2025年5月、HENNGEではHENNGE Oneの営業組織の過去・現在・未来のリアルな姿を伝えるイベント「HENNGE BUSINESS EDGE」を開催しました。
会場は六本木ヒルズクラブ51階の「ザ クラブルーム」。都心を一望できる開放的な空間に約30名が集い、トークセッションと懇親会を通じて、HENNGEの営業組織の理解を深めるひとときとなりました。
本記事では、当日の様子をレポート形式でご紹介します。
2029年にはARR200億円へ。HENNGEが掲げる成長ビジョン
トークセッションは三部構成で行われ、第一部では執行役員の三宅がHENNGEのビジョンと今後の成長戦略について語りました。
HENNGEが掲げるビジョンは「テクノロジーの解放で、世の中を変えていく。」先端技術と人々の間にあるギャップの橋渡しをするサービスを展開することで、誰もがテクノロジーの恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。例えば主力製品のHENNGE Oneは、企業がクラウド環境へと安全かつスムーズに移行できるよう支援するソリューションです。
執行役員 三宅 智朗
HENNGE Oneの今後の成長戦略としては、「LTV(※1)最大化に向け、ARR(※2)の最大化に注力する」という方針を提示。以下の公式に基づき、まずは新規開拓による契約企業数(N)の拡大と、ARPUの向上に注力すると説明しました。
契約企業数の拡大について、HENNGE Oneはすでに国内シェアNo.1を誇るものの、「市場全体を見るとなお90%以上が未開拓であり、他社製品からのリプレイスを含めて大きな成長余地がある」と三宅は指摘。あわせて海外展開の加速にも言及し、2016年の台湾拠点開設に続き、2025年4月にはアメリカに子会社を設立したことを報告しました。
HENNGE Oneは2025年3月にARR100億円を突破しましたが、三宅は「100億円はあくまで通過点であり、2029年にARR200億円、2035年から2037年にはARR1000億円を目指す」と宣言。世界水準の企業へと成長するというHENNGEの意志が強く伝わるセッションとなりました。
※1 LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)の略称で、ある顧客が自社のサービスの利用を始めてから終了するまでの期間に、自社にもたらした総利益を表す指標。
※2 ARR:Annual Recurring Revenue(年間経常収益)の略称で、毎年決まって得られる収益を表す指標。主にサブスクリプションビジネスや、長期契約に基づいたビジネスで用いられる。
社会の変化に向き合い、挑戦を続けた30年の歴史
第二部では、副社長の永留、Sales Division Managerの斉藤、Partner Sales Planningの奥谷が登壇。HENNGEの組織がどのような挑戦と変化を重ねてきたのか、自らの経験を交えて語りました。
まずは創業メンバーでもある永留が、約30年にわたるHENNGEの事業の歩みを紹介。ITバブルの興隆と崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災といった社会の変化に合わせ、Linux(※3)サーバの管理ツール、メール配信ソリューション、そして現在のクラウドセキュリティ事業へと、何度も事業の軸をシフトさせてきたと話します。
取締役副社長 永留 義己
特にITバブル崩壊やリーマン・ショックの際には、好調だった事業が一転して苦境に立たされたことも。こうした経験から「変化の激しいIT業界では、一つの事業に依存し続ける経営スタイルは通用しない」という学びを得たことが、HENNGEという社名にも象徴される、変化と挑戦を恐れないカルチャーの原点となっています。
また永留は「近年はHENNGE Oneのみを展開しているように見えるかもしれないが、実際にはそのブランドのもとで多くの製品を絶えず開発・リリースし続けてきた」と説明。こうした継続的な進化と価値の積み上げこそが、ARR100億円という成果につながったと振り返りました。
そうした製品の中には「HENNGE File DLP」など、M&Aによって加わった製品も含まれます。永留は、一段とスピーディな成長を目指し、今後はスタートアップとのアライアンスやM&Aの活用をさらに積極的に進めていく考えを示しました。
※3 Linux:Windows10やMacOSなどと同じOSの一種で、主にサーバー用として使うOS。
失敗、挑戦、そして変化し続けた営業組織の歩み
続いては斉藤から、HENNGE Oneの営業組織の変遷が共有されました。
Cloud Sales Division, Division Manager 斉藤 秀樹
立ち上げ当初は、ダイレクトセールス(直販)からスタート。その後、顧客数の増加とともに販売店などからの引き合いが増え、パートナーセールスも並行して展開する体制となりました。
ところが両者が同一顧客にアプローチし、競合関係に陥るケースが発生するなど、組織としての課題が表面化。また早い段階でインサイドセールスの導入も試みられましたが、当時は十分に機能せず、やむなくチームを解体する結果になったと語ります。
その後の拡大フェーズでは、ダイレクトセールスを廃止し、ハイタッチセールスへ移行。検討段階まではハイタッチセールスが対応し、クロージングはパートナー企業が担う分業体制にシフトしました。
また、クロージングに注力するあまり商談創出に向けたナーチャリングが後回しになるという課題への対応として、拡大期中盤にはインサイドセールスが再び立ち上げられました。
初期のインサイドセールス立ち上げを担当した永留は、当時の失敗要因について「高いブランド力・採用力のあるSalesforceの成功事例を、そのまま模倣してしまった」と振り返ります。
2013年、Salesforceのイベントで「THE MODEL」の考え方に出会った永留は、異業種から人材を登用するSalesforce流のインサイドセールス組織の立ち上げを決断。しかし当時のHENNGEには十分な採用力がなく、期待した成果にはつながりませんでした。
それから約10年。上場による信頼性の向上やブランド力の強化を背景に、現在では「非常に優秀な人材が集まるようになった」と手応えを語ります。
インサイドセールスの再立ち上げを主導した斉藤は、「初回の接点で顧客の心をしっかり掴むために、トップセールス人材をインサイドセールスに起用した」と強調。また、現在のインサイドセールスは単なるアポ獲得部隊ではなく、CRMを活用して顧客情報を蓄積・分析し、次の一手を設計する“営業の司令塔”の役割も果たしていると説明します。
Cloud Sales Division, Partner Sales Planning Section 奥谷 慶行
今後の営業戦略としては、ハイタッチセールスはエンタープライズ領域に注力し、SMB領域はパートナーとの連携による展開を進めると説明。さらに文教分野や地方自治体など、公共領域へのアプローチにも力を入れていく方針を示しました。
最後に永留は、「2030年までに、上場企業の平均給与トップ50入りを目指したい」と語り、「優秀な人材を採用し続けるには、給与水準の引き上げは不可欠」と未来への展望を力強く示しました。
セールスイネーブルメントの強化で、営業力の底上げへ
第三部では、斉藤に加えて現場で活躍する営業メンバー3名が登壇し、入社の経緯やキャリアの変遷について語りました。
SIerのアカウント営業からHENNGEに転職し、現在は首都圏エリアでパートナーセールスを担当する西海は、転職の動機について「もっと営業力を高めたかった」と回答。前職では提案時にSEやメーカーの力を借りる場面が多く、「本当に自分の力で営業していると言えるのか?と疑問を抱くことも多かった」と当時の葛藤を振り返ります。
一方、HENNGE入社後は「新規開拓からクロージングまでを自身で一貫して担当しており、営業としてのマインドが大きく変わった」と、成長への手応えを語りました。
Cloud Sales Division, Partner Sales Section 西海 奈那
東海・北陸エリアを管轄する名古屋拠点の拠点長を務める藤本は、ITディストリビューターで7年間パートナーセールスを経験した後、HENNGEに転職。「SaaSの可能性と、変化に挑戦し続けるカルチャーに惹かれて入社を決めた」と話します。
入社後の変化と挑戦のエピソードを問われると、「4年間で、東京本社でのハイタッチセールス、パートナーセールス、そして現在の名古屋拠点マネージャーと、多様な役割に挑戦してきた」と回答。
また、HENNGEの社内公用語が英語であることから、入社後は英語学習にも注力し、TOEICスコアを400点から800点にまで向上させたエピソードも紹介。「社内の学習支援制度のおかげで、語学力も大きく伸ばすことができた。さまざまな挑戦を支援してくれる環境には本当に感謝している」と語りました。
Cloud Sales Division, Central Japan Sales Section 藤本 京介
2人の話を受けて斉藤は、「HENNGEでは多様な経験を積んでもらうことを重視し、本人の希望に応じたジョブローテーションを推奨している」と説明。「基本的には、2年ごとに新しいチャレンジを。もちろん強制ではないが、視野を広げるきっかけにしてほしい」と語りました。
また、今後は営業組織の拡大に伴い、異業種出身者の採用をさらに強化していくと表明。即戦力化を支援するセールスイネーブルメント部門を新たに設置し、体系的な研修を通じて、多様な人材が早期に活躍できる体制を整えていると語りました。
トークセッション終了後は、参加者とHENNGE社員による懇親会も開催。料理やお酒を楽しみながら、より踏み込んだ話や個別のエピソードが飛び交い、会場は終始にぎやかな雰囲気に包まれていました。
HENNGEでは今後も、組織のあり方や現場のリアルな声に直接触れられるイベントを定期的に開催していきます。
トークセッションや社員とのカジュアルな対話を通じて、実際の働き方や組織の雰囲気を知っていただける機会です。
参加にあたって転職意思は問わないので、HENNGEにご興味をお持ちの方や社員と話してみたい方はぜひお気軽にご参加ください!
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