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ライブドア、LINE、ミクシィ傘下を経て探し続けた「組織のあるべき姿」

ライブドア、LINE、ミクシィと母体を変えながら成長を続けてきたDiverse。2018年7月、婚活支援事業で国内No.1である株式会社IBJグループへ。「すべての人へ出会いのプラットフォームを作る」をミッションに掲げるDiverseにとって、大きな転換点となった。今回はDiverseの成り立ちを紐解き、魅力ある会社作りに邁進する津元社長に「あるべき組織の姿」を聞いた。

スタートはライブドア時代。苦労の連続から見つけたマッチングの「価値」

ーーそもそもDiverseはどのようにスタートしたのでしょうか?

当時、消えてしまうことがわかっていた部署から人材を確保し、マッチングサービスを提供したのがDiverseの始まりです。

当時はまだ「ネットで男女が出会うサービス=出会い系」と捉えられていた時代で、事業内容的に誰もやりたがらない、怪しい、というイメージがついて回りましたね。

ーーそれでもこの事業をやろう、そう思ったきっかけは何ですか?

純粋に、恋愛って面白いものじゃないですか。お酒の席や女子会なんかでも、半分は仕事の話、もう半分は恋愛の話じゃないですか?

言ってしまえば恋愛や結婚は、人にとって興味が尽きない分野だと思うんですね。苦労や問題があっても、その先にはめちゃくちゃ幸せが待っている。その幸せのお手伝いに携わっている、このことって意義があるな、と。

もちろんそれだけではありません。基本的にはマッチング事業はサブスクリプション事業ですのでサービスの規模が大きくなれば利益が出やすい、という経営的な側面もあります。私自身もう10年近くこの業界に携わっていますが熱意は変わっていません。

規模が大きくなるにつれて聞こえてきた不協和音

ーーその後ミクシィグループの傘下に。どんな変化があったのでしょう。

2014年からミクシィグループにジョインしましたが、特徴的だったのが、スタッフがグループ内で基本的に自由に異動できる制度があったことです。新卒を中心にとても優秀なスタッフの方に多く入っていただきました。事業も多角化し、人材が増えたのもこの時期です。

しかし、私はあるジレンマを抱えるようになりました。人数は増えているのに、統一感が取れていないこと。それに関連して業務のスピードが全然上がって行かない。結果として売り上げも思うように上がらない。負のスパイラルです(苦笑)。

ーーチームとしての方向性が見えなくなってしまった?

というよりも、もっと前の問題ですね。

もともとライブドア、LINE、ミクシィ時代では「一事業部」としてメンバーが集まっていました。すなわち、Diverseとして集まったメンバーではなく、親会社のビジョンやミッションに共感して集まっていた方達なんです。

もっと言ってしまえばビジョンやミッションをわざわざDiverseが決めなくても、「もとからあった」という状態でした。

加えて、方針などを決める経営陣が全員、親会社籍だったので「Diverseのミッションやバリューを決めなくても、普段の業務にはそれほど支障は出ない」であろう、と。組織としての正しいあり方を模索するでもなく、放置状態に。

それに加え、様々な会社の様々な社風が合わさり、まとまりがなく、ただ自由さだけが残ってしまいました。「Diverseとしての組織マネジメントをサボっていた」と言われても仕方ないと思います。

「これではいけないな」という想いが日増しに強くなっていったのを覚えています。

企業が強くなるための土台造りに力を注ぐ

ーーその後、IBJグループにジョインすることに。大きく変わった点はなんでしょうか?

一番大きな点は、社員全員がDivese籍であること。そして、もう一つ大きく変わったのは人事・労務制度などの各種制度がDiverse独自でマネジメントするようになったことです。この点は過去の反省を活かした点でもあります。

今考えれば至極当然なことですが、組織マネジメントは一つのビジョンそしてミッションやバリューに紐づくべきです。そのため、Diverseが子会社になると決まった時「当社独自の経営理念を設定したい」とIBJの石坂社長にも伝えました。

これはIBJグループの傘下になる際の条件でもあり、最もこだわった部分でもあります。ミッションをシンプルに、行動指針を3つに絞り、社員たちに浸透しやすいものに。細やかな工夫もこらしました。

何より、私の提案をすんなりと受け入れてくれたIBJの石坂社長にはとても感謝しています。

ーー過去の会社とIBJ傘下による端的な違いはどこにあると感じていますか?

現在でも過去の会社の時代から働いているメンバーが多くいて、Diverseの素地をつくってくれたことにはとても感謝しています。

そのうえでひとつ挙げるとすると、「事業のスピード感」でしょうか。IBJは2006年から婚活支援事業を手がけている会社。私たちと親和性も高く、「日本の少子化問題を解決したい」「ひとりでも多くのマッチングを生み出したい」という想いも強い。そのため、経営方針のズレも少なく、事業の展開スピードが爆発的に速くなったんです。

これはDiverseにとって大きなプラスとなりました。

成長志向で、ユーザーに高い価値を提供することがマインドセット

ーーこれほどまでに、ミッション・バリュー、そしてカルチャー設定にこだわる理由はなんでしょうか?

きっかけとしては、まだ100名程度の組織なのに、「大企業化」してきているなぁ、と感じたことですね。具体的には、大きなチャレンジがない、意見は出るがジャッジしない、ユーザーファーストでない…等々。

それぞれが持つパフォーマンスを最大限に発揮できていない。その環境を変えるためにも、ミッション・バリューを再度きちんと設定することが必要だな、と気づいたんです。

ーーこれまでなぜミッション・バリューが浸透してこなかったと思いますか?

理由は明確で、我々経営陣がミッションやバリューをきちんとした形で、社員に伝えられていなかったから。これに尽きます。

ミッションやバリューの具体的な定義や基準をしっかり伝えられていなかったため、「会社が何を目指しているか?」という本質的な理解につながらなかったんですね。

その結果様々な意見や誤解も生まれてしまいました。一体誰を見て仕事をしたら良いのかが曖昧になり、チャレンジしないことにつながっていったのだと思います。

ーーミッションやバリューが持つ意義って大きいのですね。

はい、本当にそう思います。ミッションやバリューは設定したら終わり、ではなくてその先、浸透させていくことが100倍くらい大事なので…!

これまでの反省をフルに活かしながら、新しいことにチャレンジしていきたいですね。


ーー次回「競争の激しいマッチング業界で、新しいカルチャーを生み出す“非合理”な発想」に続きます。

今回は、Diverseのこれまでのあゆみに加え、良い点課題点も含めて赤裸々にお伝えしてきました。次回もどうぞご期待ください!

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