こんにちは、ファーストループテクノロジー株式会社の代表の福永です。
今回は、前回に続き当社のCI(コーポレートアイデンティティ)の最終回について記載したいと思います。
前回CIの紹介2回目は、当社のCI見直しで整理した「ブランドステートメント」「ミッション」「ビジョン」及び「バリュー」と、「Our Process」と「Our Team」について紹介しました。当社の目指す方向や仕事の仕方、やチームについて理解頂けたのではないかと思います。さて、最終回である今回は、当社の事業「Gemba Engineering Solutions」について紹介します。
【Gemba Engineering Solutions】
物流、製造、不動産管理、建設、農業に社会インフラまで──私たちの掲げる「Gemba Engineering」は、日本のあらゆる領域で力を発揮します。現在、多くの業界で人手不足が課題となっており、それを解決するには、テクノロジーを“正しく” 活用することが不可欠です。
「Gemba Engineering」は現場とテクノロジーをつなぎあわせ、課題解決に導く手法です。いくつかのソリューションのなかから、それぞれの領域でのモデルケースをご紹介します。
Cyber Physical System (CPS)
「Gemba Engineering」の核となるのは、CPS の実装です。CPS は、実際の現場であるフィジカル空間と、データの蓄積・推論などを行うサイバー空間を連動させ、現場の生産性を自動で高めるシステムのこと。人手不足の日本において、人の負担を軽減し効率的な経営やより良い労働環境を実現するものとして、近年注目を集めています。
ただ、その実装には高度な技術が必要となります。特に、フィジカル空間でどのようなデータを可視化し、サイバー空間で得た分析をどう現場に活かすか、という点に深い知識と経験、それに創造性が求められます。基本的には、シームレスなタギングとトラッキングによって、移動データの座標(X,Y,Z)、時間(T)、変化量(V)を常時把握し、目的別の未来予測(短期、中期、長期)を行うことがベースとなります。その上で、FLTは現場の中に身を置くことで、どのデータに着目し、どのように収集するかの最適解を導けます。また、サイバー空間での分析から得られる提案(たとえば生産プロセスの改善など)は必ずしも即実行できるものではありませんが、私たちは今あるハードやリソースなどの既存のインフラを活用して、なるべくサイバーとフィジカルのラグを軽減させていきます。現場からテクノロジー、そしてテクノロジーから現場へ。このサイクルをタフに、リアリスティックにまわし続けることが、日本中の現場力を高めていくと信じています。
IndustryⅠ:製造業
日本を支える製造の現場。今もっとも人手不足に悩まされている業界のひとつです。FLT は、工場をはじめとする製造現場にCPS をはじめとするソリューションを提供。サプライチェーン全体にいたるまで、生産性や労働環境向上に寄与しています。
多品種少量生産のニーズが高まるなかで、製造現場では、より正確なサプライチェーン全体での動きの把握と未来予測が欠かせなくなっています。この場合、まずはIoT やセンサー技術を活用して「モノ」の移動を可視化します。それに加え、これまで見過ごされがちだった「ヒト」の動きにもFLTは着目。独自のセンシング技術で、生産プロセスにおける個々の多様な行動をデータとして収集することで、より複合的で質の高いソリューションが可能になります。これらのデータをサイバー空間で解析し、AI による推論や数理最適化モデル、シミュレーションによる需給バランスに基づく在庫の最適量を抽出。それを既存のインフラを変えずに工場設備、搬送機、自動倉庫やロボットなどにフィードバック群制御することで、スマート工場化、省人化、コスト削減、品質の安定、作業の危険軽減など、さまざまなメリットをもたらします。また、現場だけではなく、情報のリアルタイム分析による生産計画や搬送計画、在庫管理など、サプライチェーン全体にその効果は波及。日本を支えてきた製造の現場を、未来に向けて強力にサポートしていきます。
IndustryⅡ:インフラ
日本の安全な生活を支えてきた社会インフラが老朽化し、さまざまな問題が生じています。橋梁の損傷やトンネル・道路の崩落、水道管の破損など、そのリスクは私たちの暮らしの根本を揺るがしかねません。FLT は行政や関連専門企業などと連携しながら、社会インフラの諸問題と真剣に向き合ってまいります。
FLT は、社会インフラのメンテナンスデータサービスに取り組んでいきます。道路、上下水道、電気、鉄道などインフラにはさまざまな種類がありますが、共通するのは予算や労働力の問題によって「適正なメンテナンスができない」ということ。この課題に対してFLT では、ネットワークに関連する既存台帳、地形・地質、地下水、載荷重、気象情報等の継続的なデータ収集とデータ連携、リモートセンシング、さらに場合によっては対象ネットワークのセンシングを行うことで可視化。統計的手法や数理最適化、推論等によりネットワークの性格分類を行い、短期、中期、長期それぞれのタームでネットワークの疲労度推定を行います。これにより、いつどこをメンテナンスすればいいのかを可視化し、確実な維持管理につなげていきます。この実行には官民連携が不可欠であり、現場の声を聞きながら成功事例を積み上げ、地方から日本全国へと、社会インフラの充実を推進していきます。
IndustryⅢ:物流
現代社会において、物流の最適化は、ビジネスだけでなく私たちの暮らしにも密接に関わってきます。人手不足、環境問題、需給のバランスなど、さまざまな課題に対して、「Gemba Engineering」は明快にソリューションを提供します。
物流における効率化では、これまでは輸送能力に焦点を当てることが多くありました。しかし、FLT ではより確実性の高い“移動する在庫” に着目。その増減を現場でのセンシングとデータ連携によって可視化し、統計的手法や数理最適化、推論等により全体の動きを未来予測(短期、中期、長期)し、ドライバーや荷捌きの人手、輸送手段、倉庫の手当てをマッチング、シェアリングしていきます。また、車両の走行データをマルチGNSSレシーバーとデジタルタコメーターの連動により取得すると共に、CO2 排出量を推定収集することで、最適なルートを取得し時間と燃料のコストを低減化。気候変動や地政学的なリスクも組み込むことで、平時のみならず非常時運用(縮退)への対応も実装し、サプライチェーンの安定と経済安全保障に貢献していきます。
IndustryⅣ:建設
日本の礎を築いてきた建設現場。これまで、経験豊富な専門人材に支えられてきましたが、昨今は慢性的な人手不足に悩まされています。また、安全性の確保も継続的な課題です。FLT では、現場ごとに異なる課題と向き合いながら、建設業のソリューションを展開しています。
FLT が取り組む建築現場における「Gemba Engineering」のモデルケースは、大きく2つ。1つは、「身の回り作業の効率化」です。たとえば、現場の施工結果数量計測や現場写真管理を一元的にスマートフォン(搭載ライダーやカメラを活用)で対応し、瞬時にクラウド側で台帳化の上、帳票化することにより、現場監督が行う後作業を激減させています。また、現場で利用する施工部材や資機材の管理もスマートフォンを活用しデジタルで一元管理。無理、ムラ、無駄を省く支援を行っています。2 つ目は「安全性の確保」です。建設現場は重機、ダンプトラック、人や既存設備が混在した環境で施工や運用が行われています。こうした共存環境での事故予防・安全対策として、全体を俯瞰するカメラ群で現場を監視し、AI で危険を検知・発報する仕組みで安全を支援しています。建築現場に真に必要とされるソリューションを提供し、日本の国力向上に貢献していきます。
これまで3回にわたり当社のCI見直しについてご紹介してきました。当社の社会課題への取り組みや立ち位置などご理解頂けたことと思います。今後も弊社全員一丸となり奮励努力して社会課題の解決に資する活動を展開して参りますので引き続きの応援をお願い致します。
また、この度のCI見直しにあたっては、プロデューサーの梶さんをはじめ、コピーライターの鈴木さん、他デザイナーの方々等、ブランディングの第一線で活躍される現場のプロ達に参画して頂きました。まさしく、今回設定した当社のタグラインメッセージと同様に『GEMBA ENGINEERING FOR NIPPON』『NIPPON を支える現場エンジニアリング』集団と当社とのコラボレーションによる賜物だと理解し、感謝しております。ありがとうございました。
<事業内容>
顧客課題に応じた解決手法の組合最適化により、ヒト・モノ・コト・ジョウホウ・カネ及びエネルギーの移動データを用いて顧客利益の最大化に繋げるデジタルループサービスの開発・提供しています。
FLTの事業内容に興味を持った方、製造業、物流、建設業、不動産管理、社会インフラ等の効率化・省人化、自律・自動化等のDXに興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。
今後共、よろしくお願いします!
▼ 取材などメディア関係者の方は会社HPよりお問い合わせください
お問合せフォームはコチラ
▼ 当社のnote、Zennページもぜひご覧ください!