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目に見えない「心の成長」を組織はどう育む?GCストーリーのマインドプログラム実践

組織と所属するメンバーの成長は、切っても切れない関係です。メンバーが組織でどんな成長をするかは、個人のキャリアにも組織の未来にも大きく影響します。

ビジネスシーンにおいて一般的に想像される「成長」は、スキル面を指すことが多いと思います。新たなスキルの獲得、捌けるタスクの増加、プロジェクトの成功など、こういった成長は目に見えて分かります。ただ担う範囲が広がるほど、実は目に見えない「心の成長」の壁にぶつかる場面もあるのではないでしょうか。

・失敗が怖くてチャンスがあっても挑戦できない
・こんなに頑張ってるのに周りが認めてくれない
・先輩や後輩と意見が合わず、プロジェクトが進まない

こういった課題はビジネススキル以上に、メンバー個人の「心の成長」がキーとなる可能性があります。心の成長は子ども特有のもので、大人になってからはしないと思われる方もいるかもしれません。

しかし、実は成人以降も心は成長していきます。組織としてメンバーの心の成長を育むには、どんな方法があるでしょうか。
今回はGCストーリーの実践をお伝えします。

目次

  1. GCストーリーが重視する「垂直」と「水平」2軸の成長
  2. 心の成長を育む「マインドプログラム」一覧
  3. 組織の状態と成人発達理論に基づいた成長設計
  4. メンバーの「心の成長」に組織としてコミットする

GCストーリーが重視する「垂直」と「水平」2軸の成長

GCストーリーは、「Growth for Contribution(貢献のための成長)」と社名の由来にもなるほどメンバーの成長を大切にしています。ここで指している成長には、大きく「能力的な成長」と「人間的な成長」の2つがあります。貢献の範囲を広げていくため、どちらも伸ばしていくことを目指しています。

この考え方に伴い、メンバーの成長設計は「人間的な成長」(=垂直的な成長)と「能力的な成長」(=水平的な成長)の掛け算をもとに考えられ、評価制度も連動しています。

今回ご紹介するのは垂直的な成長、つまり心の成長にフォーカスした支援プログラムです。心の成長は「捉え方が変わる」「視野が広がる」といった現れ方のため、能力的な成長に比べ分かりにくく、成長支援するには難しい領域と思われるかもしれません。

しかしどれほど優れたビジネスモデルや組織の仕組みも、扱う人間の意識次第ではうまく効果を発揮できなかったり、思わぬ対立を生んでしまったりするケースがあります。

「自分さえ良ければいい」
「相手に自分を認めさせたい」
「自分の意見は絶対正しい」

こういった意識のままでも、いわゆる能力的な成長はある程度進んでいきます。しかしGCストーリーは、本質的に幸せな社会を実現するにはそれでは不十分と考えます。ものの見方や捉え方をアップグレードしたいメンバーが集まり、心の成長をしようと認識が統一されています。

心の成長を育む「マインドプログラム」一覧

心の成長を支援するために実践しているのが、「マインドプログラム」と呼ばれる複数の成長支援プログラムです。マインドプログラムは、内定者研修~新卒研修時の自己肯定感プログラム、知識研修を経て入社後より実践されていきます。

(上記プログラムは一例です)

いくつか参加必須のものもありますが、基本的には自己選択制です。自己選択制の背景には、今の自分に必要な気付きは何か?を考える主体性や、参加者一人ひとりの受け身ではない場への貢献が求められることがあります。

1,社長研修【1~4年目向け】
定期的に社長と対話し、自分が無意識に抱いていた固定観念やエゴに気づき見つめる場です。最近の悩みや仕事での葛藤について話し、社長視点からフィードバックをもらうことで「悩みの奥にあるものは何か?」「自分が本当に大切にしたいものは何か?」など新たな気付きを得ます。

2,アテンダー制度【1~5年目向け】
新卒1年目のメンバーに対し、5年目までのメンバーが「アテンダー(寄り添い役)」として1名付き、定期面談を行います。1年目のメンバーが抱える悩みや葛藤、モヤモヤを傾聴し寄り添うことで、新卒メンバーならびにアテンダー本人の成長を促します。

3,メンター制度
3年目まではメンターが定期面談を行います。全社視点を持つ比較的成熟したメンバーがメンターとなり、悩みが多い時期のメンバーに深い内省を促します。部署の垣根を越えた組み合わせになることも多く、部署間のコミュニケーションも補完しています。

4,ボードセッション
毎月社内で「ボードメンバー*」と呼ばれるミドル層との対話セッションを行います。ボードメンバーは毎回2名ランダムに組み合わされ、最近の考えや感じていることを参加メンバーとフラットに共有します。コミュニケーションの活性化と広い視野の獲得が促されます。

*ボードメンバーとは
リーダーとしての役割を果たす必要があり、所属する組織の運営にコミットし組織を引っ張り組織が納得する形で方向性を決める人であり、かつ組織を自律分散型に導く人。自己成長に完全コミットしており、自律していると認められる人と定めています。
※現在は役員+中堅層の10人前後になっています。

5,STORY発表
これまでの人生で起こった象徴的な出来事 (主に辛い・悲しい・苦しい・印象深い葛藤体験) を振り返り、全メンバーの前で共有します。振り返ることで本人は根本にある固定観念や価値観に気付き、シェアすることで他者の内省や気付きを促します。深いレベルの自己開示になるため、より深い相互理解にも繋がります。

6, 女川プログラム
震災復興の地である宮城県女川町で行う数日間の宿泊型プログラムです。「外(女川・地方)を知り、中(自分・GC)を深める」をテーマに行動を変えるきっかけを作る場です。100年後の未来を見据えまちづくりを行う女川の人々と触れ合い、自分が本当にしたいこと・やりたいことを考えます。考えを組織に持ち帰り、チームメンバーとともに遂行していきます。

7, 瞑想
オンラインで行う瞑想の場です。画面越しに瞑想に近い状態で対峙し、自身の心のブレを見つめます。自分自身の心の嘆きや、嘆きの奥にある本当の想いを見つめ、自分が今どんな状態か気付く力を高めます。

8,NVCワーク
NVC(非暴力コミュニケーション)をベースとしたプログラムです。自身の感情や反応の扱い方を知り、自己共感・他者共感へのステップを歩みます。表面上の感情ではなく自身の本当のニーズを知り、また相手のニーズも知ることで深いレベルでつながる方法を体得します。

現在は以上8つのプログラムが実施されています。評価後に設けられるアセスメントフィードバックという時間で、結果をもとにフィードバッカーと共に今後取得すると良さそうなプログラムを考え取得していきます。

組織の状態と成人発達理論に基づいた成長設計

「心の成長」と言うとふわっとした印象を持たれるかもしれませんが、マインドプログラム設計の基礎となっているのは「成人発達理論」という発達心理学の一分野です。成人発達理論は、ハーバード大学教育大学院教授で組織心理学者のロバート・キーガンが提唱し、日本だとキーガンのもとで学んだ知性発達学者の加藤洋平氏が牽引している理論です。

世の中の70%の方は「他者依存段階」とされています。この段階にいる人が多い組織や社会は秩序とまとまりがあり、安定しています。ただ近年「こう生きれば絶対いい人生になる」と誰も言い切れない世の中になっています。3の段階で苦しさを覚える人が出てくるのも事実です。

GCストーリーは「全従業員が幸福で調和していること」を企業理念の冒頭に置いています。真に幸せな状態とは心の成長が果たされ、周囲と深い信頼関係を築けていることではないかと考えます。そのため相互受容、自己内省、他者理解、相互理解を目的とした場が必要でした。

マインドプログラムは、2018年2月にフラット型組織への移行に伴って体系化されました。実はそれまでも全社員共通で個々のプログラムは存在していました。より社員の自律を促す組織改革をきっかけに、成人発達理論に基づいて整理されたのがマインドプログラムです。約2年間の実践後、移行の落ち着きと組織の状況を踏まえ、今期からリニューアルされた内容が先の一覧です。

新たに追加された中で特徴的なのは「ボードセッション」や「瞑想」です。リモートワーク中心の働き方で薄れたコミュニケーションの補完・発展や、オンラインでも心の成長支援ができないか、時代に合わせた手法を探り続けています。

メンバーの「心の成長」に組織としてコミットする

心の成長は見えにくく成長実感も緩やかなため、意識的・無意識的に関わらずメンバー個人やメンターの手腕に委ねがちな領域だと思います。しかし組織としてメンバーの心の成長を支援することが組織の成長にも繋がり、また心が成熟した人が増えるとより良い社会の実現に影響するのではないでしょうか。GCストーリーではそう信じ、マインドプログラムの実践を続けています。

新卒入社3年目の私自身も、1年目から複数のプログラムに参加してみました。社長研修、アテンダー制度、メンター制度、STORY発表、NVCワーク。また、リニューアル前に実施していたプログラムもいくつか取っていました。できれば蓋をしたい自分の弱い部分やネガティブな感情を認め向き合うのは、最初はとても苦しかったです。しかし、それを開示し受容される経験を繰り返したことで物事の捉え方が変わり、少しずつ視野が広がってきた感覚が確かにあります。

例えば発達段階が3から4に上がるには、それまでの価値観を一度捨てる必要があるため、痛みを伴います。一人でやろうと思っても正直難しいかもしれません。だからこそ、適切な支援を受けられる環境を組織が作ることが大切なのではないでしょうか。

マインドプログラムやGCストーリーの考え方が絶対的な正解ではありませんし、私たちもまだまだ模索を続けています。今回ご紹介した実践例が、読んでくださった方の何かしらの気づきや新たな発見になれば幸いです。

「全従業員が幸福で調和し、取引パートナー・顧客に感謝される存在であり、人類、社会の調和に貢献すること」という企業理念を真に体現していくため、今後もプログラムをブラッシュアップしながら、メンバーの心の成長に向き合っていきます。

文・編集/櫻庭実咲 デザイン/清川伸子

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