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生命体として強い自律分散型組織になる。心の成長を目指すGCストーリーの手放す経営。

「スキルだけではない心の成長を重視している」
「組織運営において管理ではなく信頼がベース」
「社長が意思決定を手放しており、マネージャー不在の自律分散型組織体である」

私たちの組織における特徴的な部分です。
GCストーリーは個人の人格的な成長と同時に、お互いを信頼し合う強い組織体を目指しています。

代表の西坂は全員の成長のため数年前から意思決定を手放し、ボードメンバー、ミドル層、社員に決定事項の判断を委ねました。

しかし、2020年は時代の流れとして不確定要素が加速。GCストーリーでも働き方がリモート中心に変化し「見えない部分」が増えています。
意思決定を手放したことに不安はなかったのか?2020年に起きた組織の変化をどのように捉えていたのか?西坂に話を伺いました。

※本記事は2021年4月21日にGCストーリー公式noteにて公開した記事のバックナンバーです。掲載内容も2021年4月21日時点の情報を基にしています。

目次

  1. 経営者として意志決定を手放した後悔はなかったのか?
  2. ボードメンバーは「管理しなくちゃいけない」とは誰も言わなかった。
  3. 2種類の自律分散型組織。中堅世代の成長が組織の鍵を握る。

経営者として意志決定を手放した後悔はなかったのか?

ーリモートで働くようになった環境で、意思決定を手放したことに後悔や不安はなかったんでしょうか?
僕個人の中に不安が生まれることは特にありませんでした。議論してGCストーリーは数年前から家族全員自律スタイルを目指すと合意が取れていたんですよね。

家族全員自律スタイルとは
2018年2月にフラット型組織に移行したGCストーリーが目指す組織のあり方です。家族のような信頼関係を大事にしながら、一人ひとりが自律を目指しています。

そこから僕は意思決定を手放しているので、リモートの働き方になっても意識は変わりませんでした。

ー物理的に姿が見えなくなると管理したくなる考えもあるかと思いますが、その感覚はなかったんですね。
昔の僕だったら不安だったと思います。
様々な経験をして覚悟が決まり、今は社員を信頼しています。
ただ、ミドル層には不安が生まれるかもしれないな、とは思いました。

ー社長自身がなぜそこまで社員を信頼出来るのかお聞きしてもいいでしょうか?
先日武田双雲とClubhouseで話しましたが、近い話題になりました。

「未来のために今をどう使うか?」が人間の基本的な在りようですよね。
未来をよりよくするために色々考えたり惑わされます。未来はこうなってしまうかもしれない、こっちの方向性に行くかもしれない。不確定な要素から不安は生まれ、感情を持っていかれます。

時間軸の話ですと、過去も同様です。
「過去に起きた出来事があるから、今はこうなんだ」みたいな捉え方もあるんじゃないでしょうか。現在が過去と未来に定義されてしまう生き方も多いと思います。

過去からも未来からも離れて、今この瞬間の精度をいかに上げるかしか人間は出来ないですよね。現在の延長でしか未来は存在しないないわけです。感謝だったり、ワクワクしている状況だったり今のエネルギー値を高めることが大切なんじゃないでしょうか。

「未来から逆算してあるべき像を定め、正しいやり方を持つ強い生き方」をあえて手放す。
僕も人間として正しいやり方を貫くストイック型の思考はあるので、その考えとどう向き合うかが個人のテーマでした。未来に対して差分を埋めるためのアプローチはストイックですが、そこに縛られている自分を感じました。その考えをバランスさせながら、葛藤しつつ手放す側に移行しているのがここ最近です。

ボードメンバーは「管理しなくちゃいけない」とは誰も言わなかった。

ーリモートで働く環境で組織内で揺らぎがあり、合宿も行われました。社長はどのように捉えていたんですか?
僕自身に不安はありませんでした。しかし、意思決定を担うボードメンバーが「信じようとするのか管理しようとするのか」どちらに意識が行くのか気にしていました。

GCストーリーにおけるボードメンバーとは


「事業に対し責任を持って成果を出すことを目指している、そう行動していると認められている人」(つまり役員になるつもりの人)を指します。

リーダーとしての役割を果たす必要があり、所属する組織の運営にコミットし組織を引っ張り組織が納得する形で方向性を決める人であり、かつ組織を自律分散型に導く人。自己成長に完全コミットしており、自律していると認められる人と定めています。
※現在は役員+中堅層の10人前後になっています。

そこで、ボードメンバーは「管理しなくちゃいけない」と誰も言わず「任せましょう」となりました。リモートを中止して出社の選択は出てきそうな話だと思います。管理ではなく信頼していく流れになりました。ただ、前提としてメンバー一人ひとりが、リモートの環境の中で工夫しながら懸命に働いていたことを知っていたんだとは思います。

GCストーリーのビジョンは「収益・事業の発展と、幸せな組織づくりを同時に実現することで、世界のモデルになる。」です。別軸で議論の柱として、リモートの中で幸福な組織を追求する考えはあった気がします。自律分散型組織を作っていく役員陣からすると、葛藤して経験する中でいい機会だと思って見ていました。

ー合宿の中で「言葉の定義のずれ」に関する話題があったと思います。社長が昨年ぐらいから社内にメッセージングされていた「正解はない」について改めて教えて下さい。


世界の究極の課題は、自分の正義が誰かと衝突してしまうことが原因になると捉えています。 強いメッセージを出す人についていきたいと思うのが世の中ですよね。断定的で強い正義と違う正義が出た時にぶつかるのが人間社会の構造になっています。

最近のヒットしているアニメでも二つの正義があり戦っているわけですが、最終的にどうやって融和するかがテーマになっている印象があります。
未来の利権で考えてしまうと争いや衝突が起きますが、旧来のパラダイムには限界があります。その限界をどうやって乗り越えるのか、時代がそれを求めているからアニメでも支持を得ているんじゃないでしょうか。


GCストーリーは組織をヒエラルキーからフラットに変えました。
ヒエラルキーは二項対立が起きた時に、経営者が統合すればいいだけなんですよね。しかし、フラットにした時には自分達で最適解を見つけないといけない。
一番大事なのは二項対立の世界から離れることです。

AさんとBさんの意見で対立が起きた時に経営者が入るとそれが正解だと思ってしまいます。その状態を続けてしまうと、誰かに従うマインドが起きてしてしまうので、そこを乗り越えようとする言葉が「正解はない」です。

2種類の自律分散型組織。中堅世代の成長が組織の鍵を握る。

ー社長は現在のGCストーリーをどう捉えてますか?
ボードメンバーの中では、役員以外のミドル層が組織の中を動かせています。
役員は組織の中よりは基本的に社外との取り組みが多いですよね。内部を固めていくのは中堅層の役割で、今後のGCストーリーをどうしていくかは中堅層の成長によると思っています。

ーGCストーリーの成長において、中堅層が大事だと考えているんですか?
特にGCストーリーは中堅層が大事だと思いますね。自律分散型組織ですから、自律しながら全体としてどうバランスしていくか。

社長の器以上に会社は大きくならないと言われますが、それはそれで1つの真理だとは思います。しかし、 トップが強ければ強いほど下が育たない可能性も出てくるわけですよね。
かつ、ヒエラルキー型でトップに情報が集まる仕組みだと、トップがより成長していく仕組みになってしまうわけです。するとどんどん格差が開いてしまいますよね。最初のヒエラルキーだった頃は僕自身が誰よりも成長している実感がありました。

ヒエラルキー型の組織だと、どうしても構造的にそうなってしまう。自律分散型の組織に変えたことでミドル層の意識を上げていかないといけません。自律分散型組織は2種類に分かれるんじゃないでしょうか。 1つはジョブ型組織で、ジョブディスクリプションや職能で区分して、人が入れ替わっても機能する組織作りです。
フリーランスや副業で働くなどは前者の話ですよね。自分自身も機能を売っている自覚があるわけです。

もう1つが、人間の繋がりを大事にした有機体、生命体としての組織です。
GCストーリーが目指す組織像は後者です。これからも、生命体として環境の変化に適応しながら強い組織を目指します。

取材/佐藤政也櫻庭実咲 文・編集/佐藤政也 デザイン/熊谷怜史

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