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東北で起業するまで5年もかかった。funakuがようやく始まった日。

こんにちは!株式会社funaku(ふなく)の鈴木悠介です。都内の優良企業で働いて生活には何の不満もなかった30歳、そこから生まれ育った東北・宮城にUターンして起業するまで5年もかかりました。何もしなかった5年ではなく、紆余曲折いろいろありながらようやくたどり着いたのがfunakuの起業でした。

もともと何をしていた?

学生時代を地元・宮城県で過ごし、2007年の新卒でパッケージソフトウェアベンダーに入社。本当は海外で途上国ボランティアをやりたくてNPOやNGOへの就職を考えていたのですが、まずは周りにいる人たちを幸せにすべきと考え、理念に魅かれた会社を選びました。結果、今振り返ってもとっても良い人達に恵まれ、素晴らしい時間を過ごすことができたと思います。最初はインフラ系エンジニアとしてソフトウェアのプリセールス、導入構築、教育、保守をイチから学び、ITのバックグラウンドを地道に身につけ。その後、退職するまでの8年間は経営企画として経営層の意思決定支援や全社横断のプロジェクトリード等を通じて、微力ながら大幅な事業成長に貢献してこれたと思います。

(ソフトウェアベンダーの経営企画時代、懐かしい、、)

起業のきっかけはなに?

きっかけは東日本大震災なのですが、私の場合、震災直後に猛烈な使命感を持って新しい事業を立ち上げていった起業家の方とは異なります。結婚して子どもができて、年初は家族で地元の神社に初詣に行くのですが、その道すがら震災後数年経過しても未だ残る仮設住宅の横を毎年通るんです。なんというか、「自分だけ幸せでいいのか?」とか、「自分を育ててもらった地域をこのまま放置していいのか?」とか、悶々と考え始めたのがきっかけです。

(毎年綺麗に咲く塩釜神社の桜)

そこから紆余曲折を経て起業に至るのですが、スタートアップのように「世の中を変えるぞー」という気概を持って始めたというよりは、いろんなことをやり尽くした結果、自分でやるしかないなとようやく一歩目を踏み出したというのが正直なところです。多様な選択肢を探し行動した結果、やっぱり自分で選択肢をつくっていくことに切り替えた方が良いのだろうなと納得してスタートしています。

どうして5年もかかった?

当時30歳から起業時35歳にかけて、いろいろやりました。漠然と地方にUターンで戻るなら転職ではなくて起業の選択肢になると考えていたし、そのためには当時の自分は全然準備ができていなかった。より深くビジネスを学びたいと思って仕事と両立しながら2年かけてパートタイムでビジネススクールに通ったし。あとは地方創生やソーシャルビジネス等のイベントやワークショップも片っ端から参加して登壇者に質問したり。被災地をフィールドワークしてビジネスプランを企画したり、地方創生事業を展開する企業にもお世話になった。やったことには意味はあったけど、どれも本当に自分がやりたいことを直接的に体現できているという感覚は得られずのままだった。


(フィールドワークの際によく考えごとしていた海岸)

結局、5年かけて、務めていた大企業の変革で自分の役割に目途が付けられたこと、家族のライフステージと自分のキャリアプランが合致するタイミングを待てたこと、移住&起業以外の選択肢を模索しきってようやく自分でやるしかないと気づけたこと、等の理由を集めることができたんだと思います。だからこそ、後戻りしない、強い気持ちで踏み出していけたのだと思います。

どんな想いではじめた?

創業にあたって、これまでとこれからを自分なりにかみしめ、設立趣意にあたる創業時の想いを書きました。funakuは現在3期目ですが、この想いは1ミリも変わっていません。

創業時の想い

「困った人を助けたい」、ただそれだけの想いで株式会社funakuを設立しました。社名は「不を無く」に由来し、人・組織・事業の抱える「不」を自分たちらしく解決していく事業・集団をつくります。

私は生まれ育った東北が好きです。不器用だけど心のあたたかい人々、地域の歴史を体現する文化・伝統、豊かで美しく時に厳しい自然、どれもが魅力的で誇らしく感じています。一方、東北は日本が抱える人口減少、少子高齢化、人手不足等の社会課題が山積している地域であり、課題先進地域といわれています。東北に住み、地域に足を運ぶと、課題の本質的な原因が地域慣習、事業構造、慢性的な担い手不足等々、簡単には崩せないメカニズムにあることに気が付きます。直面する地域が抱える「不」の圧倒的な量、複雑さ、解決に要するであろう気の遠くなる時間を想像すると、現実から目を背けたくもなります。

funakuはそういった東北の抱える「不」の解決に焦点を当て、そこに住まう人々に寄り添い、共にこれからの東北のあり方を見据えながら、新しい時代をリードしていきます。今東北が抱えている課題は近い将来、日本の多くの地方でも言えることであり、ひいては世界中のポスト先進国が直面する課題でもあります。その解決の糸口を東北の地で見出し、世界のロールモデルとなり、日本に、そして世界に貢献していきます。

2020年1月29日 株式会社funaku 代表取締役 鈴木悠介

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