こんにちは! エスタイル採用広報です。
現在、エスタイルのLLMエンジニアとして活躍し、在職期間は4年を超えるカムイさん。LLMエージェントの論文調査を行い、その結果を用いたソフトウェア開発の自動化に関する検証も担当しています。さらに、チームマネージャーとして、エンジニアメンバーの育成にも力を注いでいます。
そんなカムイさんの前職は、現在とはまったく異なる発電プラントの設計職。なぜエスタイルに入社し、現在の職にいたったのか。仕事のやりがいや楽しさ、そして今後の目標など、インタビューを通して、カムイさんの考えを伺いました。
「そこまでやっている会社はない」LLM事業の優位性
―まず初めに、カムイさんは、なぜエスタイルに転職しようと思ったのですか?
私は大学院時代、機械工学を専攻し、研究対象であった金属材料の知識を活かし、前職では、メーカーで発電プラントの設計職をやっていました。
仕事は楽しかったのですが、一方で「AI」にも興味がありました。というのも、大学院時代の研究では、コンピューターを使って複雑な問題を解くことが多く、その作業がすごく楽しかったんです。「この興味を満たせる領域はどこかな」と考えた時に、思い浮かんできたのが、「AI」という分野でした。
早速、求人サイトで検索をしてみると、関連求人がたくさんヒットしたのですが、エスタイルのように「未経験採用」を掲げている企業は当時少なく目に留まりました。そこで応募し、面接を経てすぐに採用が決まりました。
実際、入ってみて感じるのは、エスタイルはLLMを扱っている会社の中でも、事業に優位性を持っているということです。単に、LLMを研究したり情報を集めたりするだけではなく、そこからシステム開発まで手がけ、お客様に提案をしています。さらに、実際に使ってもらって、フィードバックをいただき、またそれをシステムに反映するというサイクルまで確立しています。
ここまで一貫して取り組んでいる会社は少ないので、いまでは、エスタイルに入社して本当に良かった、と思っています。
―未経験から入って、LLMエンジニアに。キャッチアップなど、大変ではなかったですか?
最初の3ヶ月くらいは、本を読んだりして必死に勉強していましたが、だんだんと慣れてきました。やはり、「好き」とか「興味がある」みたいな気持ちは大事だと実感しています。そういう気持ちさえあれば、どんなことでも、自分のものにしていけると思います。
最近では「AI」とか「LLM」というワードをよく聞くようになって、「流行っているから」「時流に乗って」と学び始める人も増えてきていると思いますが、そういうものよりも、やっぱり「好き」という気持ちが大切だと思っています。
自分は「知識レベルを高めていきたい」という欲求が根底にあるので、まだまだ未知の領域が多いAIというのは、本当に楽しいと感じています。大変ではありますが、苦にはなりません。どちらかというと、システム周りの知識のほうが難しく感じることもあります。そういった部分は、社内のメンバーに聞きながら、手探りで進めてきました。
エスタイルでは、教育制度の一貫として「ESTYLE U」というプログラムを設けています。そこでは毎月、AIやデータサイエンスなどの分野で有名な外部講師をお呼びして講義を行ったり、実際に手を動かして課題を提出したりとさまざまな学習機会が用意されています。僕が入った当時と比べても、教育体制がより充実しているように思います。
LLMの潮目が変わった。いま求められるのは“ひらめき”
―「好き」「知識レベルを高めたい」という気持ちが、カムイさんの根底にあるのですね。いま業務としてやられているのは、論文などの研究、それを踏まえてのシステム開発ということでしょうか?
そうですね。LLMの研究では、論文を読んでそれをまとめてお客さまに報告しています。新しいプログラムが公開された際には、検証も行います。論文は基本的に、海外のものを読んでいます。アメリカや中国の進展が早いので、マイクロソフトやメタがどのような取り組みをしているのかなどを、常にキャッチアップするようにしています。
システム実装の面では、その研究の結果を踏まえて、お客さまの業務効率化につながるようなアイデアを出して、システムを開発しています。それをお客さまに提案して、実際に使ってもらったうえで、フィードバックを受けながら改善を重ねていきます。
具体的な事例を挙げると、お客さまから上がってくるレポートを見て「なぜここで急に客足が増えているか」を分析して、「こういう理由です」と提示することがあります。
ほかにも「需要予測」として、どの程度商品が売れるかを予測し、欠品を防ぎつつ在庫を過剰に抱えない最適な発注量を算出することもあります。
AIは、新しい技術が生まれてから、社会に実装されるまでの速度が、かなり早いです。学びながら社会の役に立てるところが、AIの魅力・面白さだと思っています。
―カムイさんのように「AIに詳しくなりたい」「LLMエンジニアになりたい」という人は、昨今の時流を考えると、たくさんいると思います。実際のところ、どのような人が向いていると思いますか?
2020年頃までは、数式を理解できる人などが求められる傾向にありました。しかし、いまではChatGPTなどが登場し、裏側の技術的な部分を知らなくても活用できるようになっています。こうした現代において大事になってきてくるのが、むしろそれを、「どのように活用していくか」というひらめきや発想力だと思います。
自分自身は大学院時代の経験から、主に論文から着想を得るスタイルなのですが、情報の収集方法はXなどのSNSやネットの記事など情報でもいいと思います。大切なのは、とにかくたくさんの情報をキャッチして、いろいろな事例を知ること。その積み重ねで新しいひらめきが生まれてくると思います。
他分野からの転職の場合、最初は未経験で難しく感じるかもしれませんが、すでに自分が深く知っている分野があることは大きな強みになります。
エスタイルは成長を続け、取引先の業種も広がってきています。ご自身が詳しい業界にAIをどのように活用するか、どのように業務を効率化できるか、を考えるのもひとつのアプローチだと思います。
社内の橋渡し役に。「風通しのいい組織づくりができるように」
―現在、カムイさんはエンジニアチームのマネージャーでもあります。マネジメントにおいて心がけていることや、意識していることなどはありますか?
もちろん、業務のマネジメントというのが第一ですが、「仕事を通じてメンバーが成長できているか」を常に意識しています。業務をこなすだけでなく、それを通じてメンバー自身が成長を実感できることが重要だと考えています。
そのために、月1回、各メンバーと1on1を行い、現在の状況や感じていることを率直に話してもらう機会を設けています。自分は年齢的にも上のほうなので、あまりマネージャー感を出さずに、なるべくフラットに話せるような空間を作ることを意識しています。
また、エスタイルは組織の拡大に伴い、経営陣と新しく入社したメンバーとの距離が生まれやすくなっていると思います。経営陣は、現場の業務を把握しづらくなり、新入社員は些細なことを相談しにくくなる傾向があると思います。そうした状況を防ぐために、マネージャーが橋渡し役になって、風通しのよい組織作りができるように心がけています。
今後も、LLMエンジニアとして日々の「ひらめき」を大切にしながら、チームマネージャーとしてエンジニアメンバーを束ねられるよう、努めていきたいです。