この1年間で大幅なバーションアップを遂げた長岡花火公式アプリ。ユーザーが求める機能を追加するとともに、オフライン対応などのユーザービリティの向上も図ってきたアプリは、どのようにしてニーズをくみ上げ、どんな工夫をしてローンチしたのでしょうか。iOSエンジニアである新潟支社の伊津惇に話を聞きました。
伊津惇(いづ・あつし)
プロフィール:新潟県長岡市生まれ。長岡高専電子機械システム工学専攻卒業後、計器メーカー勤務を経て2017年4月にフラー入社。趣味はサッカー観戦(アルビレックス新潟)、スノーボード・スキー、直売所巡り。
ーーリニューアルに向けたニーズはどうくみ上げたのですか?
伊津:まず、去年の長岡花火アプリで集まった7000件以上のアンケートを元に、今後アプリをどのように成長させるか、データに基づいた計画を立てました。
その上で、ストアのレビューでユーザーの生の声をくみ取っていき、長岡花火財団と一緒に実装する機能を絞り込んでいきました。
この試みは、これまで難しかった『アプリを実際に使ったユーザーからの生のデータに基づく計画作り』につながりました。アプリの成長に貢献できたことを実感しています。
ーー今年のアプリリニューアルでこだわったのはどんな点ですか?
伊津:アプリは機能を増やすと逆に使いづらくなるので、シンプルに使えるようにしたことです。
時刻表とプログラムをアプリのトップ画面に配置し、起動して一発で出るようにしました。
また、タブメニューは左側が一番良く押されて、右側にいくにつれて、押される数が減っていきます。ですので、タブメニューの並び順で見てほしいコンテンツを左側に、あとからじっくり見てほしいコンテンツを右側に配置しました。
ユーザーに影響がない範囲で、アプリの技術的な仕様もシンプルにしました。花火大会の2日間にアプリが使えなければ、開発の意味がありません。事前のテストはもちろん徹底しますが、技術的なハードルを下げることで、安定感のあるアプリを作れるよう意識しました。
一方で、ユーザーの利便性や体験に関係する部分はかなりこだわりました。
例えばデザインです。トップの画面には文言で「オフラインでも楽しめるコンテンツ」と明示し、プログラムや地図といったオフラインコンテンツがあることを明確に打ち出しました。これは、アンケートやアプリのレビューなどで多く上がった声を反映したものです。実際、非常に好評でした。
また、去年のアプリは白の背景に黒文字でしたが、今年は黒の背景に白文字としました。長岡花火アプリを使うのは、主に花火当日の夜です。スマホの画面が眩しくては疲れるし、周りにも迷惑がかかります。
当初はプログラムだけを黒背景にしようと考えていましたが、最終的には通知や設定画面など全てを黒に変えました。これもやってよかったと思います。
長岡花火当日に現場で対応にあたる伊津(右)
ーー長岡花火当日はどんな仕事をしましたか?
伊津:当日は主にプッシュ通知の対応を担当しました。他のメンバーも、アプリの安定稼働を確保するため、現場での対応に集中しました。実際、当初の予想よりユーザーが多くてサーバーの負荷が高まったので、メンバーのサーバー担当が利用しているAWSのサーバーのグレードを一時的に上げて、ピークタイムに合わせたりしていました。
ーーランキング1位獲得やレビューの高評価など大きな成果があった一方、今後の改善点も見つかったのでは?
伊津:そうですね。アプリの告知、インストール数は増えましたが、県外の人にアプリの存在を知ってもらうことは大きな課題です。アンケートなどから、もし県外からのお客様の電車利用が多いことが分かれば、そこに訴求文やURLをのせるなどの対策ができるはずです。
多言語対応も今後の課題です。長岡花火は世界に通用する新潟が誇るべきイベントです。外国語への対応ができれば、いろいろな人が来てくれるきっかけになります。アプリの多言語対応は、リアルの看板やパンフレットで対応するよりもはるかに簡単です。ぜひそこはやっていきたいですね。
他にも、チケット購入や長岡の宿泊情報の提供などの面も強化したいです。事前にアプリをチェックすれば長岡花火に関する情報の取得や必要な旅の準備がワンストップで可能なように……なんて、アイデアはつきません。
来年は「アプリがないと困る」くらいのところまでいけたら一番だなと思っています。
ーー伊津さんが思う、新潟でフラーのメンバーとして働く魅力は何ですか?
伊津:地元である新潟で、自分がやりたいプログラミングを仕事にできること。そして、自分たちがつくったものを地元の人に知ってもらい、使ってもらえること。それが、新潟でフラーのメンバーとして働く大きな魅力だと思います。
働き方も同じく大きな魅力です。実は去年、子供が生まれたんです。一般の会社の場合、拘束時間がかなり長い印象がありますが、フラーは本当に自由でリモートワークもできます。おかげで、家族と過ごす時間が前職に比べ格段に増えました。
地元である新潟に居られて通勤時間も短いとなると、家族と過ごす時間が増えるし、仕事も効率化できます。特に新潟の場合、雪でどうしても会社へ行けない日もあるので、リモートワークと新潟の相性はとてもいいなと感じています。
家族との時間をしっかり確保しながら、自分の自由に働ける環境がフラーにはありますね。
ーー最後にメッセージをお願いします。
やりたい仕事が新潟にあれば、それは若い人たちが地元に残るきっかけになるはずなんです。だから、フラーの新潟での使命は、地域に雇用を作っていくことかなと最近思います。
自分のやりたいことへ挑戦したい人に、ぜひフラーのメンバーになってほしいですね。フラーの中には、挑戦できる環境がありますから。ぜひ新潟オフィスに気軽に遊びにきてもらいたいです。