新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され、日本社会は徐々に通常運転に向けて動き出しています。しかし、一斉休校や登園自粛により子どもがいる家庭において、ある課題が浮き彫りになりました。
厚生労働省が、2020年3月中に各地の児童相談所で虐待として対応した件数を調査したところ、去年の同月より12%増加し、2万2,503件に上っています。さらに、2011年度の厚労省調べによると、心中以外で亡くなった子どもの死亡要因のほとんどが虐待で、虐待に至った親御さんの多くが「育児不安や育児負担感」「産後うつ、育児ノイローゼ」を抱えていました。
これは、親子が困難な状況に陥る要因の一つに、親の精神的な疾患を含むストレスが考えられると言えます。
そこで、フローレンスは、うつ病や統合失調症など心の不調を抱える親御さんがいるご家庭を対象に、食品のお届けをきっかけにつながりをつくり、様々な支援につないでいく取り組み「おやこ宅食」をスタートします。
2020年6月29日より、東京23区内にお住いの家庭を対象に100世帯募集します。
心の不調を抱える親と子のための「おやこ宅食」 申込みはこちら
https://oyako-takushoku.florence.or.jp/
こども宅食の活動から見えてきた 生活困窮家庭の課題
フローレンスは、2017年より東京都文京区にて、生活が厳しい家庭と食品配送を通じて繋がり、支援をする「こども宅食」を行っています。令和2年の第二次補正予算ではこの成果が認められ、こども宅食を含む「支援対象児童等見守り強化事業」が予算案に入っています。
これまでのべ1,000世帯以上を支援する中で、心の不調を抱える親御さんの生活状況が厳しくなるリスクが高いことわかりました。心の不調を抱える親御さんは、周囲からのサポートを得られにくかったり、助けてと周囲に発することが難しい状況もあります。このような状況を踏まえ、早急に家庭にアウトリーチし、困難な状況に陥る前に支援する必要があります。
おやこ宅食とは
今回の「おやこ宅食」では、心の不調を抱える親御さんがいらっしゃる家庭を対象に2ヶ月に1度、半年間に渡りサポートします。1回あたり約1万円相当の食品・日用品を事務局で選定しお届けします。そして、家庭と繋がり、必要な支援に繋げたり情報提供などを行いながらサポートします。
対象は子育て中の家庭で、親御さんが
①精神疾患の診断を受けた方
②精神疾患で通院している方
③精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方
④精神障害の障害年金もしくは特別障害給付金を受給している方 など
※①〜④に当てはまらない方でご希望される方はご相談ください。
精神的な困難を抱える親御さんは、新型コロナウイルスによりさらに不安な状況に追い込まれています。今回の「おやこ宅食」を通じて子育てにおける不安や悩みを軽減し、親子をサポートしてまいります。
「おやこ宅食」は一般財団法人村上財団、公益財団法人東京都福祉保健財団、みてね基金の支援を受け、対象となる親御さんに無料で提供いたします。
■「おやこ宅食」利用申し込みに関しては、申込フォームより記入をお願いします。
https://oyako-takushoku.florence.or.jp/
■その他、利用に関する問い合わせは、以下メールアドレス宛にお願いします。
oyako-takushoku@florence.or.jp(担当:塚本、山崎)