エイトビット株式会社 グループ代表 茂手木 雅樹 - ベンチャー通信Online
業界未踏の領域に挑む開拓者たち 急成長企業 エイトビットの魅力に迫る ...
https://v-tsushin.jp/interview/vt93_eightbit/
こんにちは!エイトビットの大沼です☺️
今回は、エイトビット創業者である茂手木さんの紹介をさせていただきます。
震えるほど読み応えがある貴重な記事になっておりますので、どうぞ最後までご覧ください!
崩れた頂点から、もう一度『人』を信じるために
かつて、連結売上7,000億円、従業員2万人を抱える巨大グループを率いていた男がいた。
東証プライム上場を目前に控え、世界を飛び回る日々。
成功、名声、責任、重圧…そのすべてを手にしながら、ある日、彼の世界は音を立てて崩れ落ちた。
子会社の不正発覚。
信じてきた仲間と仕組みが、一瞬で揺らいだ。
その瞬間、彼は決意する。
「もう一度、『人を大切にする経営』でやり直そう」と。
それが、エイトビット株式会社の始まりだった。
そして今もなお、彼はあの日交わした『約束』を胸に、
再び『1兆円』を目指して歩き続けている。
2004年、25歳で最初の会社を起業。
IT人材領域のアウトソーシング分野で“未経験採用モデル”を業界に先駆けて構築し、地方展開・外国人材登用・M&Aなどを次々と実行。
創業からわずか6年で東証プライム企業に株式を売却し、経営陣としてグループを牽引。
連結売上7,000億円を超える組織拡大を果たした。
その後、そのポジションを降り、エイトビット株式会社を設立。
「もう一度、人を大切にする経営で、1兆円企業をつくる」
再起の物語は、ここから始まった。
茂手木:
2004年、25歳で会社を立ち上げました。
IT人材のアウトソーシング領域で、誰もやっていなかった「未経験人材の採用モデル」を構築して、現場に送り出す仕組みを作ったんです。
結果的に、それが業界の当たり前になっていきました。
そこからは、外国人材の登用、全国展開、M&Aと、まさに“成長街道まっしぐら”。
2022年には技術系部門だけでも国内売上高が1,500億円を超え、従業員は2万人。大学卒の採用数では日本一になりました。
世界中を飛び回り、時には1週間で3カ国を行き来するような日々。
空の上から事業を見下ろしているような──まさに「頂点の感覚」でしたね。
茂手木:
ある日、東証の上場審査の面談を終えた直後のことでした。
「これからはプライム企業の社長として頑張ってください」と言われた、その数時間後。
管理部門の責任者が真っ青な顔で駆け込んできたんです。
「子会社で不正会計が発覚しました」と。
その瞬間、すべてが音を立てて崩れていきました。
自分が築いたものが、目の前で壊れていく。あの感覚は、今でも忘れられません。
茂手木:
今振り返れば、あったのかもしれません。
いつしか“数字を追う”側から、“数字に追われる”立場になっていた。
株主の期待、上場準備、達成すべき目標──その重圧が、じわじわと現場に「結果ありき」の空気を作っていました。
誰もが正しくあろうとしていた。
でも、「正しさより帳尻を合わせる」瞬間が生まれてしまう。
その小さな綻びが、組織の芯を静かに蝕んでいたのだと思います。
茂手木:
当然、すべての責任はトップにあります。
ただ、2万人を超える組織を根本から変えるには、自分の哲学を手放す覚悟が必要だった。
でも、私は前を向くタイプなんです。後ろを振り返って“修復”するより、ゼロからもう一度創る方が合っていると思った。
だから、自らそのポジションを降りました。
茂手木:
あのとき掲げた「1兆円」という目標。
結局、そこには届きませんでした。
でも、それは単なる野心じゃない。
自分を信じてついてきてくれた仲間たちへの“約束”なんですよ。
ニューヨークのバーで、創業者とウィスキーを飲みながら語り合った夜のことを今でも覚えています。
「俺たちで1兆円を目指そう」──その言葉が、今も胸の中で静かに燃え続けています。
人材業界では、リクルートやパーソルが1兆円を超えましたが、
かつてはクリスタルグループやグッドウィルなど、1兆円目前で崩壊した企業も多い。
私は、その創業者から多くを学びました。
そして今、その“志”を引き継ぎ、もう一度人を信じる組織を創りたいと思っています。
茂手木:
はい。外部生として最終審査に合格しました。
当時、応募は数千名にのぼり、合格率はわずか1%以下とも言われていました。
その中から選ばれたことは、経営者としての人生の中でも特別な出来事でした。
孫さんの講義で最も印象に残っているのが、いわゆる「ミカン箱の演説」の話です。
創業したばかりのソフトバンクは、まだ何をやるのかさえ決まっていなかった。
木造のトタン屋根の事務所で、社員はたった2人。
そんな状況の中で、孫さんはミカン箱をひっくり返してその上に立ち、こう宣言したそうです。
「売上高、5年で100億、10年で500億。
そしていずれ、売上を“豆腐のように1丁、2丁(兆)と数える”会社にする。」
当時、まだ24歳。
それでも孫さんは、毎日のようにその演説を繰り返した。
社員やアルバイトは次々と辞めていったそうですが、彼だけは“兆の未来”を本気で信じ続けていた。
この話を聞いたとき、心が震えました。
理念や数字の目標ではなく、「想いの熱量」が人を動かすのだと。
そして、その“1兆円を志す覚悟”こそが、組織の魂になるのだと。
会社の理念は読まれなくても、ストーリーは人の心に残る。
ソフトバンクの組織文化を支えているのは、まさにその“魂の継承”だと思います。
だからこそ、自分も“兆を目指す”という志を受け継ぎたい。
ビジョンは数字ではなく熱量で伝わる──
孫さんが教えてくれたその言葉の意味を、今、エイトビットの経営で体現していきたいと思っています。
茂手木:
ずっと億単位でビジネスをしてきました。
だからこそ、“兆”という桁に挑む意味がある。
日本で本気で1兆円を目指す企業なんて、ほんの一握りしかないですから。
実は、前職の時代に日本オラクルの元社長・杉原さんを社外役員としてお迎えしていました。
ある日、会議のあとに彼からこう言われたんです。
「茂手木くん、“1兆円クラブ”を目指しなさい。
日本にはまだ150社ほどしか入っていない。
だが、そこに挑む覚悟を持つ経営者は、もっと少ないんだ。」
その言葉が、今でも心に深く残っています。
“兆”という桁は、ただの規模の話ではない。
そこには「社会を動かす力」と「人を幸せにする責任」が伴う。
だから私は、あの言葉を胸に刻みながら歩いています。
「再起のその先へ。今度こそ“人を大切にする組織”で、1兆円の壁を超えてみせる」
その想いに、迷いはありません。
茂手木:
まったく違いますね。
今のエイトビットには“カリスマ的なトップ”はいません。
私は、リーダーというより“伴走者”。
経験がある分、見えることは多いけれど、最後に決めるのは現場の仲間たちです。
みんなで考え、みんなで悩み、みんなで育てる。
それが今のエイトビットの文化です。
茂手木:
挑戦することを恐れないでほしい。
崩壊を経験した自分だからこそ言えるのは、
「壊れても、もう一度創り直せる」ということ。
“再起”は終わりじゃない。
むしろ、そこからが本当の始まりなんです。
そして、この会社を“みんなが誇れる場所”にしていきたい。
関わる一人ひとりが胸を張って、「自分たちの会社だ」と言えるような組織にする。
そのために、私はもう一度ゼロから挑み続けます。
「崩壊」から生まれた『信頼の経営』を、次の世代へ。
取材を終えて感じたのは、「1兆円」という言葉の重みが、単なる数字ではないということでした。
茂手木が語る“兆の志”には、かつての成功でもなく、敗北でもなく、人への信頼を取り戻すための決意が宿っています。
「壊れても、もう一度創り直せる」
この言葉を聞いたとき、私は組織も人生も、完成形ではなく“更新していくもの”だと気づきました。
エイトビットが目指すのは、結果よりも過程を大切にできる会社。
一人ひとりが、自分の人生を誇れるような環境をつくること。
その中心に、再起を選んだ経営者の覚悟がある。
この物語は、まだ途中です。
次に語るのは、きっと、あなたかもしれません。
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