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こんにちは!広報のゆーみんです。
GIGが開催する「PM Channel」は、プロジェクトマネジメント/プロダクトマネジメントのあり方や方法を考えていく連載ウェビナーです。
第6回目となる今回のテーマは「プロジェクトマネジメントにおける振り返りの重要性」。
これまでプロジェクトを進めている際、”なんとなく”振り返りを行っていた方も多いのではないでしょうか?しかし振り返りには注意すべきポイントが多数あり、取る手法によって得られる効果が大きく変わります。
今回はそのような振り返りのノウハウについて、株式会社GIGの代表・岩上さんと株式会社時空テクノロジーズの執行役員・林さんにお話しを伺いました。
本ブログではその様子をご紹介します。
※PM Channel 全7回の一覧はこちら
【PM Channel #1】 リモートワーク時代のプロジェクトマネージャーの役割とは
【PM Channel #2】リモートワーク時代の要件定義のススメ方
【PM Channel #3】リモートワーク時代のスケジュール管理のポイント
【PM Channel #4】Afterコロナのプロジェクトマネジメント
【PM Channel #5】リモートワーク時代の検証フローの変化
【PM Channel #6】プロジェクトマネジメントにおける振り返りの重要性
【PMChannel#7 】リモートワークにオススメのツール・サービス紹介
岩上 貴洋(いわかみ たかひろ):2007年、株式会社LIGを創業し、約10年にわたり代表取締役としてシステム開発、デザイン制作、コンテンツマーケティング、シェアオフィス事業に従事。2017年4月、デジタル戦略、DX支援、リブランディングを展開する株式会社GIGを創業。ナショナルクライアントを中心に、新規事業立ち上げ支援、アジャイル開発、デジタルマーケティングを提供。 自社サービスとして、ITプロフェッショナルのマッチングサービス『Workship』、リード獲得に特化したCMS『LeadGrid』を展開する。
林 優一(はやし ゆういち):ソーシャルゲーム・Web開発会社にてフロントエンドエンジニア、本部長、CTOを歴任。㈱Emotion Techにて、プロダクトマネージャー/プロジェクトマネージャー/VPoEとして従事。技術顧問として技術力向上・効率化及び組織作りのアドバイザー、エンジニアとしてプロダクトのフロントを中心に設計・実装を担当。現在は、株式会社時空テクノロジーズのフロントエンド開発執行役員 兼 UXエンジニアとして活動。
振り返りのタイミングについて
まず最初に、振り返りを行うタイミングについてお話いただきました。
【クライアントワークの場合】
- プロジェクトチーム(毎週):関わる全職種が対応
- クライアント&自社(毎週〜隔週):要件定義時は毎週、実装時は隔週
- フェーズの納品時
【自社サービスの場合】
- チーム(隔週):スプリントに合わせて実施
- プロダクト(毎月/2ヶ月毎):リリース後、数字として傾向が表れてから実施
- 会社(3ヶ月毎):四半期のまとめ。半年に1回はロードマップの見直しと策定を実施
林:
振り返りを行うタイミングは基本的に変えないようにしています。状況が悪い場合はその都度改善/対応しているので、振り返りのタイミングを早めることはしていません。
ロードマップに記載するのは、プロダクトの状況や不具合、累積のタスク、これから実装すべき機能などです。半年以内に実装予定の機能は具体的に記載し、1〜2年後の実装を見据えている機能はざっくりとした構想を書いています。ロードマップを作成すると、良いポイント/悪いポイント/継続してやるべきことを整理できるのでおすすめです。
会議の仕方について
岩上:
会議を行う際は、進捗状況を可視化することが重要です。GIGでは、進捗状況の可視化に『Trello』や『Jira』といったツールを使用しています。会議を行う頻度と内容は以下の通りです。
- 毎週〜隔週:開発状況の振り返り
- フェーズ毎:KPI/KGIの確認、コスト(収益性)の確認、ノウハウ共有(共有ポータルに蓄積)
林:
振り返りを行う際は、事前に定量的なデータを共有しています。共有するデータは以下のようなものです。
- チーム:リリースや不具合、修正の状況、リリースした機能
- プロダクト(毎月/2ヶ月毎):KPIとしているものの数字、リリースしたもの、アクセス解析といったKPI以外の数字
- 会社(6ヶ月):上記全ての蓄積
林:
チームで共有するデータは、機能の実装個数や、修正回数などです。表やグラフにして、月ごとの進捗状況を可視化しています。
林:
PV/ユーザー数などのKPIを設定し、機能ごとのデータを共有すると、もっとも使われている機能や伸び悩んでいる機能を、全員で把握することが可能です。これをもとに今後修正を加える機能や廃止する機能を決定します。
振り返りの手法について
岩上:
振り返りはKPTという手法を用いています。良い点に関してはそのままで(KEEP)、悪い点に関しては問題を特定し(PROBLEM)、その問題に対しての改善を行う(TRY)という方法です。
KPTを用いる際に気をつけていることは?
林:
KPTを用いる際は、分析する対象をきちんと絞ることを意識しています。たとえばプロダクトのKPTを行っているのに「〇〇さんの対応が良かった」というチームの範囲のKPTがでてきてしまうと、プロダクトには関係ないと見なされ、スルーされてしまうことがあります。こういった抜け漏れがないよう、KPTの対象を事前に絞ってメンバーに共有することがポイントです。
林:
そしてKPTを行ったあとは、忘れてしまう/リセットされることがないよう、洗い出したものを可視化したり、次回の会議の際に5分間KPTを振り返る時間を設けたりしています。
クライアントへの満足度調査はどのように行っている?
岩上:
クライアントへのアンケートや事例インタビューを通して満足度調査を実施しています。GIGの事例インタビューでは、キックオフ時の課題と結果の共有をしたり、プロジェクトを進める上でお互いに改善点を出し合ったりしています。
事例インタビューを行う際は、自社/クライアントメンバーに関わらず、お互いに言いたいことが言えるような空気感をつくることが大切です。
林:
満足度調査に関してはNPSという指標を用いています。NPSとはNet Promoter Score(ネットプロモータースコア)の略で、顧客ロイヤルティを測る際に使われる指標です。NPSは売上との相関が強い指標なので、このスコアを上げていくこと目指しています。
KPIなどの定点観測の仕方について
林:
『Redash』というダッシュボードツールを使用しています。Redashでは、SQLでクエリを作成するとデータソースからデータ取得することが可能です。開発チーム/カスタマーサポートチーム/全社用のKPIグラフをそれぞれ作成しています。作成したダッシュボードは他のメンバーと共有できるため、チームや全社で振り返りを行う際に活用しています。
振り返りの注意点は?
最後に、振り返りを行う際の注意点を林さんと岩上さんが解説してくれました。
- WikiやGoogleSiteにノウハウを蓄積する
- 時間を決めて実施する
- 問題点ではなく改善点に重きを置く
- 参加者の情報量を揃える
- 振り返る範囲や内容を揃える
- 振り返り内容で特定の個人を批判しない
- 振り返りの意見について反論をしない(提案はok)
- 継続すべき事柄は定期的な確認を怠らない
お二人のお話から、ただ形式的に振り返りを行うのではなく、振り返りの”質”に焦点をあてていく重要性を再認識できました。時間や範囲をあらかじめ設定することや、参加者への配慮が大切にするなど、今回挙がった振り返りのポイントはどれもすぐ実践できるものばかりです。
みなさんも振り返りを行う際はこれらのポイントが達成できているか、ぜひ確認してみてくださいね。
まとめ
今回のウェビナーでは、プロジェクトマネジメントにおける振り返りの重要性について、その方法や内容、気をつけるべきポイントなど幅広くお話いただきました。
GIGでは毎月、DXやリブランディング、サービスデザインなどに関するウェビナーを開催しています。イベントの詳しい情報は、GIGのconnpassページで発信中。気になる回があれば、お気軽にご参加ください! GIG社員一同お待ちしております。