「科学的根拠のある知見と機械学習の技術の融合をもっと強めていきたい」機械学習チームを牽引するマネージャーがFiNCで働く理由。
こんにちは、FiNC Technologies 人事戦略部の佐伯です!今回は、FiNCのコア技術の一つである機械学習関連のプロジェクトを推進する技術推進グループのマネージャーをご紹介できればと思います!
はじめまして、FiNC Technologiesの岸弘倫です。2020年4月から技術推進グループのマネージャーを務めていますが、私が具体的にどんな取り組みをしているのかなど入社経緯から遡ってお話できればと思います。
モバイルゲーム業界から0→1を作るスタートアップへ
前職ではモバイルソーシャルゲームの会社でCTOをしており、新規タイトルの開発に携わっていました。ちょうどプラットフォームがWebからアプリにシフトしたフェーズで、アプリでの技術的なノウハウなどの蓄積がない状態からのスタートでした。ゲーム開発をするための基盤づくりから入り、チーム開発のためのフレームワークを作り上げていきました。ゲームエンジンの特性や、Webと違った技術要素(シェーダープログラミング、メモリ管理、アセットパイプラインなど)があり色々と学ぶことが多かったのですが、0から開発を立ち上げたのでモバイルゲームを開発するために必要な技術要素を広く経験することができました。
ただモバイルゲームの主戦場がアプリに移行したことにより、開発の大規模化やレッドオーシャン化が進み、開発費用に数億かかり開発期間も数年単位で掛かるようになった一方、ヒットしなければリリース後に数ヶ月で終了するタイトルも出てきました。 もともとソーシャルゲームに魅力を感じていたのは、短期間で開発のリリースサイクルを回すことができ、開発の動きに対してユーザーの反応がダイレクトに返ってくるところでした。そのギャップを感じ始める中、自然とこれまで世の中になかったプロダクトを、顧客や市場の反応を通じて開発していくベンチャー企業に魅力を感じるようになりました。そんな時に出会ったのがFiNCでした。
”自分がユーザーの一人になれるサービス”を求めて辿り着いたヘルスケア業界
私はエンジニアが開発だけでなく企画にも参加できた方が、化学反応が得られて良いプロダクトが生まれると思っています。 そのためには、自分が課題を持っている対象であること、すなわち自分がユーザーの一人の視点を持って参加できるようなサービスを提供している会社で働きたいと考えていました。ちょうど30歳を超えたところで人間ドックなども始まって、自分の健康や健康寿命について意識し始める時期だったので、ヘルスケアは興味がある業界でした。ヘルスケア業界は広く、医療、介護、健康増進に分かれますが、その中でもFiNCの扱う健康増進が今後の伸び代が大きいという期待もありました。もちろん他の勢いのあるスタートアップも検討してみましたが、機械学習の分野にも興味があったため、ユーザーのライフログなどのビッグデータを持っている点でもFiNCに一番魅力を感じました。ヘルスケアの専門家をAI化するというミッションに対して、技術的な挑戦が面白そうと思ったのが入社の決め手となりました。
2017年にFiNCに入社しましたが、当時はまだFiNCにおけるマイクロサービスの黎明期と呼べる時期でしたので、貴重な経験ができました。また健康増進や予防医療は目に見えにくく、個人ユーザーからの収益化が難しい事業なので、ECやサブスクリプションのtoCだけではなく、法人や広告事業などのtoBから収益を得るといったところは入社前はあまり見えてこなかった部分だったので、技術的にもビジネス的なことも成長できる環境だなと感じました。
ヘルスケアに関する専門家の暗黙知を形式化してシステム化していく
現在は技術推進グループのマネージャーとして、主に機械学習プロジェクトに関わっています。技術推進グループは専門知識が必要な複雑なシステムを開発運用するチームです。現在、会社として食事記録に関する体験向上に注力をしていますが、その中でも技術推進グループでは食事の画像解析と、記録した食事に対するアドバイスの最適化に携わっています。 食事の画像解析は、良質な学習データを提供するためアノテーション(ラベルづけ)のワークフローの改善を行なっています。
ただ、FiNCにおけるAI活用はまだまだ伸び代が大きいと思っています。ユーザーに行動変容を促す体験を提供できる仕組みがFiNCのコア技術の一つですが、それを実現するためには、ユーザーを認識するためのデータ解析や、アドバイスエンジンやレコメンデーションエンジンを高度化していくことが不可欠です。またヘルスケアに関する専門家の暗黙知を形式化してシステム化していくことも必要です。そのために私たち開発者も健康についてのドメイン知識を獲得しなければなりません。個人的には、入社してから健康行動学、保健指導などの健康増進に関する本を数十冊以上読んだり、FiNCが運営しているパーソナルジムでトレーニングを実際に受けてみたりしています。扱うデータの特性上、機械学習によるアプローチの研究や先行事例はまだそこまで多くないので、面白い領域だと思っています。 今後は、FiNCの専門家達と連携しながら、科学的根拠のある知見と機械学習の技術の融合をもっと強めていきたいと思っています。
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