【OUR PHILOSOPHY】#2 代表インタビュー|フィッツコーポレーションが目指す「豊かさが香るものづくり」とは?
プロフィール
株式会社フィッツコーポレーション 代表取締役 富樫康博(とがし やすひろ)
1952年北海道生まれ。大手アパレル会社で営業・ブランド担当を経験。1991年、フィッツコーポレーションを設立。海外ブランドと提携し、香水輸入事業を開始。オリジナル香水も製作し、国内のカジュアルフレグランス市場を牽引。現在は「香りのプラットフォーマー」として、香り空間事業など香りの可能性を広げるビジネスを展開中。
2025年度内定者の北田です。就活時代、富樫さんの記事を見て、企業文化「明日も行きたくなる会社」への理解が深まった経験から、今度は自分もそのような記事を発信したいと考え、富樫さんに企業理念に関するインタビューを実施しました。ここでは、企業理念「豊かさが香るものづくり」の起源についてお聞きします。
―フィッツコーポレーションは企業理念として「豊かさが香るものづくり」を掲げていますが、これは創業当初から掲げていたのですか?
いいえ、最初は「香水のファッションメーカー」という理念を掲げていました。香水は単なる商品ではなく、様々な場面でファッションのように楽しめるものだと考えていたからです。
皆さんも、友人と出かける日やパートナーと遊びに行く日などに「着ていく服がない!」と悩むことはありませんか?それは、その日の自分にぴったりの服がないからですよね。香水も同じです。「今日は出社の日だからどの香りにしよう」、「暖かくなってきたから春っぽい香りがいいな」など、シーンや気分に合わせて選ぶ楽しみがあるものです。
そこで、「香水のファッションメーカー」という企業理念を掲げ、ファッション感覚でシーンに合わせた香り選びの楽しさを提案することで、日本のフレグランス市場を牽引できるのではないかと考えました。
―そこから「豊かさが香るものづくり」へと変化したきっかけは何だったのでしょうか?
事業を拡大していく中で、香水だけではなく、ボディクリームやバスアイテムなど、様々な香りの製品を手がけるようになりました。すると、社員から「香水のファッションメーカーという言葉では、私たちの事業を表しきれていない」という声が上がってきました。
香りの持つ役割は、ファッション以上に広いということに気がつきました。例えば、アロマの香りには安らぎを与える効果があると言われています。実際にフランスでは、一部の施術においてアロマテラピーが医療として認められています。そういった香りの可能性をもっと追求していきたいと考えた時に、商材の展開も香水から拡張していく必要があると考え、現在の「豊かさが香るものづくり」という企業理念に至りました。香りには、人を癒し、心を豊かにする力があります。これから入社してくる社員にも、香りを通して、お客様の人生をより豊かにしたいという想いに共感して入ってきてもらいたいなと思っています。
―「ものづくり」という言葉に込められた想いを教えてください。
それは、私自身の経験が大きく関係しています。海外出張で欧米を訪れる機会が増える中で、特に印象的だったのが、ニューヨークのウォール街を歩く金融マンたちの姿でした。厳しいビジネスの世界で常に頂点を目指し、成果を求められる彼らの目には、鋭さと冷静さが宿っていました。少し大げさな表現かもしれませんが、成果を達成するためには、ある種プロセスの質に関する優先順位は低く、結果を出すためなら、多少強引な手段も致し方ないという思考でないと、生き抜いていけないのかもしれないと、私なりに思いました。
一方で、農業やものづくりに携わる人々は、非常に穏やかな表情で、優しく温かい目をしていると感じました。それは、何かを「丁寧に育む」という行為への優先順位が高いからでしょう。また、親が子どもに向けるまなざしも、それに近いのかもしれません。わが子への愛情がその成長の土台となるように、ブランドもまた、愛情を持って丁寧に育むことで、その価値や魅力がより花開いていくのではないでしょうか。
デジタル化やAI化が加速する現代においても、人の心を動かすのは、作り手の想いが込められた“もの”だと信じています。だからこそ「ものづくり」という言葉を企業理念にも入れたかった。フィッツコーポレーションから発信するすべての“もの”は、最後にお客様の手に渡ります。だからこそ、その時のことを考え、一つ一つのブランドを、そして製品を、丁寧に育んでいってほしいという想いを込めました。フィッツコーポレーションは、これからも、そんな『豊かさが香るものづくり』と向き合いながらビジネスの拡張を目指していく会社でありたいと思っています。
この記事は2025年3月時点の内容になります