美しいコードよりもたいせつなこと。|エバーセンス|note
こんにちは。ninaru編集部の石川です。 私たちエバーセンスは、妊娠、出産、子育てに関わる人をサポートするプロダクト「ninaru」シリーズを作っています。ユーザーのために"いいものづくり"を徹底するのはもちろんのこと、エバーセンスには「幸せの最大公約数をとる」という行動指針があります。 幸せの最大公約数をとる ...
https://note.com/eversense/n/n8c7ee81456d6
こんにちは。エバーセンスの真辺です。
今回は、編集部の石川が、エンジニアチームのマネージャー竹尾にインタビューをしてくれたnoteをご紹介します!
エバーセンスのプロダクト作りは、編集部もデザイナーもエンジニアも、みんな一緒に意見を出し合っていいものづくりをしています。エバーセンスのエンジニアはどんな仕事をしてるの?どんな環境で働いているの?と興味のある方は、ぜひ読んでみてください!
私たちエバーセンスは、妊娠、出産、子育てに関わる人をサポートするプロダクト「ninaru」シリーズを作っています。ユーザーのために"いいものづくり"を徹底するのはもちろんのこと、エバーセンスには「幸せの最大公約数をとる」という行動指針があります。
幸せの最大公約数をとる
ユーザー、クライアント、仲間、家族、自分。ステークホルダー全員の幸せを考える。偏らず、二律背反を実現する。
今回はエンジニアマネージャーの竹尾にインタビュー。SIer、渋谷ミドルベンチャーを経てエバーセンスにきた理由と、「幸せの最大公約数をとる」難しさを教えてもらいました。
<プロフィール>
竹尾 広章
株式会社エバーセンス エンジニアマネージャー。新卒で広告営業に携わった後、IT業界へ。SIerを経てベンチャー企業で約7年間toCサービスの開発とマネジメントを経験する。新たな組織での挑戦と"いいものづくり "のできる環境を求めて、2018年8月にエバーセンス入社。ジョギング好きな2児のパパ。
ー 今日はよろしくお願いします!まず、今までの経歴について簡単に教えてください。
よろしくお願いします!SIerでシステム開発に携わったのが、ぼくのエンジニア人生のはじまりです。その後、渋谷のベンチャーに転職して、2年半ほどゲーム開発会社に出向しました。戻ってきてからは、人材系のWebサービスの開発を担当していました。その間に、気づくとチームリーダーに、そして部長になっていました。部長時代は、だいたい40人くらいのメンバーがいました。
ー ありがとうございます。ではエバーセンスに転職したきっかけは何だったのですか?
前職で一緒だった木村さんから「エバーセンスなら今より平和な生き方ができますよ」って連絡がきてしまいまして(笑)。
ー ああ、そういえばきむにぃさん(エバーセンスの元エンジニア)からの紹介でしたね!
給料は悪くないし、少しは手を動かせていたし、別に積極的に転職しようとは思っていなかったんですよ。ただ、部長は労務のような仕事が多くて、仕事を辞めたがる人をなだめたり話し合ったりすることがメインになってきて、それが嫌になっていました。ハードに働くことがライフスタイルとあわなくなってきたというのもありますね。
ー そんなにハードだったんですね。
そうですね、僕だけではなくみんなハードに働いていました。
子供が生まれる前は、家にいる日数の方が少ない月が平気でありましたね。たまに早く帰っても、夜にアラートが鳴って呼び出されてタクシーで出社とか。だから家庭が崩壊して離職する人が多かったです。
子供ができてからは立場も上になったので働き方をコントロールできるようになりましたが、とはいえ21時、22時まで働くのが普通でしたね。
ー それはすごい…では転職した理由は働き方の面が大きいですか?
それもありますが、他にも理由がいくつかあります。
まず1つ目は、前職ではチャレンジングなことができなかったからです。前職では仕事がルーチン化して新しいことができなくなっていましたが、僕、基本的に飽きっぽくて同じことをやってられないんですよ。
1000人くらいのミドルベンチャーで部長になっても、組織がすでにできあがっていて、誰が何を言おうが変わらないんですよね。それが面白くなくって。自分で変えられるし、変わっていくという環境の方が刺激的だなと。
ー なるほど、確かにエバーセンスは常に変化してますね。
あと、渋谷ベンチャー界隈独特の「殺伐とした感じ」がしんどくなってきたのもあります。
とにかく「ビジネス拡大と成長」が最優先で、20代のころはそれがけっこう楽しかったりしたんです。「色々なものをすべて捨てても、拡大・成長してやる!」っていう割り切りが。でも、年を取ったせいなのか、あの感じをずっと見ているのがつらくなってきました。
僕自身が長く経験を積んできたこともあって、あの環境に居続けてもこれ以上成長できないなぁと感じたのも大きいですね。
ーなるほど。他にも理由があるんでしょうか?
これが1番大きい理由なんですが、「ユーザーが満足してないもの」をつくるのが嫌になったんです。
「ユーザーは満足してないけどビジネスとして正しい」ことを仕事にしていることを感じていました。実はこれは前職に限らず、その前のSIer時代もそうでした。
でも次第に「自分だったら使わないな」と思うものを、ビジネス的に合ってるから、お金になるから作っていることに対する違和感が強くなっていました。
ー なるほど。では竹尾さんにとって"いいものづくり”ってなんでしょうか?
エンジニア目線で言うならば、"いいものづくり"は、自分たちが気持ちいい美しいコードを書くことではなくて、ユーザーにとって価値のあるものを作ることだと思います。ただ、価値を感じてもらえるユーザーの数は、多ければ多いほどいいですよね。
前職でビジネス面を見ていて痛感したのは、どんなにユーザー満足度を高めても、結局使ってくれるユーザーの数が少なくてはビジネスとして成立しないということです。やっぱり多くの人に使ってもらわなければ、作る意味がない。
ー たしかに。そうですね。
でも、より多くのユーザーに使ってもらおうと「ビジネス拡大」を最優先すると、今度はユーザビリティが悪くなるんですよね。
ビジネスといいものづくりのバランスの問題が、ここが前職で1番葛藤したところです。
ーなるほど。その経験をもう少し詳しく教えてください。
前職では求人サイトを作っていました。ユーザー目線で考えると、丁寧につくられた説明ページがあって、それを読んで納得した上で転職するのが理想ですよね。ただ実際のところ、求人サイトって「集客装置」なんです。サイトに流入したユーザーが転職してくれることがゴール。
前職では転職してくれるユーザーの数を増やすには、「とにかく営業に会わせて転職してもらうこと」が最短ルートでした。そのために僕が携わっていた求人サイトに求められる役割は「営業に会わせる人数を増やすこと」になりました。
ーその理屈だと、たしかにそうなりますね。
だから、僕が携わった求人サイトは、ユーザーに満足してもらう必要はなかったんです。とにかく人を集めることが大事で、極論するとユーザーの満足度はどうでもよかった。
ビジネスとして考えるとめちゃくちゃ正しいのは分かるけど、プロダクトは頑張らなくていいとなると、自分は何を作ればいいんだろう?ともやもやしていました。
ユーザーのことを考えると、使いやすくて、納得して転職するための求人サイトをつくりたい。でもビジネス的には、その考え方はむしろ邪魔になることもある。
ものづくりしている側とビジネス側との解離がありました。
ー なるほど。そういうジレンマは、SIer時代にも感じていましたか?
そうですね、それがSIerを辞めた理由でもありました。
すでに納品されたシステムの保守運用を担当したとき、ユーザーが使う現場を見させてもらったことがあるんですが、けっこうな数の問い合わせが来るんです。「これってどうやって使うの?」「どうやればできるの?」とか。結局大事な部分は僕たちがつくったシステムを使わずに運用していることも知って、「あぁ、僕らのシステムって、半分くらい意味ないんだ」って思いました。
開発では、「偉い人が好むものを作る」のが仕事でした。でも、実際に使うのは偉い人じゃなかった。システムを使う社員にとって使い勝手の悪いものであっても、偉い人は「安いものを作れ」と言ってくる。その現実をみてすごくモヤモヤしていました。
ちゃんとユーザーのためになる、ユーザーが使って気持ちいいものを作りたいなと思って、toCサービスの開発ができる会社に転職したんですが、なかなか理想通りにはいかなかったですね。