30歳前後でリーダークラスの等級も。自己判断で昇格申請できる、HENNGEの給与制度 | What's HENNGE
※当記事は2024年1 月に公開後、制度改訂により等級名称が一部変更されたため、本文の一部表記を修正し、補足を追記しています(2025年2月)こんにちは、HENNGE人事部の脇屋です!今回の記事...
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今後のキャリアを検討するにあたり、「外資系と日系、どちらが自分に合っているのだろう」と考えたことはありませんか?
その際、「外資系は個人主義で成果主義」「日系はチームワーク重視」といったイメージをもとに、自分に合うかどうかを判断しようとする人も多いかもしれません。しかし実際には、そうしたステレオタイプに当てはまらない企業も数多く存在します。
本記事では、外資系SaaS企業のBox Japanと日系SaaS企業のHENNGE、それぞれの営業トップによる対談の様子をお届け。両社のカルチャーやキャリアパスを紐解きながら、共通点や違いを探っていきます。
「外資系か日系か」という単純な二択を超えて、自分らしいキャリアを選ぶためのヒントになれば幸いです。
※本記事は、2025年6月にBox Japan本社で開催されたイベント「SaaS営業の最前線と未来 – BoxとHENNGEのリーダーが語る成功の秘訣」をもとに構成したものです。
日本市場に根ざしたグローバル企業・Box Japan
(1)日本独自の戦略を展開しやすい組織体制
(2)日本法人のプレゼンスの高さ
(3)助け合いを重んじるチーム志向のカルチャー
日本から世界を目指すSaaSカンパニー・HENNGE
(1) 公用語は英語で、世界中から人材を採用
(2) スキルや経験を反映する、等級制の給与制度
Box Japanの「専門性」とHENNGEの「拡張性」。2社が育む営業キャリア
【登壇者プロフィール】
大屋 俊一郎 氏
株式会社Box Japan
専務執行役員営業本部長 / Vice President, Japan Sales
大学卒業後、シスコシステムズに入社し、官公庁営業を担当。その後、セールスフォース・ドットコム、シルクロードテクノロジーを経て、2015年にBox Japanに入社。2018年に執行役員就任後、製造業営業部門のマネジメントを経て、2021年よりイネーブルメント部門を含む営業部門全体を統括。2025年2月より専務執行役員に就任し、さらなる事業成長を牽引。
三宅 智朗
HENNGE株式会社
執行役員
大学卒業後、新卒でオービックにプログラマーとして入社。営業に転向後、2011年にHENNGE(旧: HDE)に参画。クラウド黎明期のHENNGE Oneの立ち上げから携わり、2021年からは営業やカスタマーサクセスなどビジネスフロントサイドの統括執行役員を務める。
Box Japanは、クラウドコンテンツ管理プラットフォーム「Box」を提供するシリコンバレー発スタートアップの日本法人です。2013年の設立から約10年で国内20,000社以上に導入され、企業のDX推進に大きく貢献しています。
そんなBox Japanの特徴は、グローバル企業でありながら日本市場に深く根ざした組織のあり方にあります。
営業本部長の大屋氏は「これまで複数の外資系IT企業に在籍してきたが、Box Japanは外資系としては非常にユニークな組織」と語り、その特徴として3つのポイントを挙げます。
Box Japan 専務執行役員営業本部長 大屋 俊一郎氏
多くの外資系企業は、各部門が本社と直接つながる縦割りの組織構造を採用しており、例えば日本法人のマーケティング部門の上司が米国本社にいるケースも珍しくありません。
一方Box Japanでは、Go-to-marketに関わるすべての部門が日本法人の社長のもとに置かれています。そのため米国本社の方針をただなぞるのではなく、日本市場の特性に合わせた戦略を展開しやすいのが大きな特徴です。
そうした日本法人独自の戦略の一例が、販売パートナー様とともにBoxの経済圏を拡大するモデルです。日本の商習慣に即し、約300社の販売パートナーと連携した共創型の営業体制を構築しています。
日本独自の戦略を展開しやすい背景には、もう一つ重要な要素があります。それが、日本法人としてのプレゼンスの高さです。
大屋氏は「外資系企業に入る際は、日本法人がグローバル全体の中でどれだけ存在感を持っているかを見極めることが重要」と指摘します。売上比率が低いと発言力が弱まり、本社の意向に従わざるを得ない傾向が強まるためです。
Box Japanの社員数は現在約240名で、全社売上における日本市場の比率は23%(2025年1月末決算時点)にのぼります。大屋氏によれば、「多くの外資系SaaS企業では、日本法人の社員数100名や、売上比率10%を目標にしている」のが一般的。そうした中で、Box Japanは突出したプレゼンスを誇っています。
こうした戦略の自由度と同様に、カルチャー面でも日本法人ならではの特色が色濃く表れています。大屋氏はBox Japanのカルチャーを「損得勘定抜きの助け合いが、呼吸をするように自然に行われる組織」と表現します。
例えば、営業成績が給与に直結することも多い外資系企業では、自作の提案資料を他のメンバーに共有しないケースも珍しくありません。一方Box Japanでは、提案資料はクラウド上のBoxで広く共有するのが当たり前で、担当エリアを超えて営業同士がサポートし合う場面も日常的に見られるといいます。
個人主義のイメージが強い外資企業の中で、日系企業の良さを取り入れた協働的な組織風土が根付いているのも、Box Japanの特徴です。
Box Japanのオフィスの様子
では、日本市場に根ざす外資系企業・Box Japanとは対照的に、日本から世界を目指す企業にはどのような特徴があるのでしょうか。その一例として、私たちHENNGEの事例をご紹介します。
HENNGEの主力製品「HENNGE One」は、クラウドサービスを安全かつ便利に利用するためのセキュリティソリューションで、国内トップシェア(※1)を誇ります。2016年には台湾拠点を、2025年には米国に子会社を設立するなど、海外展開にも積極的に取り組んできました。
2025年3月には、SaaS企業の重要なマイルストーンであるARR(※2)100億円を突破。国内SaaS上場企業のARRランキング(※3)においても、上位に名を連ねています。
ARR100億円は国内SaaS企業にとっては大きな節目ですが、HENNGEが目指すのは世界水準の企業。そのため、執行役員の三宅は「社内では“まだ100億”という認識のもと、2035年までにARR1,000億円を達成することを新たな目標に掲げ、さらなる挑戦を続けている」と語ります。
HENNGE 執行役員 三宅 智朗
そんなHENNGEは日系企業でありながら、外資系のような特徴も併せ持つハイブリッドな組織です。
HENNGEでは、約10年前に英語を社内公用語に設定。現在は社員の約20%が外国籍で、開発チームを中心に世界中から優秀な人材を採用しています。
一方で、開発から販売までのプロセスは日本国内で完結しており、メンバー同士の密な連携が取りやすいという国内企業ならではの強みも備えています。
このような環境の中で、英語は単なる社内ルールにとどまらず、実務に根ざした共通言語として機能しています。三宅は、「社内では、お客様からの要望や最新トレンドなどを、ビジネスサイドと開発サイドのメンバーが英語でやり取りしている場面もよく見られる」と日々の様子を語りました。
HENNGEオフィスでの様子
また、人事制度としては年功序列ではなく、個々のスキルや経験に応じて報酬が決まる等級制を採用しています。昇格試験は自己の判断で申請可能で、実力を正当に評価する仕組みが整っています。
一方、営業目標は、チーム単位での目標達成を重視しており、結果をチームで出すカルチャーが根付いています。
「等級の昇格要件には売上の数字だけでなく、メンバーの育成や部門間での調整力なども含まれる」と三宅は説明。実力を評価する仕組みを備えながら、「数字がすべて」という雰囲気はなく、むしろチーム主義のカルチャーがあるのもHENNGEの特徴です。
▼給与制度についての参考記事▼
※1 出典:ITR「ITR Market View:アイデンティティ・アクセス管理/個人認証型セキュリティ市場2025」IDaaS市場:ベンダー別売上金額シェアにて2021年度、2022年度、2023年度、2024年度予測の4年連続で1位を獲得
※2 ARR:Annual Recurring Revenue(年間経常収益)の略称で、毎年決まって得られる収益を表す指標。主にサブスクリプションビジネスや、長期契約に基づいたビジネスで用いられる。
※3 出典:ファーストライト・キャピタル「SaaS Annual Report 2024-2025」
では、実際にBox JapanとHENNGEに入社した場合、どのようなキャリアパスを描くことができるのでしょうか。
Box Japanのキャリアパスについて、大屋氏は「部門間を超えるジョブローテーションは少なく、特定領域の専門性を磨くキャリアが基本」と説明。営業本部内であれば、インサイドセールスやフィールドセールスのプロを極める道もあれば、ロールや担当セグメントの変更は適正に応じて柔軟に行い、経験値を積み上げるのが一般的だといいます。
その過程では、営業力の強化に特化した社内チームによるトレーニングも提供されており、体系的な研修プログラムを通じてスキルを磨ける環境が整っています。
一方、HENNGEではあらかじめ決められたキャリアパスは存在せず、「個々の志向や強みに応じて柔軟にキャリアを設計できるのが特徴」と三宅は話します。
HENNGEにもBox Japanと同様、営業力向上を支援するセールスイネーブルメント組織があり、専門性を高める支援体制は整っています。しかしHENNGEでは、営業から採用人事、マーケティングなど、職種を横断しながらキャリアを形成する社員も多く存在します。一つの専門性にとどまらず、複数領域にまたがる知識とスキルを身につけているケースも少なくありません。
三宅自身も入社してからの約10年間で、ハイタッチセールス、パートナーセールス、プリセールス、カスタマーサクセス、採用人事、マーケティングなど、ビジネスサイドの主要な職種をすべて経験してきたといいます。
三宅は自身の経験を踏まえ、「自分のキャリアは自ら考えて描いていく必要があるが、多様な経験を通じて自分の軸を見つけていけるのがHENNGEの魅力」と強調しました。
対談の後には、Box Japan・HENNGE両社の営業メンバーが参加する懇親会も開催。料理やお酒を楽しみながら、個別のキャリア相談やネットワーキングが行われました。
実は記事には記載していない、当日参加した方だけが聞けたぶっちゃけ本音トークも。「気になる」「もう少し詳しく話を聞いてみたい」という方は、ぜひ今後のイベントやカジュアル面談にお話を聞きにきてください!
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執筆:高野優海