニューオータニで培ってきたホスピタリティをしっかり言語化しメンバーに伝えていく必要性と責任感を感じています。将来的には、祖母が熊本で旅館をやっていたこともあり、九州で自分の宿を持つのが夢です。


あとがき

ホテリエという職ほど、山野さんの強みを引き出す仕事はないように思える。ホテルに来たお客様を自分のファンにしてしまうほど、人間的な魅力とホテリエとしての素質にあふれた人物だ。「自分が企画したものを形にする仕事がしたい」という強い思いを胸に、いわゆる「御三家」の大ホテル会社から決してまだ規模は大きくないL&Gに飛び込んできた山野さん。L&Gもまた、彼女の強みを最大限に引き出す場所であると確信している。

これから、山野さんがL&Gというステージを生かして生み出していく企画たちは、たくさんの人々にかけがえのない思い出と笑顔を届けてくれるに違いない。


インタビュアー:杉本尚美

写真:金井塚悠生

文章:西岡ゆり絵

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