今回の記事では、10年以上にわたり多くの企業でITエンジニアの採用やマネジメントに携わってきた久松剛さんをゲストに迎え、HENNGEが展開するメール配信SaaS「Customers Mail Cloud(以下、CMC)」の営業職の魅力に迫ります。
HENNGEの事業部は大きく二つに分かれており、それぞれが異なる成長フェーズにあるプロダクトを扱っています。一つは、すでに10→100のスケールフェーズにあるHENNGE One。もう一つは、現在1→10の成長フェーズにあるCMCです。
CMCは、ワンタイムパスワード送信や取引確定通知など、企業の基幹業務に関わるメールを安全・確実に届けるSaaSプロダクトとして、中央官庁やエンタープライズ企業にも導入されています。
今回は、CMCの事業部で新規営業を担当する善名さんと、既存営業を担当する松浦さんをインタビュイーに迎え、営業としてのやりがいやこのフェーズならではの面白さについて、久松さんに掘り下げていただきました。
久松 剛 Tsuyoshi Hisamatsu
合同会社エンジニアリングマネージメント 社長
慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士(政策・メディア)。2000年より慶應義塾大学 村井純教授に師事。合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼「レンタルEM(業務委託)」。ベンチャー企業3社にてエンジニアや中間管理職を歴任後、独立。スタートアップ、コンサルティング企業、人材紹介企業など複数の組織で、ITエンジニア採用、研修、評価給与制度の設計、ブランディングなどの組織改善に携わるほか、セミナー講師や執筆活動も行う。
善名 猛 Takeshi Zenmyo
Sales and On-boarding Section, Section Manager
新卒で化学メーカーに入社し、技術営業としてキャリアをスタート。国内・外資メーカーを経てIT業界へ転身し、SaaS企業で営業マネージャーを務めたのち、2024年2月にHENNGEに入社。現在は新規営業チームのマネージャーとして、自ら現場に立ちながらチームをリードする。
松浦 健太 Kenta Matsuura
Messaging Customer Engagement Section, Deputy Section Manager
アプリケーションの受託開発会社で約7年間法人営業を経験した後、2022年11月にHENNGEに入社。現在は既存営業チームの副マネージャーとして、200社以上の既存顧客に対する深耕営業を担当する。
安定した収益基盤の上で、アーリーフェーズのプロダクトに関われる環境に惹かれて
久松:まずは、お二人の自己紹介をお願いします。
善名:私は新卒で化学メーカーに入社し、技術営業としてキャリアをスタートしました。国内・外資のメーカーをそれぞれ経験した後は、営業職としてSaaS企業へ転職し、マネージャーを務めました。
その後HENNGEにジョインし、現在はCMCを取り扱う事業部であるMessaging Business Division(以下、MBD)にて、新規営業チームのマネージャーを担当しています。
松浦:私は新卒でアプリケーションの受託開発を行う会社に入社し、約7年にわたり法人営業を担当しました。その後HENNGEに転職し、現在はMBDで既存のお客様への深耕営業を担当しています。
久松:HENNGEへの入社を決めた理由を教えてください。
善名:私はSaaS業界で安定的かつ高い業績を上げていることを軸に転職先を探しており、その条件に合致する企業としてエージェントから紹介されたのがHENNGEでした。
魅力を感じたのは、ARR100億円を超える主力プロダクト・HENNGE Oneを中心に安定した収益基盤を築いている点と、その基盤の上で、CMCというアーリーフェーズにあるプロダクトの拡大に携われる点です。安定と挑戦のバランスが取れた環境に惹かれ、入社を決めました。
松浦:私も善名さんと同じく、アーリーフェーズのプロダクトに関わり、組織や事業をつくりあげていくプロセスを経験できる点に魅力を感じました。
また、HENNGEでは外国籍社員が全体の約20%を占めるなど、多様なバックグラウンドを持つメンバーが活躍しています。日本企業ではあまり見られない、多様性を尊重する風土に惹かれたことも、将来性を感じて入社を決めた理由の一つです。
SaaSとコンサルティングの掛け合わせで、メールセキュリティ強化を包括的にサポート
久松:続いて、お二人の現在の業務内容について教えてください。
善名:私は新規営業チームのプレイングマネージャーとして、営業活動を行いながらチームのマネジメントも担当しています。
営業の際は、お客様の課題のヒアリングから提案、クロージングまで、一連のプロセスを一貫して担当しており、主にWebサイトからのお問い合わせや、別事業であるHENNGE One経由で紹介されたお客様への対応を行っています。
チームの構成は、営業担当3名、アシスタント1名、マーケティング担当1名です。加えて、提案時の技術的な支援を行うプリセールスエンジニア4名も所属しており、チーム全体の名称は「セールス&オンボーディング」となっています。
松浦:私はCMCを導入いただいている200社以上のお客様に対して、関係性の維持・強化を図りながら、必要に応じて新しいサービスのご提案を行っています。また、トラブル発生時のサポート対応も重要な役割の一つです。
既存営業チームは、マネージャー1名、副マネージャーである私、もう1名のメンバーの3名体制です。お客様サポートを担当するメンバーとも密に連携しながら、お客様に対する活用促進や課題解決に取り組んでいます。
久松:提案している商材についても、改めてご説明をお願いします。
松浦:CMCは、簡単かつ確実にメールを配信できる、フルマネージド型のメール配信基盤を提供するSaaSです。
中央官庁や、数百万人規模の顧客を抱えるBtoC企業にも導入いただいており、ワンタイムパスワードの送信や取引確定通知といった、企業の基幹業務に紐づく通知メールの配信に活用されています。
詳しくは、事業部長の大久保が解説しているこちらの記事をご覧ください。
善名:CMCに加え、なりすましメール対策として注目されている「DMARC(※)」という認証技術の導入支援コンサルティングの提案も行っています。
近年、銀行や企業のドメインを偽装したなりすましメールが社会問題化しており、大規模なオンラインサービスを展開する企業にとっては、ブランドやサービスの信頼性を守るための対策が急務となっています。その対策として、経済産業省・警察庁・総務省が連名で導入を推奨するなど、注目を集めている技術がDMARCです。
久松:Googleでも、Gmail宛に1日5,000通以上のメールを送信する事業者に対してDMARCの導入を義務づけていますし、DMARCを正しく導入・運用するための専門的な支援のニーズはどんどん高まっていると感じます。
一方で、それを的確に支援できる会社は、まだ限られているのが現状ですよね。
善名:おっしゃる通りです。そうした中でHENNGEは、25年以上にわたってメール関連のサービスを提供してきた実績があり、メールに精通したエンジニアやコンサルタントも多数在籍しています。
このような体制を持つ企業は業界でも珍しく、そうした専門性を活かしたアドバイザリーサービスを提供できる点は、私たちの大きな強みです。
(※)DMARC:メールの送信ドメイン認証技術の一種で、送信元アドレスのなりすましを防ぐ仕組み。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
選ばれる理由は、高い可用性と専門家による手厚いサポート
久松:営業の対象となるお客様は、主にどのような課題を抱えているのでしょうか?
善名:大きく分けて、お客様は以下の3つの課題をお持ちのことが多いです。
一つ目は、メールの配信基盤を持っていないこと。特にAWSなどのパブリッククラウドを利用している企業では、自社でメール配信基盤を構築していないため、何か手を加えたいときに制限があり、当社のような外部の配信サービスを必要とされるケースが多く見られます。
二つ目は、送信したメールが相手に届かないこと。近年、GoogleやMicrosoftといった主要なメールプロバイダーは、セキュリティ強化のための新たな技術やルールを次々に導入しています。一方、多くの企業ではそれらに十分対応できておらず、送信したメールが届かない、または迷惑メールとして処理されるという問題が深刻化しているんです。
そうした課題に対して、CMCは最新のメール認証技術に対応したセキュアな配信基盤を提供し、企業のメールが確実に届くようサポートできます。
三つ目は、既存のメール配信基盤の運用が困難であること。メールシステムはニッチでレガシーな分野であるため、過去に構築したシステムの担当者が退職した後、運用が難しくなるケースも多々あります。そうしたお客様から、CMCへの移行をご相談いただくことも多いです。
久松:CMCの競合優位性についても教えてください。
善名:主な競合としては大手の外資系サービスが挙げられますが、そうした製品はUIが英語だったり、サポートが限定的だったりと、日本のお客様にとっては使いづらさを感じるケースもあります。
その点、私たちはメールの専門家が日本語でしっかりサポートできる体制を整えている点が大きな強みです。
また、CMCは国内の複数の安全なクラウドサーバー上でメールを運用しており、万が一の障害時もサービスが止まらない仕組みを備えています。こうした可用性の高さは、競合サービスと比べても優れており、金融機関など信頼性を重視するお客様にも高く評価いただいています。
銀行や公的機関のメール運用を支える、課題解決型セールス
久松:働くなかで、どのような点にやりがいを感じますか?
善名:単なるプロダクトセールスではなく、技術的な要件も踏まえて最適な解決策を提案する、いわゆるソリューション営業に近い点がこの仕事の面白さだと思います。特にメール配信というニッチで専門性の高い領域だからこそ、お客様から頼りにしていただけることも多く、貢献実感を得やすいのが特徴です。
また、中央官庁やエンタープライズ企業のサービスを下支えする役割を担っていることから、社会インフラの一端を担っている手応えを得られることもやりがいにつながっています。
松浦:私は単なる営業活動にとどまらず、事業の強みをさらに伸ばし、弱みを補うような改善提案を行うことで、事業や組織づくりにも主体的に関われる点にやりがいを感じています。
まだ仕組みや体制が完全に整いきっていないからこそ、一人ひとりの提案や行動が事業の方向性や組織づくりに影響を与える余地が大きい点は、MBDで働く魅力の一つだと思います。
久松:これまで担当した中で、印象に残っている案件についても教えてください。
善名:特に印象に残っているのは、公的機関のメール基盤としてCMCを採用いただいた案件です。
国民の誰もが利用するサービスへの導入という責任の大きなプロジェクトを無事に受注までつなげられたことは、自分にとって非常に大きな経験になりました。約8ヶ月かけて丁寧に進めてきたこともあり、導入が決まった時はとても感慨深かったですね。
松浦:私はある銀行のお客様のメール基盤を刷新したプロジェクトが印象に残っています。
セキュリティ意識の高い金融業界ということもあり、私たち営業だけでなくエンジニアとも密に連携し、お客様の課題に一つひとつ丁寧に向き合っていった結果、これまでにはなかった新しいスキームを提案することができました。
お客様自身も対応に苦慮されていた内容だったため、無事に導入が完了した際には大変喜んでいただけて、大きなやりがいを感じました。
オープンなコミュニケーションを起点とした、チーム主義のカルチャー
久松:続いて、チームのカルチャーやコミュニケーションの特徴についても教えてください。
善名:HENNGE全体に共通するカルチャーとして、「情報はできるだけオープンに共有する」という考え方があります。そのため、Slackでのやりとりも基本的にDMではなくパブリックチャンネルで行うことが推奨されており、情報の透明性が高い環境です。
オフィスもフリーアドレス制で、社長や役員も社員と同じスペースで働いていますし、会議室もオープンな構造になっており、物理的にも心理的にも風通しの良い職場だと感じます。
松浦:パブリックチャンネルでやり取りをしていると、投稿を見たメンバーが自発的にフォローしてくれることも多いですよね。情報がオープンに共有されているからこそ生まれる自然な助け合いの文化も、HENNGEらしさの一つだと思います。
久松:その他に、特徴的なカルチャーはありますか?
善名:HENNGEには「HENNGE WAY」という9つの行動指針があり、これらの指針はいずれもカルチャーとして社内に深く根付いていると思います。
オープンな情報共有もその一つで、「Keep it open」という形で明文化されています。
事業と組織の成長を牽引するコアメンバーを募集中
久松:最後に、この記事を読んでいる方々へのメッセージをお願いします。
善名:HENNGEには、トップダウンではなくボトムアップのカルチャーが根付いています。自ら主体的に考えて動き、さまざまなことに意欲的にチャレンジできる方にとってはとても働きがいのある環境だと思うので、こちらの記事を読んで少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひお気軽にご連絡いただけると嬉しいです。
松浦:MBDはアーリーフェーズの事業部であり、事業や組織をつくりあげるダイナミズムを味わえる点が大きな魅力です。
特定の業務領域におけるスキルを磨くだけでなく、事業運営や組織開発といった新たな領域でも経験を広げたい方にとっては、他にはない貴重な経験ができる環境だと思います。そんな想いを持った方のご応募を、心よりお待ちしています!
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Edit by 高野 優海
Photo by Jukia Terauchi