見えない課題を“見える化”し、リアル空間を“動かす”中枢エンジン
こんにちは、ファーストループテクノロジーのCTO、彦坂です。本記事は、先日、当社代表の福永が投稿した「当社オフィスのデジタルツイン化について」に続く記事になります。
私たちは今、「データで現場を動かす」ことを本気で目指して、自社開発のエンジンをつくっています。その名も DAVIE(Data Value Improvement Engine)。
今回は、私たちが開発している産業用CPSエンジン「DAVIE」について、少しラフにお話ししてみたいと思います。
なぜ「DAVIE」が必要なのか?──現場の“見えない課題”とどう向き合うか
日本の産業現場は、慢性的な人手不足に直面しています。
「業務が属人化してブラックボックス化してる…」「なぜトラブルが起こったのかが分からない…」そんな声をよく耳にします。データはある。けれどバラバラ。しかも、“見えるようで見えていない”問題が潜んでいる。
そんな現場の課題を、「データの力で“動かす」ために、私たちはDAVIEをつくりました。
DAVIEとは何者か?リアル空間にフィードバックできる産業用CPSエンジン
DAVIEは一言で言えば、「サイバーフィジカルシステム(CPS)」の中核を担うエンジンです。
センサやカメラ、業務システムなどからあらゆるデータをリアルタイムで集約・分析し、その結果をロボットや設備、システムに即時に“返す”。
従来の「IoT=見える化止まり」から一歩踏み出し、『“動かせる化”』まで踏み込めるのがDAVIEの真骨頂です。
DAVIEの強み1:見えていなかったものが見える
- カメラ+AIで人の流れ、作業姿勢、滞留、危険行動まで把握
- UWB・感圧センサ・CO₂センサなどとの組み合わせで“文脈”が読める
- 業務システムともAPI連携で“人・モノ・業務”を横断的に接続
- レガシー環境も活かせる、段階的な導入が可能
つまり、現場の「今そこにあるのに取れてなかった情報」が取れるようになります。
DAVIEの強み2:リアル空間に“返せる”
DAVIEは、ただデータを“見せる”だけじゃありません。
その先のリアルなアクションにつなげてこそ意味がある──そう考えています。
たとえば…
- 顔認証で来客を検知 → ロボットが受付案内
- 照度・CO₂・温湿度、在席状況をもとに、照明や空調を自動制御
- 危険行動をカメラで検知 → ロボットが即時駆けつけ
- ロボット × ドア × エレベーターを連携 → 自律移動での案内や配達
さらに最近では、生成AI(LLM)とDAVIEの連携にも取り組んでいます。
- ロボットが来訪者の名前や予約内容をAIと照合し、自然な対話で案内
- 蓄積されたセンサーデータや過去事例をもとに、AIが最適な対応方法を判断
- トラブル時の履歴や現場映像をAIが要約し、現場スタッフや管理者に即座に通知・共有
これにより、DAVIEは単なる「制御エンジン」ではなく、判断・提案・実行まで含めた“現場のもう一人の頭脳”として機能し始めています。
すべては、「センサ → DAVIE(AI判断) → 実行」というフィードバックループでつながっています。これこそが、CPS(Cyber-Physical System)の本質です。
活用シーン:DAVIEはどこで活躍しているのか?
工場・物流
〇人・モノの流れを見える化、レイアウト改善や情物一致を実現
建設・プラント
〇作業員と重機の接触リスクをリアルタイム検知、安全性を向上
オフィス空間
〇着座状況や在席センサで空調・照明を最適化
〇顔認証や会議予約と連携してロボットが訪問者を案内
これから:群で動くCPSの時代へ
私たちが次に目指すのは、群制御です。
1台のロボットではなく、複数のロボットや設備、照明や空調、そして業務システムが、DAVIEを介して連携し、あたかも一つの“生き物”のように動く現場。
リアルな空間が自律的に振る舞う、そんな未来をCPSで描いています。
最後に:もうひとりの“判断者”として
「現場に、データから学び、動ける判断者がもう一人いたら」
それが、DAVIEです。
- 勘と経験に頼る判断から脱却したい
- サイロ化したデータをつなぎたい
- DXに踏み出したいけどハードルが高い
──そんなときは、ぜひ私たちに声をかけてください。
DAVIEは、現場の相棒として、そばで一緒に考え、動くエンジンです。
いかがでしたか、当社が提供する産業用CPSエンジン「DAVIE」について理解を深めていただけましたら幸いです。さて、次回は、『DAVIEとロボットが実現する「現実世界へのフィードバック」』について紹介しますので、お待ちください。
<事業内容>
顧客課題に応じた解決手法の組合最適化により、ヒト・モノ・コト・ジョウホウ・カネ及びエネルギーの移動データを用いて顧客利益の最大化に繋げるデジタルループサービスの開発・提供しています。
FLTの事業内容に興味を持った方、製造業、物流、建設業、不動産管理、社会インフラ等の効率化・省人化、自律・自動化等のDXに興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。
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