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CSカレッジ主宰・丸田絃心氏×フルカイテンCOO対談!CSはあくまでもプロフィットセンター、「伴走せよ、代走するな」

こんにちは。Wantedlyに久方ぶり登場の広報・南です。ABEJAの元カスタマーサクセス責任者で、多くの企業のCS担当者に学びの場を提供する「カスタマーサクセスカレッジ(CSカレッジ)」を主宰する丸田絃心氏(上写真右)が2021年8月から、フルカイテン株式会社のアドバイザー(顧問)に就任しました(※詳細はプレスリリース参照)。当社が自社開発する在庫分析SaaS『FULL KAITEN』の利用企業がより大きな成果を出せるよう、丸田氏は当社のCS活動に対して知見を活かした助言をしてくださっています。今回、その丸田氏と、当社取締役COO宇津木貴晴(上写真左)が、カスタマーサクセスについて対談を行いました。スタートアップSaaSに求められるCSの人物像に加え、丸田氏が当社フルカイテンのアドバイザー就任を引き受けた理由を余すところなく語っています。

※示し合わせていないにもかかわらず、対談当日の2人のコーディネートが被っていました(笑)。

前職で果たせなかった使命をフルカイテンで全うする

宇津木:SaaS企業が数多あるなかで、どうして当社フルカイテンのアドバイザーを引き受けてくださったんですか?

丸田:理由は大きく4つあります。まず、フルカイテンにおいては事業に対するCSの貢献余地がすごく大きいと感じたからです。お客様が求めている成果とプロダクトの提供価値にギャップがあるとき、そこを埋めにいくのがCSの活躍のしどころ。そのギャップが大きく、かつそこを埋めたときの事業インパクトが大きいのがFULL KAITENです。

2つ目は、お客様への提供価値が大きいこと。小売は大きく分けてモノを仕入れる部分と、店舗で販売し集客する部分に分かれます。僕は前職で小売業を相手にSaaSをしていましたが、モノに関することでの悩みが大きいお客様が多かった。でも前職は販売オペレーションや人の部分にフォーカスする仕事だったので、本質的なモノに対する価値を提供し切れなかったというのが正直なところです。それに対し、FULL KAITENはお客様の根本的な大きな課題を解決していける面白さと可能性を感じました。

宇津木:その2つだけでも嬉しすぎて泣きそうなんですが(笑)、まだあるんですね。

丸田:はい(笑)。実はこれが最も大きいんですが、フルカイテンの人が好きになりました。みんな前向きで真摯。色んな角度で事業とCS、お客様のことを考えている。一緒に働きたいなと感じました。真面目に目標に邁進できるチームなので、すごく「いいなあ」と。みんなCSを重要と考えていて、良い意味でも悪い意味でも危機感を持っています。さらなるCSのレベルアップに向けた熱量、経営陣やCSチームの皆さんの人柄が魅力的でした。

そして4つ目は、僕のなかに小売業界の役に立ちたいという想いがずっとあったことです。社会へのインパクトが大きい業界である半面、色んなことに苦しんでいる業界だと思います。コロナ禍だけでなく、利益率の低迷や人手不足、在庫問題など課題が大きいし深い。しかもそれらが長年解決されないままです。小売業界には真面目で真摯な人が多いんですよ。なのに困っているので、少しでも変えるお手伝いをしたいと思っています。

宇津木:丸田さんに質問した時の回答が、いつも150点(笑)。本当にすごいなと思っています。当社に流れているカルチャーが良いと感じていただけたのかなと。サクセスの経験とスキルに加え、プロダクトがお客様へ提供すべき価値をはじめとした根底の考え方が、不遜ながら当社と丸田さんとでマッチしていると感じられて、非常に嬉しいです。

まだまだ伸びるSaaS市場で起業を疑似体験できるCS

国内SaaS市場の現状からみて、SaaS企業の伸びしろは相変わらず大きい。2019年~24年の伸び率は年間25%というレポートもある。実際、日本のソフトウエア市場はエンプラ向けが10兆円くらいあり、うちSaaSは6%に当たる6000億円に過ぎない。

丸田:SaaSを提供する企業も使う企業も、まだまだ数は伸びていくと思います。各社が出しているプレスリリースを見ても、エンプラによるSaaS導入がニュースになるケースも増えていますし。日本のSaaS浸透率グローバルでみるとまだまだ低いんですね、仮にグローバルと同じ水準(24%前後)だと2.4兆円まで拡大することになる。古い基幹システムなどがSaaSに置き換わっていく余地は大きいです。

宇津木:日本では大企業に対する浸透率は比較的高いものの、SMB(中小)では海外と比べて著しく低いといわれています。ただ、ここ3、4年で世間の意識が大きく変わったなと感じます。その背景には、SaaSビジネスでIPOの例が増え、VCの投資マネーが集まりだしたことがあるでしょう。

SaaS企業が増えると、成功モデルが増える。成功モデルを見ると、中小企業もいわば自己否定して意識を変えやすくなる。だからSaaSでサクセスに導くことが、当社だけでなくSaaS企業全体の使命だと思うんです。他業界で燻ぶっている優秀な人たちは、皆SaaSに来たらいいと思うし、今まさにそのタイミングですよ。

丸田:SaaSの広がりの背景には、導入が容易であることがあります。パッケージだと何年もかけてプロジェクトを進めるが、SaaSは数十万円で手軽に始められる。これは裏を返すと解約も容易だということです。つまり圧勝するSaaSと完敗するSaaSとで、淘汰が進むでしょう。

宇津木:同感です。使えないSaaSと判断されれば、すぐ解約されるということなので、その前線でお客様と相対するCSは大変重要です。

ところで、変わろうと思っていても変われない経営者の背中を押す役割もCSにはあるんでしょうか。

丸田CSの仕事は端的にいうと、Why × How です。Howの部分はプロダクトの使い方や業務の変え方など王道の部分なので分かりやすい。これに対しWhyの部分は、なぜそのサービスを使う必要があるか、どういうメリットがあるのか、何を目指していくべきなのかといった疑問を解消させながら会社を巻き込み、機運を醸成していくことです。

究極的にいえば、お客様の組織変革や意識変革を担うのがCSだと思います。SaaSを導入するということは、多かれ少なかれお客様の中で痛みが生じるので、CSが補佐しないといけない。そこにCSの一番の価値があります。経営者の背中を押すのはCSの本質的な役割と言えますね。

宇津木:CSに必要な素養(能力、キャラ、心構え)は何だと思いますか。

丸田:CSに求められる能力というのは、SaaS企業やプロダクトごとにバラバラです。その大前提を一旦無視して申し上げると、医師の視点と病院長の視点が必要だということです。医師の視点というのは、目の前の患者を助けるという視点。極端な話、お客様が全く困っていなければCSは要りません。

でもお客様はプロダクトを使う際、何かしら困るし、課題はある種、to be とas isとのギャップなので、to beという理想をどんどん高く掲げていけばいくほど課題はどんどん生まれてくるものなんですよ。

宇津木:よく分かります。それに対して、病院長の視点はどういったものですか。

丸田:CSの成果が出なくてCSがコストセンターになっているSaaS企業は少なくないですが、そういう会社は医師の視点が強すぎるという罠にはまっていると思います。CSはあくまでプロフィットセンターであり、最終的には既存顧客のLTV向上を後押しすることによる自社の利益貢献がタスクでなんですよ。

宇津木:いやあ、抱き合いたいくらい激しく同意です(笑)。

丸田:まだ続きがあります(笑)。ここができないCSは本当のCSではない。だから院長という病院経営の視点が必要です。患者の命を助けつつも、助けた末に病院の収益も上げなければいけないということを念頭に置くことが必要なのです。要は、風が吹いたら桶屋が儲かる仕組みをいかに作るか、つまりCSがこうすればお客様が喜んで自社の儲けとして返ってくるという仕組みを作り、きちんと実行する力が大事なんですよ。

そのためにはお客様の目標を設定してロードマップを引き、マイルストーンを置いて伴走することが必要不可欠です。ポイントは「伴走せよ、代走するな」です。魚を釣ってあげるのではなく魚の釣り方をお伝えして、相手(お客様)をいかに自走できるようにするかです。

お客様の深層心理にあるニーズをつかむのがCS

SaaSは1顧客あたりのLTVをどれだけ大きくできるかが勝負であり、CSは売上に大きな責任を持っている部署だといえる。セールスよりも売上の責任が大きいと言っても過言ではなく、米国ではCSチームの中にセールスを持つSaaSも多い。

宇津木:最近、採用面接をしていて志望動機を聞くと「売上のプレッシャーが強くなって…」という人がちらほらいるんです。でも「それがサクセスの仕事でしょ」と心の中で毎回思うわけです(笑)。ホスピタリティだけを考えるのがサクセスだと考えている人が結構多くて。

そうではなく、自分たちがプロフィットセンターなんだという意識が本当に重要だと思います。お客様がサクセスすればするほどお金がどんどん落ちる仕組みが理想です。そのためには、サクセスがプロダクトの進化にも携わることが必要であり、それがサクセスの魅力なんですが、難易度がすごく高いんですよね。

丸田:プロダクト開発の初期にCSがいかに良いフィードバックをしてプロダクトを改善していけるかがすごく大事ですね。お客様からの要望を直接的に受け止めすぎてしまうCSは、様々な要望を全て詰め込んで、車で言うところのロールスロイスを作ろうとする。

でもお客様は様々な機能が詰まった高級車ではなく「どこでもドア」を求めている。そもそも移動という概念をなくしてしまう別格のUXをいかに届けられるかを考えないといけません。

宇津木:実は自分が新卒で入った会社でそれをやって大失敗したんですよ。お客様が要望する機能を全て実装することが顧客価値だと思っていて、要望を丸呑みしたまではよかったんですが、システムが複雑化しすぎて、全ユーザーの90%は実装した機能のわずか1割しか使っていないという事態になりました。後戻りするのも大変なので、苦労しました。

ただ単にお客様の要望を全てのみ込むのとは違う。お客様の本当の要望をつかんでプロダクトを提供していく力が大事ということです。お客様は本当の課題を意外と分かっていなくて、目先の解決したい事象を要求として出してきがちですが、お客様が本当に求めていることは何かを突き詰めて考える能力があるとLTVは伸びていきますよね。

VC資金が入り待遇面でSIerに負けない

宇津木:優秀な人材に選ばれるSaaS企業の条件は何だとお考えですか。

丸田:大きく分けると将来性と共感性の2つたど思っています。ジョインしてどれくらい自分のキャリアにプラスになるかを冷静に見極めようとする人がいる一方で、プロダクトのビジョン、世界観、インパクトに強く共感するエモーショナルな人もいる。もちろんこれはゼロ対100の話ではなくグラデーションがかっていますが、将来性と共感性の掛け算で、このうちどこに最もビットが立つのかが人によって異なるのだと思いますよ。

宇津木:敢えて付け加えると、SaaSの中でもスタートアップはどれだけ速く理想を事業化できるかの集合体なので、即戦力がほしいです。でも、SIerやコンサルの人たちにとっては待遇が落ちるために来てもらえないケースが多い。だから、これからのSaaSは良い待遇を示すことができるように企業としての体力を付けないといけないと思っています。

宇津木:手前みそですが、当社でCSをやると、個人として成長できることに幅があります。現在、FULL KAITENをバージョンアップして、サクセスの仕組みを一から作り直しているところなので、自分自身で仕組みづくりを追求できるという意味ではすごく良い環境だと思います。

そしてお客様から選ばれ続けるSaaSであるためには、提供価値を上げることが必須。顧客の価値を最大化することを中心に据えているという点は、当社にすごく根づいています。儲かるけども顧客への提供価値につながらないことは絶対にやらないですから。

丸田:フルカイテンはコロナ禍やCS体制の再構築、プロダクトのバージョンアップなど、良くも悪くも第2の立ち上げ期にありますよね。つまり、CS体制の立ち上げという苦しさを経験できるうえ、元のCSのベースも残っているので、その点も体験できるという“美味しい”時期だといえます。

さらに、今フルカイテンは経営と現場が近いので経営目線でCSの設計や実践を体験できます。そういった経験を積めると、CS個人の成長速度は全然違いますからね。また、プロダクトの完成度や成熟度が高ぎると、CSとしてプロダクトに口を出せる余地が少なくなります。FULL KAITENはすごく良いプロダクトですが、CSが口を出して一緒に改善していく余地がまだまだあります。こんなプロダクトは滅多にないし、面白いと思います。

宇津木:自分は起業した経験が2回あるんですが、生活もままならないくらい大変な時期もありました。スモールビジネスの立ち上げは別として、いわゆる「スタートアップ」をもう一回やれと言われたらちょっと(笑)。本当にリスクが大きいなと考えてしまう。それに対してフルカイテンは「起業経験」を疑似体験できるスイートスポットかもしれませんね。

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