ゲットイットは今年度からボランティア休暇を導入しています。その名も「むすぶ休暇」!
ゲットイットには「むすぶCycle」というチームがあります。IT事業と並行して、社員が自身の目線で発見した社会課題に対して主体的にCSR活動を展開しています。「むすぶCycle」には、会社が愛され大きくなることで社会を良くする”プラスの循環”を生み出したいという願いが込められています。
むすぶCycleのロゴ
わたしたちは社員の社会貢献活動を後押しする風土づくりをしたいと考え、導入したボランティア休暇を「むすぶ休暇」と名付けました。
さて、これからご紹介するのは、能登半島地震の被災地ボランティアに参加した社員・中村さんのレポートです。「むすぶ休暇」が導入される前だったので通常の年休の使用になりましたが、素晴らしいレポートでしたので社内に留めるのはもったいないと思い、ここで紹介させていただきます!
大作のため、前編・後編でお送りします。
2025年2月21日(金)~24日(月・祝) まで、夫婦で能登へボランティアに行ってきました。
1日目:2月21日(金)
9:30頃、最初の目的地である内灘町に到着しました。内灘町の西荒屋地区は、砂州の上に作られた街でした。能登地震の際に「側方流動」という現象が襲い、建物や電柱などがそこら中で傾いたり沈み込んだりしてしまった街です。
相変わらず傾いていた電柱
車庫と母屋が違う傾きをしてしまっている
去年 (2024年) 5月に訪問した時からは電柱の大部分が立て直された以外は大きな変化はなく、下水道が復旧していないせいもあるのか相変わらずあちこちに仮設トイレが置かれていました。
側方流動によってそれぞれの土地の境界が大きいところで 2m もずれたところもあるそうで、その調整・測量のやり直しもしなければならない状況とのことでした。
また、復旧までには「街の土台から作り直す」ことが必要となっており、復旧の先にある復興は遠い先のように思いました。
昨年5月に引き続き、今回も私たちはカトリック教会を母体とする「カリタスジャパン」が運営する「カリタスのとサポートセンター」にお世話になる形で、ボランティア活動に参加することとしました。
カリタスジャパンが運営するボランティアの仕組みのよいところは、
- 被災地に寄り添った形の活動を
- いろいろな形で実施・対応し
- 電気、水道、トイレや寝る場所などについて、文化的な生活環境を保ちながら行える
- 信者でない人も参加可能 (カトリックとしての宗教的なことは押しつけない)
というところかと考えます。(なので、年齢を重ねた方でも参加しやすい)
17:00過ぎ、宿泊場所である「七尾ベース」(カトリック七尾教会内) に到着しました。ベースの担当者からボランティア活動の内容や注意点などを伝えるオリエンテーションの後、シスター(修道女) の方が作ってくださった夕食をいただき、今日は早々に休みます。
男性用の宿泊場所。段ボールパーティションで仕切られた半個室を使わせていただきます。寝具あり
2日目:2月22日(土)
6:30頃に起床、洗面の後で昨日購入した朝食を食堂でいただきます。朝食のあとは雪かきです!!
土日とも朝は雪かき必須でした
8:15、今日のボランティア先である民間ボランティア団体「おらっちゃ七尾」さまの集合場所に向けて出発します。
「おらっちゃ七尾」さまは、民間のボランティア団体として、廃園となった保育所を拠点に、七尾市社会福祉協議会が7月まで行っていた以下の作業を引き受けています。
- 被災した方からの、ボランティア依頼の受付・案件管理
- ボランティアしたい人の受付や派遣調整
- ボランティアへの宿泊場所の提供
- 車両・機材の管理
- その他、関連する諸々の調整・作業
おらっちゃ七尾の拠点となる旧保育所。裏に駐車場などもある
おらっちゃ七尾でチーム編成された計11名のボランティアで現場に向かいます。現場のお宅まではワゴン車で送迎してもらい、災害廃棄物を搬出する小型トラックとともに10時頃に到着しました。
今日の現場でのリクエストは以下となります。
- 代々住み続けてきた築60年の2階建ての大きなおうち (居住スペース)+納屋2棟
- これから居住スペースや納屋のリフォームを行う
- なので、不要となったものを分別・搬出して欲しい
現在、七尾市は災害廃棄物の処理は受け付けておらず、すべての廃棄物は一般ゴミとして収集します。このため、燃えるもの・ビニール類・缶・ガラス・瓶など、細かに分類して搬出する必要があります。また、家電リサイクル法に準拠するテレビや冷蔵庫などは回収できないルールです。このあたりの判断と対応を的確に行うことが求められます。
まずは1階班と2階班に別れ、居住スペースに残る衣類・布団類・廃棄物などを取り出し、分別していきます。この分別・搬出作業、依頼主さまの心情も複雑で、勢いで「不要」と判断したものの、改めて考えてみると「やっぱりとっておきたい」となるものがそれなりにあり、依頼主さまに確認を取りながら分別・搬出を進めていく必要があります。(なので時間がかかります)
11:30 まで作業を行って、トラック1台分の荷物を搬出して作業は終了、おらっちゃ七尾の拠点に戻ることとなりました。おらっちゃ七尾の拠点に戻ると、嬉しいことに小さなおかずとお味噌汁が用意されていました。毎日提供されるものではないそうで、たまたま当たったのはラッキーだったのでしょう。
雪降りの中、おらっちゃ七尾の駐車場にて
午後が近づいてきたところで、スタッフの方から
- もう一度、先ほどの現場に行って
- 不要品搬出を完了させて欲しい (追加でタンスなども運んで欲しい)
- 納屋の中の廃棄物の分別・搬出をして欲しい
との依頼が来ました。
13:00 に送迎車+トラックで拠点を出発し、先ほどのお宅に伺います。今度は居住スペース担当と納屋担当に分かれて作業にかかります。
私が担当したのは納屋。かなり昔からゴミ置き場として使われていたようで、衣類、タオル、ビニール袋、空き缶、空き瓶、ペットボトル、段ボールなどが雑多に放置された状態でした。
作業スペースが狭いため、納屋の中である程度分別 → 納屋から搬出する → 外できちんと分別する を繰り返し、作業終了までになんとか納屋を整理された状態にすることができました。居住スペース担当の皆さんも頑張ってくれて、午前中にプラスしてトラック2台分の不要品の搬出を行うことができました。
おらっちゃ七尾さまの拠点に帰着し、搬出してきた不要品を指定の場所に降ろします。今日は、ボランティアの数が100名弱ととても多く、搬出がはかどったせいもあるのか、テントの下に収まりきらない量の不要品が集まりました。
大量の不要品が集積。これを平日に七尾市のゴミ処分場に持って行くのもおらっちゃ七尾で対応
16:00から、おらっちゃ七尾としての活動の分かち合いを行い、記念写真を撮って解散となりました。
指で作っているのは能登半島の形
⇒後編へ続く...