「ヘルステックの力で社会課題を解決する」というミッションを掲げ、保育施設向け午睡見守りシステム「ベビモニ」や介護DXサービス「OwlCare」など、エッセンシャルワーカーを支えるさまざまなプロダクトを展開している、EMC Healthcare株式会社。

本日は、冬は大好きなスキーに打ち込む2児の父、営業の大槻さんにお話を伺いました。これまでの受注のうち、約9割は大槻さんが獲得したもの。EMC Healthcareにとって営業の柱です。

「家族と過ごす時間も大切にしたい」と語る大槻さんに、ライフワークバランスの取り方や、仕事のやりがいを聞いてみました。

定時後に料理、育児、筋トレ、動画編集

よろしくお願いします！ 簡単に自己紹介をお願いします。

保育園・こども園向け、カメラ型午睡見守りシステム「ベビモニ」の営業担当をしています、大槻です。2021年からEMC Healthcareで働いています。

入社当初は私の他に営業担当がいなかったので、利用規約から代理店契約書まで一通りを私が作りました。あとは見積のフォーマット作り、トラブル対応、経理、商品の出荷、サービスの制作指示、調達と……在庫管理もやっているのか。つまりなんでもやっています(笑)。

とはいえ私が何でもできるというわけではなく、社内外含めていろんな人が助けてくれる環境で、人に恵まれているから成り立っているなと思います。

大槻さんは仕事とプライベートを上手に両立していますよね。

そうですね。小学生の娘が2人いまして、家族と過ごす時間を大切にしています。

ほとんど残業はしていなくて、定時で退勤して家で夕ご飯を作ることが多いです。私が仕事から帰宅すると妻が材料の下ごしらえを終えていて、そこから仕上げや味付けをするような形で。

グラタン、パスタ、オムライスから和食までなんでも作ります。得意料理は炊き込みご飯と肉じゃがですかね。根菜・野菜を使った料理も、小学生の娘たちは好き嫌いなくバクバク食べてくれますよ！

私は趣味がスキーですので、娘たちを連れてスキーに行くこともあります。今は彼女たちもずいぶん上達して、「下のリフトで待ち合わせね！」なんて言いながら自由に滑っていますね。いつまでもスキーができるように腹筋・背筋・スクワット・腕立てを40回ずつやっているおかげで、新卒の頃から体型変化無しなのがちょっと自慢です。

あとは……娘が猫を飼いたいというので、コロナ以降で保護猫を飼い始めまして。その日々の様子を日記代わりに動画にしてYoutubeにアップし続けたら、かなり再生数が伸びるようになったんです。猫が自分で自分の食費を稼いでるような状態で(笑)。

そんなのもあって、帰宅後には夕食を作って、宿題を見たり寝かせたりと育児をして、お酒を飲みながら動画編集して、お風呂に入ってストレッチや筋トレをするようなルーティンですね。仕事を楽しみながらも日々の暮らしを大切にできるこの生活に、満足しています。

理想の生活を実現している大槻さんの、これまでのキャリアは？

私は1973年度生まれなのですが、日本で特に人口が多く「就職氷河期」と言われた世代の1人です。就活は苦労しましたが、工場等の空調設備の会社とたまたまご縁があり、営業職に就きました。担当したクライアントの中には有名な飲料メーカーの工場もあって、かなり規模の大きな仕事ができました。

ただ4年くらい経って仕事に慣れてきたとき、年功序列の体質にちょっと物足りなさを感じるようになって。営業成績トップでも「頑張ったね」と言われて終わりだったので、もっと自分の実力で勝負したいと思うようになりました。

転職したのは2000年の頃。パソコンが普及し1人1台になりつつあった時代で、私もIT業界に飛び込み、企業向けのパソコン管理ソフトのメーカーで働き始めました。

そこでは私が直接営業をするのではなく、代理店と契約して営業をしてもらう形をとりました。当時は代理店網を広げて営業する手法を採用していた会社はあまりなく、代理店の営業担当と一緒に営業の仕方を考えたり、キャンペーンを打ったりして試行錯誤しました。この時の経験が、今の営業のやり方にも繋がっています。

約17年間勤務して役員も経験した後、ソフト開発の企業に転職。これまでは営業として開発要望を上げるくらいしかプロダクトと関わっていませんでしたが、転職先では開発者に対して「こんなシステム作ってください」と自分で企画・プレゼンしてプロダクト開発に携わったりもしました。

アナログ業界に最先端AIを売る面白さ

EMC Healthcareに入社した理由は？

「ベビモニ」のことを知ったとき「いいプロダクトだな、これを売るのは面白そうだな」と思ったからですね。

最初、「この業界では、最先端AIと言っても理解されないよな」って思ったんです。親として、保育業界のデジタル化が遅れているのは実感としても知っていましたし、そうしたレガシーなところへ最先端のAIを広げて行くのは新鮮だなと感じました。

どういうことかと言うと、これまで経験してきたソフトウェアのBtoB企業だと、IT管理者みたいなその分野に詳しい人がいて、その方と会話しながら導入を進めるじゃないですか。でも「ベビモニ」の場合、保育園の中にデジタルに詳しい人がいない場合もある。デジタルに詳しくない業界に、どうやって最先端のITサービスの必要性や価値を知ってもらうか、どうやって広めていこうかって試行錯誤するのが楽しいんです。

もともと「ベニモニ」を知ったのは、知り合いの税理士さんから「このサービス、どう売ったらいい思う？」と相談されたのがきっかけで。「俺が売るんだったらこういうふうにしますよ」とプレゼン資料を作ってお渡ししたら、それを取締役の浦上さんが見て「ぜひ一度お会いしましょう」と声をかけてくれたんですね。

当時は前職を辞めた後だったので、今後の人生についてスキーでもしながらゆっくり考えようと思っていたときでした。ただちょうどコロナが流行ってしまったし、雪不足もあってスキーができなくて悶々としていた時期でもあったので、思いがけずありがたいお誘いでしたね。

現在のお仕事について教えてください。

これまでの知識・経験を活かして、代理店と協力したパートナー営業の体制作りを進めています。ただ、保育園へのサービス導入はこれまでと同じようにはいかないので日々試行錯誤の連続です。

小・中学校などへの営業という意味では、文部科学省が生徒1人に1台タブレットやPC端末を配置するGIGAスクール構想の影響もあって営業網ができあがっているのですが、保育園に対して営業網をもっている代理店は非常に少ないんです。なので代理店に営業を頼もうと思っても、そもそも保育園向けの営業部隊がなくて立ち上げから協力いただかないといけないんですね。

そんな中、医療や介護分野の営業部隊を持つ企業と、1年かけてやっと代理店契約を結ぶことができました。今後は大手SIerなどが保育園への営業に力を入れてくる可能性があると感じているので、もっと販路を拡大させていきたいと思っています。

加えて、地域に根ざした企業との協力体制も構築しようとしています。保育園などに監視カメラ等を設置しているのは地元業者が多く、そうした地場企業と繋がることで保育園にリーチしていけるのではと考えています。

仕事のやりがいを感じる瞬間は？

やはりお客様から感謝されるときですね。これは転職で業界が変わったから余計に感じるポイントかもしれません。

これまで勤めていたセキュリティソフトメーカーは、いわば「リスク」を売り物にする商売でした。ウイルスや違法コピー、ランサムウェアの被害にあったら損失が出ますよ、だからこのシステムを入れたら安心ですよ、という売り方。これって万が一のための商品ですから、買ったお客様から感謝されることってそんなに多くないんですよ。

でも、今はサービス導入した園の保育士さんから、「業務の負担が減りました」「楽になった分、子ども達にちゃんと向き合えます」って感謝されるんです。それがこの業界、この仕事のいいところだなと思っています。

そのためにも、営業としてこだわりたいのは、納得していただいてから購入いただくことですね。雰囲気に任せて「買っちゃいなよ！」という感じは絶対にしない。私たちにとっても、お客さんにも嬉しい、win-winの関係であるべきだし、そのために営業は正直であるべきだと思っています。

代理店にしても質の低い商品を紹介したら、2度と声をかけてくれませんから、真面目に正直にやっていくことは特に大切にしています。

考え方次第で、日常は幸せだらけになる

仕事もプライベートも充実している大槻さんの、楽しく生きる秘訣を教えてください

幸せってなんだろうと考えたとき、何気ない日常が幸せなんだなぁと思っています。年齢のせいかもしれませんが……(笑)。

子どもたちがこれをできるようになったとか、喧嘩したけど仲直りしたとか、ご飯を食べながら家族で笑えたとか、そういう小さな出来事が全部幸せかなと。

生きていると「これさえあれば幸せになるはずだ」と、幸せを感じる条件を高く設定してしまいがちです。でも幸せの基準を下げると、幸せばっかりなんですよ。

例えば……私はなぜか、車を運転していると赤信号で止まりやすいんですね。だから娘には「もー！いつも赤信号で止まっちゃう！」と言われるんですけど、私は全然気にしていなくて。むしろ「こっちが赤ってことは、そっちの人は青信号でしょ？ 止まってる間に誰かの幸せに貢献してるんだよ」なんて言い返しています。

ものは考え方次第。そう考えて生きるのが、楽しむ秘訣かなと思っています。

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