こんにちは、プロモーション担当の渡邊です。
フェンリルには、開発センターという部門内に「品質保証部」があります。前身である品質管理部から名称を変更し、現在は開発センターの最重要ミッションを担う専門組織へと発展しています。この大きな進化を最前線で牽引しているのが、部長の川崎さんです。
今回は、これまでの歩みと新組織にかける強い意志、そして未来の展望を川崎さんが語ります。
ユーザーの体験に向き合うためにフェンリルへ
前職では、テストを専門とするテストベンダーでQAエンジニアとして働いていました。そこでの主な役割は、限られた予算と期間で不具合を見つけ出すことでした。しかし、ただ仕様書通りに動くかを確認し、バグを報告するだけの機械的な作業を繰り返す中で、強いもどかしさを感じるようになりました。
不具合がないことと、ユーザーが使いやすくて幸せを感じることは別物です。このやり方では、プロダクトを手にするユーザーにとって「真の品質向上」につながらないのでは、と悩むようになりました。
悩んだ末に、開発者やデザイナーと一体となって品質を追求できる環境を探しました。そうしてたどり着いたのが、デザインと技術に強い信念を持つフェンリルでした。この環境であれば、妥協なく品質を追求するという自分の意志を貫けると考え、入社を決意しました。
ゼロからの組織形成と
品質管理部を根付かせるまでの歩み
もともとQAエンジニアは開発部門に所属していましたが、私が入社した直後、現在の組織の母体となる品質管理部が新設されました。前職でマネージャーを務めていた私は、この新しい部の組織形成と体制強化を任されることになりました。
組織づくりのために、まずは部門が目指すべきミッションを定義しました。その上で、QAエンジニアの責務とケイパビリティを詳細に分析。さらに、開発部門と積極的にコミュニケーションを重ね、社内報やイベントを通じて部の活動を周知しました。こうした取り組みにより、社内での存在価値を高めていきました。現在もメンバーのスキル向上や業務管理を行い、デザイン部門や開発部門とのスムーズな連携をサポートしています。
また、フェンリルのプロダクトである「DROMI」や、毎年12月に制作している「ホリデーカード」の品質管理にも継続して取り組んでいます。さらに2025年度からは、品質管理業務へのAI活用に関する技術検証や、効果測定を本格的に開始しました。
品質管理部から「品質保証部」へ
改編の狙いと新たな役割
従来の品質管理部の主な業務は、開発の下流工程における「結合テスト」への対応でした。 開発プロセスの改善にも継続して取り組んできましたが、開発センター全体を巻き込むまでには至っていませんでした。
大きな転機となったのは、2025年度から「品質」が開発センターの最重要項目の一つに格上げされたことです。背景には、高品質なプロダクトをクライアントとユーザーへ確実に届けることを共同開発の大きな強みにしたいという狙いがありました。また、プロダクトの品質上の不具合だけでなく、プロジェクト運営の面でもトラブルを未然に防ぎたいという強い意志もありました。
そこで、プロジェクト全体の品質向上を確実に実現するため、各工程の移行判定を行う「フェーズゲート」の導入を開始しました。
フェーズゲートを運用するチームの設置に伴い、部門名称を「品質保証部」に変更しました。主な業務は「結合テスト対応全般」と「フェーズゲート運用」の2つに進化しています。
また、運用の客観性と強度を担保するため、品質保証部は開発センター長の直下に配置されました。これにより、センター長がフェーズゲートの運用を全社的な取り組みとして発信。プロジェクトマネージャー(以下PM)や開発エンジニアも前向きに受け入れ、理想的な協力体制のもと運用を進められています。
運用方針の決定はセンター長と品質保証部の間で完結するため、意思決定から実行までのプロセスをスピーディーに推進できています。責任の重さに身が引き締まる一方で、確かな手応えを感じる毎日です。
役割と拠点の強みを生かす、
品質保証部の組織体制
現在の品質保証部には大阪、東京、北海道で計50人以上が所属しています。
役割や拠点ごとの強みを生かした強固な体制を整えています。
・品質保証課
フェーズゲート運用の専任チームです。
・品質管理1課
主に大阪拠点で活動し、テスト計画から設計、実施、終了報告に至るテスト工程における業務全般を担当します。
・品質管理2課
主に東京拠点と北海道拠点で活動し、テスト工程における業務全般を担います。
・テクニカルQA
大阪拠点で活動し、AIをはじめとする技術を品質保証部の業務で活用するための検証、啓蒙、教育を推進します。
他部門と緊密に連携し、
上流工程からプロダクトを高める
他部門との連携方法は、部門の役割ごとに異なります。結合テスト全般を主務とする品質管理課と、フェーズゲートを運用する品質保証課で、それぞれの関わり方を紹介します。
【品質管理課】
クライアントとの共同開発プロジェクトにおけるテスト業務では、PMからの依頼に基づいて対応します。依頼内容に合わせて、担当のテストリーダーをアサインします。
アサイン後は、テストリーダーがPMやエンジニア、ディレクター、デザイナーと直接やり取りし、作業スケジュールやゴールイメージを細かくすり合わせます。
通常の参画のタイミングは開発設計フェーズからです。ただし大規模なプロジェクトでは、要件定義フェーズから参画し、全体テスト計画や品質計画を作成します。
【品質保証課】
品質保証課のメンバーは、要件定義から納品に至るすべての工程に関わります。
各フェーズの移行タイミングに合わせてPMにヒアリングし、フェーズゲートレポートを発行します。開発センター長や開発部の部長、課長、PMO課と直接連携し、適切な移行判定を実施します。
社内交流を活性化する
「ゴリラズバー」の運営
他部門との結束を強めるため、私たちは2022年4月から「ゴリラズバー」という社内イベントを開催しています。これまでにスピンオフを含めて15回ほど開催してきました。
このイベントは、コロナ禍で薄れてしまった対面での社内コミュニケーションを活性化することを目的に、開発センターが主催しています。
運営チームは、メンバーの笑顔に出会いたいという思いで、企画や準備を続けてきました。 特に6月開催のイベントには、その年に入社した新卒メンバーの多くが参加してくれます。「他部署の先輩たちと知り合えた」「研修の最後に良い思い出ができた」といったうれしい感想が寄せられており、温かいつながりが生まれています。
10年の歩みと仲間への感謝
「全員で共に成長する」組織へ
約10年という部門の歴史の中で、アルバイトから正社員へ登用されたメンバーや、新卒で入社してくれたメンバーが数多く活躍しています。現在、部門運営の推進や組織の成長を支える課長・リーダー陣の半数以上を、こうしたメンバーが担ってくれています。
入社当初から「全員で共に成長し、成功を喜び合えるチームでありたい」という思いを持って業務に取り組んできました。この考えに共感してくれるメンバーが組織を支え、大きく育ててくれています。現在の品質保証部が存在するのは、こうした素晴らしい仲間たちのおかげです。
AIがもたらした衝撃と深まる
「QAの本質」への問い
2025年度から、品質保証業務におけるAI活用の検証を本格的に始めています。
検証を通じて最も驚いたのは、ベテランの価値だと信じていた知識や技術の領域を、AIによって想像以上に代替できた点です。「アプリ開発の未経験者がアプリを開発できる」「QA未経験者でもテスト計画やテスト設計に対応できる」という事実に直面しました。
この変化の中で「私たちが担うべき本質的な作業とは何か」「身に付けるべき知識や技術とは何か」について、今も模索を続けています。また、便利なツールを前に、今後の新人や若手メンバーの育成をどう進めるべきかという点も、早急に向き合うべき重要な課題です。
変化を恐れず飛躍へ
最高のクオリティーで届ける「確かな安心」
今後はDROMIなどの自社プロダクトを含め、AIの活用領域を順次広げていく予定です。
その中で、セキュリティ面のリスクやハルシネーション(AIの嘘)への対応など、新たな課題への対応力を高めることも欠かせません。AIに対するクライアントの不安や疑問を解消し、確かな安心を届けることも、私たちの使命です。フェンリルが誇るデザインと技術を、最高のクオリティーでユーザーに届ける架け橋となります。
AI技術の進化により、QAエンジニアも大きな変化を求められています。しかし、頼もしい品質保証部のメンバーとならば、この変化の波を乗り越えてさらに大きく飛躍できると確信しています。
私たちは開発の全工程に関わり、共同開発サービスの品質を安定させ、改善できる組織へと成長します。そして、AI駆動開発や最先端技術にもいち早く適応し、品質に携わるメンバーの新しい価値を形にします。
フェンリルでは現在、品質保証部で活躍してくださる仲間を募集中です。
興味のある方は、ぜひご応募ください。
<関連記事>