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【開催レポート 前編!】フローレンス流 “社会の変え方”に迫る!のぞき見フローレンス

フローレンスの裏側を覗ける「のぞき見フローレンス」を3年ぶりに、対面でのオフラインで開催しました!

もっと社会を良くしたい!社会に貢献する仕事をしたいけれど、自分にもできるのかな…と想いを巡らせている方は少なくないのではないでしょうか。

そんな方向けに、今回の「のぞき見フローレンス」では、フローレンスメンバーが実際に社会を変えた「政策起業・新規事業開発エピソード」をご紹介しました。

イベントにご参加いただけなかった方はもちろん、「社会を変えるってどういうこと?」と感じていらっしゃるみなさんに、開催レポート【前編】をお届けします!

多胎児育児支援のチェンジメーカー、市倉が登壇!

様々な事業で社会課題の解決に取り組むフローレンス。フローレンス流 ”社会の変え方” は、単に事業を立ち上げるだけではありません。時にはロビイングや政策提言を行い、社会の仕組みや制度そのものを変えることなど、手法は多岐にわたります。

今回イベントに登壇した市倉は、双子・三つ子などの「多胎児」の育児に関する社会課題を発見し、その解決のために様々な活動をしてきました。以下が市倉のプロフィールと主な取り組みです。

【市倉加寿代プロフィール】

1984年、東京生まれ。

2017年、認定NPO法人「フローレンス」に入職。

2019年秋、個人で設立した「多胎育児のサポートを考える会」の代表として、フローレンスと共に多胎児家庭アンケートを実施。

多胎育児への支援拡充を求め、関係省庁・機関への要望書提出などの活動に取り組んでいる。

2020年11月、政策コンテスト「マニフェスト大賞」にて最優秀成果賞受賞。

【今回ご紹介する主な取り組み】

●政策起業 : 双子ベビーカーでのバス乗車を、都内全線で解禁!

双子の母である友人の話から、双子ベビーカーは折りたたまないとバスに乗車することができず、実質的にはバスへの乗車を諦めざるを得ない状況であることを知り、政策起業を開始。2021年、「双子ベビーカーに子ども達を乗せてバスで好きな場所にお出かけができる」という、「あたらしい当たり前」の社会を実現!

※政策起業とは??
政治家や官僚でなくても、一人ひとりが政治や政策を担う主体として参画し、知恵を出し、手を動かして実際に制度づくりや社会のルールに影響を与えていくことを、「政策起業」と呼びます。「誰もが社会を変える主体」となって民主主義に参加する方法として、近年注目が高まっています。

●新規事業開発:日本初の「多胎児家庭専門」シッターサービス開発!

政策起業を行う中で、双子・三つ子などの多胎家庭は既存の行政制度・ベビーシッターサービスでは救いきれないと実感。1年間のトライアル期間を経て事業開発を進め、2022年に日本初の多胎児家庭専門の訪問サポートサービス「ふたご助っ人くじ」を立ち上げ、都内16地域300家庭にサポートを届けている。

多胎児育児の過酷さを目の当たりにした市倉が、多胎児家庭を取り巻く環境を改善するためにどのように奮闘してきたのか。開催レポートとして、市倉の「半径5mからの社会変革」のストーリーをインタビュー形式でお届けします!

Q. まず最初に、フローレンスに入社したきっかけを教えてください。

市倉:図書館で司書の仕事をしていた時、育休明けに復帰面談をしたのですが、そこで上司から「育休を取らなかったら昇進させてたのになぁ」と言われ、がっくりとしたことがきっかけでしたね。。長時間労働が当たり前で、残業しないと戦力ではないと扱われるような職場だったこともあり、会社への気持ちや愛情がぐっと下がってしまいました。

そんな時、駒さん(フローレンス会長駒崎の愛称)の記事をFacebookで見つけたんです。

出産、育児や時短勤務に関係なく、活躍できる環境があるフローレンスに魅力を感じましたし、子どもができたことで子育てに関する社会課題についても気になっていたので、自分にもなにかできることはないかと考えるようになり、フローレンスに入社しました。

Q. これまで政策起業や新規事業開発に取り組んできた市倉さんですが、以前から新しい事業を作るような仕事をしていたのでしょうか。

市倉:実は、一番最初のキャリアは美容師でした。その後は、本が好きという理由で図書館司書にキャリアチェンジし、出産・育児を経験しました。

フローレンスに入社するまでは、政策起業という言葉も知りませんでしたし、新規事業を立ち上げるなんて経験も全くありませんでした。フローレンスに入社後の最初のキャリアは、「迎える育むチーム」という採用や育成を担当するチームで、保育士の採用や保育園の園長向けの研修を行っていました。その後、特別養子縁組のマッチングを行う「赤ちゃん縁組事業部」に異動し、事業推進を担う業務を担当していました。

Q. 政策起業に関わるようになったきっかけを教えてください。

市倉:幼馴染の多胎育児を手伝った時に、多胎育児の大変さ、壮絶さを知ったことがきっかけでした。

私自身も二人の子どもの母親ですが、「双子」と「歳が離れた子ども二人」の育児は大きく違うということを目の当たりにし、この大変さは社会が生み出しているのでは!?と思ったんです。

例えば当時、シングルベビーカーは折りたたまなくてもそのままバスに乗れましたが、双子ベビーカーは折りたたまないとバスに乗れず、実質的にはバスに乗るのを諦めざるを得ない状況でした。ファミリーサポートも、多胎児の場合はサービスを利用できないことがあり、そのような課題を放置したまま、次世代に渡していくわけにはいかない!社会の仕組みを変えたい!と強く思いました。

Q. 社会を変えるために、まずは何から始めましたか。

市倉:政策起業や新規事業開発についての専門知識や経験があるわけではなかったので、まずは何から始めたらよいのか、全くわからない状態からのスタートでした。

多胎育児をしている幼馴染に話を聞いてみると、「前に都営バスに乗ろうと思った時に、大きなベビーカー(双子ベビーカー)はお断りしておりますって言われたよ。」とLINEでメッセージが来て、そんなことが起きてるの!?と衝撃で、スマホを見ながら目を見開きました。

調べてみると、たまたま運が悪く断られたのではなく、双子ベビーカーの乗車をお断りするルールになっていることがわかったんです。そこで、WEBでアンケートを集めて現状を調査してみようと思いました。

とはいえ、どのようなアンケートがよいのかも分からず、とりあえず「Googleフォーム」を使ってアンケートを作ってみました。SNSでアンケートの回答を呼びかけてみたところ、フォロワー数十人の個人アカウントにも関わらず、約1600件の回答が集まり、反響の大きさに驚きました。

想像以上に多くの声が集まったことで、困っている人がたくさんいることが分かり、ますますこのままではいけない!と思ってフローレンスメンバーに相談しました。

フローレンスには、社会に対して問題提起をする方法やノウハウを持っているメンバーがたくさんいるので、進め方やお作法などのアドバイスを受けたり、協力してもらいながら、ついに政策起業へと動き始めました。

初めての連続の中、周りのフローレンスメンバーの助けを借りながら記者会見をして、メディアに取り上げてもらい、議員の方々に双子ベビーカーがバスに乗ることができない現状を伝え続けました。

最終的には東京都知事にもお会いすることができ、ついに昨年(2022年)、「双子ベビーカー(二人乗りベビーカー)を折りたたまずの乗車」が、私営含む都内のバス全路線で解禁。「双子ベビーカーに子ども達を乗せてバスで好きな場所にお出かけができる」という「あたらしい当たり前」が実現したんです。

前編では、政策起業や新規事業の立ち上げ経験ゼロだった市倉が、「政策起業・新規事業開発に関わるようになったきっかけ」や「社会を変えるためにまず始めたこと」などをご紹介しました。

後編ではさらに市倉の取り組みを深掘り、政策起業・新規事業開発を行う中での苦労や、社会を変えることへのやりがいについてご紹介します!

フローレンスには、組織内の垣根を超え、国や自治体、NPO、さらには民間企業といった外部の多種多様なステークホルダーを巻き込み、様々な社会課題の解決に挑む、社会変革の最前線を担うチームがあります。

私たちと一緒に、社会をアップデートするアクションを仕掛けていきませんか?

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