今回は、ハッカズークが本格提供を開始した新サービス「オフィシャル・アルムナイ・パートナーズ(アルムナイ業務委託)」について、事業推進を担う杉山にインタビューいたしました。
前例のない未開拓の領域で、杉山がどのような想いを持ち、どんな未来を描いてこの事業に挑んでいるのか。ぜひご覧ください。
▍プロフィール
杉山 伊織(すぎやま・いおり) 京都府出身。大学・大学院(情報学)卒業後、新卒でパーソルキャリアに入社しキャリアアドバイザーとしてIT領域を担当。その後ハッカズークへ参画。新サービス「オフィシャル・アルムナイ・パートナーズ」の推進をはじめ、グループ会社(レインカンパニー)のRPO支援など、組織の枠を超えたプロジェクトでマルチに活躍中。
オフィシャル・アルムナイ・パートナーズ(OAP)とは
── まずは、ハッカズークが展開しているアルムナイ事業や、今回スタートした新サービスについて教えてください。
杉山:まず前提として「アルムナイ(Alumni)」とは、英語で「同窓生」を意味し、ビジネス領域では「企業の退職者・卒業生」を指します。終身雇用の変化に伴い、退職者を「縁が切れた人」ではなく「企業の価値ある資産(人的資本)」として捉える動きが広がっています。
ハッカズークでは、企業とアルムナイが退職後も対等に繋がり続けるための日本初の専用プラットフォームやコンサルティングサービス「オフィシャル・アルムナイ(OA)」を展開してきました。
そして今回、私が中心となって推進しているのが、アルムナイ業務委託サービス 「オフィシャル・アルムナイ・パートナーズ(OAP)」です。
──具体的にどのようなサービスなのですか?
杉山: 端的に言うと、OAに登録してくれている、さまざまな企業の約4万人のアルムナイを、古巣企業以外の企業や自治体、教育機関などと、業務委託・副業の形でマッチングするサービスです。OAに登録する一部のユーザーの知見を、他のOAユーザー企業やその他の企業、そして行政や教育機関などが、企業や社会の課題解決に「Borrow(借りる)」形で循環させることができます。
これまでの「フルタイム再雇用(アルムナイ採用)」という単一の選択肢にとどまらず、アルムナイが培ってきた専門性やスキルを副業・業務委託・アドバイザーといった形で、週数時間からといった「プロジェクト単位」で活用できる、新しい時代の労働循環モデル・働き方のインフラを目指しています。
「〇〇アルムナイ」という肩書がビジネスやキャリアに活かされる世界観を目指し、すでに本格的な運用を開始しています。
── 多くの他社サービスがある中で、ハッカズークならではの強みや違いはどこにあるのでしょうか?
杉山:一般的な業務委託・副業人材サービスでは、個人のスキルや職歴、稼働条件などをもとに、企業と人材をマッチングするケースが多いと思います。
一方、私たちは、スキルや条件だけで機械的にマッチングするのではなく、その人が「どの組織でどんな信頼や経験を蓄積してきたか」という「つながり」や「背景」を価値として捉えることを大切にしています。
例えば、ある企業の出身者だからこそ、その業界特有の商習慣や業務プロセスを理解していたり、特定の領域で共通する経験や知見を持っていたりすることがあります。企業側にとっても、通常の人材データベースから特定の経験を持つ人を一から探すのではなく、アルムナイネットワークをはじめとした「信頼や経験が蓄積されたコミュニティ」を起点に人材と出会えることは、大きな価値になると考えています。
また、OAPは業務委託のマッチングだけを目的としたサービスではありません。 単に「仕事を探している人」を集めるのではなく、「全てのアルムナイのための場所=Something for Everyone」という思想のもと、日頃から継続的な関係づくりを支援しています。交流やキャリア相談、再入社、副業など、一人ひとりの状況に合わせた関わり方が生まれる中で、自ずと信頼を生かせる仕事や協業の機会が生まれます。
さらに、関係づくりの起点となる退職プロセス(オフボーディング)の改善からコミュニティ形成、専用SaaSの提供、再入社や業務委託まで一気通貫で支援できるのも私たちの強みです。かつて「従業員エンゲージメント」が人事に浸透したように、私たちは企業と個人の関係を「退職」で終わらせず、その後も双方にとって価値のある関係を築いていくことを、この数年間で社会の当たり前にしていきたいと考えています。
── ステークホルダー(送り出し企業・アルムナイ個人・活用企業)それぞれにどんなメリットがあるのか教えてください。
杉山: 送り出し企業・アルムナイ個人・活用企業の「三方良し」に留まらず、社会課題の解決まで見据えた「四方良し」の循環が生まれる点が最大のメリットです。
送り出し企業にとっては、自社アルムナイが社外で活躍することで「優秀な人材を輩出する企業」としてのブランドが確立し、自社の教育力の証明や現役社員の求心力向上に繋がります。個人側は、前職への高い信頼と実績を背景に、一般的な市場には出回らない質の高いプロジェクトへ参画でき、キャリアの幅を大きく広げられます。
また、案件を活用する企業側としても、大手企業等で培った高い専門性やセキュリティ意識を持つ身元の確かな即戦力人材に対し、固定費のリスクを抑えながらプロジェクト単位でフレキシブルにアプローチできるメリットがあります。
そして社会全体にとっても、大企業に眠る高度な知見をベンチャーや地方企業へ循環・還元させることで、日本全体の人材不足の解消や生産性向上を牽引する新たな労働インフラとして機能することを目指しています。
── 具体的には、どのような業務領域でプロ人材が活躍しているのですか?
杉山: 新規事業開発やマーケティング、営業組織の改革から、PM(プロジェクトマネジメント)、採用・人事企画・人材育成・労務といったバックオフィス領域まで、大手企業の第一線で経験を積み、経営や事業の根幹に関わるハイレベルな課題に幅広く対応できるプロ人材が活躍しています。
実際に、第一弾の賛同パートナーとしてエーザイ様、オリエントコーポレーション様、りそなホールディングス様といった日本を代表する大手企業様にご参画いただいています。
さらに地域連携の事例として、鳥取県の「週1副社長」プロジェクトでは、老舗企業の3代目社長が進める組織刷新に対し、大手日系企業で人事部長を務めた20年以上のキャリアを持つアルムナイの方が副業アドバイザーとして伴走するなど、多様な領域で具体的な成果が次々と生まれています。
新サービス誕生の裏にある「企業と個人のリアルな本音」
── なぜアルムナイの再雇用だけでなく「パートナーズ(シェアリング)」が必要だったのでしょうか?
杉山:企業が抱えるリアルな課題感と、アルムナイ側のニーズが合致したからです。
まず企業側の課題として、大きく2つの側面があります。地方企業においては「プロ人材を正社員として採用(Buy)すること自体が極めて難しい」という現実があります。一方で、大企業をはじめとするエンタープライズ企業においては「セキュリティやコンプライアンスの制約が厳しく、素性のわからないフリーランスや個人には業務を依頼できない」という壁がありました。結果として、人事制度の構築やDX推進といった専門知識を持つプロの知見を借りたい(Borrowしたい)ニーズがあるにもかかわらず、外部リソースを活用しづらい状況があったのです。
一方で、アルムナイ側のニーズにも2つの視点がありました。1つ目は、地方企業などに対して「年収等の兼ね合いから正社員としての就業は難しくても、自分のスキルを活かして社会や地域に貢献したい」という思いです。2つ目は、「出身元の企業はもちろんのこと、個人では個人契約や接点を持つことが難しい魅力的な案件やネットワークとつながり、自身のキャリアの可能性を広げたい」という期待です。
これまでのアプローチでは、既存の副業市場には出てこない大手企業出身の「潜在的なプロ人材」の力を活かしきれず、双方の機会損失につながっていました。この双方のニーズを軽やかかつ柔軟につなぐ仕組みとして「オフィシャル・アルムナイ・パートナーズ(OAP)」は機能すると考えています。
そもそも、企業にとってアルムナイ施策とは単なる施策ではなく、企業の成長に必要な「採用」「ビジネス連携/ナレッジ獲得」「企業ブランディング」という3つのゴールを実現するための手段(外部の人的資本)の一つです。
ハッカズークには、グループ会社であるレインカンパニーをはじめ、企業の課題に合わせて採用・デリバリー領域の解決策を提案してきた実績と知見があります。この実績があるからこそ、アルムナイを単なる再雇用の枠組みにとどめず、企業の成長を支える3つのゴール(採用・ビジネス連携/ナレッジ獲得・企業ブランディング)を実現するための手段とノウハウを提供できる強いシナジーが生まれています。
正解のない未開拓市場を楽しむ新チーム
── 現在のチーム体制と、杉山さんの具体的な役割について教えてください。
杉山: OAPはカンパニーCEO直下の組織です。アルムナイカンパニーCEOの實重、サービス全体の設計やアライアンスを担う矢島、法人営業として案件開拓を担当する原の4名体制でチームを組んで動いています。
その中で私は、主に個人(アルムナイ)側のマッチング面談やキャリア支援、実際の業務委託プロジェクトにおける進行管理(PM)、ユーザーを集めるための交流会イベントの企画・運営まで幅広く担当させてもらっています。
── 最後に、どんな未来を描き、どんな人と一緒に働きたいですか?
杉山: OAPは、単なる人材紹介や副業仲介ではありません。人が企業を離れ流動化していく時代だからこそ、関係性がストックされ社会全体で循環していくという「新しい時代の働き方のインフラ」をつくる取り組みです。
日本における人事の歴史を変える挑戦ができるスタートアップは、そう多くはないと思っています。これからの3年間で、アルムナイが企業にとって「合理的な人的資本として投資すべき対象」となる未来を、私たちの手で作り上げていきます。
立ち上げフェーズの今、正解や決まったマニュアルはありません。本業で多忙なアルムナイの方々に合わせた案件設計や、スプレッドシートをぐるぐる回しながら数値を追う泥臭い仕事もたくさんあります。
だからこそ大切になるのが、どんな仕事であっても「自分がやる意味」や「ポジティブな理由」を自分で見つけられる力だと思っています。私自身はそれが得意な方だと思っていて、なので心折れない自信があります(笑)
ただ与えられたタスクをこなすのではなく、「なぜ自分が今これをやっているのか」の意味付けが得意な人は、心が折れずに仕事を楽しく進められますし、どこへ行っても成果を出せる強さがあります。
「自分自身で業務に意味を見出し、前向きに理由付けができる人」「カオスな状況や泥臭いフェーズすらもポジティブに捉えて楽しめる人」に、ぜひ仲間になってほしいですね。
これまでアルムナイ事業の経験者が誰もいなかったように、全員が未経験からのスタートです。「世の中を変えている」という手触り感のあるこの挑戦を、ぜひ一緒に楽しみませんか!
最後までお読みいただきありがとうございました。
「新しい時代の働き方のインフラ」を創ることに興味のある方、是非ご応募お待ちしております!