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自社ブランドの運営経験を活かして、お客様のEC事業を成功に導く。forestが手掛けるリテールテック事業の強み

日本のものづくりを次世代に承継すべく、ECブランドのM&Aや成長実現に取り組むforest。その事業の1つが、リテールテック事業です。自社ブランドを展開するforestだからこその強み、目指す未来について、本事業を担当する安藤さん、立花さん、永井さんに語ってもらいました。




M&Aに至らないブランドにも、EC支援のニーズはある

――forestでは、M&Aを活用したブランドのロールアップを主力事業としながら、リテール事業も手掛けています。本事業に注力している背景についてご説明いただけますか。

安藤:M&Aをするしないに関わらず、良いものは広めていったほうがいいと考えている、というのがリテール事業に取り組んでいる理由です。2年ほど前に始めた際は、M&A手前のお客様に対してコンサルを提供していたんです。そのときは将来的にM&Aが視野にあるお客様を対象としていました。

ただ、大企業がオフラインで販売している商品など、いい商品ではあるものの、ECがわからない、楽天やAmazonでの販売にリソースを割けていないというケースも多くあることを知りました。M&Aには至らないものの、ECに関しては依頼したいというニーズで、こうしたケースも手助けできるのではないかと考えたんですね。そこから準備期間を経て、2024年6月に本格的にリテール事業を始めました。

――皆さんはリテール事業にどのような立場で関われているのでしょうか。

安藤:私はPMとしてEC事業の全体の方針を決めたり、社内外を含めた調整を行ったりしています。

永井:私と立花さんは実際の運用や在庫管理、売れ筋商品やシリーズ商品の用意やページ作りなどを行っていて、その担当カテゴリが違うという形ですね。

立花:ページ作りのところでは、どういったキーワードや画像、色やトーンを使えば訴求力が上がるのかといった提案もしながら進めています。


自社で運用して得た数字を元に、効果のあるPDCAを回せるのが強み


 ――次は、forestだからこそ生み出せる価値についてお聞きしたいです。いかがでしょうか。 

安藤:どこが価値になると思っていますか?

永井:1つはモールへの特化性でしょうか。楽天モールでの運用歴の長いメンバーが揃っているので、その店舗の人の立場になってアドバイスができるのは非常に大きな強みだといえるのではと思います。

立花:自社ブランドがある会社なので、自分たちでも商品作りをしていて、その良し悪しがわかっているのは大きいでしょう。その会社が取り扱っているものをどういう見せ方にすれば売れるのか、マーケットを熟知しているのは強みですよね。

安藤:そうですね。自分たちでも事業を手掛けているのは強みです。いわゆるコンサルは販売の部分しか理解できていないケースが少なくないんですよね。でも、事業として成り立たせるには、仕入れ、商品開発、マーケティング、倉庫管理、在庫管理、原価管理、粗利管理といった具合に、すべてをやらなければなりません。こうした事業としての解像度が圧倒的に他社との違いになります。

立花:泥臭いことが多いですよね。

安藤:必要に応じて倉庫を変える提案をしたり、原価と送料とを計算し、販管費に使える金額を整理して、日次の利益を算出したり。小売りの基本なのですが、ここまで手助けしているところは少ない。売上と広告予算だけを見ているケースのほうが多いでしょう。「梱包する箱のサイズを小さくして送料を抑えましょう」とか「仕入れ商品を変えましょう」「人件費をカットしましょう」など、事業モデルからのコンサルができるのは我々ならではです。

立花:自分たちで手を動かしているからこそわかることもあります。広告に関しても、きちんと効果を理解したうえでアドバイスができる。

安藤:他の方々がECのマーケコンサルだとするならば、我々は事業運営の責任を果たし、実際に「楽天事業」、ひいては「EC事業」全体を担える組織だと言えますね。数字の責任を持ち、販促だけでなく、事業全体を見据えた運営ができる。自分たちで、事業フェーズの異なる複数のブランドを運営していることがその強みの根幹になっていると思います。

ECコンサルは、アクセス数や広告費などのデータは取れますが、商品のリードタイムや在庫数、商品の配送費や原価も含めた利益率のデータを有している企業は少ないと思っています。他方で、我々はいろいろなカテゴリーで事業規模の異なるブランドを多数運営し、そのすべてを利益まで把握しています。

 実際に、EC事業は、販促だけでなく、仕入れ数の見直しや、商品ポートフォリオの見直し、倉庫やカスタマーサポートのキャパシティ不足、などその事業フェーズに応じて起きうる課題が変わり、すべてを解決していく必要があります。

我々にはその経験があるからこそ、その時一番解決すべき課題を見極めて、事業全体の課題解決を行うことができるのです。ここは一番の強みだと考えています。


赤字スタートから3カ月で、累積赤字を黒字転換

――ここからは、実際の事例についてご紹介いただきたいと思います。 

安藤:今回ご紹介する事例の会社さんは、当時は赤字のまま運用していた状態で、売り上げは立てられるけど利益面では赤字になっていると気付かないまま、1年2年運用されていました。そのため、まずはどういう売価にして売れば利益が出るのか、徹底的に見直して理解していくことをご提案しました。

立花:「商品をネットに載せるだけで売れる」と思われている業者さんは、かなり多いんですね。そのため、この事例に限らず、どういう魅力がありどうすれば売れるのかをひとつひとつ丁寧に分解していく必要があります。そこからメインの画像やページの内容を変え、メイン商材となる売れ筋が作れた段階で、そこを主軸としながら商品展開をし、売上を作っていきました。結果として、支援前の月売上500万で利益は赤字、という状態から、現在は月売上6~8倍、利益も月300万以上という状態までもっていくことができております。

安藤:まずは丁寧に数字と組織を可視化し現状と課題を把握する、その後解決すべき課題の解決にうつる、という我々の支援スタイルが効いた例ですよね。一見売れているように見えていても、それは広告費を使いまくっているから売れているだけだったりする。いい商品がたくさんあっても、魅力的な商品ページになっていなかったり、ニーズのあるキーワードから逆算した広告設計ができていなかったりするために結果が振るっていないケースもあります。

コストでいうと、外注費もあるあるですよね。ECの知識が担当者にないために、いろいろな外注業者に依頼していて、それが無駄なコストになっているという。外注すること自体は悪手ではないのですが、それはあくまでもフェーズに合った業者を選べている場合に限ります。このケースもまさにそうで、ECの知見がないために無駄なコストがかかっていたため、そこを永井さん、立花さんが改善していきました。

永井:立花さんがお話したように、支援翌月に売上が4倍増、今では7倍程度にまで延ばせています。支援開始後、3カ月で今年の累積赤字を解消して黒字転換しました。


安藤:そのままどんどん利益を増やし、組織を拡大していくのが本案件のミッションです。先日、来期予算について先方と打ち合わせをしたのですが、先方の売上や利益の来季予算、組織計画もかなりアグレッシブに設定されておりまして、我々への期待とともにかなり責任の重い仕事だと感じています。

立花:これまでは担当者が1人でがんばっていた感じだったのが、成果が見えてきたことで取引先の会社内に「ECに予算を割こう」という雰囲気が生まれました。先方の社長からも「ECが爆発的に伸びてきている」というご報告が全社員に対してあったようで、ECの重要性を皆さんに再認識していただける手助けができたといえるでしょう。

永井:チャットワークで立花さんと先方とのやり取りを見ていると、同じチームとしてがんばっている感じが伝わってきます。

立花:向こうのベンダーの方も含めて「来期に向けて、この商品をこれだけ仕入れましょう!」と話したりしています。先日も飲み会に参加し、「来年もがんばりましょう!」と具体的な数値目標を含めて目線を合わせることができました。会社対会社の関係性に留まらないお付き合いをさせていただいていて、濃厚なやり取りの元、ディレクションできているなと。でも、この濃さこそが重要なんですよね。ECの問題のみならず、先方の会社内の問題点を愚痴レベルでお話いただける関係性を築けることで、課題解決にも寄与できますし、「ああしたい、こうしたい」と未来の話をしやすくもなりますので。

安藤:短期的なパートナーではなく、中長期的なパートナーとして選ばれているのも特徴ですね。マーケだけを見ていると、短期的には伸ばせても持続性のあるものを実現するのは難しい。ECはマーケだけではなく、出荷する倉庫とのやり取り、工場にどれぐらい発注するのかなども考えなければなりません。中長期的にどうファンを作っていくのかも持続性を考えると重要です。

もちろん販促や広告の話もしますが、仕入れの話、人件費の話、時には商品点数を減らして収益性を上げる話など、事業フェーズに応じて必要な課題を整理し、今一番必要な話を提案しています。そこが喜ばれているところかなと。広告運用だけ何とかしてほしいという会社さんは、逆にうちに頼ると相性が悪いのかなと(笑)。

立花:(笑)。おっしゃる通りですね。事業を拡大していくなかで直面するであろう課題へのアドバイス、成長痛の起きる場所の予測と対処も行いますから。広告運用だけではなく、事業を一緒に作っていきたいという事業者さんに対して価値を発揮しやすいといえますよね。 

永井:私たちは、自分たちのことをコンサルとは思っていないんですよね。事業を伸ばすためにお客様と1つのプロジェクトチームを組んで必要なことを全部やっていっているイメージです。あるクライアントの飲み会に参加したとき、部長さんが「他にもコンサルから多くの声がけがあったなか、forestに決めたのは丁寧に数字の見える化をし、課題や解決方法について自分事化して詳しく説明してくれたことが決め手だった」とお話してくださったんです。すごくうれしかったですね。

立花:今は12月頭ですが、来年の春夏のビジョンや今の課題の洗い出し、売上の作り方を丁寧に分解しています。クライアント社内のリソースをスリム化しつつ、どういうオペレーションで拡大していくべきか、組織課題にも着手しているところです。自社ブランドを運営するなかで結果が出ずに苦しんだ経験が、客観的に見ることで可視化できる。その知見を活かして、お客様の現場目線でご提案できるのが強みなのかなと思っています。


 

お客様と本気で向き合い、二人三脚でブランドを伸ばしていきたい

――forestのリテールテックの今後のビジョンについてお話ください。

立花:ECのコンサルを超えたところで関われるようになっていきたいですね。将来的に、タッグを組んで一緒に事業をやれるような関係性を築けていけたらなと。お客様が「ECは売上も作れるし楽しいね」と思っていただき、お客様のビジネスの柱の一つになっていけると嬉しいです。

永井:クライアント様が提供する商品の先にいる「商品を手に取るお客さま」に寄り添って運用していくことを大事にしていきたいです。

ビジネス的な数字周りを見るのも大事ですが、一緒に商品を手に取るお客様のことを笑顔を想像することが、一番大事なところなのかな、と考えています。 

立花:愛着が出ますもんね。おせっかいかもしれないけれど、どんどん細かいところまで関わりたくなる。売上じゃないところも気になり始めて、自分の店のようにあちこち手をかけたくなるんです。安藤さんが考えるリテールテック事業のビジョンは何でしょうか?

安藤:いい商品を持っているお客様のお手伝いをし、社会がいい商品であふれている状態を目指したいです。そのために、事業を拡大をしたいですね。オフラインでは売れているのに、ECは売れていないというところも多いでしょう。そういう事業者さんを手助けし、ユーザーとなる生活者の方たちの生活を豊かにするところにつなげたい。 

やみくもにお客様を増やしたいとは思っておらず、一緒にブランドを伸ばしたいと心から思えるお客様と二人三脚で組みたいですね。「日本にあったほうがいい」と心の底から思えるものにフォーカスし、数年スパンでじっくりと取り組んでいきたいです。ここにこだわれるのは、自社ブランドがあるからこそ。数は多くなくていいので、本気で向き合えるお客様を大事にしたいですね。

立花:同意です。ECで利益が出ること、商品の知名度が上がることが面白いしうれしいんですよね。自分事として捉えられる事業であり続けたいですし、お客様に自社ブランドで経験したことを惜しみなく提供したいです。 

永井:「ECのことがわからない」「ECなんて」と思っている方もまだまだいると思います。そこに対して、結果を出すことで良さを伝えられたらいいですよね。もうそんな会社はないのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とECに抵抗感のある会社さんはまだまだいらっしゃるので。

立花:「インターネット会社」に対してネガティブなイメージのままの会社さんは多いですよね。いろいろな事情はあれど、それが感覚的な理由なのであれば、ぜひ我々に支援する機会をいただけたらと思います。日本の技術が光る工芸品など、ECで日の目を浴びれば作り続けられたのに、販売機会を失ってやめてしまう、売れなくなったから職人の継ぎ手もいなくなって消えてしまう、といったケースも多く見聞きしています。ECの力でお手伝いできるのであれば、こうした日本のものづくりを継承していくことも我々の役割の1つだと思っています。



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