目次
はじめに
プロフィール
Elastic Infra のはじまり 〜 創業 〜
どのような経緯で創業したのですか?
事業・人ともに "ゼロスタート" だったと思いますが、そこからどのように事業や組織を作っていったのですか?
普段から大切にしている考え方があれば教えて下さい
Elastic Infra の成長 〜 売上と人数の拡大 〜
なぜ営業活動無しで成長していくことができたのでしょうか?
事業の成長過程で苦い思いをしたことはありましたか?
Elastic Infraの一番の強みは何だと思いますか?
Elastic Infra の今 〜 第2創業期 〜
ラクスルから分社化したキッカケはなんですか?
昨今はパブリッククラウドやAIを利用して簡単にサービスを作れてしまう世の中ですが、なぜ Elastic Infra が必要とされるのでしょうか。
最後に
Elastic Infra で絶対にぶらしたくない軸があれば教えて下さい
改めて、経営者として、またいちSREとして今後どのような会社にしていきたいですか?
はじめに
株式会社 Elastic Infra について、弊社社長 渡邉 恭平 のインタビューをお届けいたします。
創業ストーリーや想いなど、当社の雰囲気がよくわかる内容になっていますので是非最後までご覧ください!
プロフィール
株式会社Elastic Infra 代表取締役社長 渡邉 恭平
2008年 4年制大学卒業(文学部)
2008年 〜 2011年 外資系SIer
- 金融・保険業界システムの監視・運用基盤導入及び運用
- USアーキテクチャのローカライズ及び営業支援
2011年 〜 2016年 モバイルサービス企業
- 数百台規模のDBクラスタ構築、運用
- 数千台規模のソーシャルゲーム環境運用
- 遺伝子検査サービス立ち上げ、運用
- 10名規模のマネージメント (as グループリーダー)
2016年 〜 2025年 ラクスル株式会社
- Elastic Infraサービス運営 (as 事業統括部長)
- ラクスルグループ各社のインフラ運用
- ラクスル社内情報システム刷新・運用 (as CIO)
2025年 〜 株式会社Elastic Infra 代表取締役社長
Elastic Infra のはじまり 〜 創業 〜
どのような経緯で創業したのですか?
私がこれまでのキャリアを通して様々な業界の方のお話を聞く、また自分で肌で感じてきた中で、インフラ周りはどの業界でも似通った課題を持っていることが多いと感じています。
ただ、あまりに幅広い担当領域が故に、その課題を網羅的に解決できる経験豊富なSREの絶対数が圧倒的に少ないのが事実です。
ーー 様々な業界やサービスのインフラを専門で見ている我々でも、まだまだわからないことがたくさんありますものね。
そうですよね。また、仮にSREが採用ができたとしても潰しが効くスキルセットである・引く手あまたであるがゆえに長期間定着しにくいというのも特徴です。
ーー 確かに、お客様の中でも「サービスの根幹でもあるインフラ担当の方がいなくなってしまって困った」というお話はよく聞きますね。何故でしょうか?
エンジニアというものが飽きっぽい気質の方が多い(主観です)という前提で、見ているサービスの成長が鈍化したり、ある程度やりきったと感じてしまうと一気にデモチ(デモチベーション)が進んでしまうという理由からです。 自分もマネージャーとしてそうしたエンジニアを何人も見送ってきたという背景があります。
ーー 人材の流動性が激しいこの業界の特徴でもありますね。
はい。事業会社が抱えるこういった問題へのアプローチの1つとして、「インフラエンジニアのシェアリングエコノミー」の理念に基づき、当事業の構想を練りました。
そして「我々の培ってきた経験とノウハウを世の中に役立てたい」、また「一緒に働く仲間が転職を考えなくて良い環境を作り、長く一緒に働いてもらいたい」という強い思いから創業となりました。
事業・人ともに "ゼロスタート" だったと思いますが、そこからどのように事業や組織を作っていったのですか?
ーー 立ち上げはやはり大変でしたか?
そうですね。まず、しばらくマネジメントに寄っていたので現場から離れがちだったこともあり、自分自身がエンジニアとして現場で一線級の活躍ができるようにスキルを磨き直す必要がありました。それと同時に、まだ成熟していないクラウドサービスなどの最新技術を取り入れていかなければならないという点が苦労しました。
当時はAWSもほとんど触った経験もなかったので、ラクスルの業務をしつつそのキャッチアップするというのに非常に時間をかけた記憶があります。 採用については幸い立ち上げ時点でついてきてくれたメンバーがいたので、その点は苦労しませんでした。
ーー 最初から信頼できるメンバーがついてきてくれたのは良かったですね。
はい、それはとても助かりました。そして案件については事業立ち上げ時点から数社ご相談はいただいていたのですが、果たしてこれ以降メンバーを増やして事業を安定させるだけのお客様からの引き合いが続くのかというのは一番の不安でしたね。
ーー 冒頭に「エンジニアはなかなか定着しづらい」というお話もありましたが、今後の事業の見通しも完全には立てづらい中、メンバーをどのように定着させたのですか?
とにかく最初はメンバーが現場に集中できる環境を整えること、を最重視していました。 社内調整や顧客折衝・商談などは一手に引き受けて対処していました。 現在は優秀なメンバー各自が自立して動いてくれるので、私一人でということはなくなり助かっています。
ーー その後に続く「優秀な人」を採用するのもかなり大変そうですね
事業が安定するまでは見ている方向が同じであることが最重要と考え、この人と一緒に働きたい、この人なら確実に結果を出してくれる、という人をリファラル一本釣りで採用し続けました。
ーー たしかにリファラルだとバックグラウンドを知っている分、価値観をすり合わせやすいですよね。
そうですね。早々に結果を出してくれるであろう人材を確保し、そして、ラクスル社の事業安定化・運用整備を行わないことにはインフラ事業どころではなかったので(笑)まずはそこにフルコミットしました。
ーー なるほど。まずそこを安定化させた上で、ようやくインフラエンジニアの「シェアリングエコノミー」が実現できるのですね。
まさにそうです。そしてその後は、当時では考えられない規模のお客様にご発注をいただけたところが最初の大きな転換点でした。 これによって財務が一気に安定し、さらに新しいメンバーを複数名迎え入れることができ、好循環につながっていきました。
普段から大切にしている考え方があれば教えて下さい
自分自身も楽しく働く! です。
ーー たしかに、「仕事 = 辛いもの」にしたくないという気持ちは渡邉さんからすごく伝わってきます(笑)
お客様の事業への貢献とメンバーの成長や充実感が優先ではありますが、経営者も楽しめていなければ健全な経営はできないと思っています。
Elastic Infra の成長 〜 売上と人数の拡大 〜
なぜ営業活動無しで成長していくことができたのでしょうか?
まず人脈づくりが功を奏したのかなと思っています。 人と話すのが好きですし、社内に顔見知りの頼れる人が何人居ても困ることはないので、前職時代から直接的に関係のない部門であっても、できるだけ多くの社員と接点を持つことを心がけてきました。
特に人材の流動性の高い業界なので、一緒に働いていた方々がその後転職されていった先でちょっとインフラ困ったな・・・というときに、まず私の顔を頭に浮かべていただけるかどうか。 これに尽きると思います。
ーー 業界内で「インフラといえば、あの人に聞いてみよう」と信頼していただいているのはありがたいことですね
あとはご紹介や、既存のお客様からの追加案件をいただくことが多いのですが、これは弊社のサービスをお客様に評価いただけている証左かと思います。
事業の成長過程で苦い思いをしたことはありましたか?
その瞬間はキツイと思っていたのだと思いますが、喉元過ぎれば熱さを忘れるという性格なので正直あまり覚えていないです・・・。 (笑)
初めて黒字化したときや、新卒メンバーが内定を受諾してくれたときなど、嬉しかったことはよく覚えていますね。
Elastic Infraの一番の強みは何だと思いますか?
メンバーのプロフェッショナル意識・当事者意識が高いことが一番の強みかと思います。
ーー みなさん本当に当事者意識が強いですよね。
そう思います。具体的には、言われたことだけ、頼まれたことだけをやるのではなく、お客様のサービスはもちろん、自社にとって何をすればプラスになるのか?を各自が自発的に考え、取り組める姿勢を持っていることだと感じています。
Elastic Infra の今 〜 第2創業期 〜
ラクスルから分社化したキッカケはなんですか?
ラクスルにジョインする前から自分の事業アイデアをあたためており、それをつながりのあった当時のラクスルの経営陣に相談したのが始まりでした。
当時のラクスルは上場前の急成長フェーズにおり、専任のインフラエンジニアもいないことから誘いを受け、ラクスル安定化の暁にはその実績をもって事業をスタートするのはどうかという提案をもらったというところから計画がスタートしました。
ーー ある程度盤石な体制で事業をスタートすることができたのですね。
はい。そして安定化の後、ラクスルのプライム市場への上場まで見届け、また事業もある程度安定して収益をあげられるようになったタイミングで事業会社として分社したという経緯になります。
昨今はパブリッククラウドやAIを利用して簡単にサービスを作れてしまう世の中ですが、なぜ Elastic Infra が必要とされるのでしょうか。
現状本当にいろいろなサービスやツールが揃ってきており、事業開始時の0→1のフェーズなど、CTOや開発エンジニアの片手間でもサービス立ち上げ時に困るということはないのですが、1→10のフェーズを過ぎてくるとアクセスの増加や大企業との取引など「インフラ」に目を向けなければいけないときが訪れます。
サービスの基幹、根幹であるからこそその場しのぎの対応では会社の存続自体が危ぶまれるという状況になりえるため、ラクスルという会社をチームとしてベンチャー時代からプライム市場への上場まで支えたという実績を評価いただいてお声がけをいただけるものと考えています。
ーー 時代やフェーズを捉えながらハイコンテクストな複雑な問題に対処してきた実績があるのですね
かと言って過去の栄光だけでビジネスを続けていくことはできません。 AIの進化にあるように、世の中の技術は日々進歩していくため、お客様にその時最適なソリューションをご提案するためには自分たち自身のレベルアップは働き続ける限り永遠につきまとうテーマです。
時代に取り残されることのないよう、最新技術は常に自社運用の効率化に適用できないかを検討・検証しつつ、得られたナレッジはお客様へご提案させていただくというEIは常に進化しているという姿勢をお見せし続けることを意識しています。
ーー パブリッククラウドやAIは、逆に我々が使い倒すことで「インフラ総合サービス」としてさらなる品質の向上を目指していくということですね。
そのとおりですね!星野さんもよろしくお願いします(笑)
最後に
Elastic Infra で絶対にぶらしたくない軸があれば教えて下さい
お客様の成功への貢献はもちろんですが、上にも書いた通りやはり自分たち自身が楽しんで仕事ができることを重要視しています。 気持ちに余裕がないとイノベーションは生まれませんし、良い仕事はできないと思っています。
改めて、経営者として、またいちSREとして今後どのような会社にしていきたいですか?
経営者である以上、ビジネスを継続して成長させ続けたいという思いはありますが、急拡大は得てして組織にヒビをいれていってしまうものです。 ときには足踏みする覚悟を持った上で、地に足をつけて堅固な組織を維持し続けていきたいと考えています。
そして自分自身もエンジニアであるという気持ちは捨てるつもりもないので、メンバーにおいていかれるようなことのないよう、できるだけ手を動かし、日々研鑽を重ねていきたいと思っています。