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Weblioの第2の事業「学校向けオンライン英会話」が業界トップクラスに成長するまで

Weblioといえばオンライン辞書のイメージが強いと思いますが、現在ウェブリオの主力事業となっているのはオンライン英会話学校向けサービスです。6年前「新規事業」としてスタートしたオンライン英会話学校向けサービス。サービスを立ち上げたのはウェブリオの創業メンバーであり当時営業部マネージャーだった梶川勝正さん(現・取締役)と当時新卒1年目で営業部に配属された岡野佑二朗さん(現・プロダクトマネジメント部リーダー)。創業メンバーと入社1年目の2人がどのように新しいサービスを作って業界トップクラスに育て上げたのか、その裏側に迫ってみました。

法人向けオンライン英会話の市場で勝負に出た理由


― ウェブリオは2015年にオンライン英会話学校向けサービスをスタートさせました。当時どのような背景がありましたか?

梶川:2008年にウェブリオ英和辞典・和英辞典をリリースした後、オンライン辞書事業に続く事業を創るために、色々なサービスを立ち上げていました。軸足においていたのはBtoBサービスであることと、社内でトップの売上を作れる事業であること。留学支援や翻訳サービスなど色々なものを試していた時期で、オンライン英会話学校向けサービスはその中のひとつです。

岡野:僕は新卒で入社し、支社を立ち上げるために京都に赴任したところでした。そのタイミングで法人向けの事業を立ち上げるプロジェクトにアサインされ、市場調査、戦略策定、サービスの仕様から運用体制の構築など、何を作ってどのように売るかまで一気通貫で携わってきました。

― BtoCのオンライン辞書事業をメインとしていたウェブリオにとって初めてのBtoBサービスですね。

梶川:一足先にリリースしていたBtoCのオンライン英会話サービスを、どの法人にどうやって売っていくかテストマーケティングするところから始めました。当時、法人向けオンライン英会話の市場で勝ち切っている企業はなく、ここでポジションをとっていこうと。最初から学校にセグメントを切っていた訳ではなく、市場規模が大きく中長期にわたって事業推進を追及できる領域であることが必須条件でした

岡野:最初は企業へ数千件のメールを送るところから始めて、企業やホテルなど英会話の需要がありそうなところに片っ端からアポイントをとって、それぞれの業界の課題感を把握していきました。

梶川:学校向けに提供していくという方向性が固まってからは、空いていそうなポジションを狙って営業をどんどんかけていきましたね。新しい事業で、正解がよく分からない中で試行錯誤しないといけない。プロダクトもシステムもどんどん変わるので、そこについていくのは大変だったかもしれません。

岡野:新卒でよかったのは、他社経験がないので、これが標準なんだと思えたことですね(笑)。領域にとらわれず考えられることは何でもやったので、幅広い知識と経験が得られたと思います。最初の案件が決まったときはとても嬉しかったです。半年費やして、コストだけで考えるととても合わないような少額案件でしたが、3年後には130倍の金額の契約に成長しました。

梶川:最初は法人向けのサービス体制が整っていなくて、講師手配からレッスン管理まですべて自分たちでやっていたんです。案件数が順調に伸びる段階に入ったところで、一気にリソースを投下してシステム開発に乗り出しました。あそこが大きなターニングポイントでしたね。

お客様の課題を解決できているという手ごたえが初めからあった


― ウェブリオは学校向けオンライン英会話市場では後発サービスでした。業界トップクラスに成長できた要因はどこにあったのでしょう?

梶川:とにかくお客様の課題を解決することにフォーカスしたことですね。何に困っているのか、どこに不便や不満が隠れているのか、先生方の話を丁寧に聞いていって解像度を高め、徹底的に解決していきました。

岡野:現場の話をすると、お客様である学校の先生や生徒さんの満足度が非常に高かったこともあるかなと。保護者の方の評判もとても良かったですし。

梶川:もともとこの事業単体で完結するつもりはなくて、現在のSDX(School Digital Transfomation)事業へ展開する構想があったので、そこを見据えてまずはシェアをとる、という戦略で動いていました。最初のフェーズでは売上をKGIに置かず、多くの学校に入っていくことに注力して。そこから段階的にKGIを変化させていきました。

― 最も苦労したことといえば?

梶川:セールスにシステムの整備が追いつかなかったことです。事業をスタートさせたときは社内でも零細チームだったので(笑)、開発リソースも潤沢ではなくて。他のプロジェクトチームに頭を下げて開発リソースを一時的に貸してもらったりしたこともあります。

岡野:あの時はひたすら体制が整うのを待っていて、ウェブリオのオンライン英会話レッスンを受けたいと言ってくださる方に提供できず、もどかしかったです。

―サービスが軌道に乗るまでの苦しい時期を乗り越える原動力となったものは?

梶川:事業単体の話では、立ち上げてすぐに現場での手応えがあったこと。もうひとつは、学校向けオンライン英会話事業の先のゴールを描けていたことですね。学校市場という領域でまずは一番に行く。そこで存在感を出し認知を獲得し、複数のサービスに横展開していく。それをチームできちんと共有できていたことが強かったなと思います。

岡野:プロダクトが課題のソリューションとしてはまっていたので、最初から確信がありました。入試改革も控えて、学校側にも「これから変わる必要がある」という空気ができてましたし。現場にいて、生徒さんの人生が変わるようなきっかけが生まれる瞬間に立ち会えていたことも大きなモチベーションになりました。初めてのレッスンでは英語を話すことを恥ずかしがっていた生徒さんが、回を追うごとにレッスンを楽しめるようになっていく。人が成長する姿を間近で見られて感動しましたね。

スキルは後からついてくる。必要なマインドを持っていることが大切。


― 当時、岡野さんは新卒で入社したばかりですよね。新規事業の立ち上げを任されることに不安はありませんでしたか?

梶川:岡野くん、どうですか?

岡野:他社での経験がなかったのが逆に良かったと思います。入社したばかりで一人で京都支社を立ち上げて、新しい事業を立ち上げて、それが普通だと思っていました(笑)。梶川さんは東京で僕は京都にいたんですが、いつも「分からないことは何でも聞いていいよ」という姿勢で接してもらっていたので、毎日チャットや電話でコミュニケーションをとって。

梶川:会社にとって初めてのBtoB事業で、営業のイロハもない。自分と岡野くん2人だけのチームでしたが、与えられた環境において勝ち方を考えることが私の仕事なので、そこに対して特に不安もなかったですね。ひとつあげるなら、この事業の先に何があるのかというビジョンを示すことは意識していました。

― 創業者と新卒というコンビで新規事業を会社の柱となるまで育てました。パートナーとしてお互いの印象をお聞かせください。

梶川:「新卒の未経験者がやれるだろうか」というような気持ちは全くなかったですね。最初は業界知識が足りなかったり、営業の型もできていなかったりで大変だったと思いますが、頼れるパートナーに成長してくれました。勉強熱心でハードワークする、すぐに行動に移す。そういうマインドと姿勢を持っている人はどんな環境でも活躍できると思います。ビジネススキルや知識はいつでも得られるので。

岡野:2人しかいないので何でもやりましたし、現場の裁量に任せてもらえる部分が大きかったので、自由にスピード感を持って取り組めました。梶川さんは創業メンバーということもあって、会社の方針や意思をシンプルに伝えてくれるので、とても動きやすかったです。あとは仕事に対する姿勢ですね。創業者として背負っている責任の大きさが違いますし、「常に目の前のことに全力を尽くし、あきらめずやりぬく」という部分で特に影響を受けたと思います。

梶川:即断即決で「やります」と言えること、実行力があることは、ビジネスパーソンとして大きな強みになります。決断が早い、行動が早い、不確実性があることでもやってみる。特に20代のうちは、向き不向きなどを考えず、とりあえずチャレンジしてみる。そういう人材がますます求められているんじゃないでしょうか。

― お二人ともいまは新しい部署で活躍されています。これから会社に入ってくる方にメッセージをお願いします。

梶川:現在はSDX事業の責任者をつとめています。オンライン英会話学校向け事業では、「学校領域における顧客ネットワーク」という新たな資産を獲得することができました。そのアセットを活用し教育現場の課題を解決し選択肢を広げられる事業をスタートさせており、すでにいくつかのサービスが軌道に乗り始めています。新規事業の創出は正解がない中での闘いです。手段と目的をはき違えず、目標や目的に対して自らを変化させることが必要です。自分の意志次第であらゆることにチャレンジが出来る環境なので、ぜひ一緒にがんばっていきましょう!

岡野:プロダクトマネジメント部に異動しましたが、これからも社会的意義があり、人の選択肢が広がるようなサービスを提供していきたいです。リーダーとして事業だけではなく組織の力も強化していきます。マーケティングの力を底上げし、100億の売り上げを作る部として成長させたい。自ら手を挙げて動く、長距離走の努力を続ける、自責の念を忘れない。ウェブリオの価値観に共感し実践を心がけていることです。全力で頑張っていますので、よろしくお願いします。

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